昼頃から雨が降って来たので、今日は少し涼しいかな。今年の立夏は5月5日なのでもうすぐだ。晩春か夏近しか。春深し・暮の春・行く春なんて季語もある。春とか秋は惜しまれるよね。夏近し街をはみ出しさうに木々 今橋眞理子軒ささふ檜の木肌夏近し 辻 水音夏近し肩
一番夜が長いのは冬至だが、夏の短い夜からしたら、秋は夜が長くなったと感じられる。近頃は日が早く落ちるせいか、夜が涼しくなってきた。長き夜や一つの膳に一ト銚子 久保田万太郎忽ちに返信メール夜長妻 畑田保寿美あちこちとネット遊びの夜長かな 桐村日奈子守
この間の夕方、空を見ると、雲が赤く染まっていた。西の方の雲でなく、真ん中あたりの雲だ。ちょっと何かをしてみると、もう白くなっていた。西の空ではなかったからかな。渤海の秋夕焼やすぐをはる 加藤楸邨ゲルニカの女哭いてる秋夕焼け 波戸辺のばら意地っぱり二人
田んぼの横の小川(?)の水が澄んでいるように見える。確かに魚や川底がくっきり。秋になると透明度が上がるのだろうか。澄む水に福知山線走りけり 岩崎照子水澄むや嬰(やや)のそびらに羽生れて はしもと風里水澄むや祇園白川忍町 火箱ひろスイレンの葉が茂ってい
五穀豊穣の年。今年はどうなんだろう。線状降水帯のため、例年にない大雨で大変な地域もあるのでは。それより、高温障害がでているかも。無事に稲刈りが終わることを願う。豊年や汽車の火の粉の美しき 沢村欣一少年に千年の森実りけり おーたえつこ豊年や売約済みの札
お彼岸の頃になると出てくる曼珠沙華。いつ枯れていつから伸びてくるのだろう。不思議な花だ。眼帯の内なる眼にも曼珠沙華 西東三鬼重ねつく寂しき嘘や曼珠沙華 松井季湖曼珠沙華はさみうちして日が暮れて 辻 水音2,3日前より曼珠沙華が咲いてきた。まわりの草
コオロギを見なくなって久しいな。以前は草むらを歩いたり、覗いたりするとコオロギを見たような気がする。コオロギも種類が多いみたいだ。歳時記に「リーリーリーと切れ目なく鳴くのがつづれさせ。コロコロと鳴くのが閻魔蟋蟀。キチキチは三角(みつかど)蟋蟀。」と書いてあ
秋の蝶は、春や夏に比べて力なく弱々しく飛ぶらしい。気候のせいもあるのかな。それとも人間が自分の気持ちを投影しているのか。近頃の蝶は飛び方がせわしないように思う。ふらふら飛んで落ち着きがない。なので写真に撮りにくい。秋蝶に浅間のうしろすがたかな 長谷川照
栗は秋の味覚だ。栗大福にモンブラン、マロングラッセなど大好きなお菓子が街にあふれている。知らぬ子とあうてはなれて栗拾ふ 藤後左右デパ地下の栗弁当で旅気分 いわもとふみえ匙長き万葉粥に栗と芋 笹村ルルおやあれは。栗の木だ。生ってる生ってる。もうすぐパ
本当はお盆の墓参のこと。春秋の彼岸にも墓参はするけど。こんなに暑いけどもう彼岸。暑さ寒さも彼岸までというが。今年は彼岸まで猛暑だった。墓詣すませて急ぐところあり 波多野爽波学校でもらい水して墓参り 波戸辺のばら生き生きと込み合ってくる展墓みち 近藤
秋の代表的な季語「月」今年は中秋の名月に月がくっきりと見えた。月の道シルクロードへつづくなり 加藤三七子月の夜の兄弟喧嘩仲裁す 種田果歩その中に少年もゐて月の客 つじ花梨これは今月16日の月。中秋の名月の17日の月これは18日の月。この日の何時だっ
あの瑠璃色の花を見ると、きれいだなと声がでる。あの色はどうすれば出るのだろうか。露草を絞って染料にしても駄目だろうな。露草や父に老後の庭十坪 高橋悦男露草や小道坂道老いの道 山田久美子月草を手繰れば水の匂いかな おーたえつこそう露草はこんな感じ。小
