これはとある社会人のKさんから聞いた話。 Kさんは、最近引っ越したばかりのアパートに住んでいた。 築年数はそれなりに経っていたが、立地も良く、何より家賃が手頃だったため、すぐに決めたのだ。 窓からは小さな公園が見え、日当たりも良く、Kさんは新生活に期待を膨らませていた。 引っ越してきて数日経った頃、Kさんは夜中にふと目が覚めた。 時計を見ると午前3時。
これは、数年前に知り合いのUさんが体験した不気味な話。 その夜、Uさんは仕事の関係で遅くなり、深夜に一人で山道を車で走っていた。 山道は街灯もほとんどなく、車のヘッドライトだけが道を照らしている。 車内には静かにエンジン音が響くだけで、Uさんは早く家に帰りたいと急いでいたのだが、何となく後ろが気になったUさんはバックミラーを見た。 すると後部座席に見知らぬ女が座っているのが見えた。
怖い話が好きなTさんが体験した話。 季節はもう夏の終わり頃、Tさんは懐中電灯を片手に、友人たちと一緒に人家からかなり離れた神社にやってきた その神社に特に怖い話とかそういうのは何もないが、肝試しをしようという事でやってきたのだ。 時刻はすでに0時を過ぎている為、神社はシンと静まり返っていて、薄暗い中に佇む神社は不気味だった。
この話を聞かせてくれたのは、Y先生という結構な年の先生で、彼がまだ新任だった頃のこと。 Y先生はその夜、初めての宿直を任されていた。 緊張とともに夜が更けていき、見回りの時間がやってきた。 校内は静まり返り、廊下には自分の足音だけが響く。 今のところ特に何もなく、ただ静かなだけだった。 運が悪いと敷地内に酔った人が入ってくる事があったそうだ。
これは入院中、Kさんという看護師さんから聞いた話。 夜の静まり返った病院。 時刻は深夜、ほとんどの灯りが消され、廊下にはかすかな足音だけが響いていた。 看護師のKさんは、ナースステーションで書類整理をしていた。 ふと、ナースコールが鳴り響く。 Kさんはすぐにナースコールの部屋番号を確認したが、その部屋の番号を見て一瞬血の気が引いた。
Yさんがまだ小学生だった頃の話。 学校の帰り道、普段とは違う山道を通ることにした。 その山道は山のふもとに続く古い道で、ほとんど使われていない場所。 天気もよく、Yさんは一人で静かな山道を歩いていた。 すると道の途中で奇妙な石を見つけた。 普通の石ではなく、目、鼻、口が彫られているかのような石。 まるで小さな顔みたいに見えるその石に、Yさんは不思議な魅力を感じて手に取ってしまった。
Fさんが大学の友人たちと一緒に、山を散歩していた時の事。 夕暮れが迫り、山の中は徐々に薄暗くなっていく。 彼らは少し道に迷ったものの、楽しげに山道を進んでいた。 だがふとした瞬間、Fさんは遠くから微かに聞こえる音に気づき耳を澄ませた。 それはかすかな祭囃子の音だった。 太鼓や笛、賑やかな声が混じり合い、どこか懐かしい感じさえするその音に、Fさんは足を止めた。 「聞こえる?あれ、祭りの音じゃない?」 Fさんが友人にそう言うと彼らも立ち止まり、耳を傾けた。 確かに誰かが祭りを楽しんでいるような音が聞こえてくる。 「この山で祭りなんてやる場所があるのか?」 友人の一人が不思議そうに聞いたが、誰もそん…
夏のキャンプの夜、高校生のS君たちは、4人でキャンプファイヤーを囲んでいた。 焚き火の明かりが揺れ、火のはぜる音が心地よく響る中、彼らは楽しげに歌を歌い、キャンプの楽しい時間を過ごしていた。 その時、どこからともなく森の奥から別の歌声が聞こえてきた。 それはまるでS君たちの歌に合わせるかのように、子供たちが楽しそうに歌っている声だった。 「ねえ、誰かいるのかな?」 A君が不思議そうに呟いたが、誰もその答えは分からなかった。
