6月23日に、下記にブログを引っ越しました。★楽天ブログ(河内のおっさんのブログ)※一行分かち書きしていた過去記事を散文に改め、写真は必要最低限に書き直して、毎日、一記事をアップしています。https://plaza.rakuten.co.jp/ottusanlando/★はてなブログ「河内国覚書帖」※gooブログの記事を、そのまま引っ越しました。新規の記事更新は、こちらでしています。https://f62xyq39w.hatenablog.com/ブログを引っ越ししました
文月の末、河内を立ち、西国街道を西へ。昆陽(伊丹)、大蔵谷(明石)、加古川、正條(たつの)を過ぎ、片山(備前市)から道を北へとって和気の宿にたどりついた。金剛川の堤防から正三角形の和気富士を眺める。この炎天の中、よくぞここまで来たものよと、ようやく旅人の心地がする。汗拭きし旅人見上ぐ和気の富士普段なら岡山に出て倉敷を見物し、備中高松城から津山に向かうのが常ではあるが、それでは興趣がなかろうと、岡山藩の三大河川の一つである吉井川に沿って北上。夕景になって、招きを受けた赤磐郡周匝(すさい)村の旧友の館に着いた。周匝は本来「しゅうそう」と読み〈まわりをとりまく〉の意である。村の周りを山に囲まれているからか、あるいは、吉井川とその支流吉野川の合流点にあることから川に囲まれている意でついた地名であろう。江戸時代には...72/老いの小文
備前の国の旅の途中、和気(わけ)の宿場から富士の山が見えた。和気富士というのだそうな。左右対称で富士山に見えなくもない。ただし、標高が172.8mの山である。中国山地の山は概して低い。高い山ベスト5はすべて鳥取県で、①大山=1729m②氷ノ山=1510m③烏ヶ山=1448m④東山1388m⑤三室山=1358m。このうち①から④の山は「~やま」「~さん」とは読まずに「~せん」と読む。山岳仏教の修行の山だったので、古代インドの世界観の中で中心にそびえる「須弥山(しゃみせん)」から名づけられた。須弥山は円盤が3枚重なった上にそびえる山である。円盤の広さは太陽系の広さぐらい、したがって、須弥山の高さは約132万Km。これが一つの世界で小世界という。小世界が1,000個集まったものを小千世界。小千世界が1,000個...71/富士の山
四月以来、久々に備前の国にやって来た。美作(みまさか)に近い山あいの村ゆえに、夏は涼しいであろうと思っていたら、なんのなんの。中国山地というだけあって山ばかりなのだが、中国山脈の南、瀬戸内側のほとんどの山は標高100~200m程度。その山あいの平地となれば富田林とたいして変わらない。それどころか、空気が澄んでいるぶん日差しは半端ではない!日差しの裏の自分の真っ黒な影を久しぶりに見た。夜、酒を酌み交わしていて、ふと思い出した。そうだ、これを見に来たのだ!水割りのコップを片手に、カランコロンと澄んだ氷の音をさせながら外に出る。あった!ウルトラマリンブルー!ヨーロッパの有力な王族、貴族が莫大な金をはたいて買い求めた石、ラピスラズリ。その石から作られた顔料は深い夜空の色をしていてウルトラマリンブルーとよばれた。そ...70/青色
最初に質問。Q:「赤・緑・青」の三つの色を混ぜると何色になる?昔、理科の先生から「リンゴは赤色ではない」と習って不思議に感じた。リンゴに色が付いているのではなく、リンゴの表面に当たった光のうち、吸収されずに反射した光を人間が赤色に認識しているに過ぎない。つまり、光の反射と人間の色覚が色をつくっているのであって、物には色が無いのだと言う。考えてみれば、光のない闇夜には色がわからない。暗い深海にすむ魚は色を認識する色覚がない。もともと夜行性だった犬は青と黄色しか認識できない。その動物の目から捉えた色がこの世界の本当の色ということになる。人間は人間が認識できる色を、植物や鉱物を混ぜ合わせて人工的につくりだした。その基本が「色材の三原色」といわれるもので、黄色(yellow))・赤紫(magenta)・青緑(cy...69/いろ色
空は青い。しかし、地上に目を移すと青色はいたって少ない。「自然界にある空・海・花以外で、青色のものを答えなさい」とたずねられても、なかなか思いつかない。孫にたずねたら、即座に「どらエモン」と答えた。「好きな色はなんですか?」という質問の第一位は青色。青色は空や海をイメージさせるからだという。その心理をたくみに利用したのが葛飾北斎。青色をふんだんに使用している。日本の絵画で古くから使用されてきた青い顔料は、アズライト(藍銅鉱)という鉱物から作った色で、群青色(ぐんじょういろ)である。夕闇がせまり、物が色を失う頃になると、空気の青色だけが際立ちすべてが群青に染まる。海のコバルトブルーや青空の空色は爽やかさが感じられる。群青色は人を安らかな気持ちにしてくれる。※葛飾北斎『冨嶽三十六景相州梅沢左』※川瀬巴水『馬込...68/群青色
空は青い。地球を取り巻く空気が、青い光をよく反射するからだ。空気が少し青いから、空は青く見える。我々の周囲には空気があるので、青い光に満ちていることになる。だから、青色の花は少ない。めだたない!畑を見回しても青色の花は無い。と、思っていたら有った。露草。しかも、実に見事な青。昔は露草の花の汁を染料に使っていたので「着き草(→月草)」と呼んでいた。ところが、色が定着せずにすぐにあせてしまうので、はかない恋の象徴として歌に詠まれた。朝(あした)咲き、夕(ゆふべ)は消(け)ぬる月草の消(け)ぬべき恋も我れはするかも[万葉集](朝に咲いて、夕方にはしぼんでしまう月草のような消え入りそうな恋であっても、私はするかもしれませんよ)この露草の花で染めた木綿を「縹(はなだ)」と言ったことから、青色を「はなだ色」と呼び、そ...67/花色
中華鍋で炒められているような暑さである。この一週間は「危険」が二回、あとは「厳重警戒」の日々が続いた。日中は外には出られない。今週の畑作業は計3時間。ほぼ夏休み状態。にもかかわらず、一雨ごとにものすごい勢いで草は伸びる。畑作業の七割は草抜きである。たとえば、東と北の畦道は畑の持ち主が責任をもって管理するという約束がある。だから、念入りに草を抜く。今年になって五回は手作業で除草した。しかし、この暑さと草の勢いには、もはやお手上げである。いたしかたなく、今年初めて除草剤をまいた。この暑さに、三日間できれいに枯れた。畑に行く時間が減ったのはそのためでもある。山奥のぽつんと一軒家なら無農薬に励むだろうが、周りを田んぼに囲まれた我が畑では意味がない。我が畑が無農薬でも、田んぼには大量の農薬や化学肥料が使われている。...畑――酒
