オリジナル恋愛小説を掲載しています。
■伯爵家の箱入り娘は婚儀のまえに逃亡したい(完結) 伯爵令嬢のシャーロットはもうすぐ顔も知らないおじさまと結婚する。だから最後にひとつだけわがままを叶えようと屋敷をこっそり抜け出した。そこで知り合ったのは王都の騎士団に所属するという青年で——。
「おまえがシルヴィオか」 シルヴィオが第一王子アルベルトと初めて顔を合わせたのは、五歳のときだった。 祖父が国王の補佐を務める関係上、同年齢ということもあって王子の遊び相手に抜擢されたのだ。シルヴィオとしては、知らない子と仲良くしろと言われて気が重いだけだったが——。 彼を目にした瞬間、息を飲んだ。 さらさらの艶やかな黒髪、宝石のように澄んだ紫の瞳、白くなめらかな肌、かたちのいい薄い唇、完璧といえる...
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