ある夏の日の午後、小学四年生のK君たちは、学校が終わってから友達と一緒に山で遊んでいた。 彼らは虫取りや木登りに夢中になり、時間が経つのも忘れていた。 しかし夕方になり、太陽が沈み始めるとそろそろ帰る時間だと気づいた。 「もう帰ろうか。」 誰かがそう言い出し、みんなが荷物をまとめて帰る準備をしていた時だった。 「カランコロン」 どこからか不思議な音が聞こえてきた。 それは鈴の音というより、木製の小さなものが風に揺れてぶつかり合うような音だった。 K君たちは一瞬、足を止めて耳を澄ませた。 その音は確かに森の奥から聞こえてくる。 普段は聞いたことのない不気味な音に、彼らはお互いに顔を見合わせた。 …
大学時代、登山部で仲が良かったAさんたちの話。 Aさんたち六人は、夏のお盆休みを利用して山奥の小さな山小屋に泊まることにした。 事前に電話で予約を入れた際、管理人さんから 「私たち山小屋のスタッフは夕方に下山しますので、食器や寝具はあらかじめ用意しておきます」 と告げられていた。 Aさんたちは、スタッフ不在の山小屋で過ごすことには少し不安を感じたが、都会の喧騒から離れた静かな夜を楽しみにしていた。
日が傾き始めたお盆の夕方、俺はとある山を一人で登っていた。 目的は山頂付近にある小さな祠。 毎年お盆には、そこに登って亡くなった祖父を偲んでいたのだ。 しかし今年は少し道を間違えたらしく、人気のない獣道に入ってしまったらしい。 辺りは徐々に暗くなり、不安が募る中、前方に人影が見えた。 「よかった、誰かいる」 安堵した俺は、その人影に向かって声をかけた。
毎年恒例、お盆の迎え火。 パチパチと音を立てる炎を見つめながら、線香の香りに包まれ、ご先祖様との再会を心待ちにしていた。 「今年も無事に帰ってきてください」 そう呟いた時、何かが視界の端に映った。 燃え盛る炎の中に、見慣れない老人の姿が浮かび上がっているのだ。 白い浴衣を着てやせ細った体に長い白髪。
藤原結衣はある日、高校時代の先輩、松本亮から連絡を受けた。 亮は結衣の高校時代の仲の良い先輩で、結衣が除霊師の力を使うことを知る数少ない一人だった。 彼は今、地方の小さな町で教師をしていたが、最近その町の学校で奇妙な現象が頻発しているという。 「藤原さん、すぐに来てくれないか?子供たちが噂で怖がって泣き出す子もいるし、教室で物が勝手に動くんだ。」 亮の声は深刻だった。 結衣は迷わず町に向かった。
ある日、結衣のもとに助けを求める手紙が届いた。それはある古い館に住む家族からのもので、館では夜な夜な奇妙な音や影が現れ、家族全員が恐怖におののいているという。 結衣は館の所在地へと向かった。館の門をくぐるとすぐに異様な気配を感じ取った。 館の主である佐藤さんが迎えてくれた。
ある日、結衣のもとに一通の手紙が届いた。手紙は遠くの村からで、奇妙な出来事が続いているという内容だった。村人たちが次々と原因不明の病に倒れたり、家畜が急に死んでしまったりしていた。 結衣はその手紙に記された村へと向かった。村の入り口で待っていたのは、村長の息子である拓也だった。 「藤原さん、遠いところをありがとうございます」 「こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。さっそく村の様子を見せていただけますか?」 結衣は村を巡りながら異常な気配を感じ取った。ある古い神社の跡地に近づくと、その感覚はますます強くなった。