近頃の蜜柑は色づくのが早い。昔は10月の運動会でも、やっと青蜜柑が出てきた感じだった。青蜜柑は皮も袋も硬かった。今は皮は袋も柔らかい。何故なんだろう。伊吹より風吹いてくる青蜜柑 飯田龍太励ましのメール届くや青蜜柑 たかはしすなお行く末は風にまかせる青
秋の寂しさに誘われる物思い。漢語で、中国唐代の杜甫の「秋思雲髻を抛ち、腰肢宝衣に勝る」から出ている。歳時記にはこう書いてある。漢詩がしっかり読めないのが悲しい。少年の秋思に雲はかかわらず 田阪笑子パスタ茹で上がり秋思と湯を捨てる 林田麻裕打ち寄せる秋
今日が中秋の名月だ。名月だが、満月ではないらしい。天文学的な満月は地球から見て太陽と反対方向になった瞬間の月のことを指す。なので2024年9月の満月は18日午前11時34分となるらしい。今夜は綺麗な月が見れるかな。お月見やたれも遊ばぬ遊園地 澁谷 道厨には男を立た
旧暦8月14日の夜。名月を明日に控えて宵の意。小望月ともいうが、これは望月に少し満たない意から。明日が中秋の名月なので、たぶん今日が待宵。待宵の姿見のある廊下かな 山本洋子待宵の空の恋しき羽根枕 火箱ひろ氾濫の水まだ澄まず小望月 中川久仁子お月様でなく
秋になって大気が澄み切ること。大陸から乾燥した冷たく新鮮な空気が流れ込むため、ものみな美しく見え、鳥の声、物音もよく響くように感じられる。歳時記ではこう書いてあるが、今年の秋はこんな感じではない。いつになったら、「秋澄む」になるのやら。シャガールの金の雄
草冠に秋と書く萩の漢字は日本で生まれた。ということは、萩は日本の植物なのだろう。秋の七草にも入っている。萩は咲きだしたが、秋とは思えない暑さ。白萩のつめたく夕日こぼしけり 上村占魚借景の叡山揺れて萩揺れて つじかりん萩咲いて埴輪の猫が笑ってる 火箱
十月頃になると蛇は穴に入るらしい。まだ早いか。この暑さだったら、穴に入ろうと思わないよね。穴まどひ伊勢神宮の裏が好き 大木あまり相続の山にあまたの穴まどひ 種田果歩蛇穴に入るほとぼり覚めるまで 辻 水音わかりますか木の葉の中の蜥蜴。尻尾が瑠璃色でき
いつも同じことを思う。朝顔は夏の季語だろうと。まして西瓜なんて、夏以外考えられない。でもどちらも秋の季語。まぁ確かに朝顔は今,乱れ咲いている。傘干しに出て朝顔の種子も採る 岡本 眸天上の青の朝顔風になり つじかりん朝顔の七つ開いて誕生日 秋岡美津子な
もう九月に入って10日もたった。それなのにこの異常な暑さ。天気予報でも残暑と言えない暑さと言っている。いつまで続くのだろう。大書院九月の山が目の高さ 坪内稔典短編の恋物語とじ九月 浅井洋子能舞台激しく鳴らし九月来る 波戸辺のばらこの時期になると生の
玉蜀黍の美味しい季節。玉蜀黍はとうもろこしって読みます。なんで、そう読めるのだろう。謎だね。つやつやと唐もろこしの歯並びよ 西村和子コーンスープ三日で届く宙の駅 つじあきことうもろこし剥けばゴッホの黄色かな おーたえつこまるまる太ったとうもろこしが
昨日オクラの花を撮りに行ったら見つけてしまった、虫。たぶん毛虫。オクラの葉を食べるつもりだ。となりのローゼルの葉にいなかった。虫にとって毒なのかな。芋虫のさびしくなればまろくなる 宇咲冬男大安吉日柚子坊の転び出て 加藤いろは柚子坊に居心地悪いベンチか
暑いは暑いが、一時のことを思うと少し違う。立秋を過ぎても秋の季語なんてかけないと思っていたが、今は普通に書けている。やはり秋なんだろう。でも昨日は、本当に暑かった。コロナの後遺症もあるのか外へ出る気がしなかった。紙切つて鋏おとろふ秋暑かな 片山由美子彫
