**************** 何を考えているのか。「私が聞きたいところだ」 冷ややかに嗤いながら、リヒャルティを置き去りに、セシ公は自室から持ち出した紫の布包みを手に、パディスへ馬を走らせ
ツンデレ姫と美貌の付き人などの恋愛ファンタジー毎日連載。『アルファポリス』『小説家になろう』参加。
男勝り姫君ユーノと美貌の付き人アシャのハーレクインロマンス的なファンジー小説『ラズーン』毎日連載。『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』は出戻り姫シャルンと腹黒王レダンのラブコメディ、時々連載。
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**************** 何を考えているのか。「私が聞きたいところだ」 冷ややかに嗤いながら、リヒャルティを置き去りに、セシ公は自室から持ち出した紫の布包みを手に、パディスへ馬を走らせ
え、あれあれあれ? 正直なところ、そんな気持ちです。 先日でしたよね、2030000ヒットにお礼申し上げたの。 お約束の『ラズーン』が一章分もかけていなくて、一節だけ上げさせて頂いて。 このペースでは次の204
**************** 「走れ走れ走れえっっ!!」 シートスの命令が響く。「1人でも多く少しでも早く門に滑り込めっ!」 テッツェの伝令は必死に辿り着いた。 だが、南門が解放され、アリオを放
**************** 「互角だな」 厳しく断じてテッツェは剣を振る。目の前に押し寄せて来る兵はクェトロムトの王シーラ、カザドのカザディノ率いる混合軍だが、両者とも主人は後方に控えたままな
**************** 小さな用水路と目を射るほどの鮮やかな緑を窓枠の中に閉じ込めた部屋は、外から入ると静かで冷たくてひんやりとしていた。 部屋の隅に積まれている木の机を一つずつ並べてい
**************** 書く意欲を失い気力を失い、けれど発表する手段は失うことなく日々が過ぎる。いや、捨てようと思えば、手段だっていつでも手放せる。止めてしまえばいい、きっと過去の栄光に
**************** ある夜、神がやってきた。「いや、ここのところ、忙しゅうてな、済まなんだ。え、何、書くのを止める? 今更何言うてんのや、アホくさい。自分の力不足を痛感した? ああ、
ずいぶんご無沙汰しています。 なのに、いつもご訪問ありがとうございます。 短い作品・童話・SS・BL新ネタ・猫たちの時間シリーズはメルマガ展開し、『ラズーン』はこちらで10000ごとの展開、あと動かせていない
**************** 「あれ?」 本屋から帰って机の上にポートレートと読みかけの本がないのに気づく。「あいつが持ってったのかな」 とりあえず、周一郎の部屋を訪ねる。ノックに応じて返答があ
**************** 「サンティアゴへ行こう…」 開いた本の詩は繰り返す。水の馬車に乗って、椰子の天井が歌う、バナナがくらげになる、ロミオとジュリエットのバラを持ち、と続けながら。「結局
**************** 「お前、勘違いするなよな。俺が厄介ごとに突っ込むのは『習性』なんだからな」「…」「今度だって、断ろうと思えば断れたんだ。それをいつものお節介で、俺が勝手に飛び込んでき
**************** コンコン。「…」 コン…コン。「ん……」 夢の中で響いたノックがまだ聞こえてやがる、と思いながら寝返りを打つ。 昼間見た光景のせいか訳のわからない夢で、あの礼拝堂の扉
**************** 「滝さん!」 苛立たしげな声に、我に返る。 バルセローナ、ゴシック地区の一角、大悟の知り合いの家とかを、周一郎は探し当てたらしい。「何をぼうっとしてるんですか」 は
**************** そうやって、過去の傷は時折深く、周一郎の心に口を開けていく。 再会したイレーネは、RETA(ロッホ・エタ)と組んで、周一郎の口からなんとか『青の光景』の行方を引き出そう
**************** バルセローナ。 スベイン北東、カタルーニャ地方の都会。ピカソが育ち、天才建築家ガウディが育んだ街。新しい思想と芸術、植民地戦争の敗北、政治の激動、20世紀末のこの都
**************** 汚れた床の上、倒れたイレーネの側に上尾が膝をついている。左腕に巻いたハンカチを右手で解き、片手で不器用に広げ、無言のままイレーネの顔にかけた。ステンドグラスの破れ目
**************** 「南で『鉄羽根』と『運命(リマイン)』が再びぶつかり出したそうだぞ」「大丈夫なのか、『鉄羽根』は」 与えられた私室の扉の外で、声高に話す者がいる。 アリオは臥せって
**************** 改めて見れば、本当にとびきりの美人、どうしてこんな『忙しい』ときにしか美人と関わらんのだろーか。俺は平時にこそお付き合いしたいと切に切に願っているんだが。まあ、カッ
**************** 仰け反って頭を打ち、泡立った脳味噌の整理にうろたえる俺の耳に、聞き慣れたハスキーヴォイスが届く。