焼き鳥屋「十五」と、仮交際のこと

焼き鳥屋「十五」と、仮交際のこと

そのお店の暖簾をくぐったのは、梅雨入り前の夜だった。 人形町の細い路地にポツンと灯る、朱色の提灯。 焼き鳥屋「十五(じゅうご)」 知らなければ通り過ぎてしまうような、控えめな佇まいをしていた。 『ここ、ぼくの行きつけなんです』 そう言って案内してくれたのは、30代の神田駅に...

2025/06/06 08:31