藤原結衣は20代半ばの女性で、除霊師の家系に生まれた。その家族は代々悪霊を退治し、浄化する力を受け継いできた。 結衣の両親もまた除霊師として名高い存在だった。幼い頃から霊の存在を感じることができた結衣は、自然とその力を受け入れ訓練を重ねてきた。 ある日、結衣のもとに一通の手紙が届いた。それは古い友人からの依頼だった。手紙には友人の家に取り憑いた悪霊の話が書かれていた。その家では夜になると異常な音や影が現れ、家族全員が不安な日々を送っているという。
藤原結衣はある日、高校時代の先輩、松本亮から連絡を受けた。 亮は結衣の高校時代の仲の良い先輩で、結衣が除霊師の力を使うことを知る数少ない一人だった。 彼は今、地方の小さな町で教師をしていたが、最近その町の学校で奇妙な現象が頻発しているという。 「藤原さん、すぐに来てくれないか?子供たちが噂で怖がって泣き出す子もいるし、教室で物が勝手に動くんだ。」 亮の声は深刻だった。 結衣は迷わず町に向かった。
ある日、結衣のもとに助けを求める手紙が届いた。それはある古い館に住む家族からのもので、館では夜な夜な奇妙な音や影が現れ、家族全員が恐怖におののいているという。 結衣は館の所在地へと向かった。館の門をくぐるとすぐに異様な気配を感じ取った。 館の主である佐藤さんが迎えてくれた。
ある日、結衣のもとに一通の手紙が届いた。手紙は遠くの村からで、奇妙な出来事が続いているという内容だった。村人たちが次々と原因不明の病に倒れたり、家畜が急に死んでしまったりしていた。 結衣はその手紙に記された村へと向かった。村の入り口で待っていたのは、村長の息子である拓也だった。 「藤原さん、遠いところをありがとうございます」 「こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。さっそく村の様子を見せていただけますか?」 結衣は村を巡りながら異常な気配を感じ取った。ある古い神社の跡地に近づくと、その感覚はますます強くなった。
藤原結衣は20代半ばの女性で、除霊師の家系に生まれた。その家族は代々悪霊を退治し、浄化する力を受け継いできた。 結衣の両親もまた除霊師として名高い存在だった。幼い頃から霊の存在を感じることができた結衣は、自然とその力を受け入れ訓練を重ねてきた。 ある日、結衣のもとに一通の手紙が届いた。それは古い友人からの依頼だった。手紙には友人の家に取り憑いた悪霊の話が書かれていた。その家では夜になると異常な音や影が現れ、家族全員が不安な日々を送っているという。
山深い山中で一人で登山をしていた時の話。 日が暮れ、予定していたよりもだいぶ道を進んでしまっていた私は、途方に暮れかけていた。 そんな時、木々の奥まった所に古びた山小屋があるのに気づいた。 「あんなところに…」 山小屋なら管理人が常駐しているはずだが、呼び鈴を鳴らしてもノックをしても反応がない。 少しためらったが扉を開けると、中は薄暗く人の気配は感じられない。
K君は毎朝通っている通学路が好きだった。 家から学校までの道のりは、友達と合流して一緒に歩くのが楽しみだったからだ。 その日もいつものように家を出て、友達と待ち合わせ場所で合流した。 ところがいつもの角を曲がった瞬間、K君たちは立ち止まった。 見慣れた通学路が消えてしまっていて、代わりに見知らぬ道が続いていたのだ。 不安に感じつつも時間がないため、そのまま進むことにした。
都会の喧騒から離れ、田舎の大学に進学するために引っ越してきたFさん。 新しい環境に胸を躍らせていたが、そこで奇妙な噂を耳にすることになった。 Fさんが大学に入学して間もない頃、友人たちと一緒に村の古い図書館で課題に取り組んでいた。 図書館は夜遅くまで開いており、Fさんはその静かな環境を気に入っていた。 ある晩、閉館時間が近づくと奥から妙な音が聞こえてきた。
「ブログリーダー」を活用して、kaibanaさんをフォローしませんか?
