今梅の木に青梅がたわわに実り、色づき始めている。そろそろ梅雨に入るので、梅の実を収穫しないといけないかな。牛の顔大いなるとき実梅落つ 石田波郷実梅落つひなたの土のぬくもりで 種田果歩梅の実の太って明日は目の検査 つじあきここれは梅の実だ。まるでブド
一番夜が長いのは冬至だが、夏の短い夜からしたら、秋は夜が長くなったと感じられる。近頃は日が早く落ちるせいか、夜が涼しくなってきた。長き夜や一つの膳に一ト銚子 久保田万太郎忽ちに返信メール夜長妻 畑田保寿美あちこちとネット遊びの夜長かな 桐村日奈子守
この間の夕方、空を見ると、雲が赤く染まっていた。西の方の雲でなく、真ん中あたりの雲だ。ちょっと何かをしてみると、もう白くなっていた。西の空ではなかったからかな。渤海の秋夕焼やすぐをはる 加藤楸邨ゲルニカの女哭いてる秋夕焼け 波戸辺のばら意地っぱり二人
田んぼの横の小川(?)の水が澄んでいるように見える。確かに魚や川底がくっきり。秋になると透明度が上がるのだろうか。澄む水に福知山線走りけり 岩崎照子水澄むや嬰(やや)のそびらに羽生れて はしもと風里水澄むや祇園白川忍町 火箱ひろスイレンの葉が茂ってい
五穀豊穣の年。今年はどうなんだろう。線状降水帯のため、例年にない大雨で大変な地域もあるのでは。それより、高温障害がでているかも。無事に稲刈りが終わることを願う。豊年や汽車の火の粉の美しき 沢村欣一少年に千年の森実りけり おーたえつこ豊年や売約済みの札
お彼岸の頃になると出てくる曼珠沙華。いつ枯れていつから伸びてくるのだろう。不思議な花だ。眼帯の内なる眼にも曼珠沙華 西東三鬼重ねつく寂しき嘘や曼珠沙華 松井季湖曼珠沙華はさみうちして日が暮れて 辻 水音2,3日前より曼珠沙華が咲いてきた。まわりの草
コオロギを見なくなって久しいな。以前は草むらを歩いたり、覗いたりするとコオロギを見たような気がする。コオロギも種類が多いみたいだ。歳時記に「リーリーリーと切れ目なく鳴くのがつづれさせ。コロコロと鳴くのが閻魔蟋蟀。キチキチは三角(みつかど)蟋蟀。」と書いてあ
秋の蝶は、春や夏に比べて力なく弱々しく飛ぶらしい。気候のせいもあるのかな。それとも人間が自分の気持ちを投影しているのか。近頃の蝶は飛び方がせわしないように思う。ふらふら飛んで落ち着きがない。なので写真に撮りにくい。秋蝶に浅間のうしろすがたかな 長谷川照
栗は秋の味覚だ。栗大福にモンブラン、マロングラッセなど大好きなお菓子が街にあふれている。知らぬ子とあうてはなれて栗拾ふ 藤後左右デパ地下の栗弁当で旅気分 いわもとふみえ匙長き万葉粥に栗と芋 笹村ルルおやあれは。栗の木だ。生ってる生ってる。もうすぐパ
本当はお盆の墓参のこと。春秋の彼岸にも墓参はするけど。こんなに暑いけどもう彼岸。暑さ寒さも彼岸までというが。今年は彼岸まで猛暑だった。墓詣すませて急ぐところあり 波多野爽波学校でもらい水して墓参り 波戸辺のばら生き生きと込み合ってくる展墓みち 近藤
秋の代表的な季語「月」今年は中秋の名月に月がくっきりと見えた。月の道シルクロードへつづくなり 加藤三七子月の夜の兄弟喧嘩仲裁す 種田果歩その中に少年もゐて月の客 つじ花梨これは今月16日の月。中秋の名月の17日の月これは18日の月。この日の何時だっ
あの瑠璃色の花を見ると、きれいだなと声がでる。あの色はどうすれば出るのだろうか。露草を絞って染料にしても駄目だろうな。露草や父に老後の庭十坪 高橋悦男露草や小道坂道老いの道 山田久美子月草を手繰れば水の匂いかな おーたえつこそう露草はこんな感じ。小
