犬矢来(いぬやらい)
犬矢来とは何か。京都の町家の前でよく見かける設備である。京都独特のものなのかは分からない。けれども多分、京都で特に顕著に見られるものだと思う。犬矢来とは元来、家の軒下に設置し、犬のおしっこ除けとして使われたものだ。昔(江戸時代?)はよく野犬が街中にいて、所かまわず粗相をしていたようだ。また馬や牛車の泥はねを防ぐ役目もしていた。当時は街の道路を舗装していなかったからでもある。木造家屋にかかるダメージを防ぐための装置であったのだ。もともとは竹で出来ていて、竹をアーチ型に曲げて繋げた柵のことである。町の民家でよく見られたが、京都の過疎化で町家そのものが減り、空き家が多くなって来て、さらに駐車場やマンション、ゲストハウスなどが増えるに連れ、犬矢来はだんだん姿を消して来た。今では元来の犬矢来を町で見かけることは少な...犬矢来(いぬやらい)
2024/08/23 17:10