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ツンデレ姫と美貌の付き人などの恋愛ファンタジー毎日連載。『アルファポリス』『小説家になろう』参加。

男勝り姫君ユーノと美貌の付き人アシャのハーレクインロマンス的なファンジー小説『ラズーン』毎日連載。『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』は出戻り姫シャルンと腹黒王レダンのラブコメディ、時々連載。

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2006/11/25

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  • 『猫たちの時間』番外編『降る雨の中、傘もささずに~百合香小景~』(3)

    ​**************** 「あの犬…」 きっと今頃濡れそぼっている。 気づいて百合香は空を見上げた。小降りになってきている。今なら走って行けるはずだ。 レインコートを頭から被り、走り出す。下

  • 『猫たちの時間』番外編『降る雨の中、傘もささずに~百合香小景~』(2)

    ​**************** 雨は降り続いていた。下腹の重みが次第に鈍い痛みを伴ったしこりに変わっていくのに、百合香は気づいていた。(どこへ行こう…) 問いの答えはわかっていた。滝の所へ…滝を探

  • 『猫たちの時間』番外編『降る雨の中、傘もささずに~百合香小景~』(1)

    ​**************** ガタッ!がシャン!!「おいっ!!」「わっ…」 降り出した雨に追い立てられるように客の増えた喫茶店の中、派手な物音が響いた。不意にふらついたウェイトレス、その周囲に座っ

  • 『猫たちの時間』番外編『午前2時』5.P.S.

    ​**************** 「ん?」 本の間から落ちた封筒を拾い上げる。 ショッキングピンクに紫の水玉模様、周りを緑がかった金の縁取りがされている、趣味がいいとは言い難い封筒だ。 宛名は『滝

  • 『猫たちの時間』番外編『午前2時』4.アイ(3)

    ​**************** 「はい、朝倉ですが」「あの…夜分申し訳ありません。松本理矢子と申しますが、そちらに滝志郎さんて方……」「松本理矢子……え?! ヤコ?!」『ロウ君なの?!』 電話の向こうの声が

  • 『猫たちの時間』番外編『午前2時』4.アイ(2)

    ​**************** 「…滝さん…?」 額に冷たいタオルが当たって、周一郎がびくりと体を硬直させた。開いた瞳に一瞬警戒心が過ぎる。だが、その光はすぐに消えた。「汗かいて喉渇いたろ? 水持っ

  • 『猫たちの時間』番外編『午前2時』4.アイ(1)

    ​**************** 「ふ、う…」 半分泥水状態になった頭をぼんやりと振った。 時計は午前2時を少し過ぎている。 レポートはようよう1/3ほど進んだばかりで、この分じゃ完徹どころか『今朝』の

  • 『猫たちの時間』番外編『午前2時』3.テレフォン(2)

    ​**************** 「うん…かかってこなかったんだ」 俺は溜め息混じりに繰り返した。 レポートの方は完全にお留守になっていたが、長い間引っ掛かっている事が甦ってきて、俺は改めてスッキリ

  • 『猫たちの時間』番外編『午前2時』3.テレフォン(1)

    ​**************** リンッ。 鋭い音で鳴った電話を耳に当てる。「はい、朝倉ですが」 いつもなら高野が出るところだが、巡視に行ってでもいるのか、俺の方が早かった。『あの…もしもし…朝倉

  • 『猫たちの時間』番外編『午前2時』2.メモリー(2)

    ​**************** 周一郎は施設の中でも特異な存在だった。 小学校にも行っていない子どもが大人並みの思考力を持ち、大人達に向かって意見する。その頃にはルトもすでに側に居て、何をするの

  • 『猫たちの時間』番外編『午前2時』2.メモリー(1)

    ​**************** 「さっ…さっ……さっ」 何も家庭用化学ぞうきんの名前を連呼してるわけじゃない。寒い、と言いたかったが、寒気に麻痺した唇がまともな日本語を話させてくれなかっただけだ。唇

  • 『猫たちの時間』番外編『午前2時』1.ラブレター

    ​**************** 「おい」「ん」 また例のやつか。 俺は溜め息混じりに手渡された淡いピンクの封筒を受け取った。 時々妙な勘違いをする奴がいて、俺と山根が親友だと信じ込み、ご丁寧にも

  • 『人間たちの夜』6.ふざけた終幕(2)

    ​**************** 大学へ着くなり宮田を探す。数人に尋ねて居場所を確かめ、研究室でへらへらと笑う相手を見つけた。「よう、おはよう!」 意気揚々と宮田が手をあげる。「どうだ、朝から周

  • 『人間たちの夜』6.ふざけた終幕(1)

    ​**************** 「、と、コート…」 詰め直したボストン・バッグを軽く叩いて、部屋の中を見回した。 いつもながら、自分の荷物がボストン・バッグ一つに納まってしまうのが、寂しくもありお

  • 『人間たちの夜』5.抜いて抜かれて大騒ぎ(3)

    ​**************** 「やった!」 仁木田が喜びの声を上げて立ち止まり、一気に中を開けようとした。俺の毛が逆立ったのも無理はない、中身は粉薬なのだ。こんなところで開けられたら、それこそ

  • 『人間たちの夜』5.抜いて抜かれて大騒ぎ(2)

    ​**************** ばこっ!「うあっ!」 ようやく外れたペンダントトップが指から滑り落ちた。後頭部を思い切り殴られて蹲る耳に、きんきんとチンピラの声が響く。「兄貴! やりましたぜ!」

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