近頃の蜜柑は色づくのが早い。昔は10月の運動会でも、やっと青蜜柑が出てきた感じだった。青蜜柑は皮も袋も硬かった。今は皮は袋も柔らかい。何故なんだろう。伊吹より風吹いてくる青蜜柑 飯田龍太励ましのメール届くや青蜜柑 たかはしすなお行く末は風にまかせる青
秋の寂しさに誘われる物思い。漢語で、中国唐代の杜甫の「秋思雲髻を抛ち、腰肢宝衣に勝る」から出ている。歳時記にはこう書いてある。漢詩がしっかり読めないのが悲しい。少年の秋思に雲はかかわらず 田阪笑子パスタ茹で上がり秋思と湯を捨てる 林田麻裕打ち寄せる秋
今日が中秋の名月だ。名月だが、満月ではないらしい。天文学的な満月は地球から見て太陽と反対方向になった瞬間の月のことを指す。なので2024年9月の満月は18日午前11時34分となるらしい。今夜は綺麗な月が見れるかな。お月見やたれも遊ばぬ遊園地 澁谷 道厨には男を立た
旧暦8月14日の夜。名月を明日に控えて宵の意。小望月ともいうが、これは望月に少し満たない意から。明日が中秋の名月なので、たぶん今日が待宵。待宵の姿見のある廊下かな 山本洋子待宵の空の恋しき羽根枕 火箱ひろ氾濫の水まだ澄まず小望月 中川久仁子お月様でなく
秋になって大気が澄み切ること。大陸から乾燥した冷たく新鮮な空気が流れ込むため、ものみな美しく見え、鳥の声、物音もよく響くように感じられる。歳時記ではこう書いてあるが、今年の秋はこんな感じではない。いつになったら、「秋澄む」になるのやら。シャガールの金の雄
草冠に秋と書く萩の漢字は日本で生まれた。ということは、萩は日本の植物なのだろう。秋の七草にも入っている。萩は咲きだしたが、秋とは思えない暑さ。白萩のつめたく夕日こぼしけり 上村占魚借景の叡山揺れて萩揺れて つじかりん萩咲いて埴輪の猫が笑ってる 火箱
十月頃になると蛇は穴に入るらしい。まだ早いか。この暑さだったら、穴に入ろうと思わないよね。穴まどひ伊勢神宮の裏が好き 大木あまり相続の山にあまたの穴まどひ 種田果歩蛇穴に入るほとぼり覚めるまで 辻 水音わかりますか木の葉の中の蜥蜴。尻尾が瑠璃色でき
いつも同じことを思う。朝顔は夏の季語だろうと。まして西瓜なんて、夏以外考えられない。でもどちらも秋の季語。まぁ確かに朝顔は今,乱れ咲いている。傘干しに出て朝顔の種子も採る 岡本 眸天上の青の朝顔風になり つじかりん朝顔の七つ開いて誕生日 秋岡美津子な
もう九月に入って10日もたった。それなのにこの異常な暑さ。天気予報でも残暑と言えない暑さと言っている。いつまで続くのだろう。大書院九月の山が目の高さ 坪内稔典短編の恋物語とじ九月 浅井洋子能舞台激しく鳴らし九月来る 波戸辺のばらこの時期になると生の
玉蜀黍の美味しい季節。玉蜀黍はとうもろこしって読みます。なんで、そう読めるのだろう。謎だね。つやつやと唐もろこしの歯並びよ 西村和子コーンスープ三日で届く宙の駅 つじあきことうもろこし剥けばゴッホの黄色かな おーたえつこまるまる太ったとうもろこしが
昨日オクラの花を撮りに行ったら見つけてしまった、虫。たぶん毛虫。オクラの葉を食べるつもりだ。となりのローゼルの葉にいなかった。虫にとって毒なのかな。芋虫のさびしくなればまろくなる 宇咲冬男大安吉日柚子坊の転び出て 加藤いろは柚子坊に居心地悪いベンチか
暑いは暑いが、一時のことを思うと少し違う。立秋を過ぎても秋の季語なんてかけないと思っていたが、今は普通に書けている。やはり秋なんだろう。でも昨日は、本当に暑かった。コロナの後遺症もあるのか外へ出る気がしなかった。紙切つて鋏おとろふ秋暑かな 片山由美子彫
