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金色銀色茜色 https://blog.goo.ne.jp/knjaskmstkzk

ごめんなさい。 新しい物語になっています。 和洋折中の時代を舞台にしました。

渡良瀬ワタル
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日南市
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2008/05/30

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  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)4

    説明を終えたカトリーヌ明石少佐が副官に目で合図した。頷いた副官が俺の前に綺麗な小箱を置いた。カトリーヌが言う。「今回の褒賞です。陞爵したばかりですので、今のところこれ以上の陞爵はありません。その代わりにこれです」俺は小箱を開けた。宝石が並んでいた。「これは」「ダン様はお金持ちの様なので、お金ではなく宝石に致しました」カトリーヌが珍しくサラリと嫌味を言った。確かに俺はお金持ち。ダンジョン限定で金貨が造れる。金貨だけでなく金塊も、何時でも何度でも。「それにしても綺麗な宝石ばかりですね」「王家の宝物庫の逸品です。今は必要でなくても、何れ大人になれば必要になるそうです」伴侶を得れば必要になる、そう言いたいのだろう。「分かりました。ありがとうございます、と王妃様にお伝え下さい」カトリーヌが躊躇いがちに口を開いた。「...昨日今日明日あさって。(テニス元年)4

  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)3

    俺は駐車場全体を見回した。姿勢の良い私服姿の女性が散見された。軍服では目を惹くので、私服で馬車に分乗して来たのだろう。用心の良い事だ。俺はカトリーヌの指示に従って真ん中の馬車に乗った。軍用だから武骨な兵員輸送車と思っていたが全く違った。軍人の汗の臭いはない。王妃様の車輌と同じお上品な香りが漂っていた。そして車内が広い上に、座席と座席の間に余裕があった。その座席は三人用が三列。上物の魔物の皮を使用していた。内装の木目も美しい。見回しながら腰を下ろした。へえー、座り心地も負けていない。これは高級将校専用車だ。所謂、指揮車。感心する俺をよそに、カトリーヌと副官も乗り込んで来た。俺は一列目の座席の真ん中。対面の二列目にはカトリーヌ。副官が、どこから取り出したのか、仮設のテーブルを組み立て、お茶を用意した。ああ、油...昨日今日明日あさって。(テニス元年)3

  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)2

    学校祭が始まった。開始と同時に児童達がゾロゾロ、大講堂に入って来た。それを見て隣に腰掛けているテリーが自慢気に言う。「来たな一年坊主」確かに彼が事前に声を掛けた一年十組の子達だ。児童達はテニスの模範試合を観戦すべく、そちらへ向かう。俺はクラス委員としてテリーに礼を述べた。「ありがとうございます」んっ、変だ。彼はうちの担任。やるべき仕事をやっただけ。礼は不要だろう。まあ、それは飲み込んで。一年十組の父兄らしき者達も入って来た。彼等にとっては理解できないテニスの模範試合。それでも物珍しさが勝った。多くがコートの周りに足を進めた。講堂の隅に俺とテリーは陣取り、全体の進行を管理していた。今のところ問題はない。二面のコート。プレーヤーは四名。主審二名。線審四名。球拾いは手空きのクラスメイト。試合終了で順次交替して回...昨日今日明日あさって。(テニス元年)2

  • 昨日今日明日あさって。(テニス元年)1

    幼年学校の学校祭が始まった。学校周辺は早朝から送迎の馬車で溢れかえっていた。それを見越してか、近辺の者達は臨時駐車場を開設した。「さあ、安いよ安い」「うちはもっと安いよ」金額は言わない。どうやら、ぼったくりらしい。これも例年の恒例行事、・・・の一つなのだろう。俺は徒歩圏内なので問題はない。否、・・・あった。そもそも伯爵様が歩いて登校とか有り得ない、そう家臣達に注意された。でも今朝も歩いて登校した。今日は特別なので随員はやや多め。まず執事・ダンカン、正式にはダンカン長岡男爵。従者のスチュワート。メイド長のバーバラ。メイドのドリスとジューン。それに兵士が四名。俺が校門を潜ると兵士四名は帰路に付いた。ダンカン達は門衛に招待状を見せると、父兄の控室を教えられた。「ダンタルニャン様、それではここでお別れですね」「あ...昨日今日明日あさって。(テニス元年)1

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