知らぬ間に落ちた種が芽を出して、手入れをしなくても育った野菜や花を「こぼれ種」という。去年も記事にしたが、今年いちばんのこぼれ種はマッカ。正式にはマクワウリ。二世紀頃から岐阜県にあった真桑村で作られ始めたので真桑瓜。そのマクワがなまってマッカ。生えているのは去年に作っていたニューメロンという品種。黄マッカとともに昭和世代には懐かしいマッカである。地味な甘さが地味に美味い。除草した草を集めて積んでいたのが土になってしまった所に生えたのを残しておいた。どうせヌートリアのエサになるだろうと思っていたが、どっこい、元気に育っている。まったく肥糧も与えない100%の放任栽培。自然の力だけに任せるという自然農法のすごさをあらためて実感する。瓜売りが瓜売りに来て瓜売れ残り売り売り帰る瓜売りの声ウリ科でよく知られているの...畑――マッカ
SNSの発達のせいで「暑中見舞い」のハガキを見ることがなくなった。日本郵便は2021年にくじ付き暑中見舞い用はがき「かもめ~る」の発行を廃止している。加えて、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の抑制で一段と利用が減ったそうな。1993年のキャンディーズ『暑中お見舞い申しあげます』が懐かしくなる。(ウーワツ)暑中お見舞い申し上げますまぶたにくちづけ(アハハ)受けてるみたいな(ウーウン)夏の日の太陽はまぶしくてキラキラ渚を(アハハ)今にもあなたが(ウーウン)かけてくるしぶきにぬれて(作詞:喜多條忠/作曲:佐瀬寿一)「拝啓三伏(さんぷく)の候」という時候の挨拶が、昔の暑中見舞いの定番だった。「三伏」とは、陰陽五行説では夏至以降の三つの庚(かのえ)の日をいう。夏の勢いがとても盛んで秋の気配を降伏させるという...66/三伏
三っ日連続の熱中症警戒アラートが発令。朝の6時に畑へ行っても、7時には30℃。予報通りの危険な暑さになりそうな。もはやこれまでと早々に帰宅。帰って来たところで別段することはない。パソコンの前に座ってのんびりとネット遊覧。さて、次はブログの記事でも書くとするか。とはいえ、ペットもいなければグルメをする余裕もない。第一に何の行動もしていないではないか。★人は何かの行動をすることで、何らかの心理になって、それを会話や文章で言葉にする。九州や東北の豪雨災害のボランティアをしている人は、ボランティア活動をすることで、相手の感謝に喜びを感じて、それを言葉にする。そして、もっと親切に優しくしようと力をいれる。行動が動機となって次の行動が生まれる。「doforthedoing(行為の為に行為する)」のである。★などと思っ...65/あっ!
親戚の開店祝いのお下がりでもらった胡蝶蘭。大きな鉢に三株を寄せ植えしてあったのを根を整理して植替え。一株は二番花を咲かせている。その花の豪華さもさることながら、一か月ほど花を咲かせているのも魅力だ。普通の植物は土中に根を張るが、胡蝶蘭は他の植物に絡みついて成長する着生植物なので、地上にも根を出して空気中の水分を吸収している。日に日に大きくなる葉っぱだけでなく、根の成長も見ることができるのは楽しい。普通の植物を見るときも、視点を変えて「根を視る(想像する)」必要があるかもしれない。そこで始めたのが水耕栽培。バジルと青シソ。ペットボトルを二つに切って、胡蝶蘭を植替えるときに余ったミズゴケで固定しただけ。肥糧は胡蝶蘭に与える液肥の余りを与えるだけ。本来は視えない地中の根も丸見え。これが人間だったら性根を見透かさ...64/根
仏教の修行の中に「忍辱」というのがある。「忍」は堪忍、忍耐の忍。「辱」は屈辱、侮辱の辱。訓読みは「はじ」、「はずかしめる」「忍辱」とは、他人からの侮辱、誹謗中傷、悪口、陰口に耐え忍ぶことである。もう少し厳密にいえば、悪口に怒りをあらわにするのではなく、平常心でいるということである。忍辱は「にんじょく」と読んでもよいが、仏教用語では「にんにく」と読む。料理に使うニンニク(大蒜)の語源とされている。仏教では忍辱を求めるのだが、ニンニクは嫌われる。「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず」禅寺の山門脇の石碑に刻まれている言葉である。「葷」とは、にんにく・ニラ・ネギ・らっきょう・ノビルなどの臭いの強いものをいう。これらに加えて酒は、情欲や怒りをかきたてるもので、修行の邪魔になるというので寺の中には入れてはならないこと...63/忍辱
朝、ちょうどよい曇り具合で心地よい。昨日、ホームセンターで買った網袋を持って畑へ。空中栽培しているスイカ(紅こだま)が、実をつけ出したので網袋で吊るした。七株植えて、三本ずつ子ツルを伸ばしているので、一つのツルに一つ実がなると7×3=21個出来る皮算用!吊るした袋を数えるとちょうど21個!しめしめである。七月の上旬から雌花が付いたのでお盆ごろから収穫出来る予定。実の大きさによるのだろうか、野菜の栽培でスイカ作りが最もおもしろい!「おもしろい」の大阪弁は「おもろい」。「それ、おもろいがな!」は大阪では最高の誉め言葉。だから、畑も、おもろなければならない。そこで、おもろいようにと、花でいっぱいにする。一作業終えて、麦茶を飲みながら、松葉ボタンで夏の花見も、いとおもしろし。気温は30度にちかいが、曇っているし風...畑――パラダイス
何年も前に買ったトキワシノブ(シダ)を庭石の上に置いていたら大変なことになっている。ここまでくれば、ほぼ野生。放っておく手はあるまい。というので、江戸時代に庭師がお得意様へのお中元に作りはじめたという「釣しのぶ」作りにチャレンジ!シダ植物は日陰を好み、乾燥にも強く夏でも育てやすい。また、葉は切れ込みが多く涼しげである。庭の遣水燈篭の火影夏の小座敷釣しのぶ(俗謡)夏の夕方、軒に吊るした釣しのぶが風に揺れる。もうそれだけで涼しいではないか。シダは繁殖力の強さ、葉の裏に胞子嚢を多く持っていることから子孫繁栄・商売繁盛の象徴でもある。徳川家康が兜(かぶと)の前立(まえたて)にシダの葉を用いたのもそのためだろう。朝ドラ『らんまん』に出てくる嫌味で憎たらしい田辺教授によると、シダは花も咲かせず種も作らないが、太古の昔...62/しのぶ