これはとある社会人のKさんから聞いた話。 Kさんは、最近引っ越したばかりのアパートに住んでいた。 築年数はそれなりに経っていたが、立地も良く、何より家賃が手頃だったため、すぐに決めたのだ。 窓からは小さな公園が見え、日当たりも良く、Kさんは新生活に期待を膨らませていた。 引っ越してきて数日経った頃、Kさんは夜中にふと目が覚めた。 時計を見ると午前3時。
これは、Sさんという方が学生だった頃の話。 Sさんは大学で歴史学を専攻していた。 特に興味があったのは、郷土史。 地域の小さな図書館に通い、古い資料を読み漁るのが日課だった。 その図書館は町の中心部からは少し離れた、ひっそりとした場所にあった。 建物自体も古く、天井が高く、木製の書架がずらりと並び独特の埃っぽい匂いがした。 訪れる人もまばらで、静寂が常にその場所を支配していた。
夜勤のBさんは、いつものように仮眠を取るために休憩室へ向かったのだが、4つあるのベッドがすべて使用中だった。 仕方なく、誰かが起きてくるまで仕事を片付けることにした。 しばらくすると、3人の同僚が起きてきてBさんに声をかけた。 「あれ?Bさん、まだ仮眠取ってないんですか?」 Bさんは、仮眠室のベッドが4つ埋まっていたから使えなかったと説明した。 すると同僚たちは不思議そうな顔で言う。 「廊下側が1つ空いてたじゃないですか」 「そんなはずはない、確かに4つ埋まってたよ」
ある年の夏、Kさんはいつもの地方の無人駅のホームで、最終電車を待っていた。 残業で遅くなってしまい、疲れた体をひきずって辿り着いたこの駅には、最終の到着を待つ乗客はKさん一人だけだった。 深夜の駅のホームは、街灯の明かりがぼんやりと照らすだけで、物音ひとつしない。 普段なら虫の鳴き声がうるさいのだが、この日は虫の声すら聞こえず、ただただ静寂がKさんを包んでいた。 その時、背後のベンチから「きしり」という小さな音が聞こえた。 誰かが腰かけたような、そんな音だった。
今回この話は2つのバージョンを用意しましたので、お好きな方をどうぞ。 1つ目 Iさんは大学の登山サークルに所属していて、その日は仲間たちと連れ立って、少し険しい山を訪れていた。 新緑が眩しい季節で、鳥のさえずりが心地よく響く、ごく普通の登山になるはずだった。 しかし、途中で道を間違えてしまったのか、Iさんたちはいつの間にか、地図には載っていない谷間に迷い込んでいた。
Sさんは学生の頃から登山が趣味で、社会人になってからも週末になると、一人で山へ出かけることが多かった。 その日もいつものように単独登山を楽しんでいたのだが、予報にない悪天候に見舞われ、急遽、山中の避難小屋に泊まることになった。 小屋は古く、軋む音が不気味に響く。 Sさんは持参した食料を広げ、ラジオで天気予報を聞いた。 夜遅くになるとさらに荒れるらしい。 不安を覚えながらも、疲労からすぐに眠りについた。 深夜、ガタガタと窓が揺れる音で目が覚めた。
Nさんは、数年前から登山に没頭している。 普段から人の少ない、整備されすぎていない登山道を好んで歩く。 その日も、彼は地図には載っていないような古い山道を、気ままに探索していた。 鳥の声だけが響く静かな山の中、踏み固められた道は徐々に細くなり、やがて獣道へと変わっていった。 Nさんはそういった道を進むのが好きだった。 未知の風景に出会える期待感が、彼の好奇心を刺激する。 しばらく獣道を分け入って進むと、ふと、道の脇に不自然な空間があることに気がついた。
ある晴れた週末の午後、Yさんは小学生になる娘を連れて、山のふもとにある森林公園を訪れていた。 都会の騒がしい場所と違い、休日でも人がまばらで、静かに過ごしたい家族にはうってつけだった。 Yさんの目的は、娘がネットで見て興味を持った、園内奥にある木製遊具だった。 木製の滑り台やジャングルジムでしばらく遊んだ後、娘はふと、その奥にひっそりと佇むブランコを見つけた。 それは古びた木製のもので、使い込まれた座面はすっかり色褪せ、鎖は錆びついていた。
