「こんな番組を観るようになったら私もオバハンやな」昭和の懐かしい歌番組を観て妻がつぶやくちゃんと聞き取れなくて聞き直したから二度も言わせて悪かったでもこの番組…
この季節にここに来るのは初めてだった新緑の頃に来た時はここにあるすべてのものが芽吹いて渦巻くエネルギーに足を取られた十年ほど前に植林された何百もの松は人間と同…
お勧めされて行ったライブ勧めた本人にどうだった?と聞かれよかったよと一言あとに続くそれほど響かなかったとか息が合ってなかったとかベースの手数が多すぎたとかは飲…
自転車で行くから雨なら行かないよと言った日に雨が降ってそして止んだ道は充分に濡れて信号機の赤い点滅を跳ね返している街は充分に濡れて人通りは散り散りのまばらフー…
知らない間に夜が明けていた明けていく様を眺めるのもいいけど気が付かないでいるのもいいヒソヒソ話はギリギリ聞こえる距離でされるから気になってしまう全く聞こえない…
君はきっと間違ってはいないあの頃のままの君が今ここにいるだけだ変わってのしまったのは僕の方だどうやらずっと変わらないものをずっと好きではいられないらしいきれい…
もうあの人達と仕事するのは無理とその人は言うじゃあ水曜日は休みにしたら?とはいかないようで月に2万円ほど減るのはキツイと言う無理とキツイを比べれば本当ならすぐ…
多分僕は疲れていたので昼寝をすることにした働き過ぎだよもっとやりたいことやりなよと友達は僕の顔を覗き込んで言う日帰りのバス旅行に行こうよとも言うさてどうしたも…
誰がなんと言おうと今日は小春日和だだから僕は今日でなくてもいい買い物に行ったおかげで君が買い忘れた唐辛子を忘れずに買えた冷たい空気が日に照らされて街の隅々まで…
午後三時半下校途中の小中高生が行き交う高学年の小学生はもうランドセルが似合っていない体操服姿の中学生はじゃれ合って別れ道から離れられない自転車通学の高校生は自…
バキッと音がして足の裏に違和感見おろせばトレイの端が潰れていたトイレじゃなくて食器を載せたりして運ぶトレイだプラスチックで出来たいかにも安そうなそれは100均…
知らない間に癒やされていて後になって気付くことがあるそれはあまりに勿体なく そのとき確かに癒やされていると感じてその場面を全身全霊で噛みしめたいそのとき湧き出…
小銭入れがないあちこち探してもない記憶をたどって7時間前にスーパーのセルフレジに置き忘れたと思い出した急いでスーパーに行くと誰かが拾って届けてくれていた日本は…
潜り込んでそのまま寝てしまうのもいい叱られるけど叱らずに薄いブランケットをそっと肩に掛けてくれたら最高にいい近いからといってリモコンを取ってとか言わないで欲し…
コタツにミカンは最高だ芯を取ってくれるならリンゴもいい皮は剥かなくていいコーヒーもいいし熱いお茶もいいそれなら煎餅もいいしうどんだっていい青ネギをいっぱい散ら…
ああコタツはいいなぁ日本の冬にこれ以上の最高はないと思う熱めのお風呂がこれに匹敵するかも知れないけど服を脱がなきゃならないしいつかは出ないといけないし飲食は難…
風は冷たく突刺すような冷気を振り払うようにペダルを漕ぐその店で何度か顔を合わす寡黙なその人は今日も伏し目がちだったそしてその人はゆっくりと席を立ち僕と軽く会釈…
僕の古いスーツを引っ張り出して君は「成人式はこれ着て行こうかな」僕がそれを着ていたのは四十年も前のこと三つボタン段返りのアメリカントラディショナルだそれを語り…
情報をくれる人情報を操作する人味方に取り込もうとする人仲間に入ろうとする人揉め事に水をやり育てようとする人色んな人が色んな思惑でまるで悪魔の誘惑のように僕は二…
昼寝から目覚めるといつも時間が止まっているだけど冷静に情報を仕入れ客観的に考えればすぐに状況はつかめるだけどだけどそんなことはせずにただぼんやりとして本を引き…
結構な雨の中カッパを着て自転車に乗った水遣りと掃き掃除をしなくていい分時間は余るはずなのにどこで間違えたのか急いで漕がないといけなくなって雨に濡れる街並みや川…
午後五時ウォーキングに出掛ける保育園の前を通るとお迎えを待つ園児たちの声飛び跳ねて転がるような高い声を聞くと体じゅうの血液が逆流する本当は体の中で何が起きてる…
雲のない下を自転車で行きたかった小春日和に少し冷めた風を練り込んだらどんなにカラフルなトッピングが生まれるだろうかお気に入りの器はもう決まっている今日でなくて…
粘り強く耐えて君は大きなミッションを成し遂げた部活OB会の案内を往復ハガキに印刷するというもの今の時代に往復ハガキってなんて言うけど相手はOBで高齢者も多くメ…
