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  • 「聖霊の極度の必要性」第三章 力の賦与(1)

    朗読:ルカ四・十六~二二、一ヨハネ二・二〇、二七、四・四。ルカによる福音書とヨハネ第一の手紙のこれらの御言葉は、以下の事柄に関するさらなる側面と強調点に私たちを連れ戻します。すなわち、聖霊の必要性と、御霊で満たされる必要性です。それがなぜ必要なのか、その理由のいくつかを私たちはこれまで見てきました。御霊で満たされること、御霊で油塗られることが何を意味するのか、私たちは見てきました。主は私たちにまだ...

  • 「聖霊の極度の必要性」第二章 御霊の油塗り(9)

    油塗りについては以上ですが、もっと多くの点があります。コリント人への手紙からざっと説明して、終えることにします。よくご存じのように、コリント人への第一の手紙は、神の権利がコリントで侵害されていたことを見せています。これが第一の手紙ではっきりと示されています。次に、何が起きたでしょう?使徒が明確に示しているように、神の権利を侵害して油塗りに逆らっていた人々はとても厳しいこらしめに遭いました。主は彼ら...

  • 「聖霊の極度の必要性」第二章 御霊の油塗り(8)

    信者に触れるとき、私たちはキリストに触れます。「あなたたちに触れる者は、わたしの瞳に触れるのです」――その瞳を神は大いにねたむほど大事にしておられます。神の瞳という句には、素晴らしい絵画的意味があります。私たちの肉体がどれほど熱心に目を守っているのか考えてみてください。なぜ眉毛があるのでしょう?(流行にならって眉毛を剃り落としてはなりません。自分の肉体だけでなく、神の御言葉が描写しているものをも損な...

  • 「聖霊の極度の必要性」第二章 御霊の油塗り(7)

    さて、これに続いて直ちにもう一言述べるべきは、神が介入された以上――神がご自身をある対象に、すなわちご自身の証しのためのある器に委ねられた以上――彼は油塗られたものを限りなくねたむほど慕っておられる、ということです。油塗られたものは、個人であれ、群れであれ、教会全体であれ、主にとって大いに尊いものです。それを神は限りなくねたむほど慕っておられます。教会は、聖霊に油塗られて、イエス・キリストの主権に対す...

  • 「聖霊の極度の必要性」第二章 御霊の油塗り(6)

    さて、これと同行する次の点は、油塗りはこの世界への神の介入を表すという事実です。油塗りは、神がご自身の権利という根拠に基づいてこの世界に介入されることです。神はこの宇宙に関する権利を持っておられます。神の権利は至高ですが、人はこの宇宙における神の権利を否定したり無視したりしました。そして、神を脇にやって排除しました。これはおそらく、主イエスを拒絶したことに最も顕著に見られます。世は彼を知りませんで...

  • 「聖霊の極度の必要性」第二章 御霊の油塗り(5)

    しかし、この事実にはもう一つの慰めの面があります。人の積極面は排除されており、人の肉は神の御前に出て神のものに手を触れてはならない、ということが真実であるように、人の消極面も排除されている、ということも真実です。つまり、私たちは自分の弱さ・無能さ・無知・生来の無価値さに影響されて、「自分には、機能する有用な者となるのに必要だと思われる、多くの資質や多くのものに欠けています。そのせいで、自分には全く...

  • 「聖霊の極度の必要性」第二章 御霊の油塗り(4)

    聖霊の油塗りは、私たちが主イエスの頭首権に全く服するようになったことを意味します。私たちの実際のクリスチャン生活が、召命・奉仕・いわゆる「職務」といった点で、ことごとくそうなったことを意味します。これは第二に、人間的・天然的な人は油塗りによって全く排除されることを意味します。これは前にベザレルに関して見たとおりです――主が彼を神の霊で満たして幕屋に関するすべての技量を与えられた時、彼の判断や考えに委...

  • 「聖霊の極度の必要性」第二章 御霊の油塗り(3)

    さて私たちは、油塗りとは何を意味するのか、と問うてきました。その答えは、様々な面に触れつつ、いくつかの異なる形で与えることができますが、御霊の油塗りの第一の意味は、油を塗られる者が油を塗る方に完全に服する立場と状態に置かれる、ということです。ヨルダン川での主イエスの油塗りを例に挙げましょう。彼は御父に絶対的に(生活上も職務上も)服されました。彼は、ヨルダン川で、御父に従う立場を取り、その指示・統治...

  • 「聖霊の極度の必要性」第二章 御霊の油塗り(2)

    さて、油塗りとは何を意味するのでしょう?神の御言葉は御霊の油塗りなるものを示しているのでしょうか?先に進む前に、私たちは次のことを認識すべきだと思います。すなわち、油塗りは特に職務と関係している問題であるということです。それは職務の問題です。それはある階級に属している、という意味ではありません。聖職者や宣教士のためのものであって、平信徒はあずかれない、という意味でもありません。神の御言葉の中にその...

  • 「聖霊の極度の必要性」第二章 御霊の油塗り(1)

    朗読:出エジプト二九・七、四〇・九、一サムエル十六・十三、一列王十九・十六、二コリント一・二一、一ヨハネ二・二〇、二七。さて、主が私たちの心に置かれたテーマを追求するにあたって、御霊の油塗りの問題に専念することにします。旧約聖書のこれらの節からわかるように、ここで述べられている人々や物は、神の命令と戒めにより、公的資格に関して油を塗られました。第一に、大祭司としての立場にあるアロンがいますが、油が...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(11)

    そして第二に聖さです。すなわち、主の卓越性を示すことです。これについては多くのことを述べる必要があります。彼の聖さの卓越性がここでは幕屋において示されます。すべては「主に対して聖」です。主が願っておられるのは、聖霊によって、主イエスの聖さの卓越性が示されることです。「聖なる美しさの中で主を礼拝せよ」。そして第三は栄光です。幕屋の中にあるすべてのものが主の栄光を物語ります。栄光を受けた人の子に代表さ...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(10)

    二五章の残りの部分をすべて読み進んで行くと、亜麻布は分与された義を、青色は天を、紫色は王権を物語っており、緋色は苦難を、明かりは証しを、香は主イエスの功績を、宝石は信じる私たちに対する彼の尊さを物語っています。というのは、「信じるあなたたちにとっては彼は尊い方」であり、宝石やその他のすべてのものだからです。祭司の務めや、祭壇・机・燭台・あわれみの座の機能はみな、主イエスの神聖な卓越性の異なる面を表...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(9)

