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金色銀色茜色 https://blog.goo.ne.jp/knjaskmstkzk

ごめんなさい。 新しい物語になっています。 和洋折中の時代を舞台にしました。

渡良瀬ワタル
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日南市
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2008/05/30

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  • 昨日今日明日あさって。(伯爵)18

    王女の居室が広いと言えど、五十を数える兵は乱入出来ない。剣や槍の間合いもあり、結界を囲むのは十数名。廊下や階段に控えている者達と交替しながら、結界を壊そうと躍起になっていた。剣で何度も斬り付けた。槍で力いっぱい突いて、柄でも殴った。それでもビクともせぬ結界。数少ない攻撃魔法の使い手達が動員された。火、水、風、土の属性でもって破壊を試みた。爆風で室内が二次被害を出すが、結界には罅を入れただけ。それも直ぐに自動修復された。俺は弓を片手に連中を眺めた。謀反人にしては暗さがない。心からこれが正しいと信じているのだろう。何て連中だ。まるで邪教の信徒だ。幼女を殺める、それのどこに正しさがあるのか。信じて疑わぬにしても程がある。俺の隣に女性騎士が来た。「子爵様、あっ、今日からは伯爵様ですよね。佐藤伯爵様、ポーションあり...昨日今日明日あさって。(伯爵)18

  • 昨日今日明日あさって。(伯爵)17

    ポール殿の声が風魔法でフロアの隅々にまで届いた。「すでに謀反は鎮圧されました。外に出ても大丈夫です。ただ、注意を一つ。清掃していますので濡れた床で滑らぬ様にして下さい」観覧席の一角から堂々たる声で、質問が発せられた。「謀反人は誰だ」「近衛軍が二個小隊。これら部外者が加わっていた」「部外者とは誰だ」「とある侯爵家の者が二十数名」執拗に質問が続いた。「どこの侯爵家だ」「鑑定した者によると、小早川侯爵家」この遣り取り、出来レースだ。小早川家の名を当初から明らかにして逃げ道を封じた。こうなると門閥本家・毛利家も庇いきれないだろう。んっ、強力な魔波。これは、・・・。近くで術式が起動した。自分で言うのも何だが、美しい術式。防御に徹した術式。もう考える必要はない。俺は立ち上がりながら、カールに告げた。「イヴ様が襲われて...昨日今日明日あさって。(伯爵)17

  • 昨日今日明日あさって。(伯爵)16

    会場の表と裏で近衛が同士討ちをしていた。けっして演習ではない。HPがゴリゴリ削られていた。血が流れ、死傷者が続出している証。一方が会場に乱入せんと攻め、片や一方がそれを阻止せんと奮戦していた。これはどう見ても、攻め手側の反乱だとしか思えない。けれどその原因が分からない。状況が状況だ。俺は鑑定の精度を上げた。そして特定した。攻め手側の近衛に扮している者達がいた。その数、二十数名。小早川侯爵家の家臣だ。武官を意味する騎士爵も含まれていた。彼等が攻め手側の先頭に立ち、指揮を担っていた。が、その動機が分からない。あっ、思い出した。小早川家は侯爵家。毛利侯爵家の門閥で、評定衆に席を連ねていた。その毛利家の分家の女の子二人から、つい最近、王妃様と内密に面会できないかと相談された。同学年のパティー毛利とアシュリー吉良。...昨日今日明日あさって。(伯爵)16

  • 昨日今日明日あさって。(伯爵)15

    会場に出入りする者が多い。その全てが礼装。当事者とその関係者のみではなく、警備の近衛兵もであった。儀式感、空気感が半端ない。俺達もその波に飲み込まれた。入り口の受付は典礼庁の文官複数名。忙しなさそうに帳簿等を確認し、書き込みを行っていた。俺達は案内の女官の手続きでスムーズに通過できた。よくよく見ると、全ての当事者に女官が付いている訳ではなかった。大半は当事者か関係者が手続きを行っていた。俺達は何故か特別に扱われていた。フロア入り口には近衛兵が壁を背にして、ずらりと並んでいた。その威圧感、半端なし。女官に気付いたのか、そのうちの二名がサッと前に進み出て来た。そして俺達を先導してくれた。ドアが大きく開けられた。すると通路には赤い絨毯が敷かれていた。近衛兵の一人が俺に囁いた。「伯爵様になられる方は最前列です。御...昨日今日明日あさって。(伯爵)15

  • 昨日今日明日あさって。(伯爵)14

    俺はダンカンに尋ねた。「さてダンカン、君はどこを希望する」「岐阜の近くをお願いします。人手は実家に相談します」ダンカンの実家はポール細川子爵家の執事を務めていた。しかも男爵なので姓持ち。「姓は実家のかい」「実家に相談しますが、出来れば新たな姓を興したいと思います」残りはウィリアムのみ。「ウィリアム、君はどこを希望する」「特にありません」「それでは僕が決めるよ。木曽を手薄にする訳には行かないから、隣接する地に信頼できる者を置きたい。だから君に頼みたい。気心が知れてると思うから、イライザと隣り合わせだ。カール、そうしてくれるかい」当人もイライザも異存はなさそうだ。カールが頷いた。「承知しました。二人を木曽に隣接する地に配します。そして私とアドルフ、ダンカンの三人は岐阜に隣接する地に」俺はもう一つの問題を確認し...昨日今日明日あさって。(伯爵)14

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