Mさんたち大学生グループは、休日を利用して近場の山に登山に来ていた。 新緑が眩しい季節で、道中も賑やかに談笑しながら、ゆっくりとしたペースで山を登っていく。 ちょうど昼食を終え、もう少しで頂上というあたりで、小さな観光展望台に立ち寄ることにした。 展望台は、山の景色を一望できる開けた場所にあり、頂上付近の少し手前に位置する。 小さな東屋が建てられ、中には木製の古びた望遠鏡と、休憩用のベンチがいくつか設置されていた。 普段なら観光客で賑わう場所だが、その日はあいにくの曇り空。 人もまばらでひっそりとしていた。 遠くの景色も霞んで見え、少し肌寒い風が吹き抜けていく。
夏も終わりに差し掛かった頃、Hさんは山の中腹で野営の準備を進めていた。 日はすでに傾き、周囲は急速に薄暗さを増していく。 湿った空気が肌にまとわりつき、あたりには濃い霧が立ち込め始めていた。 視界は悪く、わずか数メートル先も見通せないほどだ。 そんな中、Hさんの視界の先にぽつんと白い塊が浮かび上がった。 目を凝らすと、それはどうやら真っ白なテントのようだった。 こんな高地に他の登山者がいるとは珍しい。 Hさんは訝しく思いながらも、近くに誰かがいることにわずかな安堵を覚えた。 登山仲間だろうし、挨拶をしに行こうかな…と、Hさんは白いテントへと足を進めた。
Kさんが友人たちと5人でグループキャンプに来ていたのは、夏の終わりのことだった。 山奥のキャンプ場は、昼間は賑やかだったが、夜になると虫の鳴き声だけになる。 5人は焚き火を囲み、酒を飲みながら談笑していた。 持参した一眼レフで、キャンプの思い出にと写真を撮り始めたのは、友人のTさんだった。 焚き火を背に4人全員で肩を組み、笑顔でレンズを見た。 「はい、チーズ!」 Tさんがシャッターを切る。 すぐに撮れた写真を確認すると、妙な違和感があった。
Mさんが友人たちと3人でキャンプに来たのは、少し肌寒くなってきた秋の終わりだった。 予約していたキャンプ場は、平日ということもあってかほとんど人がいない。 それがまた焚き火の暖かさを一層心地よく感じさせた。 夜も更け、3人はパチパチと音を立てる焚き火を囲んで談笑していた。 薪が燃える音と、時折聞こえる虫の声だけが静寂を破る。 そんな中、ふとMさんの視線が林の奥に向けられた。
Tさんは、都心に建つ複合施設の、広大な地下駐車場の監視を担当していた。 深夜の監視室はいつも静まり返り、無数のモニターだけが規則的な光を放っている。 Tさんの仕事は、そのモニターに映し出される映像を監視し、異常があれば対処することだった。 その夜も、いつもと変わらぬ深夜勤務についていた。 時刻は深夜3時を少し回った頃。 Tさんはいつものようにモニターの映像を順に確認していた。 その時、ふと、あるモニターにTさんの視線が釘付けになった。 そこには、映っているはずのない通路が映し出されていたのだ。
Sさんは、都心にそびえ立つ高層オフィスビルで夜間勤務をしていた。 深夜のビルはほとんどのテナントが閉まり、人の気配はまばらになる。 Sさんの仕事は、そんな静かなビルで設備監視や巡回を行うことだった。 その夜も、いつもと変わらぬルーティンをこなしていた。 時刻は深夜1時を少し過ぎた頃。 監視室のモニターを眺めていたSさんの目に、奇妙な異変が飛び込んできた。 誰もいないはずのフロアを示す表示板が、突然、パッと明るくなったのだ。 そしてそれと同時に、1階に停止していたエレベーターが、ゆっくりと上昇を始めた。
警備員のKさんは、深夜のオフィスビルの巡回が日課だった。 人気のない深夜のビルは、普段は静まり返っている。 しかしここ最近、Kさんは奇妙な現象に気づいていた。 それは深夜の巡回中、決まって3階東側の非常灯だけが素早く点滅している時があることだった。 Kさんは最初、単なる球切れか、電気系統の不具合だろうと考えた。 報告しようとも思ったが、よくよく観察すると、その点滅は深夜の2時過ぎにしか起こらず、他の時間には何の異常も見られないのだ。 一度だけならまだしも、それが不定期に、しかし決まって深夜2時過ぎにだけ起こることに、Kさんは徐々に不審を抱き始めた。