    金は神聖な性質を表します。ここでは人性がアカシアの木で表されていますが、アカシアの木は純金で覆われています。「それにより、際立って偉大な尊い約束を、私たちに与えてくださいました。それは、私たちが情欲によるこの世の腐敗から逃れて、神聖な性質にあずかる者となるためです」。ここに展覧されるべき一つの卓越性が示されています。聖霊がここにおられるのは、私たちを神聖な性質にあずかる者とするためであり、そして神...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(8)

    銀は私たちが神へと贖われたことを意味します。次の御言葉の真ん中の部分を忘れないでください。なぜなら、私にとってその部分は全体の中でとても価値のある箇所だからです。「そして私たちを神へと(unto God)贖ってくださいました」。私たちは贖われただけでなく、神へと(unto God)贖われたのです。「あなたたちは代価をもって買い取られたのです」「あなたたちは自分のものではなく、傷もしみもない小羊の血のような、キリス...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(7)

    主の御前で間違いを正すべきときもあります。私は、罪を無視したり、容認したり、悪行を軽んじたりするべきだ、と言っているのではありません。神のみこころにかなっていないことについて聖霊によって触れられる時、「それは問題ではない」と言うべきである、と言っているのでもありません。それを直ちに正して罪定めから解放されるべきである、と言っているのです。御霊が私たちに誤りを確信させられたら、私たちは直ちにその道を...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(6)

    さて、これは偉大な教理に関する短い言葉です。しかしこれは、あなたと私において示されるべきキリストの卓越性の一部です。ああ、今日、主の民のなんと多くが、頭上に神の裁きが吊り下がっているかのようにすごしていることでしょう!彼らは、大きな裁きとは言わないまでも、何らかの裁きを依然として恐れています。逆に言うと、キリストによる罪定めからの絶対的解放を、私たち全員が歓喜しているわけではないのです。私たちは歓...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(5)

    この幕屋を見て、そのあらゆる部分がキリストの栄光を示すべきものであることを認識するとき、もちろん、あなたはその各部を取り出して眺め、キリストのどのような栄光がその中に示されているのかを見たくなるでしょう。出エジプト記二五章に戻って、挙げるささげ物と呼ばれているこの包括的ささげ物について考えてみましょう。注目すべきことに、この言葉は幕屋に適用されています。この言葉がいけにえの一つに適用される場合は理...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(4)

    神はあなたや私に対してどのような御思いを持っておられるのでしょう?それは素晴らしい御思いであり、実に驚くべき事実です。神は私たちをすべての利己主義、罪深さ、憎しみから救い出して、私たちにおいてまた私たちを通して、御子の卓越性を示すことを望んでおられるのです。これを理解できるでしょうか?信じられるでしょうか?これが何を意味するのかはすぐに見ることになります。しかし、これが私たちに関する神の御思いです...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(3)

    さて、私たちはこれを一ペテロ二・九と結びつけました。「それは、あなたたち(私たち)を暗やみから、驚くべき光の中へ召してくださった方の卓越性を、あなたたちが告げ知らせるためです」。ペテロは現在の事柄を取り扱っています――彼が示している真理の面は教会の現在の巡礼です――しかしパウロは地上と現在の巡礼を超えて、天の教会を見ています。そして永遠を包含して、来るべき時代に関して次の御言葉を述べています。「それは...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(2)

    さて、この出エジプト記三一章三節を読んだのは、幕屋に少し触れるためです。その前の章は、幕屋のあらゆる詳細で占められていることがわかります。二五章で、主はモーセに、「心から喜んでする者はみな」ささげ物を持って来るようにイスラエルの子らに告げること、次に「ささげ物(単数形)を受け取る」ことを命じられました。単数形で述べられているのは、受け取った物は複数のささげ物ではなく一つのささげ物を形成するものだっ...

  • 「聖霊の極度の必要性」第一章 聖霊に満たされる必要性(1)

    「主はモーセに語って言われた、『見よ、わたしは、ユダの部族に属するホルの子であるウリの子ベザレルを名指しで召した。わたしは彼を神の霊で満たして、知恵と理解力と知識とあらゆる種類の技量を持たせ、巧みな設計をさせ、金と銀と青銅の作業をさせ、宝石を切りはめ、木を彫刻するなど、あらゆる種類の細工をさせる』」(出エジプト三一・一~五)。「しかし、あなたたちは選ばれた種族、王なる祭司の体系、聖なる国民、特別な...

  • 「聖霊の極度の必要性」目次

    聖霊の極度の必要性T. オースチン-スパークス目次第一章 聖霊に満たされる必要性第二章 御霊の油塗り第三章 力の賦与第四章 御霊の聖別第五章 命・聖潔・真理の御霊オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二二章 永遠の祝福および結論(3) 完

    〔16〕「我イエス」厳粛なみ言である。私は救い主であると言って、主は私たちに自らの罪人であることを記憶させ、この罪人である私たちを救うためにこられたことを思い出させて下さるのである。主イエスのあかし、すなわち、私たちを救われたキリストが、全世界の教会の信者にたいしてなされたあかしである。「我はダビデの根」ダビデがイエスから出たことを意味している。これは、イエスの神であること、また造物主であることを示...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二二章 永遠の祝福および結論(2)

    〔1〕「生命の水の河」聖霊。河は城の美であって、新しいエルサレムには生命の水の河が流れている。「その水透き通りて水晶の如し」それは水晶のように清く、透明であって美しい。「神と小羊の位より出ず」生命の水の川は、神のみ座と小羊のみ座とから出て来るのである。これは生命である清くかつ透明であって、美しい聖霊が、神の民をうるおして、その生命となるためである。聖霊のうるおすところに生命があるのである(エゼキエ...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二二章 永遠の祝福および結論(1)

    分解一 新天新地の祝福 1~5二 天使の告示 6~15 イ 預言の真実であることとこれを守る者の幸福 6~7 ロ ただ神を拝すべきこと 8~9 ハ 汚れた者と聖い者との応報 10~15三 イエスのあかし 16~20前半 イ 主ご自身に関するあかし 16 ロ 祈祷する指示 17 ハ 預言の加削に関する警戒 18~19 二 再臨についての告示 20前半四 新婦の応答 20後半五 祝祷 21オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二一章 新天新地と新婦の栄光(3)