もうそろそろ秋らしくなって欲しいけど。今年が特別なのか、来年もこんな感じなのか。来年は普通な夏・秋になって欲しい。沈黙にジャズすべり込む秋の宵 木暮陶句郎秋の宵大阪ミナミわちゃわちゃと 釆野久美子秋の夜の互ひに訛る電話口 辻 水音この間来てくれた守
かぼちゃは秋の季語だ。そらそうだよね、ハロウィーンは秋だ。でも何となくかぼちゃって夏に出来るような。背もたれの深きゆり椅子南瓜パイ 平井さち子パンプキンスープ啜りて引き籠る 辻 響子コリンキー煮ても焼いても食えるヤツ 髙貴美子コリンキーってかぼちゃ
虫の傍題は限りなく多い。そして蟋蟀、螽斯、鉦叩きなどそれぞれの虫の名前も季語になっている。私は蟋蟀や飛蝗ならわかるが、ほかの虫はあやふやだ。虫時雨猫をつかめばあたたかき 岸本尚毅夫留守のお部屋の広さ虫の夜 はしもと風里足下に億千万の虫すだく 辻 響
折角秋の季語が続いたのに、また逆戻り。すみません。でも今日は夏に戻ったような気温だった。以前に撮っていた写真をみて「夏の風」にしようと思った。はつ夏の風カピパラに子が五つ ふけとしこ採血の針の太さや夏の風 桐村日奈子夏の風太平洋を連れてくる おーた
台風が過ぎ去って、一気にとはいかないが、それでもそろそろ秋の俳句でも良いのではと思うようになってきた。そらいろに塗り直す船鳶の秋 永瀬十悟パワーシャベル都会の秋の隙間掘る たかはしすなお初恋も不倫も天こ盛りの秋 鈴木みのりこれは何だろう。よくよくみ
今年は美味しい桃にありつけない。硬い桃だったり、やわらかくても味がなかったり。美味しい桃を食べたいのだが。風呂敷がゆるみて桃の匂ひせり 清水径子桃すする種も仕掛けもないわたし 波戸辺のばら桃供ふきみのアルカイックスマイルに はしもと風里パステル画の
木槿と芙蓉の花って似ているような気がする。芙蓉の方が花は大きいが。我家にも底紅と言う木槿があった。それがいつの間にかなくなっていた。わりと背の高い樹だったのだが。躾糸きらりと抜きて花木槿 伊藤敬子木槿ほと落ちる夕暮れほと揺れる 火箱ひろ白木槿咲いても
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今梅の木に青梅がたわわに実り、色づき始めている。そろそろ梅雨に入るので、梅の実を収穫しないといけないかな。牛の顔大いなるとき実梅落つ 石田波郷実梅落つひなたの土のぬくもりで 種田果歩梅の実の太って明日は目の検査 つじあきここれは梅の実だ。まるでブド
泰山木って、私のイメージでは仏教と結びついているような気がするのだが。アメリカ原産なので、そんなことはないはず。沙羅双樹と間違えているかな。蕾立つ泰山木は男の木 森 澄雄ポップコーンはじけ泰山木の花 種田果歩一点の疵なし泰山木の花 松井季湖5月末の
夏草が生い茂る野原だよね。小学生の頃は、原っぱがあったな。広い原っぱでは、野球やサッカーを男子がしていた。無断で入っても誰もお咎めなしだった。ブーメラン発止と受くる夏野かな 相良牧人DNAの戦ふ螺旋大夏草 火箱ひろ裏門より夏草はじまるエスケープ 中井保
今年は夏になるのが足踏みしているみたいだが、樹々は枝をのばし青葉若葉を茂らせている。力強くていいな。影といふ美しきもの夏木立 片山由美子夏の樹を抱きしめていま擬態中 太田沙良夏木立背すじと思考真っすぐに 武智由紀子ここのケヤキも大きくなっている。香