夜中に強い風が吹いて花や葉がいっぱい落ちてまだ風が残る朝掃くのに時間がかかるだろうと早目に外に出たするとなんと家の前の道はすっかり綺麗になってる誰が掃除してく…
病床とは大袈裟だったと反省でも仕事以外はほぼ寝たきりだったのも事実不自由な中では当たり前だった習慣に疑問符がついて見直すきっかけに自分に必要だと信じていたもの…
風邪をひいてしまった日頃から健康なんだと慢心していた老いては妻に従えというが早く気付くべきだった迷惑をかけてしまっているそしてこういう時の妻はとても優しい至れ…
こことは違う海だけど海辺の町で生まれ育ったからか海からの帰り道はいつだって幼い頃の記憶が混じり入って物悲しくなるどこの海も繋がっているけどもしかしたら遠い昔の…
トンネルを越えて海に出ると誰も居なかった波打ち際の砂浜には足跡がいつくかあって波に消されるのを待っていたシーグラスを探すけど誰かに取り尽くされたのかなかなか見…
川沿いを歩くと稀に跳びはねる魚に出会う意識の深い所のこれでいいのかなという問にいつだってイエスと答えてくれるそう思っていると大きく跳び上がった魚が銀色の腹を見…
職場の窓を開けると雲が迫って来た少し押されて動けなくなるふと昨日の君との会話を思い出すけど切り取られた映像が止まったままで何を話したのか思い出せない我に帰ると…
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「こんな番組を観るようになったら私もオバハンやな」昭和の懐かしい歌番組を観て妻がつぶやくちゃんと聞き取れなくて聞き直したから二度も言わせて悪かったでもこの番組…
これはもう夏の雲なのではと思った日昨日ちょっとしたミスで落ち込んでいると言う人にどんな言葉も昨日のその人には届く筈もなく今日のその人には気休め未満でしかない遠…
挨拶しても無視されるまあいいか煙草の臭いがやってきたまあいいか自分の方が雑なのに細かい事を指摘してきたまあいいか何を話しても自分の話にすり替えられるまあいいか…
いっぱい知ったからいっぱい忘れられるのかいっぱい知ろうとすればいっぱい忘れられるのか忘れたいと思ってることは忘れたいと思えば思うほど忘れるリストの先頭から後ろ…
窓を開ければレースのカーテンがぐぐっと部屋の内側にふくらんでふくらんで耐えきれずしぼんでいって外に出たいけど叶わずそうこうしているうちにまたぐぐっとそんな永遠…
ポーチュラカが咲いた冬を越して春に少し伸びて梅雨になって蕾を付けた今日落ちてしまう一日花だけど次の蕾がすぐ隣で明日を待っている時の過ごし方は違うけど人の世と同じ
辺りはもう明るいほんの30分ほど前はまだ薄暗かったのに太陽の偉大さに改めて気付かされて外に出ると肌寒かった陽を浴びた風は後からやって来るんだ小鳥のさえずりが一…
夕暮れに雑木林に入ってすぐ話し声が聞こえる目を凝らせばオレンジ色の短パンに黒Tシャツで緑色のキャップ口ひげを生やした太ったオジサンが一人で立ち止まってずっと喋…
もうあと数日たてば職場で健康診断がある誰もが考える愚かなことだけど少しでも体重を落とそうと頑張ろうと思って本当に頑張れるのは十人に一人くらいかその一人になろう…
ポーチュラカを植える為のスペースを確保しようと土を掘り起こしているとでっかいミミズが現れた騒がしてゴメンなさい君がここの土をフワフワのフカフカにしてくれてたん…
からりと晴れた日でも雑木林の中は程よい湿気を纏っているいつものコースを歩き進めると前から若い女性もしかしてこの前の魔女かいいや黒いパンツに黒い靴だけど真っ白な…
この時期はもう夕方の庭いじりは危険でほんの30分程の間に20ヶ所も蚊に刺された最初はちょっとくらいならいいよと刺されても無視していたけどとろい奴がいるよと連絡…
ぼっぽつぱぽばぱぱぼっぽばぽばぱら雨合羽に落ちる雨粒は紛れもないアナログの音フードの中で共鳴するのは頭の中の遠い記憶かずっと聴いていられるしずっと聴いていたい…
雨はそんなに嫌いじゃないこれは周りに気を遣って本心を隠した言葉雨も結構好きだなんて言うと醒めた目で0.5秒程見られてすぐに視線を逸らされて嫌な顔をされる若い頃…
雨水を吸い込んだ雑木林は新芽がぐんと伸びて緑が濃く深くなっている時を忘れて佇めば足から根が生えて木になってしまいそう前から来た女性は上下が真っ黒で黒いフェイス…
雨あがりの夕暮れ前小鳥たちは騒ぎいつもはのんびりのダンゴムシも少し早足雨あがりの宴に僕も参加させて貰おうと長雨で溶けそうな花を摘み進めれば遠目に鮮やかさが蘇り…