    〔9~10〕この城は、すなわち新婦の品性の美を形容したものである。また城とは、有形的なものであって、その中に新婦がいるのであるとの二説がある。ここでは、後者をとる。この時用いられる天使は、最後の七つのわざわいを盛った七つの金椀をとった七人の天使の一人である。この天使は、七つの金椀をとって偽教会を審く恐ろしいさまを示したが(一七1)今は新婦の美しいさまを示している。偽教会の外形の美(一七4、一八3)。偽教...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二一章 新天新地と新婦の栄光(2)

    〔5〕キリストの断言。「見よ、我万物を新にせん」人間のいだいている理想を実現するとしても、このような幸福な天地を造りだすことはできない。ただキリストのみが、よくこのことをなし得るのである。私たちは、今このキリストに眼をとめれば、堅固な信仰を受けることができる。私たちの品性も自分の力によっては、切磋琢磨したとしても、何の効果もないが、キリストの力が私たちの中に働くとこのことをよくなしとげることができ...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二一章 新天新地と新婦の栄光(1)

    分解一 新天新地 1二 新しいエルサレムの降下と人間の祝福 2~4三 位に座す者の宣言 5~8四 新しいエルサレムの状態 9~27 イ 構造 9~21 ロ 殿 22 ハ 光 23 二 城と万国民との関係 24~27略解〔1〕「われ新しき天と新しき地を見たり」今の天地は、神の怒りの火によって焼かれて、新天新地となるのである(ペテロ後三10~13)。私たちの望みは、この新天新地に住むことである。以前には、千年間の祝福を受け...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二○章 千年時代および悪魔の運命と最後の審判(3)

    〔11〕「白き」正義の審判の意。「大なる」権威のあること。「大なる位とこれに座する者」審判の座。神から審判の権威をゆだねられたキリストが、審判をなされるところとこれに座しておられるキリスト。「地と天とその前をのがれて、再び留るべきところを得ず」キリストの権威のいかに恐ろしいかを示している。これは天地の消失したその前ではない。キリストの権威の前に、誰も立つことができず、天地さえもその権威の前をのがれる...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二○章 千年時代および悪魔の運命と最後の審判(2)

    〔4〕輝く私たちの希望。「多くの位を見しに、その上に座する者なり」冠を受けただけではなく、位をも与えられた聖徒の栄を示す(ダニエル七9、22、27)。「彼ら審判の権を与えらる」栄を受けて楽しむだけでなく聖徒は、この世、また天使をも審判する権威を与えられたのである(コリント前六2、3)。「イエスのあかし」殉教者、特に患難時代における殉教者が、主を信じる信仰を告白したことを意味する。「神の言」神の言を信じ従っ...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二○章 千年時代および悪魔の運命と最後の審判(1)

    分解一 悪魔の禁錮 1~3二 第一の復活と千年王国 4~6三 悪魔の釈放とその審判 7~10四 悪人のよみがえりと最後の審判 11~15略解〔1〕「天使」これが誰であるかは、判然としない。このような権威をもっているのでキリストであろうとの説が信じられる。「底なき穴の鍵」この穴は、火の池ではない。その審判を受ける時まで留めおかれる未決監のようである。陰府とは死んだ者の霊魂のある所、墓とは、死人の葬られているとこ...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一九章 神の審判の勝利と小羊の婚姻(3)

    〔11〕「天の開く」主を受けて、雲をもっておおわれていた天も再び開け、主が降られる時が来るのである。「白馬」戦いの勝利。「乗るもの」キリスト。「忠信」神の栄光のために、真理をあかしするために、忠信であるもの。「誠実」一点の虚偽もなく、真実であって、アーメンなるもの。「彼は義をもって審判と戦争をなせり」第一降臨のキリストは罪人を救わんために来た。そこで、愛をもって罪人に接し、これを救われた(ヨハネ三17...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一九章 神の審判の勝利と小羊の婚姻(2)

    〔1〕天にある一○○○万の衆軍の叫び声、「ハレルヤ救いと、栄と、権力は我らの神のもち給うところなり」悪魔は、六○○○年来の勢力をもって霊魂を苦しめ、地上の霊界に働きかけて来たが、今や神の救いの力、栄光、権力が具体的に現われて来た。神が、バビロンを滅ぼして救いと栄と権力をおもちになられるようになったので、このようにハレルヤと讃美したのである。「ハレルヤ」一説には、天使であって、あらゆる天の幸福を歌ったもの...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一九章 神の審判の勝利と小羊の婚姻(1)

    分解一 淫婦バビロンの審判に関して 天における讃美 1~6二 小羊の婚姻 7~10三 地上再臨の主 11~16四 キリストと偽キリストとの闘い 17~19五 獣と偽預言の審判 20六 偽キリストに従った者の審判 21一九章1節から6節までは、一八章に続く。オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一八章 バビロンの審判(2)

    〔1〕「一人の天使」キリストである。この栄光は、再臨のキリストの栄光に似ているがゆえに、このように信ぜられるのである。〔2〕「大なるバビロン倒れたり」これまで天使がバビロンが倒れたと叫んでいたが(一六19)、今は主イエスご自身から宣言された。「さまざまの汚れた霊」偶像を礼拝し、世と親しみ、淫行をなすような悪人の霊をもって満ちていたバビロンは、金銀宝石などをもって装飾して美しくあるが、ここにおいては、神...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一八章 バビロンの審判(1)

    分解一 天使の叫び 1~3二 神の民に対する天からの声 4三 バビロンの審判 5~8四 地の諸王の悲嘆 9五 地の商人の悲嘆 10~16六 航海者の悲嘆 17~19七 聖徒たちの喜悦 20八 天使の宣言 21~23九 殉教者の血の報い 24オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一七章 大淫婦バビロン(3)

    〔7〕天使は驚きあやしんでいるヨハネに対し、女と獣の奥義を解明し、その運命を語っている。〔8〕「汝が見し獣は先には有りしが今は、無き」偽キリストが首に傷を受けてほとんど死ぬばかりになって、勢力を失って世に活動することができないことを指すのであろうといわれている(一三3)。「底なき穴より上りて滅びに行かん」再び活動を始めたがついには神の審判を受けて滅びに至るのである。「先にあり今あらず後また出ずる獣を...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一七章 大淫婦バビロン(2)