朝、畑に行く。キャンピングチェアーを陽のあたらない農小屋の西側に移動させる。目の前には田んぼが広がり、涼しい風が吹きぬける。どっかりと椅子に座って考える。さて、今日は何をしようか。「しなければならないこと」はいくつかある。しかし、その「しなければならないこと」をしなければならないのはしんどい!だから、予定はたてない。人と関わりがあれば、まずはそれを優先させなければならないが、畑で、そんなものはない。よし、まずはピーマンの支柱を立てるとするか!行動の起点は「自分の意思」なのである。たとえそれが「しなければならないこと」の中の一つであっても、自分の意思ですればしんどくなくなる。自分で決めた自分の時間なのだから!ピーマンの畝に行く途中で、トマトの脇芽がいっぱい出ているのに気づいた。しゃーない、脇芽をとってやろう...畑――予定
今日は彦星と織姫が天の川を渡って一年に一度の逢瀬をする日だという。だが、我が家ではそんなことは関係ない。「7月7日=なななな=菜菜菜菜=野菜がいっぱい」という豊年祈願の日なのである。朝、いちばんに里芋の畝に行く。そして、里芋の葉の上にたまった朝露を紙コップに移して飲みほす。里芋の葉は、天の川から下りてきた雫(しずく)を受け取る傘である。ゆえに、その葉の上の雫=朝露は天からもたらされた神様の水「天水」なのである。加えて、里芋は正月のおせちに使われるように子孫繁栄を象徴しているのだ。夕方、暑さがやわらぐと、河原へ笹(ささ)をとりに行く。笹は、古くは「細小竹(ささたけ)」と言った。「ささ」は「ささ濁り」「「さざ波」の「ささ」である。「ささ竹」から「竹」を省略したのが笹である。笹は小ぶりだが、イネ科の植物で農家に...畑――なななな
日の道や葵かたぶく五月雨芭蕉「五月雨(さみだれ・さつきあめ)」は前にも書いたが旧暦の五月に降る雨。つまり、梅雨である。そこで問題。Q:こ俳句の「葵(あおい)」とは何という植物か?上の写真は「立葵(タチアオイ)」で正解ではない。太陽の進む道にしたがって花を傾ける植物、「日向葵」が正解。日向葵は中国語で日本ではヒマワリ。だからといってヒマワリの話ではない。畑の中の葵といえば「秋葵」である。そこで問題。Q:「秋葵」とは何という野菜か?写真はアオイ科ではあるが「仏桑花(ハイビスカス)」で正解ではない。秋葵の「秋」は旧暦の秋(8・9・10月)。八月に盛期をむかえる野菜で「オクラ」が正解。秋葵は和名で英語では「okra」。なんや、英語あったんかいな!ほんでもって、畑に植えるアオイ科の野菜は少ない。そこで問題。Q:もう...畑――葵
ネオン瞬く歓楽街の居酒屋で、顔見知りになった常連客の四人が、話し込んでいるうちに意気投合した。「ええ、皆さん海釣りに行かはりますのかいな!どないです、私、ボートを持ってますんで皆でいきまひょ!ちょうど明日は新月。新月と満月の日は、満潮時と干潮時の潮位の差が大きい大潮でぎょうさん連れまっせ!」次の日の夕方、港に集まった四人は意気揚々とボートに乗った。沖に出て、エンジンを止めて竿を出した。潮まわりがいいのか、思いのほかよく釣れる。みんな夢中になっているうちに、すつかり暗くなった。用意のランタンを灯し、ビールを片手に竿をだした。そろそろ帰ろうとしたとき、潮の流れが変わったのか、かなり沖に流されていることに気がついた。新月で月明りは無く、まったくの闇夜である。方角がまったくわからない。ランタンをかかげて必死に方角...61/闇
歳をとると目覚めが早い。まだ暗いうちに目が覚める。デジタル時計を見ると「3:33」。なんとなくラッキーな気分になる。ところが、今日は、少し薄明るい時間に目が覚めた。デジタル時計を見ると「4:44」。何となく嫌な気分になる。夏場は朝の6時に畑へ行く。まずはスイカとカボチャの人工授粉。それからはひたすら草抜き。そのうちに1キロほど離れた所にある工場からサイレンの音がする。「8:00」の始業開始の合図である。真夏日が続く今はそれを聞いて帰り支度をする。普段は太子町(南河内郡)の役場の防災無線から聞こえるチャイムで帰り支度をする。「11:30」になると、「ウェストミンスターの鐘」というクラシック音楽のキンコンカンコーン♪のチャイムが鳴る。とある山奥の村はずれに、廃校になった小学校の建物がある。明け方前になるとその...60/キンコンカンコーン
※写真の下の答えの先読みをしないよう!質問「犬・猫・ウサギ・サル・タヌキ。では、空を飛ぶものと言えばなに?」多くの人はツバメやチョウチョと答えるだろう。飛行機やヘリコプターなどの乗り物を答えた人は、よほど柔軟な思考の持ち主か変骨者である。人は知らず知らずの内に思考を誘導されている。「土用の丑に食べる者は?」と訊かれれば「ウナギ」と答える。「松・竹・梅」のクラスの鰻重があれば、多くの人は可もなく不可もない「竹」を選ぶという。コンビニのレジ横の駄菓子やホットスナックを思わず買ってしまうのも思考の誘導である。ある意味で自分に正直で素直な人でもある。質問「5から12の数字の中から一つ選ぶとすればなに?」答えは「7」。ちょっといっぷく59/素直
これまで、いろんな野菜について記事を書いてきた。ところが、夏野菜の御三家に関しては書いてなかった。いわゆる、ナス・トマト・キュウリである。これは、栽培しやすい御三家でもある。だから、記事にしなかったのだろう。そこで、じゃまくさいのでまとめて書く!親の意見と茄子(なすび)の花は千に一つの無駄はない(俗謡)なぜならば、ナスの花は雌しべは雄しべに囲まれた状態になっている。したがって、雄しべから花粉は昆虫の媒介がなくとも風が吹けば、自然と受粉できるような構造になっている。だから、必ず実がなる!そして、トマトも同様である。それは、トマトは漢字で「赤茄子」と書く。つまり、ナスと同じナス科の植物である。だから、必ず実がなることになる!さて、問題は、雄花と雌花を咲かす雌雄同株のウリ科のキュウリである。たとえば、スイカは親...ちょっといっぷく58/暇つぶし
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6月23日に、下記にブログを引っ越しました。★楽天ブログ(河内のおっさんのブログ)※一行分かち書きしていた過去記事を散文に改め、写真は必要最低限に書き直して、毎日、一記事をアップしています。https://plaza.rakuten.co.jp/ottusanlando/★はてなブログ「河内国覚書帖」※gooブログの記事を、そのまま引っ越しました。新規の記事更新は、こちらでしています。https://f62xyq39w.hatenablog.com/ブログを引っ越ししました