(上尾?) どうしてここに、と思うまもなく、上尾は振り返ったイレーネ
**************** それほど大きな丘でなかったにせよ、俺がそこへ辿り着くまでには、数回ルトに指を齧られていた。「ぎゃわ!」 指先に激痛が走って、思わず跳ね上がり立ち止まる。はあはあと
**************** 小さな用水路と目を射るほどの鮮やかな緑を窓枠の中に閉じ込めた部屋は、外から入ると静かで冷たくてひんやりとしていた。 部屋の隅に積まれている木の机を一つずつ並べてい
**************** 書く意欲を失い気力を失い、けれど発表する手段は失うことなく日々が過ぎる。いや、捨てようと思えば、手段だっていつでも手放せる。止めてしまえばいい、きっと過去の栄光に
**************** ある夜、神がやってきた。「いや、ここのところ、忙しゅうてな、済まなんだ。え、何、書くのを止める? 今更何言うてんのや、アホくさい。自分の力不足を痛感した? ああ、
ずいぶんご無沙汰しています。 なのに、いつもご訪問ありがとうございます。 短い作品・童話・SS・BL新ネタ・猫たちの時間シリーズはメルマガ展開し、『ラズーン』はこちらで10000ごとの展開、あと動かせていない
**************** 「あれ?」 本屋から帰って机の上にポートレートと読みかけの本がないのに気づく。「あいつが持ってったのかな」 とりあえず、周一郎の部屋を訪ねる。ノックに応じて返答があ
**************** 「サンティアゴへ行こう…」 開いた本の詩は繰り返す。水の馬車に乗って、椰子の天井が歌う、バナナがくらげになる、ロミオとジュリエットのバラを持ち、と続けながら。「結局
**************** 「お前、勘違いするなよな。俺が厄介ごとに突っ込むのは『習性』なんだからな」「…」「今度だって、断ろうと思えば断れたんだ。それをいつものお節介で、俺が勝手に飛び込んでき
**************** コンコン。「…」 コン…コン。「ん……」 夢の中で響いたノックがまだ聞こえてやがる、と思いながら寝返りを打つ。 昼間見た光景のせいか訳のわからない夢で、あの礼拝堂の扉
**************** 「滝さん!」 苛立たしげな声に、我に返る。 バルセローナ、ゴシック地区の一角、大悟の知り合いの家とかを、周一郎は探し当てたらしい。「何をぼうっとしてるんですか」 は
**************** そうやって、過去の傷は時折深く、周一郎の心に口を開けていく。 再会したイレーネは、RETA(ロッホ・エタ)と組んで、周一郎の口からなんとか『青の光景』の行方を引き出そう
**************** バルセローナ。 スベイン北東、カタルーニャ地方の都会。ピカソが育ち、天才建築家ガウディが育んだ街。新しい思想と芸術、植民地戦争の敗北、政治の激動、20世紀末のこの都
**************** 汚れた床の上、倒れたイレーネの側に上尾が膝をついている。左腕に巻いたハンカチを右手で解き、片手で不器用に広げ、無言のままイレーネの顔にかけた。ステンドグラスの破れ目
**************** 「南で『鉄羽根』と『運命(リマイン)』が再びぶつかり出したそうだぞ」「大丈夫なのか、『鉄羽根』は」 与えられた私室の扉の外で、声高に話す者がいる。 アリオは臥せって
**************** 改めて見れば、本当にとびきりの美人、どうしてこんな『忙しい』ときにしか美人と関わらんのだろーか。俺は平時にこそお付き合いしたいと切に切に願っているんだが。まあ、カッ
**************** 仰け反って頭を打ち、泡立った脳味噌の整理にうろたえる俺の耳に、聞き慣れたハスキーヴォイスが届く。(上尾?) どうしてここに、と思うまもなく、上尾は振り返ったイレーネ
**************** それほど大きな丘でなかったにせよ、俺がそこへ辿り着くまでには、数回ルトに指を齧られていた。「ぎゃわ!」 指先に激痛が走って、思わず跳ね上がり立ち止まる。はあはあと
**************** 「けれど、わからないのは」 お由宇の声に我に返る。「どうして、イレーネはあの2人を殺したのかってことね」 俺は、再び、お由宇から丘の上の十字架に目をやった。 俺達がイ
**************** きっ、と軽い音とともに車が止まる。ドアを開けて足を下ろすと、靴の裏で乾いた土が音を立てた。「志郎」「ああ…」 助手席から先に降りたお由宇の白く細い指がさす先、いじ
**************** 回教徒のモスク跡に1402年から100年ほどかかって建てられた116m×76mの規模はスペイン最大のカテドラル、入り口のパロスの門を足元に、『ヒラルダの塔』はある。 高さは97.5m
**************** 「由宇子さん」 唐突に『ランティエ』の声が響いて、俺は我に返った。「『ヒラルダの塔』と言うのは当たってたみたいですよ。残念ながら、すぐには行けそうにないが」「え?」