    〔1〕これは神からの私たちに対する声である。来て目を開いて見るのは、大淫婦の審判である。私たちも目を醒していないならば、また大淫婦の運命を悟らないならば、その渦中に巻き込まれるおそれがある。「多くの水」諸国の民のこと。「大淫婦」諸王の王として現われる(18)。しかし神はそのままにはしておかれないで、恐ろしい審判をなされる。多くの人は、大淫婦をカトリック教会であると解する。しかし、単に一部分の解釈であ...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一七章 大淫婦バビロン(1)

    分解一 天使の告示 1~2二 女の姿 3~6三 天使の説明 7~18 イ 女および獣の奥義 7~13 ロ 王たちと小羊との戦い 14 ハ 水の解明 15 二 獣と淫婦との衝突 16~17 ホ 女の解明 18オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一六章 七つの金の椀(3)

    〔10〕神の審判。怒りの金椀は転じて偽キリストに向う。「その国暗くなり」偽キリストの治める全世界は、暗黒となるのである。「苦痛」腫物(2)と大熱の苦難(8)を指す、暗黒の中にあって苦しむ(ヨエル二1、2、31。マルコ一三24、25)。〔11〕「天の神をののしり、おのが行いを悔改めざりき」人は心の頑固なことによりなおもこのように神をののしり、自分の行いを悔改めないのである。〔12〕ユフラテ河に金椀が傾けられた。「そ...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一六章 七つの金の椀(2)

    〔1〕「大なる声」神の声であって御命令である。「神の怒りを盛れる七つの金椀を地に傾けよ」先に聖徒の手を経て、天使に与えられた金椀を地に傾けよとの命令が来るのである。この命令によって第一の金椀から順に傾けられて、神の審判が起って来るのである。〔2〕「獣と印ある人とその像を拝する人」かかる人にむかって第一の審判は、来るのである。神の印を額に印せられた一四万四千人は、いなごによって損われなかったが、獣の印...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一六章 七つの金の椀(1)

    分解一 殿からの声 1二 第一の金椀――腫物 2三 第二の金椀――海の生物が死ぬ 3四 第三の金椀――水が変って血となる 4~7五 第四の金椀――太陽の熱 8~9六 第五の金椀――暗黒と苦しみ 10~11七 第六の金椀――三つの汚れた霊 12~16八 第七の金椀――いかずち、いなずま、地震、雹 17~21オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一五章 最後の七の災いを持った七人の天使と勝利者の讃美(2)

    〔5〕「あかしの幕屋の殿開けたり」あかしの幕屋とは、至聖所を指す。モーセが神の命を受けてシナイ山のふもとにおいて造った幕屋からきた比喩である(出三一18、民一七7)。長く神はかかることをなす約束を与えられていたが、ことごとく成就する時が来たのである。神は悪魔を破り、その大能のみ手を動かされた(一一19)。一一章15節から19節までとこの一五章とは、相似ている点がある。〔6〕七人の天使は、一章13節のキリストの...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一五章 最後の七の災いを持った七人の天使と勝利者の讃美(1)

    分解一 七人の天使 1二 勝利者の讃美 2~4三 七人の天使と金椀 5~8略解一四章の終りに見る審判をなお詳細に説き明したものである。〔1〕「七つの災い」これは神の怒りの酒ぶねであって、第一、第二と順序よく出てくるのではなく、同時に継続して起ってくるものであると理解すべきである。「神の怒りはここにて尽るなり」最後に起る神の怒りである。「くすしき異象」神の怒りのために現われた異象である。〔2〕「火の混りた...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一四章 二種の刈入れと天使の宣言(4)

    〔14〕「白雲」清くかつ輝いているさま。キリストの栄光を現わす。「人の子」キリスト。「金の冠」神性と王を表わす。すなわちキリストを王として神として審判主として、権威をもって現われて下さる。「利き鎌」罪人を滅す恐ろしい鎌。「座せり」審判の型である(マタイ二五31、32)。〔15〕「殿より出で」直接に神から出て神の命令を抱いて来るのである。「刈時すでに至れり」審判を下す時がすでに来た。「地の穀物すでに熟したり...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一四章 二種の刈入れと天使の宣言(3)

    〔6〕今の時代では、神は福音宣伝を贖われた者に託しておられるが、この時代になると悪魔が具体的に現われて、超自然の力をもって暴威をふるうために、神は天使に力を与えて、福音を宣伝させられるのである。「永遠なる所の福音」福音の真理が永遠に動かないものであるとの意である。この時代の福音は罪人を救う福音ではなく、今日の恵みの時代における福音と異っている。永遠の福音である。〔7〕「神を恐れ、栄をこれに帰せよ」こ...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一四章 二種の刈入れと天使の宣言(2)

    〔1〕「シオンの山」エルサレム神殿のあったところである(詩四八2)。ここでは将来に現われるべき新しいエルサレム、すなわち天国にたとえているものである(黙二一2)。「一四万四千の人」。 12×12=144……………神の数 144×1000=144000……完全数これは先きに七章4節で印を捺された者であってユダヤ人中の選ばれた民のことである。この民の受けた印の対照であって、民は小羊の名を受けた者である。「名」はその実を現わし、性質にお...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一四章 二種の刈入れと天使の宣言(1)

    分解一 一四万四千人 1二 彼らの讃美 2~3三 彼らの資格 4~5四 第一の天使の福音宣伝 6~7五 第二の天使の宣言 8六 第三の天使の宣言 9~12七 天からの声と霊の声 13八 人の子と二種の刈入れ 14~20オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一三章 二匹の獣――偽キリストと偽預言者(3)

    〔11〕「一匹の獣」偽預言者のこと。この子をイスカリオテのユダであると言う人もある。悪魔の三位一体は、竜、偽キリスト、偽預言者である。「地より出ずる」明白ではない。しかし、事実地から出るがごとくである。地から超自然の者が出て来て羊のような様をする。「二つの角」偽預言者が、偽キリストから与えられたすべての権のみならず、宗教上の権もあると解する人もある。またこれは自然界、超自然界のことであると解く人もあ...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一三章 二匹の獣――偽キリストと偽預言者(2)