「茶話135/野の花」で書いたネジバナ(モジズリ)が咲きだした。螺旋状にねじれて咲く、珍しい花だ。きれいなピンクの花を下から順に咲かせていくので花期が長い。右側は野朝顔。あまり大きくならないので、狭い我が家にはちょうどいい。左側はサツキ。本来なら、もう散っているのだが、まだ咲いている。春と夏が混在ししている。温暖化の影響で季節が揺らいでいる。花や野菜の旬がずれてきている。梅雨入りして一週間雨が続いたが、その後は連日の猛暑。朝の5時半に畑に行って、7時を過ぎると気温は30度近くになっている。これ以上は危険な状態。早々に帰って涼しいとこでじっとしているほかはない。とはいえ、何もしないのは勿体ないのでプログの引っ越し作業。◇すでに、ライブドアと楽天に引っ越し中だが、どうもしっくりこない。マンガ(コミック)や芸能...茶話208/まだまだ引っ越し中
去年の秋に植えて冬を越したエンドウ・玉ネギ・ニンニクの収穫。春先に植えたジャガイモ・キャベツ・レタスの収穫。ナス・トマト・オクラ・スイカなどの夏野菜の植え付け。里芋・薩摩芋・落花生などの秋野菜の植え付け。春の農事は春夏秋冬が一度にくる。なんとも忙しかったが、それもそろそろ終盤。梅雨入りまでに全て終えてしまおうと、四月から芽出しさせていたサツマイモを植えて終了。落花生の草抜きをしていると、雨がぽつぽつと降りだした。タマネギ・ニンニク干場で雨宿りしていると、ラジオで近畿・東海地方の梅雨入りのニュースが流れる。帰り支度してから、春の農事の名残を味わおうと畑を一周する。雑草捨て場の片隅に咲く朝顔。土手に咲いていたのを採取してきたもので、朝顔が野生化した野朝顔。500円玉ほどの花をつける。園芸種のような派手さはない...畑207/愛しき花たちよ
今日、六月九日は、旧暦の五月十三日。四百年余り前のこの日、平泉の金色堂(光堂)に拝観した松尾芭蕉が詠んだ句が、五月雨の降りのこしてや光堂五月雨(さみだれ)は、今時分に降る雨だから梅雨のことだ.。五月雨や上野の山も見あきたり/正岡子規明治三十四年、正岡子規の死の前年の作。身動きもままならない病床にあった子規は、降り続く五月雨と上野の山を毎日見て、うんざりとしていた。それだけに、五月雨の合間の五月晴れは嬉しかったのだろう。五月晴れを詠んだ句が実に多い。五月晴や窓をひらけば上野山見えそめて青雲うれし五月晴雨には、涙・別れ・災いというマイナスのイメージがつきまとう。しかし、心の中までじめじめしていたのでは身体のためにはよくない。心だけでも五月晴れでありたい。雨の中で唄ってる雨の中でひたすら唄う気分はもう最高さまた...茶話183/五月雨
ブログの引っ越しを取り合えず終えたが、レイアウトが思い通りにならないやら、タグ付けまで引き継いてくれないなど、どうもしっくりこない。gooブログは「誰でも簡単」が売り物だったが、その通り簡単だったとつくづく思う。そこで、ライブドアに加えて、もう一つ楽天にもブログを開いた。こちらは、引っ越しではなく、過去の記事のリメイク版にした。過去の記事を見直しして、一日一つを公開していく計画だ。gooに500以上の記事があるから、一年半ほどで完了させる計画だ。◇せっかくだから、一行分かち書き(一文一行)をやめて、普通の散文にした。一行分かち書きは、文のつながりが多少飛躍しても意味が解るという利点がある。そのかわり段落が定かでなくなるという欠点がある。それを補うために、写真を挿入していた。しかし、散文にすると段落が明確に...只今、ブログの引っ越し中
雨をはさんで8日間、実質作業6日間かけて600個のニンニクを収穫した。ニンニクは掘ってお終いではなく、根を切って、皮を剥いて、根の付け根を平らにしなければならない。ハサミやカッターナイフを使うのだが、毎日100個ともなると手が痛い。ニンニクのうま味成分といえばアリシンだが、アリシンには非常に強い殺菌力があり、皮膚の潤いを保つアミノ酸を破壊する。すると、皮膚の細胞が壊れて、火傷と同じような症状を起こしてしまうのだ。作業を終えて、家に帰ってオロナイン塗って、風呂に入ってからハンドクリームを塗っての毎日。ようやく、収穫し終えた。これでお終いというわけにはいかない。4個ずつ束ねて、紐で縛って、吊って、干して、乾燥させなければならない。そのためには、新しいビニールハウスを建てたので、要らなくなった古いハウスを干場に...畑206/至福のグルメ
ニンニクの葉がだいぶんと黄色くなってきた。さて、今日は、のんびりと気楽にニンニクを掘るとするか。去年、種ニンニクが安い所をネットで見つけたので買った。一袋(1K)が1100円。4袋セットだと3200円。歳をとっても貧乏根性の治らないジジイだから、必然的に4袋セットを買った。一袋に10個入っているから、一個で10片取れるとして……、一袋で100片の種が取れる。4袋だから、しめて400個で、ちょうどいい数になる。そう思っていたら、届いてびっくり下谷(したや)の広徳寺で、一袋に15個入っていたつまり、4袋で600個……。どうしよう?貧乏根性の抜けないジジイは、600個を植えたのである。ビニールマルチが剥がしやすいように、葉っぱの下で茎を切る。マルチを剥がして、しばらく土を乾かす。土が白くなってきたら、シャベルを...畑205/貧乏爺(ジジイ)
我が町会の地車(だんじり)が、9・10日に2025大阪・関西万博に出展された。その間、出演者連絡用のライングループに楽しそうな写真が投稿されてくる。本来なら、新しく買ったカメラで、自分も投稿していたのに……。神経痛で行くことができなくなった。YouTubeでも、今回の万博で目玉の総木造造りの大屋根リング(外径675m・高さ12m)の中を、賑やかに曳行されていく地車が投稿される。本来なら、その中に自分がいたのに……。見るまいとするのだが、自分が、その中にいるような気がして、ついつい見てしまう。神経痛の痛みをかばいながら、ひょっこりひょっこり歩いている自分が居りはしないかと……。ひょっとしたら、地車の上で、「河内俄の口上」を上げている自分が居りはしまいかと……。しかしである。その間、くよくよ、いじいじしていた...畑204/2025万博
我が町会の地車(だんじり)が、富田林を代表して、今日9日からから11日まで万博の「大阪の祭り」に出演する。本当は、今日、それに付いて行って、今頃はその記事を書いている予定だった。しかし、前回書いた「爺の悲劇」に見舞われたので欠席にした。万博会場には、ゆっくりと休憩できる場所が少ないそうだ。痛みはだいぶん楽になったが、まだ軽く咳をするだけで痛みが背中を走る。万博のガイドブックを買ったのに……。背中に神経痛を抱えた人間が行ったのでは、みんなに迷惑をかけるだけだ。新しいカメラを買ったのに……。行ったところで、自分だって苦痛だし面白くない。若いときだったら、「これくらいの痛みは酒を飲んだらなおるわい」という気概が有った。今でも、そんな気概は有る。しかし、体力が無いので、気概が長続きしなくなった。すぐに、なよなよと...茶話182/おいおい