最近日の出の時間は早く、日の入りが遅い。つまり夜が短いということだ。そしてついつい夕飯が遅くなり、寝るのも遅くなる。明易や軍艦はまだ錆のまま 宇多喜代子傘立ての底に鍵置き明易し 松井季湖返信の未だ届かず明易し 畑田保寿美この花は何だろう。今は花びら
夏になって少し汗ばむくらい心地いい暑さのこと。そんな暑さって、本当に気持ち良いと思うが、最近は。猛暑のように暑かったり、次の日は寒かったりと変化が激しい。昨日も今日も少し肌寒い。それくらいの方が気持ち良いが。湯上りの心は白紙夕薄暑 上野 泰カタバミが猫
四十雀よりやや小さいシジュウカラ科の鳥。見た事あると思うけど、定かではない。日雀鳴く或る日さみしさ火のやうに 神尾久美子日雀鳴くご挨拶だけして行こう 火箱ひろ日雀鳴く家元流派裏表 辻 水音鳥は撮影出来ないので、ハクチョウソウで。今年はいつもよりあま
初夏になると卵が大量に産み付けられた卵嚢からまさに「蜘蛛の子を散らす」ように子蜘蛛が飛び出してくる。蜘蛛が生まれてくるところを見たことはない。カマキリが生まれてくるのは、友達の画像で見たが。蜘蛛の囲にかかるものなき真昼かな 片山由美子女郎蜘蛛お城にバス
もう五月も終わろうとしている。寒かったような、暑かったような不安定な五月だった。爽やかな五月は夢のまた夢かな。ちなみに爽やかは秋の季語だ。少女二人五月の濡れし森に入る 西東三鬼亡き姉は五歳五月の野に遊べ 火箱ひろ聖五月シャカシャカシャカと泡立てる
暑い日があったり、寒い日があったりと気温が安定しない。そのせいか体調が良くない。そして油断してたら、腕や手の甲が日焼。もう今更どうしようもない。そして秋の終わりは酷い状態になっている。シャボン流す間も喋りづめ日焼の子 大串 章日焼けした腕を歩くは何の虫
子どもの頃から知っているドクダミ。近くに生えてなくても、この季節になるとどこかで見かけた。匂いが強くて、おトイレの近くに生えている印象が。どくだみの十字に目覚め誕生日 西東三鬼どくだみの白い匂いや夕間暮れ おーたえつこどこからかハミング十薬残す庭
近頃カタツムリをとんと見なくなった。以前は雨の後に濡れた葉っぱに居たりしたのだが。ねむたくて殻を曇らす蝸牛 鷹羽狩行放課後の中庭広しかたつむり 種田果歩かたつむり夢のつづきの飛行船 火箱ひろもうすぐ咲くだろう紫陽花とかたつむり。そして今年の干支の巳
初夏の頃の樹々の若葉は気持ちいい。庭の柿の若葉が五月の光に輝いている。若葉の緑がさらに濃くなると「青葉」になる。青葉も夏の季語だ。ざぶざぶと白壁洗ふ若葉かな 小林一茶若葉風ヒト用檻に五人の子 波戸辺のばら男湯の今日は女湯窓若葉 畑田保寿美とりどりの
夜干しは死者の着物を洗って干すための方法だった。そして赤ん坊の着物も夜干しにすると夜泣きすると嫌われていた。なんやかんやで忌まわれていたが、現在はそんなことない。夜濯のしぼりし水の美しく 中村汀女夜濯の父の病衣に父のにほひ 松井季湖夜濯ぎの東京暮らし
初夏の頃の樹々。葉を中心に言えば新緑、木立を中心にすれば新樹になる。なるほどね。円く濃き新樹の影にバスを待つ 篠原 梵新樹光産みおとすものやはらかき 辻 水音賽銭の五円の音や新樹光 豊田信子後ろの濃い緑色はなんの樹だろう。小さな明るい緑色は栗の木だ
歳時記のよると「梅雨入り前の新緑の美しい頃。吹く風も清々しく、衣替えの時期でもある。」そう書いてあるのだが・・・・。初夏の風色ある如く吹き渡る 高木晴子若夏のピカソの鳩の飛び立てり 武智由紀子乗り換えの電車はみどり初夏の風 つじあきこ緑色が美しい季節だ。