    〔1〕悪魔の奥義の現われるところ。あたかも神の奥義がキリストによって現われたようにである(テモテ前三16)。ただし、七章と関連している。今までに悪魔はいろいろな手段方法をもってこの世の権力を用い働いてきたが、いよいよこの時になってその姿を現わしてきた。これは悪魔がその力を現わして働こうとするためである。「七の首」「十の角」共に恐ろしい権力をいう。首は尊厳の意、角は権威を現わす。「十の冠」悪魔はこの世...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一三章 二匹の獣――偽キリストと偽預言者(1)

    分解一 第一の獣 1~7 獣の形状と権威 1~2 獣の人望 3~4 獣の勝利 5~7二 警戒 8~10三 第二の獣 11~18 獣の形状 11 獣の権威と働き 12~15 獣の印誌 16~17 獣の数目 18オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一二章 女と龍の異象(4)

    〔13〕「女を悩ませり」地上に残された有形の教会は、悪魔からはなはだしく迫害される。〔14〕神の特別の保護がなければ悪魔に殺され滅されてしまうであろう。「大いなる鷲の二つの翼」神の救いの力(申三三11。出一九4)である。神の救いの力は再び患難時代に現われる。「野に」イスラエルがエジプトを離れて淋しいシナイの野に来て、天来のマナをもって養われたように、淋しい野に行き難を避けて神の聖手に守られるのである。神...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一二章 女と龍の異象(3)

    〔7〕「ミカエル」キリストであると解する人もある。しかし、天使の長と解すべきである。悪魔と天使との戦い。〔8〕悪魔は天にあって暗の権威を司ったが今はキリストの勝利が有形に現われて来たので、天にいることが出来ないのである。〔9〕「悪魔」ギリシャ語では訴える者との意。「サタン」へブル語では敵する者との意であって、保恵師の反対。「老蛇」惑わすことは彼の特色であって、奸智にたけた者である。〔10〕大讃美。あが...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一二章 女と龍の異象(2)

    〔1〕「大なる異象」ヨハネはこの異象の大きなことに驚いた。第一は、女、第二は男子、第三は龍である。「一人の女」諸説がある。ある人はマリヤであると解し、男の子をキリストと解する。その他エルサレム、またイスラエルあるいは初代教会、ローマ教会(この場合には男の子はコンスタチン帝)であるなどと解釈する人もいる。これは過去の歴史に適応させるべきではなく世の終りのときに起るべきことである。サイス氏の解釈によれ...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一二章 女と龍の異象(1)

    分解一 一人の女 1~2二 赤龍 3~4三 男子 5四 女の避難 6五 天における戦い 7~10六 悪魔の怒りと証人の勝利 11~12七 龍の迫害と女の保護 13~17オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一一章 神殿をはかることと二人の証者および第七のラッパ(4)

    〔15〕地上にはまだ顕現してはいないが、天においてはすでに成立しているのである。キリストが王の王としてこの世を治められる時が来ることの預言である。聖国がこの世に成るとき、み心が天に成るように地にも成る時が来るのである。〔16〕大きな讃美礼拝。〔17〕「今いまし、昔しいます全能の主なる神よ」一章8節、四章8節には後いますとあるがここには記されていない。これは特に今に重きを置いたためである。現在において主の国...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一一章 神殿をはかることと二人の証者および第七のラッパ(3)

    〔7〕「獣」陰府から出て来たもの。超自然の動物であって、いかなるものであるかは不明である。「これと戦いをなし勝ちてこれを殺さん」神の許しによってこの動物は二人の証者と戦い、勝ってついにこれを殺すのである。神の栄光のために一時悪魔に勝つことを許されるのである。しかし、殺されるものはこれによって殉教の栄光を受け、ついにはよみがえりの恵みに浴するのである。〔8〕「その屍は大なる町のちまたにあり」証者の死体...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一一章 神殿をはかることと二人の証者および第七のラッパ(2)

    〔1〕「われ」ヨハネであって、聖徒全体を代表している。一○章の終りにおいて、ヨハネはキリストの手にある巻物を取ってこれを食し、その結果預言をした。そして今は聖徒の特権として審判時代に審く権利を与えられた。「杖の如き葦」杖はこらしめ、鞭打つことの意。あるいは革命、または政治すなわち神から授けられた特別の権威。葦は、はかり竿の意。原意はキャノン(正典)と同じ字であって定規の意。測るもの調べることを言う。...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一一章 神殿をはかることと二人の証者および第七のラッパ(1)

    分解一 神殿をはかること 1~2二 二人の証者 3~14三 預言 3~6四 二人の証者の殉教 7~9五 悪人の喜び 10六 証者のよみがえりと昇天 11~12七 地震 13八 第七のラッパの審判 15~19オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一○章 一人の強い天使の小さい巻物(2)

    〔1〕「一人の強き天使」キリスト。「雲を着て」み座のそばに雲がある。(詩九七2)、雲に乗ってくることは神の栄光、威厳を現わす。「天より降る」これは主の再臨ではない。ヨハネの黙示したところのものである。「日」栄光。「火の柱」堅固。この足の行くところを焼きつくす恐ろしい光景を示している。〔2〕「小さき巻物」五章にあった巻物であろうとの説がある。「その右の足を海の上にふみ、左の足を地にふみ」キリストが陸と...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一○章 一人の強い天使の小さい巻物(1)

    分解一 一人の強い天使の姿 1~2二 七つの雷の声 3~4三 天使の誓言 5~7四 小さい巻物と天使の命令 8~11オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第九章 第五、第六のラッパの審判(3)

    〔13〕「金の祭壇」神を信じる者には、祝福となり、神を信じない者には審判となる(八3~5)。〔14〕「ユフラテ」人の造られた場所にある河。この所に神の祝福が下り、悪魔もそのわざを始めた。神と悪魔との最後の戦いをする場所である。〔15〕「四人の使者」四は完全を現わす。全世界に及ぶことを意味する。「許されたり」神の許しを得るまで待っていたが、その許しがあったので釈き放たれたのである。「年月日時」その年、その月...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第九章 第五、第六のラッパの審判(2)