もうそろそろ秋らしくなって欲しいけど。今年が特別なのか、来年もこんな感じなのか。来年は普通な夏・秋になって欲しい。沈黙にジャズすべり込む秋の宵 木暮陶句郎秋の宵大阪ミナミわちゃわちゃと 釆野久美子秋の夜の互ひに訛る電話口 辻 水音この間来てくれた守
かぼちゃは秋の季語だ。そらそうだよね、ハロウィーンは秋だ。でも何となくかぼちゃって夏に出来るような。背もたれの深きゆり椅子南瓜パイ 平井さち子パンプキンスープ啜りて引き籠る 辻 響子コリンキー煮ても焼いても食えるヤツ 髙貴美子コリンキーってかぼちゃ
虫の傍題は限りなく多い。そして蟋蟀、螽斯、鉦叩きなどそれぞれの虫の名前も季語になっている。私は蟋蟀や飛蝗ならわかるが、ほかの虫はあやふやだ。虫時雨猫をつかめばあたたかき 岸本尚毅夫留守のお部屋の広さ虫の夜 はしもと風里足下に億千万の虫すだく 辻 響
折角秋の季語が続いたのに、また逆戻り。すみません。でも今日は夏に戻ったような気温だった。以前に撮っていた写真をみて「夏の風」にしようと思った。はつ夏の風カピパラに子が五つ ふけとしこ採血の針の太さや夏の風 桐村日奈子夏の風太平洋を連れてくる おーた
台風が過ぎ去って、一気にとはいかないが、それでもそろそろ秋の俳句でも良いのではと思うようになってきた。そらいろに塗り直す船鳶の秋 永瀬十悟パワーシャベル都会の秋の隙間掘る たかはしすなお初恋も不倫も天こ盛りの秋 鈴木みのりこれは何だろう。よくよくみ
今年は美味しい桃にありつけない。硬い桃だったり、やわらかくても味がなかったり。美味しい桃を食べたいのだが。風呂敷がゆるみて桃の匂ひせり 清水径子桃すする種も仕掛けもないわたし 波戸辺のばら桃供ふきみのアルカイックスマイルに はしもと風里パステル画の
木槿と芙蓉の花って似ているような気がする。芙蓉の方が花は大きいが。我家にも底紅と言う木槿があった。それがいつの間にかなくなっていた。わりと背の高い樹だったのだが。躾糸きらりと抜きて花木槿 伊藤敬子木槿ほと落ちる夕暮れほと揺れる 火箱ひろ白木槿咲いても
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昼頃から雨が降って来たので、今日は少し涼しいかな。今年の立夏は5月5日なのでもうすぐだ。晩春か夏近しか。春深し・暮の春・行く春なんて季語もある。春とか秋は惜しまれるよね。夏近し街をはみ出しさうに木々 今橋眞理子軒ささふ檜の木肌夏近し 辻 水音夏近し肩
海面近くで青い光を放つ螢烏賊。実際に見たことはないが、幻想的なのだろう。砂吐かすごとくに濯ぎ螢烏賊 石川桂郎箸先をつるんと逃げて螢烏賊 松井季湖むかし山ガールだったなホタルイカ 田辺はるこ富山湾の滑川の螢烏賊が有名だが、兵庫県でも採れる。兵庫県産の
待ちわびていた桜が散って、もう季節は初夏へ。桜は待っている間が、一番なのかな。桜が咲いていた道を通ったら、桜蕊でふかふかになっていた。桜蘂降るホッチキスの針がない 鶴濱節子桜蘂降るやピエロの描き泪 武智由紀子桜蘂ふるふる余命七十年 稗田夏子この間ま
以前は八百屋で独活を見かけたが、近頃は見ないな。「ウコギ科の多年草。山野に自生する他、栽培もされる。日本原産の野菜として古くから食されてきた。春、地上に出る前の若い茎は柔らかく芳香があるので、生食・和え物などにする。」歳時記より。以前サラダにして美味しか