何故だろうミルクティーは好きじゃないのにふと飲みたくなったその前にミルクティーが好きじゃないのは何故だったか思い出せないままひと口飲むとミルクティーが好きで飲…
戻れるならいつに戻りたい?なんて話に花が咲いてでも仕事が始まり僕の番は回って来ずその日は終わったそしてお風呂の中でゆっくり考えるはからずも人生を振り返ることに…
花の植え替えをしているとフリーペーパーを配布する人が「いつも勉強になるなと思って見させて貰ってるんですよ。園芸の専門家の方ですか?」「いえいえ、趣味でやってる…
だから人は心の凪を求めてトイレやお風呂に籠もるのかそれなら歩き慣れたコースのウォーキングはもっといい意識しなければ手足は勝手に動いて景色だけが過ぎる水面を行く…
店の駐車場にはロープが張られて定休日の文字も昨日あんなに練った予定がボロボロと崩れ落ちるその後は何をやってもうまくいかない今日はそういう日だったんだと諦めかけ…
結局車の買い替えはやめて車検を受けることにしただけど10日ほどの間に夫婦であれこれ話し合って改めてお互いの考えや何に重きを置いて生きているのかがよく分かってよ…
夢を見ながらこれは今後の人生の指針となる夢だから一語一句漏らさず覚えておこうと思っていたそして目覚めるときれいさっぱり忘れていたなんとかして思い出そうと五十音…
雨の日車の中で人を待つスマホがあるからいくらでも待てるでもスマホがなかった時代でもフロントガラスにぶつかって流れ落ちる雨粒の様子はいつまででも見ていられた今な…
車検のタイミングで買い替えの案が出たディーラーを三軒回れば三人の営業と出会うよく喋る人こっちが喋らされる人雜談ばっかりの人人間って面白いだけど三台も買えない誰…
ウォーキングの折り返しに大きな木が群生しているこんにちは挨拶するけど何も言わないでも本当は僕より先に何か言ってるのに僕には聞こえていないのだろうこの世はきっと…
思いがけない休日の朝予定はまだないだらりと伸びた身体は水飴のようだけどそんなに甘くはない学生の頃炉端焼き屋でバイトしていて経営者が醤油ダレを作るのを見せてくれ…
僕は気が動転していたと思うみんなが食べてもちろん僕も食べて残ったわらび餅が三つきな粉を薄く纏って肩を寄せているこういう時は僕が完食するのが通例だけどなんだか気…
時々やってくる浮遊感身体は軽いけど軽過ぎず心はすべすべの縁取りの中を行ったり来たりおかげで心もすべすべのつやつやぎゅっとつかんでもすぐに元に戻りそうだからとい…
僕はその人が苦手だったその人がいきなりやって来て何かの説明を始めたけど全く理解できないその人の言った言葉が頭の中には入らず目の前でフライパンで煽られて跳び跳ね…
今年初めてスイカを食べた年に一度か二度しか食べないのにまだ六月なのにもう食べてしまったスイカはスイカ以上でもスイカ以下でもスイカ以外でもなくスイカだった思った…
風に揺れる枝葉に心奪われるのはとても疲れているからか悟りの境地に近いのかそれほど疲れていないからきっとどっちも違う手を伸ばして触れたい何かがあるとぼんやり分か…
年配女性のコミュニケーション能力の高さには頭が下がったまま上がらない整形外科の待ち合いでそれはすぐに始まるしかも声が大きいから会話の内容は全筒抜けで個人情報は…
念願の朝五時に起きた目覚まし時計に頼ることなくとういうことは起きられたら起きてそうでなかったらまあいいかという淡い念願だった朝焼けに間に合うそう思って屋上に出…
他人のせいで自分の予定が狂ったことを空間をねじ曲げるように自分の思いをねじ曲げて自分のせいにしたり狂った結果が予定より良かったと思うことは出来ると思う空間をね…
雲が繋がっているのか離れているのかまだら模様でどっち付かずそこに飛行機が繋げようと縫っていくもう充分に繋がったタペストリーキャロル・キングの歌を聴きたくなる夕…
夕方六時前でもこんなに明るいのは水平線の向こうまで夏が来ている証拠だ歩幅を少し広くとって足首を使って歩くそう決めていても歩いていると色んな思いが浮んでおろそか…
こんな時代が来るなんてひとつの部屋に家族全員がいてみんな別の方向を向いて手にはスマホかタブレットそれでも誰かの声に反応はして言葉が行ったり来たり昔は視線も姿勢…
天気は下り坂坂はまだまだ続くだろう身体が重く感じる午後ふとやって来た小鳥がひょいひょいと枝を渡っているから僕は窓に駆け寄ったけど思ったよりも身体は鈍くて窓ガラ…
宝石が浮かんだような空はほんの少し立ち止まっただけですぐに消えた目は見開き口は半開きで声は出ない思考もないこの一瞬を永遠と呼ぶのか同じ空には二度と会えない誰も…