    〔1〕「一つの星」第八章の星は鉱物であったが、これはそうではない。権威を持って輝いていたものであるが、堕落して落ちて来た天使である。「底なき穴」この世の穴ではなく、陰府である。陰府は霊界での悪の勢力の満ちあふれたところ。恵みによって今はこの世と陰府との交通遮断がされているが、この時になると神の許しを得て、交通が始まり、陰府の門が開かれるのである。「鍵を与えられたり」この世と交通するために陰府の門を...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第九章 第五、第六のラッパの審判(1)

    分解一 第五のラッパの審判 1~12 イ 底なき穴 1~2 ロ いなご 3~10 ハ いなごの王 11~12二 第六のラッパの審判 13~21 イ 四人の天使解き放たれる 13~15 ロ 騎兵 16~19 ハ 人々の状態 20~21オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第八章 ラッパの審判(3)

    〔7〕「血の混りたる雹」一八一九年。パッフィンスベイ近くの山の八マイル四方に血の色の雪が降ったことがあると言う。その他ビクニウス山、ノウルウェイ等にも降ったことがあると言われる。これはたんにやがて現われて来ることの模型であって、世の終りには物すごい光景で降って来るのである。木を大人物、草を普通の民衆として解する人もあるが、これは文字通りに解釈すべきであろう。〔8〕「火に焼かれる大なる山の如きもの」ど...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第八章 ラッパの審判(2)

    〔1〕七章の終りにおいて大讃美があった後、半時ばかり天が静かになった。これは実に厳粛な光景であって、恐ろしいわざわいの迫って来たことを悟ったためである。詩篇の中にも大讃美を、歌ってきてのち「セラ」に至ってしばらく静まるものがある。これは実に神の沈黙の力の働く時である。〔2〕「七人の天の使い」神から各自一つのラッパを与えられたために、静かになったのである(アモス三6)。七つのラッパは、祈祷の答として吹...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第八章 ラッパの審判(1)

    分解 一 第七の封印と七つのラッパ 1~2 二 主イエスおよび聖徒の祈祷の答 3~5 三 ラッパを吹く準備 6 四 第一のラッパ……雹と火 7 五 第二のラッパ……火に焼かれる大きな山のようなもの 8~9 六 第三のラッパ……星 10~11 七 第四のラッパ……日と月と星との変化 12 八 一つの鷲のラッパ 13オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第七章 患難時代の聖徒(4)

    〔15〕14節の条件を果たしたものの祝福。第一、「神の宝座(くらい)の前にあり」私たちは、この世の帝王の前に立つ事のできないものであるが、神から与えられる祝福によってみ座の前に立つことができる(二四人の長老、四つの生き物のようである。み座には座すことはできないが)。これが栄光、また喜びである(ユダ二四、コロサイ一28)。聖霊は言い難い嘆きをもって、私たちのために祈り、私たちをしてしみなく、傷なき神の前に...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第七章 患難時代の聖徒(3)

    〔9〕天の有様。すなわち患難を経て来た聖徒の祝福の状態である。 (一)六章において神を信じない人々への地上の患難が現われた。 (二)七章一節から八節までにおいては、選ばれた神の民の有様が記されている。 (三)七章九節から一七節までには、天にある聖徒たちの様子が見られる。神を信じない者も神の民も、天にある聖徒もみな患難時代を経て来たものである。「諸国民、諸族、諸民、諸音(いん)」先の一四万四千のイス...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第七章 患難時代の聖徒(2)

    〔1〕神は七つの封印を開かれて、恐ろしいわざわいの来るまでに、患難時代に残された神の民を顧みて下さる。それゆえ、封印を六まで開いて、七まで開かれない前に、これを挿入したのである。「四人の天使」地球の四隅に立って、この世をかき乱しわざわいを来らせようとする嵐をとどめ、何一つどこにも風を吹かせず、あたかも嵐の最中に暫時静穏な時のあるようになし、更に大きなわざわいの来ることのために、このようになしたので...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第七章 患難時代の聖徒(1)

    分解 一 イスラエルの一四万四千人 1~8 二 神の印 1~3 三 印せられたものの数 4~8 四 患難時代の聖徒 9~17 五 聖徒の礼拝と讃美 9~12 六 一人の長老とヨハネの問答 13~14 七 彼らの祝福の状態 15~17オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第六章 七つの封印の審判(4)

    〔12〕地上の審判。「地震」大きな地震は世の末期におこる禍いの一つである。近世においてサンフランシスコに、イタリアに、南アメリカにあった地震は、実に大きな地震の来るであろうことの兆候である(ハガイ二6、へブル一二26)。「日は毛布の如く黒くなり」今から一三〇年以前に、一七八十年一○月九日合衆国の北方において、日蝕ではなく、太陽の暗くなったことがあった。大陽の全体が見えなくなったのではなく、光線が失われ午...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第六章 七つの封印の審判(3)

    〔9〕霊界のことで、諸説がある。ある人はいう。「後の叫び(10)によって、これはキリスト教徒ではなく、ユダヤ人であろう」と。他の人はまた言う「これは普通の殉教者、ことに世の末期(主の空中再臨から、患難時代にかけて)において最後の激戦で殺された人である。それはこの人々を殺したものが、なお世に住んでいることを(10)知るからである」と。「神の道のため、およびその立てしあかしのために」神の道を宣べ伝えたこと...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第六章 七つの封印の審判(2)

    神の審判が現われる(イザヤ二六9)。この審判は世の人に神の美しいことを示し、彼らに罪を悔改めて立ち帰らせるためである。〔1〕「生き物」キリストの形であり聖徒である神の御座に近く侍る者(四7)を言う。このような者には、審判することのできる大きな権威を与えられた(コリント前六2)。世をも天使をも裁く権威である。これ聖書を一貫している思想である。これは神の叫び声である。事物の進行を示している。長く秘密として...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第六章 七つの封印の審判(1)

    分解 一 第一の封印 白馬 1~2 二 第二の封印 赤馬 3~4 三 第三の封印 黒馬 5~6 四 第四の封印 灰色の馬 7~8 五 第五の封印 殉教者の霊 9~11 六 第六の封印 天変地異 12~17オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第五章 小羊の前の礼拝(3)