玄関先に、鉢に植えたクサフジがきれいな花を咲かせている〈茶話137/藤の花〉。どこにでも見かける雑草だが、クサフジの紫の花と、傍にあるオレンジのメダカと一緒に写真を撮れば、ブログの記事になりそうだ。クサフジの鉢をメダカの水槽の前に持ってきてパチリ!おお、こりゃ、いい写真が撮れたわい!爺(じじい)が、一人で悦にいっている。しかし、これが爺の悲劇の始まりだった。爺の足下に、薩摩芋にカビが生えたのを干しているのが有った。爺はその存在を忘れていたのだ。爺が立ち上がって右足を一歩進めた所に有った薩摩芋を踏んでしまった。芋はコロコロと前に転げる。その上にある爺の右足も、どんどんと前に進む。しかし、爺の上半身は後ろに取り残されたたままだ。オイオイ!マテマテ!爺は、必然的に後ろに倒れてしまった。ギャアッッッッ!爺の左の背...茶話181/爺の悲劇
前回書いたごとく、例年より10日ほど早く周囲で田植えが始まった。持ち主が水稲栽培業者に委託している田んぼだ。我が家が貸している隣の田んぼにも水が張られた。これで東西南北四方を水で囲まれたことになる。どこからでも水を汲むことができるので水やりが楽になった。ナス・トマト・キュウリ・ピーマン・トウガラシ・スイカの夏野菜の苗を定植する。畝の準備はすでに完了しているし、自家消費用で四、五株ずつだから、たいして時間をとらない。♪夏も近づく八十八夜野にも山にも若葉が茂る♪日向の作業で少し汗ばむ。若葉は茂っているが、季節はすでに夏!人参の間引き菜と食べられそうな豌豆を少し持って帰る。今日の昼食はかき揚げ丼に決まる。我が相方が「薩摩芋まだある?」と訊いてくる。それで、保存用のハッポースチロールの箱の蓋を久々に開けた。包んで...畑203/夏を待つ
この時期、週にニ、三回、総会屋やら会議やら行事やらがあって、畑仕事もままならない。それでも、夕方には畑へ行く。作業をしにいくのではなく、日に日にあふれていく緑を見に行くのだ。見に行くといっても、なんらかの意思がはたらいているのではなく、なんとなく出かけて、なんとなく眺めて、ぼぉーっとしているだけ。殊にこの季節の緑は気持ちが安らぐ。黄緑、萌黄、ライムグリーン。夏の濃い緑とは違って明るい緑。調和・平和・自然・安息・新鮮・健康・生命力……。心も体もポジティブにしてくれる。まだ四月だというのに、周りで田植えが始まった。例年より十日ほど早い。八月の下旬に稲刈りをして、刈り取った株から出た穂をもう一度刈り取って、二回採りするのだという。これも温暖化の影響なのだろう。春が短くなり、夏が長くなった。近くを通りかかった百姓...畑181/八十八夜の別れ霜
今までに三回、引っ越しをしている。一回目は24歳の時で、兄が結婚するというので実家を離れた。駅前にあるアパートで、憧れの独り暮らしが出来るというので嬉しかった。ところが、二年ほどして父が亡くなり、母屋には祖母と母の女二人なので、不用心だから実家に戻ることになった。独り暮らしを謳歌していたのに……ちょっと寂しい二回目の引っ越しだった。三回目は今住んでいる家に引っ越した。まだ結婚していなかったので、再びの独り暮らしで嬉しかった。医療費の負担が3割から2割になる歳になって、次に引っ越すのはあの世に逝くときだと思っていたら、ひょんなことから引っ越しをするはめになった。と言っても家を引っ越すのではない。ブログの引っ越しだ。gooブログが11月で閉鎖になる。半年後だから、ゆっくりと考えようと思っている時に、gooより...茶話180/お引越し
桜が咲いた。じゃが芋の芽も出そろった。Springhascomeである。大地の底で目覚まし時計が鳴ったかのように、草木が一斉に眠りから覚める。映像を早送りしたかのように、草木は日に日に緑を増していく。ようこそ春よWelcome。命の息吹く春がきた。この三日間、歩いた動いた働いた。表彰台の上で金メダルを歯で噛みたいほどに働いた。三月に芽出ししたトマトにナスにブロッコリー、レタスにピーマンを大きなポットに植え替えた。スイカにキュウリ、カボチャにマッカ。ダイコン、ニンジン、インゲン、ゴーヤ。夏野菜の種も蒔いた。芽が出て育った夏野菜の苗を植える畝も立てた。さあさ、いつでもWelcome!植えるcomeの春がきた。畑201/Welcome
昨日3日は、一粒の種が万倍に育つという「一粒万倍日」。加えて、黄金色の毛が金運をもたすという「寅の日」。もえ一つおまけに、太陽が隅々まで明るく照らしてくれて、すべての物事がうまくいくという「大明日」。こんな大吉日に、じっとしていては運を逃す。朝の早から畑へ行って、蒔いた蒔いた蒔きました。スイカにキュウリ、カボチャにマッカ。ダイコン、ニンジン、インゲン、ゴーヤ。縁起担いで、ソーリャソラソラお祭りだ!数日前に70歳をむかえた。「人生七十古来稀なり」。中国は盛唐期の詩人、杜甫の漢詩「曲江」の中の一句が「古希」の出典となった。朝(ちょう)より回(かへ)りて日日(ひび)春衣(しゅんい)を典(てん)し毎日江頭(こうとう)に酔いを尽くして帰る酒債は尋常行く処に有り人生七十古来稀(まれ)なり花を穿(うが)つ蝶々は深深(し...畑200/種まき
※①~③のつづきです。旅17から読んでください。備前の旅も四日目、大阪に帰る日だ。昼前に出ようと友人が言うので、それまで周匝の町をぶらぶらしてくるとウォーキングに出た。山沿いに町まで向かう。途中、道の真ん中に大きな樹がある。石碑があって、髭が生えたような文字から「南無妙法蓮華経」だと読み取れる。なにを祀っているのだろう?近くで80歳くらいのお爺さんが竹ほうきで落ち葉を掃除している。尋ねてみようと「おはようございます」と声をかける。「でぇれぇ、さみーに、どけーいなれる?」なんとなく解ったので、「町まで散歩です」と応える。「ほーけ。わちゃー、歳とって、なーんもできん厄っけー者じゃーと、みながそげーなことゆーて、えれーいらまかしょる。せーじゃけー、厄っけー者じゃー言われんよーに、ちーたー掃除ぐれえーしよお思ーち...旅20/老いの小文六の④
※①~②のつづきです。茶話179から読んでください。岡山県は、瀬戸内海と中国山地に囲まれ、温暖で晴れの日が多いことから「晴れの国」をキャッチフレーズにしている。なのだが、過去5度来たうちの半分以上が、晴れるはずなのに雨だった。だから、「晴れの国」ではなく「ハズの国」だと愚痴っていた。そこで、昨年の秋の旅からは天気予報に合わせて日程を組むことにした。今回も同様に日程を組んだので、見事な晴れの国の三日目となった。午前中は、昨日立てた畝に、私が持って来た里芋と菊芋を植えた。秋に来た時の楽しみにするためである。農作業を早々に切り上げて早い昼食をとる。スーパーで買った100円ラーメン。オジン二人の食事は実に質素だ。酒の肴を含めても、三日分でしめて3000円。しかし、なににも勝るご馳走である。昼食を終えて、すぐに家を...茶話181/老いの小文六の③