豌豆とかいてエンドウ。豆の漢字は読まないのだ。この時期になると豆ごはんが懐かしいが、わが家は子どもたちが嫌いなので炊かない。そして私も夕飯は晩酌だけで終わりで、ご飯は食べないので炊かない。でも今年は庭で豌豆を作ったので、少しだけ炊いた。新鮮だったからか、
春も思ったが、蝶々が少なくなっているような気がする。最近揚羽蝶を見なくなった。見てもすぐどこかに行ってしまう。以前は撮って撮ってっていう感じで、近くに寄ってきたのに。日蝕のはげしきときに揚羽とぶ 百合山羽公夏蝶来きのふと同じやうな昼 はしもと風里静か
青岬とは、夏の岬のこと。空も海も山も青々とした夏の岬の景色のこと。青岬を主季語として載せている歳時記は少ない。夏の岬も季語として載っていない。たぶん「夏」の中に入ってしまうのだろう。青岬遠くで別の汽笛鳴る 石崎素秋墓石のみな里を向き青岬 波戸辺のばら
更衣と書いて「コロモガエ」何故?衣更えではないのですね。そうそう「更衣室」の更衣ですね。衣更えって書くのは、間違いなのだろうか。ペコちゃんもポコちゃんもけふ更衣 吉田明子姑と同じほくろや衣更 本西一代ごろごろと犬寝転がる衣更え 笹村恵美子更衣ではな
5月14日にも青梅でアップしたのに今日もまた。生活範囲が狭いので、季語がなかなか増やせない。それなりに季節は感じているのだが。母より小包大家より青梅 如月真菜青梅やおとしてみたきひとのもの 種田果歩青梅のころんと落ちて母のこと つじあきこ去年もたくさん
久し振りに見た栗の花。折角なので栗の花で今日はアップする。以前はバス停に行くまでに、道に栗の花が覆いかぶさっていた。そこへ行くまでに香で咲いているのがわかった。雨の日の翌日は、蚯蚓のような栗の花が溝に落ちていた。台風で折れてしまった。季節を感じるものが減
春の星の時はイヌフグリの写真を使っていたような。夏の星は何を使ったかな。星の写真を使っていないのは確かだ。今回も花の写真で誤魔化す。人形に生死の無くて旱星 永井純子星涼し山と息づく美術館 笹村ルル父さんとかわりばんこに夏の星 林田麻裕なんか紫色の小
吊忍とは羊歯植物の忍草の根茎を束ねたものを軒端や窓に吊るしたもの。夏らしくいかにも涼しい気分になる。それに視界の5%以上にグリーンがあると、リラックス効果があるそうだ。偉大なるグリーン!それを上手に取り入れた知恵だ。風道の果ての軒なり吊しのぶ 金森幹子
6月に入りそろそろ梅雨かな。梅雨の花は紫陽花や菖蒲だ。我家の紫陽花も咲き始めた。田に水を張つて紫陽花あかりかな 山上樹美雄アイリッシュハープ弾く外は紫陽花 つじあきこ胸騒ぐ波打つ柏葉紫陽花 松井季湖坂道を登っていくと左手の石垣から柏葉紫陽花が。ふつう
今朝は雨の音で起きた。天気予報で雨って言ってた。天気と思っていたのに。すごい雨雲が上空を通過したようだ。ところで今日は夏野。夏野なんて旅行に行かないと実感できないだろう。でも俳句だけでも旅行気分。十二時の大砲ひびく夏野哉 正岡子規指文字の子等弾みゆく大
枇杷って美味しいのだが、種が多くて食べる所が少ない。なんだか損をしている気になる。上等の枇杷を買ったらそんなことないのかな。びわ熟れる土星にいとこいる感じ 坪内稔典御供の枇杷ころげ落ちころげ落ち 小山佳栄鈴なりの枇杷ざわざわとゆさゆさと 桐村日奈子
この間満月だった。五月の満月はフラワームーンというそうだ。花の多い季節だかららしい。友だちから聞いただけ。五月の花は薔薇だろうか。木々にも花が咲いているよね。路地裏に石鹼の香や夏の月 抜井諒一全身が波に共鳴夏の月 種田果歩夏の月ハシビロコウが見つめる