Tさんは長距離運転手として夜間の配送中、山道に入り込んだ。 深夜の山道は普段から慣れていたが、その日はいつも通るルートとは少し違う道を選んでいた。 午前2時を過ぎた頃、Tさんの目に見慣れない「道の駅」が飛び込んできた。 疲れもたまっていたTさんは、休憩がてら立ち寄ることにする。 駐車場には、他に2台の大型トラックが停まっていた。 電気が煌々とつき、トイレも清潔に保たれているようだった。 深夜にもかかわらず、人の気配があることにTさんはどこか安心感を覚えた。
長距離トラック運転手のYさんは、全国各地を走り回る毎日を送っていた。 彼の仕事は、深夜の高速道路をひたすら走り続けること。 特にある山中の長いトンネルは、毎日のように通過する、もはや見慣れた景色となっていた。 その日は前日の寝不足がたたって、特に眠気が強かった。 眠気を覚ますためのラジオも、いつの間にか切れてしまっている。 静まり返ったトラックの車内には、エンジンの低い唸り声だけが響いていた。
オフィスビルの夜間清掃員として働くSさんは、いつものように淡々と業務をこなしていた。 深夜のオフィスは人けがなく、誰もいないフロアを巡るSさんの足音は、妙に大きく聞こえた。 日報を確認すると、「301会議室:未清掃」という文字が目に飛び込んできた。 Sさんは首を傾げる。 301会議室は通常、清掃リストに含まれていないはずだ。 というのも、そこは何年も前から閉鎖されており、普段は鍵もかけられ、清掃の必要がないとされていたからだ。
入院中、看護師のNさんという人から聞いた話。 Nさんが夜勤中の深夜巡回をしていた時の事。 深夜1時を過ぎ、患者は皆寝たようで寝静まり返っており、病室から点滴の機械音だけが小さく聞こえている。 Nさんは患者たちの様子を確認しながら、一つ一つの部屋を巡っていく。 その日も特に変わったことはなく、いつも通りの静かな夜だった。 だが、廊下の突き当たりにある、普段は使用されていない個室の前を通り過ぎようとしたその時だった。
Kさんが倉庫で、フォークリフト作業をしていた時の話。 それはいつもの夜間シフト中のことだった。 広い倉庫には、天井近くまで積み上げられた段ボールや、木箱を積んだパレットが所狭しと並んでいる。 フォークリフトのエンジン音だけが、静まり返った空間に響いていた。 Kさんは慣れた手つきでレバーを操作し、荷物を正確に指定された場所へと運んでいく。 その日も特に変わったことなど何もなく、淡々と作業は進んでいた。
廃墟巡りをしていた人が廃墟で見つけた日記。 7月1日 今日はこの村に引っ越してきた記念すべき日だ。 自然に囲まれた静かな場所で、都会の喧騒を離れて穏やかに暮らしていけると思うと、今から楽しみで仕方ない。 7月15日 この村の人々はどこかよそよそしい。 挨拶をしても目を合わせようとしないし、何かを隠しているような、そんな不気味さを感じる。
日本各地に存在する「いわくつきのトンネル」。 山の中にある○○トンネルもまた、そんな曰く付きスポットとして地元では有名な場所だった。 私が耳にしたのは、このトンネルで起こる奇妙な現象についてだった。 それは「赤いヘッドライトの車」の怪異。 「深夜、あのトンネルを走っていると、前から赤いヘッドライトの車が対向車線にはみ出してくるんだ。 で、ヘッドライトの光が強すぎて車種まではよく分からないんだけど、どうにも車の種類が古臭い、っていうか今時見ないような型の車なんだよ」
ある地方の山奥に一つの古びたトンネルがあった。 そのトンネルは長い間使われておらず、昼間でも薄暗い雰囲気を漂わせていて、地元の人々の間では、このトンネルにまつわる恐ろしい噂が広まっていた。 その噂とは、夜になると「白い少女」が現れるというものだった。 その少女は、かつてトンネル近くの村でトラブルにあい命を落とし、その怨念がトンネルに宿っていると言われていた。