※①のつづきです。茶話179から読んでください。川岸に植えられているソメイヨシノはまだ蕾だが、家々の庭に植えられている他の品種は花を付けている。そんな桜を車窓から追いながら、和気から吉井川沿いを走り、4時頃に備前の国の友人宅に着く。荷物を下ろして庭に出る。半年ぶりに見る懐かしい山々。山際の冬木立が老人のハゲた頭の産毛のようで、山の端と空の境が定かではない。山桜が咲いているのだろうが、冬木と同化してよくわからない。少し歩くとサクランボの花が満開。これも桜に違いないと写真を撮る。ひゅーっと風が吹いて、ぶるっと震えたので家に戻る。我が嫁はんへの「到着こメール」に、さっきのサクランボの写真を添えて送る。友人と無事到着の乾杯をし、そのままオジン二人の家飲みの宴となる。翌朝、家々に引かれた防災無線の音楽で目が覚める。...茶話180/老いの小文六の②
今年こそ満開の桜を観に来いよと、備前の国に家を持つ友人が誘ってくれた。予報では26日が開花で、満開は四月の上旬。だが、四月は何かと所用があり日程が合わない。ならば、満開の桜は諦めて、せめて天気の良い日にと思い、三月の下旬に備前の旅に出ることになった。弥生も末の七日。昼前に、友人が堺の実家から車で迎えに来てくれた。備前の土産にと用意していたキャベツやレタスの苗を積み、いつも通り西国街道(山陽路)をひた走る。途中、明石の宿で弁当を買おうとするも、昼遅く、お握り二個と沢庵の入った弁当しかない。まあ、播磨の国の美味しい米を食すのも悪くはあるまいと購入する。ベンチに座って弁当に張られたシールを見る。播磨の米のはずだと思って買ったのに、製造は「京都府城陽市」とある。備前の旅は「~のはずなのに」が、なぜかよくある。桜が...茶話179/老いの小文六-①
南と西の田んぼの田植が終わった。これで東西南北を稲田に囲まれた「ぽつんと一軒畑」になる。なんとなく寂しいが、これでカラスがいなくなってくれればと期待している。逆に、我が畑に集中攻撃をかけてくるかもしれない。だが、畑全体に防鳥糸やネットを既に張り巡らせている。来るなら来てみろだ!田植がされている間は、農道を車が頻繁に移動するので、邪魔をしてはと畑に行くのを控える。その間は、我が0円花壇の手入れで暇をつぶす。写真の前列左から、去年作ったコケ玉(62/しのぶ)。コケだけでは殺風景なので、庭の片隅に生えていたウンランをトッピングしている。前列真ん中は道端にあったのを引っこ抜いてきたスミレ(畑158/アレする)。根っこだけでも芽を出す植物なので、すぐに定着した。前列右は庭の片隅に生えていたミツバ。マクドのコーラーの...畑164/喜びの共有
先週あたりから30度超えの日が続いて、畑活は朝夕の夏勤務。6時頃に畑へ。カラスのために余計なことをしなければならない。畑の四方と上に、防鳥糸を張り巡らせた。身長よりも低い所に糸が張ってあるので、頭が糸に引っかかる。畑に入る時は、麦わら帽子を脱いで、頭を下げなければならない。なんとも礼儀正しい畑である。実りだしたキュウリは、慇懃無礼なカラスの被害にはあっていないので、糸の効果はあるのだろう。8時に、近くの工場の始業のサイレンが鳴ると、我が畑活は終了。今年からの帰宅の儀式の始まり……。パーン!カラスを追い払うために、ロケット花火を一発撃ちあげる。パン、パン!百均で買った玩具のピストルを二発ぶっぱなす。高圧電線に留まって、「あのオッサン、早く帰らんのかな」と眺めている奴らが一斉に飛び立つ。ざまあみろ!青田を背景...畑163/めぐる季節の中で
カラスに全滅にされた落花生の種の蒔き直し。小さなトンネルを作って防鳥ネットで囲ったうえに、雨除けと保温のためのビニール。これだけ頑丈にすればカラスも手が出せまい。朝早くにビニールをめくって風通しを良くしてやる。家に帰って朝食して、再び畑へ行く。トンネルの辺りから二羽のカラスが飛び立つ。まさかと思って見ると、やられた!ええ?ここから口ばしを突っ込んだの?と疑うほどの隙間しかない。一羽がネットを持ち上げ、もう一羽が首を突っ込んで取り出したとしか考えられない。なんともエゲツナイカラスの学習能力!人間虐待!こうなりゃ最後の手段!家に帰って食パンを一枚取って来る。小さく切って、竹櫛に刺して、ハイどうぞ!君たちには、もうかなわないから仲よくしよう!中生(なかて)の玉ネギを抜いて乾かしておいて家に帰った。昼食終えて、畑...畑162/カッテにしやがれ!
例年なら、この時期はのんびりとしているのだが、落花生の苗200株全滅(前の記事)から、何かと仕事が増えて二週間休みなし。今日は、午前中に草抜きして、昼から小雨模様なので、やっとのんびり。白菜一玉800円から、ようやく価格が安くなってきた。そんな時期になって、ようやく我が家の白菜が食べごろに。これから、せっせと食べていかないと、この時期の白菜はすぐに花芽が出てくる(とう立ち)。だいたいにおいて、この時期、白菜はあまり食べないから、半分は友人にあげている。一方、こっちは、わざととう立ちさせた玉ネギ。普通なら、失敗作を人に見せたくないので引き抜いてしまう。だから、一度玉ネギの花を見たことがないので放ったらかしにしておいた。ネギ坊主のような花を咲かすのは想像できたが、1メートルほどの高さになるのは意外だ。ついてだ...畑161/楽しみの種を蒔く
落花生の発芽が悪く、根を傷めまいと、発芽前に200株を定植するという、苦肉の策の九二九作戦(畑159)。いつものように畝の左右にカラスの嫌がる防鳥糸を張る。自然相手の農作業は、人間の意思ではどうにもならないことが起こる。しかし、その都度、創意工夫して苦難を乗り越えて来た。それが、農耕民族であった日本人の勤勉、緻密さ、信頼感」、専門性などの世界に誇れる日本人の魅力になってきた。農民根性が大和魂になってきたのだ。次の日、いくつかは青々とした本葉を出しているはずだと、朝、意気揚々と畑へ。玉砕!やられた。全滅!カラスに……!引っこ抜いて豆の部分だけが食われている。防鳥糸が効かない!大和魂がくじけてくる。写真を撮ろうにも落花生の姿は無いし、撮る気力も無い。ナミダすら出無い!五種類を植えているので、残った種を数えて、...畑160/遂に8K88作戦!
