No.6-016 Blue Dreaming
掴まれた手を振り払うケイトを必死で止めるレイチェル。 「なんで今さら帰ってきたの⁉︎」 「あなたに、そんなこと言われる筋合いはないわ」 「ケイト落ち着いて!」 咄嗟にケイトを押さえた僕にレイチェルは目をやると、ケイトを睨み付けた。 「もう他の男性ひとがいるクセに……あなたはアシュリーを捨てたんでしょう⁉︎」 「捨てたって、なに言って――!」 そこへドアが開きアシュリーが入って来た。 彼は一瞬、驚きの表情を見せたもののすぐ視線を逸らし、買い物袋をテーブルに置いた。 アシュリーは、小柄で貧相な男だったけど、スッキリと整えた黒髪にブラック・スクエアの眼鏡から覗く伏し目がちな深みのある灰色の瞳は、確か…
2024/08/25 21:02