深夜のコンビニで働くIさんは、いつものように夜勤に入っていた。 町外れにあるそのコンビニは、夜になると閑散として客足も途絶えがちだ。 時計の針が午前2時を指していた頃、店内はしんと静まり返っていた。 「休憩室に行こうかな…」 Iさんはレジのカウンターに肘をついて、うっすらとため息をついた。 その時だった。 自動ドアが開く音がし、冷たい夜風が一瞬店内に吹き込んだ。
山奥深くで炭焼きを生業とするFさんがいた。 炭焼きは孤独な作業。日が昇ると山に入り、窯の火を見守りながら日が暮れるまでただひたすらに時を過ごす。 ある年の夏の終わり、炭焼き小屋で一晩を明かしていたFさんは奇妙な物音で目を覚ました。 それは小屋の戸をゆっくりと叩くような音だった。 何事かと耳を澄ませていると、戸を叩く音は徐々に速さを増し、まるで何かが中に入ろうとしているかのようだった。 不安を感じ、意を決して小屋の戸を開けたが外には何もいなかった。 Fさんは首をかしげながらも再び戸を閉め、寝床に戻ろうとしたその時、背後からかすかな気配を感じた。 振り返ると小屋の中に一匹の奇妙な生き物がいた。 見…
※虫が苦手な方はこの話は読まない方がいいです。 夏の暑さが本格的になる少し前、古い一軒家で奇妙な出来事が起こった。 雨が降る中、OLのSさんが夜遅くに帰宅すると、玄関のドアの前に見慣れないものが置かれていることに気づいた。 直径10センチほどの泥でできた小さな球体だった。
久しぶりに大学時代の友人たちと再会し、登山をした日の事。 F、Y、Eの3人は、それぞれ社会人となり、忙しい日々を送っていたが、この日は特別な計画があった。 大学時代によく行っていた山に登るため、朝方に駅で待ち合わせしていた。 「久しぶりだな、みんな!」 Fが笑顔で声をかけると、YとEも嬉しそうに頷いた。 彼らは久しぶりの再会に興奮しながら電車とバスを乗り継ぎ、目的の山へと向かった。
東京より山側にある、とある町でのこと。 そこに一人暮らしをしていた大学生のAさんは、数日前から奇妙な現象に悩まされていた。 それは夜中の2時になると、決まって天井裏から「トトトトト」という足音のような音が聞こえてくるというものだった。 最初はネズミでもいるのかと思い、駆除剤を置いたり業者に依頼したりもしたが、効果はなかった。 それどころか「トトトトト」という音は日に日に大きく、そして不規則になっていった。
あれは確か、私がまだ駆け出しの怪談師だった頃の話でございます。 ある山奥の村に伝わる「赤い着物」の怪談を採集しに行った時のことでした。 その村は、古くから「赤い着物を着た女に出会ったら、決して目を合わせてはならない」という言い伝えがあるそうでして、興味津々の私は早速村人たちに話を聞いて回りました。 しかし、話を聞けば聞くほどその「赤い着物」の女の正体は謎に包まれ、得られる情報は 「夜中に山道で赤い着物を着た女を見た」 「女の顔は影になっていて見えなかった」 「女を見た者はその後、原因不明の熱病で死んでしまった」 といった断片的なものばかり…。
夏手前の蒸し暑い夜、大学の友人グループはKの家に集まっていた。 メンバーはK、M、Rの三人。彼らは怪談や都市伝説に興味を持っており、この夜も新たな冒険を企てていた。 「今日は少し変わった場所に行こうか」 とKが切り出した。 「川辺にある幽霊灯の話、知ってるか?」
梅雨が明けたばかりの初夏の夕方、大学生の3人組、M、T、Kは、ネットで見つけた廃村の墓地へと向かっていた。 Mの運転する車で、彼らは廃村があるという山奥へと進んでいった。 「本当にここに廃村があるのか?」 Tが後部座席から前の二人に問いかける。 「ああ、ネットで見た情報だとこの先にあるらしい。気味悪いけど興味あるだろ?」 Kがスマホの地図を見ながら答えた。 「まあな…肝試しにはうってつけだな。」 Mは運転しながら笑った。
