夏に抱かれて 最終章
小さなアパートの自室の窓を開け放すと、風が初夏の香りを運んできた。出窓から顔を出すようにして空を見上げる。空は、秋のそれによく似ていて、雲が高いところにあった。私は思いきり澄んだ空気を吸い込み、それから目を閉じて静かに息を吐く。遠くで犬が鳴いているのが聴こえ、目を開くとひこうき雲がゆらゆらと空に浮いていた。先日、田辺さんから私が住むところへ手紙が届いた。今となっては珍しい手紙。Webmailでもなく、LIN...
2022/11/17 11:26
2022年11月 (1件〜100件)
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