5月8日に落花生を100個ほどビニールポットに種蒔きして今日で14日目。7~10日で発芽して出そろう予定が、本葉が出たのは一割ほど。一気に定植するのは辛どいので、日にち差をつけて一週間後に植えた100個は沈黙したまま。落花生は発芽に加湿を嫌うので水やりしなくとも発芽したが、二週間で発芽しないと、さすがにカラッカラ。そこで一発勝負の水やりをしたが、どうも芳しくない。胚軸(双葉の下の茎)と一本の本根は出ているはずだが、地温が上がらないために細い根が張ってくれななんで?こんなん初めて!一日の気温を1時間ごと測定気した気温を平均したものが平均気温。単純にいえば、最低気温と最高気温を+して2で÷ればいい。温暖化だ、夏日だと囃されているが、この時期は大陸からの冷気も入ってきて最低気温が低い。そこへきて、雨や曇りが多い...畑159/九二九作戦発令!
朝6時に目が覚めて畑へ。落花生はというと10個ほど本葉を出している。まあええかと少しだけ納得して、あとはひたすら草抜き。一昨日に雨が降って、今日あたりが抜きやすい。8時過ぎに家に帰って朝食。もう一度畑へ行こうと玄関に出て、ふと思い出した。そうだアレをしなければ。春先に、家の近くの道路の脇でアレを見つけた。なかなか綺麗な花をつけている。調べてみるとアリアケスミレらしい。5月になったら種を採取して、庭に蒔いてやろうと決めていた。見に行くと、すでに種を飛ばしているのもある。だが、大半の実はまだ下を向いている。実が上を向いているのが成熟している証拠。ばかーっと三つに割れて種を遠くへ飛ばす準備をしているやつだ。そいつを見つけて封筒に入れておく。今日中に割れて、一粒で30個ぐらいの種が採れる。割れるのを待っている間、...畑158/アレする!
落花生の種を蒔いて、三日ほどで胚軸(双葉から下の茎)が出て、その拍子に種が土をぷっくりと盛り上げた。いい調子、いい調子。胚軸から根が伸びてから、種が二つに割れて本葉が一斉に出る。種を蒔いて発芽がそろうと実に嬉しくなる……。……はずだったが、一週間経っても種が割れない。ここしばらく肌寒くて、平年気温より1℃ほど低い。そのために地温が上がらず、根が成長していないのだ。厄介なことになった。出来るだけ水やりはしたくなかったが、土がカラカラに乾いているので、少し湿らせないといけない。やむを得ず、指で土をちょいちょいと取って豆を露出させ、蒸れないようにして水をかけるしかない。それで一気に発芽してくれればよいが、落花生は、水分が多すぎると発芽を止めてしまうことがある。さあ、どうしよう?雨の日が多く、気温の変化が大きいた...畑157/勝負や!
見ているだけで腹が立ってくるので、エンドウを早々に撤去した。いつもならネットごと刈り取って、新しいネットに張り替える。しかし、カラスが枝をボキボキにして、まったく成長していないので、エンドウをネットから取り外して、ネットは再利用することにした。すっきりとした畑を見て、気持ちもすっきり。それに、今日は、カラスもどこかへ行ったのか、やけに少ない。なんとも気ままなカラスだと思っていると、隣の畑の方から、周波数の合っていないラジオのような音がする。なるほど、うちと同じように枝をボキボキにやられたので、カラス除けの超音波機かなにかを買ったのに違いない。どんなものかと、帰り際に見に行くと、ラジオのようなではなく、ラジオだった。わざと周波数をはずして鳴らしていたのだ。砂嵐の音の間にピーとかヒューとかの音が交じる。住宅地...畑156/音
負けた。カラスにエンドウを襲われて、防鳥糸を張ったが全く効果がない。カラスではなくハトだと思って、黒マルチの幟を立てて百姓一揆を起こした。しかし、効果があったのは最初だけで、ニ、三日するとエンドウの上に下りて、枝をボキボキにされた。近くの畑も同様の被害にあっていると言う。仲間と話をしているうちに、やはりカラスの仕業だという結論になった。カラスの脳の重さは鳥類の中でもずば抜けて重く、人間の7歳程度の知能があるという。人間の顔や服装も識別できる。近くの農小屋の屋根にカラスが留まっているのを見て、「あいつら何を考えとんやろか」と人間は思う。しかし、奴らは、じーっとこっちを見て、逆に人間を観察しているのだ。「このオジン、いつ帰るねん!帰ったらエンドウを喰いにいったるのに!」なんとも小癪な奴だ。そうこうしているうち...畑155/カラスの勝手
連休中に農水路の共同清掃(井路掘り)があった。昔は、田植えや害虫防除、稲刈りや脱穀など、仲間と共同ですることがたくさんあった。村のほとんどが専業百姓だから、仲間意識、ムラ意識があって運命共同体が形成されていた。今はもう、職業がてんでばらばらになって、井路掘りだけが残っているだけだ。利害が一致していれば運命共同体が形成されるが、利害がばらばらになっているのが現状だから、少しずつ井路掘りの参加者も減っていくだろう。井路掘りが終わると水の準備は完了、田植えが始まる。畑の周りもあっという間に水田に変わった。これでしばらくは水の心配をせずに済む。さあ、落花生の種を蒔くとするか。今年は、里芋の出荷をやめて、落花生が唯一の現金収入。いわば、命の落花生だ。ビニールポットに一粒ずつ蒔く。まずは100株蒔いて、あとの50株は...畑154/落花生
山々に立ち込めた薄絹の朝霞が少しずつ晴れ渡る。星の雫かと思うような露が草葉の上で朝陽に光る。ここちよい風が胸を撫でると、露の玉が地に落ちて、鈴々と楽の音を奏でて土に入っていく。なんともすがすがしい皐月の朝。名も知らぬ野の草が風に揺れる。現役時代は、五月の連休中も働いていた。こんな爽やかな季節こそ、畑でのんびりと野良仕事がしたい。それが理由で、定年前に仕事を辞めた。どうせ70歳くらいまでしか生きないのだから、年金なんて早くもらう方がいい。なんとも我がままだが、正解だったと思う。蜜柑の花が満開。ほんのりとジャスミンのような甘美な香りがただよってくる。16aある土地の3aほどで畑をしていたが、リタイアする前の年から畑を倍の6aにした。残りは業者に委託して稲作をしてもらっている。仕事を辞める時に、業者の社長に「米...畑153/立夏
今年、チャレンジする野菜は、岡山の友人からもらってきた山わさび。清流で栽培される「わさび(本わさび)」は、日本独特の食材だから英語でも「Wasabi」。畑で栽培される「山わさび(西洋わさび)」は、フィンランド原産で英語名は「Horseradish」。粉わさびやチューブのわさびは、ほとんど山わさびからつくられている。山わさびは本わさびより1.5倍も辛い。本わさびのような辛さの中に甘味はないが、舌がしびれるような刺激的な辛さが好みの人にはむいている。寒さには強いので鉢植えにして外に置いていたら、春になって虫食いだらけ。見るとアオムシがいっぱいついている。調べると、キャベツや白菜と同じアブラナ科だった。手で捕殺して、根を大きくするために露地植えにする。もう一つのチャレンジは「おくら」。なんとも日本語らしい名前だ...畑152/ひ弱に
