頭を下げる先を廻向してみる
「廻向」という言葉がある。開くと「廻らし向ける」という意味である。良く、我々自身が行う修行の過程でこの語を用いる場合には、我々が読経などの善行を行い、積んだ功徳を、仏・菩薩などに「廻らし向ける」時「廻向」という。或いは、自らの行いとして、行為の方向を変えていくこと、「振り向ける」事を「廻向」といったりする。以下のような用例はどうか。釈迦牟尼仏、すでに十二年中頂戴して、さしおきましまさざるなり。その遠孫として、これを学すべし。いたづらに名利のために天を拝し、神を拝し、王を拝し、臣を拝する頂門を、いま仏衣頂戴に迴向せん、よろこぶべき大慶なり。『正法眼蔵』「伝衣」巻これは、「伝衣」巻にある一節であることからもお分かりいただけるように、「御袈裟」について述べている。つまり、釈迦牟尼仏は、出家してからというもの、十...頭を下げる先を廻向してみる
2023/11/09 09:46