もう四月も下旬なのに「新社員」って。すみません。新入生も新社員も、疲れが出ている頃かな。それとも、まだまだ張り切っているかな。迷彩のリュック背負って新社員 わたなべじゅんこ先生も一年生ですこんにちは 桐村日奈子ネクタイの長さ決まらず入社式 松井季湖
寒い暑いと言っている間に、もうすぐゴールデンウイーク。そして夏に近づいてきている。温かい日に山を見ると、山桜がまだ咲いていてほんわかしている。これを山笑うと言うのだろう。みちのくの山笑ひをり昼の酒 青柳志解樹肩車の頃の思い出山笑う 林田麻裕一円も使わ
花は見たことはあるが、名前が出てこない花だ。私だけなのかもしれないが。和名は 紫羅欄花(あらせいとう)と言う。何故にこの漢字なのだろう。包まれしストックの香と色ほどく 稲畑汀子抱きしめて香り濃くなる紫羅欄花 つじ花梨病み病みてストック抱へきれぬほど
昨日は春とは思えないような暑さ。枚方は29℃まで上がった。春暑しとは言えない、夏が来た!だった。縫ふやうにおかげ横丁春暑し 安藤久美子春暑し八雲屋敷に二人来て 桐村日奈子席ゆずる我も老人春暑し 辻 水音花いっぱいのアトリエでこの花を描いた。こんな感
今日は春の宵。中国の蘇東坡の詩句「春宵値千金 花に清香有り月に陰有り」から生まれた季語。艶やかなひとときらしいが、主婦にとってはどうなのだろう。春の宵先に泣かれてしまひけり 小豆澤裕子竜神湯しゆわしゆわ溶けて春今宵 辻 水音満面の笑みの遺影や春の宵
春とつくだけで、なにやら艶っぽい。雨だって、灯だって。母に客あり春の燈のまだ消えず 西川知世真白なる春燈ナースステーション 松井季湖春灯し遠い人らの懐かしく はしもと風里艶っぽい写真は撮れない。昨日と同じたんぽぽ。でもこれは白たんぽぽ。白色だが、真
歳時記より、夜の時間は夕べ→宵→夜と深まっていく。春の夜は朧夜となることも多く、艶なる趣が満ちる。あぁ春ですねって感じかな。時計屋の時計春の夜どれがほんと 久保田万太郎春の夜の開いたままの三面鏡 辻 水音春の夜銀河も宇宙のひと雫 中川久仁子夜の写真
もう16日だというのに春の雪ってか。それは昨日高野山へ行ったので。寒いと思っていたが、気温2℃、時々雪が降ってきた。高野山を甘く見ていた。約束を違へしごとく春の雪 片山由美子信号の赤うつくしき春の雪 おーたえつこ過去帳に余白たっぷり春の雪 笹村恵美子高
春はシャキッとしない。物憂い感じだ。これを春愁と言うそうな。何となくわかる気になるが。春愁や平目の顔に眼がふたつ 草間時彦春愁のかっぱえびせん空っぽに 波戸辺のばらしょきしょきと春愁切ってゆくハサミ 火箱ひろ岩の間にスミレ。健気すぎる。こちらは畔の
菜の花らしい花はよく見かけるが、たぶん菜の花ではない。一度一面の菜の花畑を見てみたい。菜の花の地平や父の肩車 成田千空菜の花の黄が揺れ現在進行形 つじあきこふわふわのチュールスカート花菜風 林田麻裕これは冬に菜っ葉を作っていた畑。採らずにそのままの
今年に入って4回目の桜と思う。もういいよ!って言われそう。でも桜。今年は咲き始めてから、気温が低かったこともあり長く楽しめる。目の前に遮断機降りる桜かな はしもと風里約束のその日を待てぬ桜かな 畑田保寿美桜咲く強いおんなになれないよ 小山佳栄ソメイ
昨日の雨は花散らしの雨になった。それでなくてもそろそろ散りだしていたのに。てのひらに落花とまらぬ月夜かな 渡辺水巴さよならはダンスの後に飛花落花 松井季湖影軽くゆれてもうすぐ散るさくら 火箱ひろ4月9日のさくら。地面の上にちらほらと。隅の方にはこんな