もう桐の花は咲いていないかな。桐の花は薄紫で上を向いて凛と咲く。そういえば去年も見なかったような。毎日がたんたんと過ぎていくな。桐咲くや泣かせて締むる博多帯 西嶋あさ子かしは手のまろき二の腕桐匂ふ 辻 水音桐咲いて風の缶詰送りましょ 火箱ひろ桐の花
昨日は一日雨が降っていた。いつ止むのだろうと思っていたが、駄目だった。こんなに降ったのは久し振りだったような。嶺々に降り海に降り緑雨かな 片山由美子ほおづえの島耕作よ初夏の雨 鈴木みのり猫の名はしずく緑雨に濡れていた 波戸辺のばら少し小止みになった
近頃朝も早く明けて夕方も遅くまで明るい、つまり夜が短い。それで「短夜」は夏の季語。夕方が長いと得したような気がする。でも気を抜くとすぐに夜中の12時になってしまう。明易くをんどりの声直立す 成田千空短夜やカシューナッツの塩甘く 辻 響子ポッキーぽきっ短
今ごろ苺って、ごめんね。もう五月の末では、苺は売ってないな。今朝は雨が降っていたが、昼頃からやんできた。悪女かも知れず苺の紅つぶす 三好潤子待ち合はす侠気のかけら草苺 はしもと風里野いちご摘む私ときどき左きき 松井季湖これは野苺かな。ラズベリーのよ
冬から春になると、新芽が出て緑色が若々しい。それが夏になるにしたがって、緑色が濃くなっていく。でもまだ新緑に瑞々しさも残っている。良いな日本の緑色。鳥籠の中に鳥とぶ青葉かな 渡辺白泉獣出るらし青葉時雨て明智塚 辻 水音マーマレードとろとろ煮詰め青葉雨
昨日は蒸し暑かったけど、今日は湿度が低いのでカラッとしている。昨日は朝曇りで、良い写真が撮れたので、「朝曇」の季語にしたいと思った。でも瓔の俳句は、使ってしまっていた。目があへば会釈涼しく返り来る 星野立子ピアノ弾く腕の直角涼しかり はしもと風里風涼
季語がどうしても植物に偏ってしまう。植物は動かないので写真が撮りやすい。なので今日も葉桜。花が散っても楽しませてくれる。葉桜や天守さびしき高さにて 上田五千石花は葉に彼はとっぷり髭爺さん 太田沙良あちこちに痛み抱へて桜は葉 松井季湖桜公園の桜も葉ば
香水は身だしなみとして使われるそうだ。だが私は苦手。夏だと熱気がありムンムンするので嫌だ。でも夏は体臭がするので、使う方がよいらしい。亡き人の香水使ふたびに減る 岩田由美真夜の湯に香水の香を流しけり はしもと風里香水や誰にも会わぬ今日の日は 畑田保
今年は早春に夏のような陽気になったり、急に寒くなったりとせわしない。もう少し落ち着いて季節が変化して欲しい。蜂ぶらと脚下げて飛ぶ夏めく日 上野章子大阪や虎セニチに夏兆し 火箱ひろオカリナの午後は夏めく森にいる つじ あきこ田んぼは田植えの準備を始め
矢車草と言っているが、歳時記に正しくは矢車菊だと書いてある。矢車草は別に山中に自生するユキノシタ科の植物だそうだ。こんがらがるよね。矢車草空へ伸びざま吾子逝けり 柴崎佐田男私たち昭和の子ども矢車草 波戸辺のばらポニーテール矢車草と背くらべ 橋本多津
歳時記より「多年草の水草、7月頃に茎の先に直径5センチほどの清楚な花を水面に浮かべて咲かす。未の刻(午後2時頃)に花がひらくということで、「未草」というが実際はもっと早くひらく。」水面に浮かんで咲くのが良いな。部屋に入る睡蓮の絵に入るごとく 川崎展宏睡蓮の
緑が美しい五月。きき飽きた言葉だが、やはし美しいとしか言えない。空気も澄んでいるので、緑が輝くのだろうか。でも今日は曇空で、昼過ぎから雨だった。なのに新緑。雨に洗われて綺麗かな。新緑やまなこつむれば紫に 片山由美子気がつけば街は緑やカフェテラス 小山