    〔8〕「巻物を取るとき」これは讃美の動機である。久しい間願ってきた願いが、キリストによって成就した。キリストが神から受けられたことは、すなわち私たちが神から受けたことである。私たちが失った産業を回復したことである。それゆえに、この時に大讃美が起った。「ひれ伏したり」無限の感謝をもって、キリストを拝した。「この香は聖徒らの祈りなり」聖徒が祈る長い間の祈りがこれである。この祈祷は一つ一つ天に昇って行き...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第五章 小羊の前の礼拝(2)

    〔1〕「七つの印」七は完全を現わす。完全に厳重に封印されたもの。「巻」ユダヤの風俗では、財産の地券書があって、その権利の所有を現わす巻物である。しかし、零落して財産を売り払う時は、その巻物に権利を放棄したことを記し、これを巻いてその表面に保証人が保証をして、記名証印してこれに封印をする。もし、売り手がその代金を返せば、その封印を解いて買戻したことを表わす。それゆえ、金を返却できない時には、その権利...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第五章 小羊の前の礼拝(1)

    分解 一 七つの封印を解くに足る者 1~5 二 前に殺された小羊 6~7 三 聖徒の祈り、四つの生き物および二四人の長老の讃美 8~10 四 天の讃美 11~12 五 万物の讃美 13 六 四つの生き物および長老の礼拝 14オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第四章(4)

    〔8〕「六つの翼」セラピムには、六つの翼があった。六つの翼の内、二つは面をおおっていて、謙遜を現わす。二つは足をおおっていて、慎しみを現わす。さらに二つは飛ぶためで、迅速な服従をしめす。「その内外ことごとく目なり」「また前後ことごとく目なり」(6)目は聖霊、光、悟りを現わす。この四つの生き物は、真の知恵と真の光である。真に聖霊に満される時には、前後左右から悪魔を悟ってこれを防ぐことができる。翼の内外...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第四章(3)

    〔4〕「二四人の長老」諸説がある。一説にはイスラエルの十二の族と新約の十二使徒であって、旧約の子を代表していると。一説には、二四は神の前における全き数を現わしている。祭司の組は(歴代上二四18)二四に分かれていた。「長老」先立つ者。年齢も恵みも、経験も人に先立つ者。教会の長子を現わす。私たちを代表する者。聖徒中でも信仰において、恵みにおいて高い人。「白き衣」(三5)長老の一特色、目を射るばかり輝く栄光...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第四章(2)

    〔1〕「天に門開けありたり」教会時代のことは、三章までに終り、四章からは主の空中再臨の時が来る。教会時代の終りにおいては天の門が開け、霊的にはキリストのあがないにより成就したが、再臨の時には具体的に成就して、私たちの肉体も天国に入ることが出来るのである。罪のために閉された天の門はキリストの血の力と十字架の功によって、霊のためだけでなく、肉体のためにも開かれた。「ラッパの如き声」全世界に響き渡る大き...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第四章(1)

    参考 四章以下については、人によって大いにその解釈が異っている。しかし、結局次の三説に帰するようである。 (1)ヨハネ当時のこととして解釈する (2)今日までの歴史に照して解釈する (3)将来のこととして解釈する(再臨の光をもつ人の解釈である)分解 一 開けた天と携挙 1 二 御座とその上に座す者 2~3 三 二四人の長老 4 四 神の威厳と七つの灯火 5 五 四つの生き物とその讃美 6~9 六 二四人...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第三章(6)

    〔17〕信仰の温かさは、自分の姿の判然としているためである。「自ら我は富かつ豊かになり、乏しきところなし」自分では恵まれているつもりで、教理を知り、経験もあり、恵みも味わっていて、一見富んでかつ豊かで、乏しいところがない。「悩めるもの」主との交わりを断ち心の内で悩んでいるもの。「憐むべき者」心に悩みのある者は、あわれな状態にあるのである。「貧しく」愛、信仰、忍耐その他のものに欠乏している。「盲い」神...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第三章(5)

    ラオデキヤ教会に贈る書 14~21〔14〕「ラオデキヤ」民を喜ばすとの意である。使徒パウロが以前伝道した地であると思われる(コロサイ四15・16)。ニコライ宗に反対して、民が主となり、共和政体によって世論をもって教会の政治を行い、その結果人心腐敗した。ラオデキヤは、当時繁栄した都会であって、産物として羊毛が多く、物質的に富んでいた。しかし、一面において心霊的に貧弱で次第に信仰が冷やかになった。貧乏したが、信...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第三章(4)

    〔10〕この予言のように、この教会はこの後において大きな迫害にあった。しかし、神の保護の手は、その上に加えられて勝利を得た。これはただ一つの型であって、患難の時代に聖徒は、これから逃れることを意味している。「我が言を守るによりて、我れもまた汝を守りて」神の保護をうけて、患難の時代に患難を逃れようと願うならば、先ずこの世において神の言を信じて、これを守り忍耐しなければならない。そうでないならば、神の保...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第三章(3)

    ヒラデルヒヤの教会 7~13〔7〕兄弟の愛と言う意味である。その教会は、小さい教会であったが、忠実に愛によりて満ちた教会であった。ユダヤ人が来て、この教会を擾乱しようとしたが、信者は皆な堅固であって敵の乗ずるいとまもなく、ついに敵であるユダヤ人は、悔改するに至った。迫害中にあって勝利を得た教会であった。ゆえに主は、少しもお責めにならなかった。これが模範的な教会である。「聖きもの」キリストのことであって...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第三章(2)

    サルデス教会 1~6〔1〕「サルデス」残りの者、当時サルデス教会は、霊的生命が充実していて、生きた教会である言われて名高った。しかし、神の前においては、それは外的な活動のみであって、内実の生命がなかった。時代的に理解すればルーテル以来の改革時代にあたる。その改革運動によって新教の旗色鮮明となったが、これはただ一時的であって、その実が挙らず、カトリックは漸次にその勢力を恢復して来た。「七の霊」教会内の...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第三章(1)

    分解一、サルデスの教会に贈る書 1~6 イ 七つの霊と七つの星を持つキリスト 1上 ロ 責められる点 1下 ハ 勧告と警戒 2~3 ニ 潔い数人 4 ホ 勝ちを得る者の報奨 5 へ 勧め 6二、ヒラデルヒア教会に贈る書 7~13 イ 聖く誠にして鍵を持つキリスト 7 ロ 長所 8 ハ 勝利と保護の約束 9~10 ニ 警戒 11 ホ 勝利を得る者の報奨 12 へ 勧告 13三、ラオデキヤ教会に贈る書 14~22 イ アァメン...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二章(7)