桜の咲く頃は曇り空が多いような気がする。青空のバックで桜をなかなか撮れない。発車ベルにもある余韻花ぐもり 片山由美子養花天マトリョーシカはぐつと立つ 辻 響子挽きたてのコーヒー温し養花天 はしもと風里そろそろ桜も終わりだろうとさくら並木を歩く。これ
百千鳥は春の小鳥たちが群がって飛んだり囀ったりしている様子をいう。「囀り」とは違って主に鳥たちの姿に重点が置かれている季語。近頃鶯が鳴かない、そのかわり可愛い声で鳴く鳥はいるのだが。縄張りが変わったのだろうか。埋立てて海遠くなる百千鳥 中村和子百千鳥前
春と言えばさくらだが、チューリップも忘れてはいけない。新一年生のために鉢で育てたな。小学校の花壇にも植えてあったような。でも近頃あまり見かけない。一角獣に逢ひたくなつてチューリップ 長谷川秋子チューリップぽかんぽかんと咲きにけり おーたえつこチューリ
関西は昨日が花見日和だったのでは。混雑しているところは避けて、近所を巡っただけ。色々な所で、お弁当を持って花見を楽しむ人を見た。花筵巻くはなびらを払ひつつ 正木ゆう子ひとりぶん詰めてください花筵 はしもと風里乳臭き大あくびして花筵 桐村日奈子ここは
蛍烏賊は深海に棲んでいるが、3月~6月に産卵のため沿岸にやって来る。やはり深海では産卵しても育たないのだろうか。海の中で螢のように光るのは綺麗だろうな。蛍烏賊目玉も墨も食うてけり 辻 桃子ぢいちやんの死ぬほど好きな蛍烏賊 松井季湖蛍烏賊一億アンチエイジ
落葉と言えば秋を思い浮かべる。あれは落葉樹が葉を落としている。椎、樫、檜などの常緑樹は晩春に古い葉を落とす。だから今頃落葉が凄い。春落葉えたいの知れぬものも掃く 鍵和田秞子春落葉深々月光スタジオに 火箱ひろ春落葉小さきものにはちさき音 松井季湖23日
先日パステルでいちごを描こうと買いに行ったら、いちご売り場が縮小されていた。いちごの旬はこれからだろう。本当は子どもの日の頃だろう。売り場には、西瓜が並んでいた。相棒は梅雨の西瓜はまずいの一言。なんでも早ければ良いのではないと思うが。蜂のとぶグラバー邸を
「暮の春」は春の終わり、四月下旬の頃。「行く春」ほど詠嘆的ではなく、惜春の情を叙景などで淡々と表すことが多い季語。どこでどう線引をすれば良いのやら。こういう事は、苦手だ。余命とは暮春に似たり遠眼鏡 中村苑子缶蹴つて缶のゆきつく春の果て 火箱ひろ暮の春
今日は朝から天気が良い。花粉も少なく絶好の洗濯日和なのに洗濯するものが少ない。ところで下萌とは、春になって土の中から草の芽が萌え出てくること。出てきた草花や野菜などの芽は「ものの芽」だ。「下萌ゆる」と動詞にもなるらしい。草萌えてドボルザークが聞きたき日
昨晩より風が強く吹いてきた。今朝は雨戸がガタガタいうぐらいに吹いている。低気圧がふたつ来ていると天気予報のお姉さん。そして肌寒い。先日は暑かったのに。春荒や封書は二十四グラム 櫂未知子春疾風ロカ岬まで飛ばされて 岡崎禎子春嵐女子高生の笑い声 林田麻
この近くでは、淀川の河川敷の芦焼きが有名だ。草の生育を促し、害虫を駆除するために野や土手などの枯草を焼き払うこと。虫たちも害虫を言われ大変だ。半鐘を打つて野焼の始まれり 太田土男火の気まま許さず土手を焼きにけり 太田悦子海へ行く列車の窓に野火の色
八重桜は咲いているが、染井吉野はほぼ散った。萼に残った蘂が散って落ちること。「桜蘂」だけでは季語にならないらしい。何故?首塚の荒れ桜蕊降るばかり 加古宗也桜蘂降るむかうより君がくる はしもと風里桜蘂降る同意同意の初期設定 笹村ルルもうすっかり花は散