今日は「夏も近づく八十八夜♪」。よくご存じの唱歌『茶つみ』だが、よくご存じでない二番の歌詞。♪日和つづきの今日此の頃を心のどかに摘みつつ歌ふ摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ摘まにゃ日本の茶にならぬ♪末広がりの八が二つ重なる八十八夜に摘んだお茶は、不老長寿の縁起物として好まれる。縁起のいいのはお茶だけではない。「八」「十」「八」の3つの字を組み合わせると「米」という字になるため、百姓にとっても大切な日だった。この頃から田植えが、ぼちぼち始まる。そのために、農水路をきれいにして、川の水を流す準備をする。全国的に農水路を井手というようだが、我が村では井路(いじ)とよび、村中から人が集まり井路を掃除するのを「井路掘り」とよんでいる。今はコンクリートで固められているが、昔は、文字通りに井路を掘っていたのだ。今日は、その...畑151/88
ブドウがつぼみを着けだした。花が咲くのは中旬頃。それまでに、枝の先っぽのつぼみは摘んで、枝元のつぼみ一つ残す。咲きだした頃に、ジベレリンという植物ホルモン液に漬けると種無しブドウになる。孫に食べさせてやろうと、去年、初めてジベレリンに漬けた。みごと種無しになった。しかし、実も無くなった。花がすべて枯れてしまったのだ。だいたい、野菜や果物には種ができるものだ。それを無理やり薬で種を無くすのは、自然の摂理から外れるし、神への冒涜だ。ブドウたけでなく、種無しピーマンやスイカとかも出だしたが、野菜や果物は種があるから美味しい。種の有るブドウなんて、スーパーでは売っていない貴重品なのだ。だから、今年はジベレリン処理をしない。種のある大人の味を楽しむ。河川敷で掘り上げて来たネヂモジが大きくなった(茶話135/野の花)...畑150/種のネタ
朝方に雨が降った。五月は半分の日が雨だった。日月曜の連休の間に、頑張って夏野菜の畝立てを終えて正解だった。雨上がりのうちに畑へ。昨日植えた赤シソは、水を吸って元気だ。それはそうと、ハトに襲われたエンドウを守るための「百姓一揆」の結末を確かめなければ……。うーん?手薄だった東西の端がやられた。スナップはもはや全滅状態。うーん?思案の末に黒ビニールの幟(のぼり)を増やした。30年ほどエンドウを作っているが、こんなの初めて……。黒いビニールが立ち並ぶ、情けない情景を呆然と眺める……。遠くの山々が白いベールに覆われだしている。こんな時は雨になる。泣きたいのは、こつちやがな……。……思っているうちにポツリポツリと降り出した。ビニールトンネルの中に慌てて入って、椅子に座ってぼんやり……。羅生門の下で、一人で雨やみを待...畑149/雲外蒼天
昨日、夏野菜の畝を立て終えて、今日はゆっくり8時に畑へ。相方の梅干し作りのために、畔際に生えた赤シソの植え付け。「こぼれ種」で生えたのだが、わざとこぼれ種にしたので「意図的こぼれ種」。種を買って植えると案外失敗する。こぼれ種は確実に芽が出る。スコップで掘りあげて、植える予定の畝へ。さて、植えようと目の前のエンドウを見ると様子がおかしい。昨日、株の下の方になっていた実を何者かに食べられた。おそらくカラスだろうと思って防鳥糸を張った。カラスは羽が何かに触れるのを極端に嫌がるので、糸が最も効果的だ。なのに?そばに行ってみると、やられた!ぼこぼこに!それも株の上に乗って枝を折って食べている。「おいおい、ちょっとだけなら共存共生してやってもええけど、枝を折ったらアカンやろ!殺生やがな!」なんでやねん?糸は、ちゃんと...畑148/一揆だ!
連休に入ったが何とも忙しい。朝の6時から老人会の墓掃除。「四月の6時からというのは早すぎるのとちゃうか!」と文句言いながら一時間ほど草抜き。終わると、そのまんま畑へ行って、三畝ほどの畝を立ててマルチを張る。10時前に家に帰る。二月の半ばから、知り合いの頼みで、ある薬草の苗を預かっていた。三月の中旬くらいまで頼むが、四月の上旬になり、それがやっと今日になった。桜が咲きだした頃から急激に成長した。大きくなりすぎて引き取りに来た車に乗せきれない。手土産にワッフルをもらったから、「ええよ、俺の車でも運んだるわ!」家に帰ると昼前。なにげなく家のガレージに置いていたが、実は一株千円近い貴重な薬草。それが大小200株ほど……。すっきりとしたガレージを見て、何となく寂しくなる……。カップラーメンを食べてから、競馬の天皇賞...畑147/連休
三日続けて夜に雨が降って畑に入れない。仕方ないのでビニールトンネルの中で苗の手入れやら種まき。電熱ヒーターで芽を出させたキュウリやスイカはまだ双葉で、外に出すのはかわいそうだから、今のうちに少し大きめのポットに植え替える。トマトとナスはかなり大きくなったので定植できなくはないが、畝の準備が出来ていない。彼らも大きめのポットに植え替えてやろうかと思ったが置き場所がない。鬱蒼と茂った絹さやの花が終わったので、あと一回収穫して撤去する時に植え替えるとするか。次はアスパラの種まき。一昨年まで畑の隅っこに植えていたが、古くなったので片づけてしまった。チンアナゴのようににょきっと頭をもたげる奴がいないと、なんとなく寂しいので種まき。発芽まで20~30日もかかるうえに、収穫できる株になるまで二年かかるというのんびり屋さ...畑146/癒やしの野菜
月、火に雨が降るパターンが続く。そこへ、金土あたりに雨が降ると、一週間たいしたことができない。4月はそれが続いて、半分は畑仕事ができない。家やビニールトンネルの中で、連休用の苗作り。かなり溜まってきて置き場がなくなってきた。苗の中にひとき可愛く咲くのはイワカラ草。30年ほど前に山野草に凝ったときがあって、その時に買った花。アルプス原産だが、30年も作っていると、もはや南河内産。地面に広がった葉から花茎が出て草の姿勢が、ハイジ―のようにけなげな花だ。だが、去年の暑さで枯れてしまって、一つ残った貴重な株。なんとか種を採取して、地植えにして、来年は一面に咲かすのが楽しみ。今日は、夜に雨が降ったので昼から畑へ。庭のツツジを挿し木して植えたのが咲きだした。畑も我が家のようなものだから彩ってやらなければ……。春になり...畑145/日々是好日