    〔24〕「この他テアテラ人」イゼベルの教えをうけいれない人々。「サタンの奥義」前にイゼベルの教えと呼んだが、今はサタンの奥義といわれる。ある人々のように哲学の理論をもって教えるものは、自ら神の奥義を知っていると称するが、これはサタンの奥義に通じているのである。「他の任を汝らに負わせじ」重荷、すなわち主の福音以外の命令から来る重荷をいう。〔25〕「持つところの者」初め単純に信じたところの福音を持つ者。「...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二章(6)

    テアテラの教会 18~28〔18〕女性の圧制の意である。この教会の起源は、ヨーロッパ最初の悔改者ルデヤの出身であって、教会が女より始まったように(使一六14)、女が教会内に勢力をもつものとなり、最初は善い勢力であったが、後になって悪しき勢力となるに至った。「目は炎の如く」輝き探る恐ろしい力ある眼(23対照)。「神の子」キリストは、神の子として現われその権能は27の如くであった(詩二7、9参照)。「その足は真鍮の...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二章(5)

    ペルガモ教会に送る書 12~17〔12〕「ペルガモ」大きな図書館のあることで有名である。ゆえに知識の進歩したところである。またエスカラビヤ(蛇の像)となり偶像のあることでも有名である。一方においては、知識、他方においては偶像の勢力の盛大なことによって、信者は非常に迫害されたと言われている。ペルガモという字義は、塔という意であって、これは傲慢を示し、また婚姻という意味もあって、これは更に姦淫をも示している...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二章(4)

    スミルナ教会に送る書 8~11〔8〕「スミルナ」エペソからわずかに離れた地にある小都会。この名の字義は没薬と言う意味である。当時のこの教会は、迫害中にあって、大いに苦しんでいたので、主の責められるところが少しもなく、七つの教会中このようなものは、他にフィラデルフィアあるのみであった。「いや先、いや果てのもの」永遠にあるものの意。「死にてまた生きたるもの」この世で一度死んだ者、死に勝たれて今現に生きてお...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二章(3)

    〔5〕聖霊の厳かな勧告と警戒。「いずこより落ちしかを思い」どのように高い所からどのように低いところに落ちたか、以前には恵みの高い標準にあったのが、今は低いところに落ちたと諭している。「思い」その原因を考えて、あることのため、ある人のために誘われて、神の恵みから落たのではないかを思い出すことである。「初めのわざを行へ」ただ表面ばかりの活動ではなく愛から出る働きをなすべきこと。パウロがテサロニケ前一3に...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二章(2)

    エペソ教会に送る書 1~7〔1〕「エペソ」当時非常に盛大な都会であってアジアの光、アジア第一の都会と呼ばれていた。パウロは、この地の伝道に力を尽しこの付近で三年間働いた(使徒二〇31)。その後テモテが、この教会の監督となった。「使者」教会全体を代表する伝道者。「七つの星を執り、また七つの金の灯台の間を歩む者」これはエペソ教会に対して現われなさったキリストの御姿である。「右の手に七つの星を執り」執りとは...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第二章(1)

    分解一、エペソ教会に送る書 1~7 イ 七つの教会の間を歩むキリスト 1 ロ エペソ教会の長所 2~3 ハ 責められる点 4 ニ 悔改のすすめと警告 5 ホ 是認された点 6 へ 生命の木の約束 7二、スミルナ教会に送る書 8~11 イ 死んで、生き返ったキリスト 8 ロ スミルナ教会の長所 9 ハ 迫害の預言と奨励 10 ニ 報奨 11三、ペルガモ教会に送る書 12~17 イ 両刃の剣をもつキリスト 12 ロ 長所 13...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一章(7)

    〔17〕かかる姿でキリストが現われたときに、ヨハネは、死んだ者のようになった(ダニエル十7、8、16、17参照)。イザヤが、神を見たときのようである。このように血肉が全く死んだときに、キリストは右の手をあてて彼を甦らせなさった。このようにして彼は、初めて生きたキリストを見たのである。黙示を受けようとするためには、このような態度を通らなければならない。倒れて後に起されるのである(民二四4)。「我はいや先なり...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一章(6)

    〔12〕「声を見んとて」声を聞こうとしたのはもちろんのこと、その声を発している者をなんとか見ようとしたのである。このように記者の目と耳とが、主に向って働いたことは、その全注意力を主に注いだことをあらわしている。主は、そのような態度を、私たちにも要求しておられる。「金の七つの灯台」これは、教会のことである。教会は、このような者として置かれたのである。「金」は、神性を示す。「灯台」は、光を示す。この世の...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一章(5)

    〔9〕記者自身を現わす。「汝らの兄弟」読者に対してご自身を兄弟として現わしている。自己を卑しくして、私たちと同じ位置におかれた。これが彼の謙遜である。「なんじらと患難を共にし」まことに親密な関係である。快楽ではなく、患難を共にしたもの、イエス・キリストの国および、その忍耐を共にする者イエス・キリストの国は、霊的な王国である。この悪魔の支配する世界にあって、あなたがたも、私もイエス・キリストの国に共...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一章(4)

    〔7〕「見よ、彼は雲に乗って来る」栄光をもって現れ給う時にこのようになる。雲は、神の栄光のあるところに伴う。キリストの地上再臨を示す(使徒一9、11)。他の事を説くのではなく、再臨のキリストを説くのであると。先ず第一の幕が開けられる、これが本書の特色である。再臨は、第一降臨の時と異なり、栄光と権威とをもって下られる。「すべての目かれを見ん」キリストは、このとき、全世界のものに見られ、かつ知られるように...

  • 「ヨハネ黙示録略解」第一章(3)

    〔4〕「七つの教会」七の数が完全数を現わし、世界にある全教会を代表している。どのような種類のものもみなこの中に含まれているので、これはいかなる信者にも適応する。黙示は、アジアの七つの教会に与えられた書であって、また全世界の教会にも与えられた書である。「今いまし、昔いまし、後います者」、父なる神、ありてある主、時代のどうであるかにかかわらず、いつも存在し給う神を言う。「七つの霊」全き霊、父の前にあっ...

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