梅雨の晴れ間、久しぶりに強い日差しが降り注いだ日のこと。 一人暮らしの女性Sさんが、引っ越しをしようと荷造りをしていた。 段ボールに荷物を詰め込みガムテープで封をしていると、ふと、部屋の奥に何か黒い影のようなものが見えた気がした。 「なんだろう?」 しかし家具の隙間から差し込む光の関係の錯覚だろうと思い、Sさんは気にせず作業を続けた。 箱詰めもあらかた片付いた時、ふと先程の黒い影が気になり壁に目をやった。 「な、何あれ?」 その影の正体に気づいた時、Sさんの顔から血の気が引いた。 それは奥の壁一面に、びっしりと描かれた無数の目だった。 黒く塗りつぶされたような楕円形の一つ一つが、まるでこちらを…
梅雨明けが待ち遠しい、ある蒸し暑い日の午後。 高校の美術部の生徒たちは、日没後の風景を描くため校舎の屋上に来ていた。 「先生、もうちょっとで沈みますね」 「ああ、茜色に染まる空をよく観察して描くんだぞ」 教師の言葉に、生徒たちは一斉にキャンバスに向き直る。 しかし、その中でひとりの女子生徒だけが、じっと西の空を見つめていた。 「先生……あれ、何ですか?」
梅雨の晴れ間、むしむしと暑い日が続いていた。 学校では教室の窓を開け放して授業を受けていたが、生ぬるい風は熱気を運んでくるばかりで、生徒たちの集中力は途切れがちだった。 午後の授業中、黒板に奇妙な影が映っていることに気づいたのは、窓際から少し離れた席に座っていた男子生徒だった。 「あれ?」 男子生徒は目を凝らした。 それは、まるで長い髪の女が立っているような影だった。
今からお話する怪談の登場人物をご紹介させていただきます。 語り部である「私、H」と、高校時代からの友人であるK、そしてS、Yの4人で肝試しに行った時の出来事でございます。 舞台は県外にあるYの実家の近くにある、通称「幽霊トンネル」と呼ばれる場所。 そこで私たちが目にしたもの、体験したものとは。 一体全体どんな恐怖が待ち受けていたのか。 それでは皆様、心の準備はよろしいでしょうか?
雨の夜、都会の一角にある古びた公園。 そこには昔から誰も使わない古い木造の休憩所がり、雨が降るとその休憩所には不気味な噂があった。 ある夜、仕事が遅くなったサラリーマンのケンジは終バスを逃してしまい、仕方なく歩いて帰ることにした。 途中で雨が強くなってきてしまい、濡れるのを避けるために公園にある休憩所で雨宿りをすることにした。 休憩所に近づくと、中には一人の女性が座っていた。
とある都市部の下町での話。 狭い路地裏が多く残るその町で、夜な夜な奇妙な噂が流れ始めた。 「おい、聞いたか?あの路地裏の街灯の下にある水たまりで、奇妙な顔を見たってやつがいたらしいぜ…」 噂の発端は、仕事帰りのサラリーマンだった。 彼はいつものように薄暗い路地裏を歩いて帰宅していた。 雨が降った後で、路地裏にはいくつもの水たまりができていた。
子供というのは感受性が豊かで、純粋な心の持ち主であるが故に、時として大人には見えない「何か」を見てしまうことがあると言われている。 そして、子供たちが日常的に利用する通学路。 そこは子供たちの無邪気な笑顔と恐怖が隣り合わせに存在する、不思議な空間と言えるだろう。 舞台は関東の山の方、とあるのどかな田舎町。 そこに住む小学3年生のユウタ君は、雨が降ると決まっていつもの通学路の景色がガラリと変わって見えてしまう奇妙な現象に悩んでいた。 ユウタ君の通学路は田んぼの脇を通る一本道。 普段は太陽の光を浴びて緑色に輝く稲穂が風になびく美しい風景が広がっている。 しかし、雨が降るとその風景は一変する。
ここの素材を使用したい場合、お手数をお掛けして申し訳ありませんが素材TOPの規約に目を通して下さい。
6月も半ばを過ぎた頃、Nという若者が一人旅の途中で激しい雷雨に見舞われた。 ずぶ濡れになりながら雨宿りできる場所を探していると、山道の脇にひっそりと佇む古びたお寺を見つけた。 「こんな山奥にお寺があるなんて」 Nさんは驚いた様子でお寺の門をくぐった。 境内は鬱蒼とした木々に囲まれ、昼間にもかかわらず薄暗くひっそりとしている。 Nさんは恐る恐る本堂へと続く石段を上っていった。