風光るとは、春になってだんだん日差しも強くなり、吹きわたる風が眩しく感じられることをいう。確かに日差しが強くなる。ここのところ、もう日差しは夏だ。夏と思っていたら、今日は朝から肌寒い。身体がついていけない。頬杖は夢見るかたち風光る 長嶺千晶風光る四人家
田んぼに紫雲英の花が咲き始めた。こんな時期に咲き始めたかな。この間桜が散ったのに早くない。今年は桜が咲くのが遅かったのでそう思うのかな。タラップを降りて紫雲英の風の中 西村和子げんげ野へ勝手に足が動き出す 火箱ひろれんげ野にプライドなんて捨てちまえ
咲かない咲かないと言っている間に満開になり、もう桜の季節は終わり。なんと味気ないことか。でもそれなりに楽しませてもらった。昼の部を呼びこむ寄席や花の塵 宇沢圭作さくら散る目隠し鬼さんまあだだよ 平田和代花吹雪自分を好きになる呪文 はしもと風里さくら
一昨日から黄砂が飛び出している。目が痛いのは黄砂のせいかな。遠くの山が黄砂で霞んでいる。ジンギスカン走りし日より霾れり 有馬朗人猫はもうをらず黄砂の降りにけり 松井季湖つちふるや釣り船の犬吠えもせず 畑田保寿美近所の墓地の道から。いつもならくっきり
何故か今年はたんぽぽを見かけないうちに、春が過ぎ去りそうと思っていたら。昨日田んぼ道を歩くと、たんぽぽが咲き、たんぽぽの絮まであちこちに。今年は巡りあわせが悪かったのかな。顔じゆうを蒲公英にして笑うなり 橋 閒石新井真紀の絵本にたんぽぽを挟む 辻 響
歳時記によって書き方は違うと思うけど、「そこはかとない哀愁。春ゆえの気だるさを伴う愁い」らしい。なんとなく、ぼーっとしてやる気がないのはそのせいかな。春愁もなし梳く髪のみじかければ 桂 信子飼ひならす春愁てふ静かなデビル 松井季湖サクサクと食べていき
水に浸しておいた種籾を苗代に蒔くこと。そうなんだ、ローゼルの種をそろそろと思って書いたが。種蒔といえば稲だけをいい、穀類や野菜、草花全般の場合は「物種蒔く」という。「花種蒔く」は秋咲きの花の種を蒔くこと。そうだったんだ。なんとなく違うと思っていたが・・・・。指
釈迦の誕生日といわれる日にちなんで新暦4月8日にその降誕を祝って各寺院で行われる仏事。花祭ともいわれる。少し遅いけど、今日は仏生会で。そう言えば子どもの保育園では旧暦の4月8日に花祭をしていた。園児が張り子の白い象をを引っ張っていたようだ。ぬかづけばわれも善
花といえば桜の花。春咲く一般の花を言う事もあるが、主として桜の花をさす。日本人にとって春はやはり桜だ。奈良の吉野はさくらが奥へ奥へと進んでいるらしい。綺麗だろうが、人混みの事を考えると・・・・。花びらの出て又入るや鯉の口 渥美 清生後約三万日ぞ花の中 辻
菜の花も春を代表する花だ。京都伏見では、桜と菜の花が同時に見える所がある。行った事はないが、「十石舟」に乗ったり、「酒蔵」めぐりをしたり。菜の花や渡しに近き草野球 三好達治菜の花のリゾット君と同じ午後 火箱ひろ笑まひつつ五十年過ぎ花菜風 升田 貞こ
春はさくらの季節。いや菜の花かな。チューリップも忘れてはいけない。イメージだがチューリップは小学校一年生に似合うような。保育園の卒園式に毎年チューリップを贈っていたからそう思うのかな。いちにちを怠け足長チューリップ 寺井谷子髪切りぬ鬱金香に思ひ告げ
桜は青空の下で撮りたいのに、今年は一度も撮れていない。桜が咲きだしてから、晴の日が少ない。一昨日は雨、そして昨日は北風。もう青空に桜は無理かな。折り紙のピアノかたむく花ぐもり 大高 翔花曇り湖岸に立ちし白馬かな 畑田保寿美養花天転入届受理致す はし