子供が書いたミッキーの落書きに対して著作権侵害を主張したという都市伝説が存在するほど、ディズニー社の知財管理は厳しいことで有名です。 中国でディズニーキャラクタの模倣品が出回ったときも、中国で訴訟を起こしても無駄だからと尻込みせず果敢に訴訟を仕掛けていきます。 日本企業のキャラクターの模倣品も中国で数多く存在しますが、ディズニー社のような訴訟戦を繰り広げたという話しを聞くことはありません。 日本企業の場合は、どちらかと言えば日本政府や中国政府に対して取り締まりの強化を求めることが多いようです。 模倣品対策のあるべき姿としてどちらが「正しい」かは、著作権や商標権などの知的財産権が私権である以上、…
ものづくり補助金で補助される経費に、特許権・意匠権・商標権などの知的財産権の取得に要する費用が含まれています。 しかし知的財産権は、出願してから登録するまでに各種手続きがあり、さらに出願から登録までに数年がかかることも珍しくありません。 ものづくり補助金の経費対象になるためには、交付決定日から10ヶ月以内の事業実施期間内に発注から支払いまでの手続きを完了させるという時期的要件を満たさねければなりません。したがって知的財産権の取得に際しては、この時期的要件を満たすように手続きを行う必要があります。 特許権と時期的要件 意匠権と時期的要件 商標権と時期的要件 ものづくり補助金には意匠権を使う 交付…
商品の価格を上げるために商品自体の品質を上げたり、商品に新しい機能を加えたりするこれまでの商品開発も大切です。 しかし商標というブランドを利用すれば、これまでの商品開発とは違った方法で商品の価格をコントロールすることができます。 商品から商標というブランドを取り払ったノーブランド商品は、商標というブランドがないだけで商品自体の中身は同じです。 商品の価格を下げるために使われているノーブランド化という手法の逆を行けば、商品の中身は同じでも商品の価格を上げることができます。 価格を上げたい商品に商標というブランドがついていなければ、商品に商標というブランドを付けます。 価格を上げたい商品にすでに商…
文字・図形・記号を組み合わせた商標は、文字だけの商標、図形だけの商標、記号だけの商標に比べて識別力を発揮しやすく登録し易いというメリットがあります。 識別力がない文字だけの商標を登録することはできませんが、識別力がある図形と組み合わせれば、商標全体として識別力があると判断されるからです。 商標を登録することだけを考えれば、文字・図形・記号を組み合わせた商標にメリットはあるります。 しかし、商標が登録されたあとは第三者が使用する商標に対して類似を主張しにくいというデメリットがあります。 文字と図形を組み合わせた商標が登録された場合、第三者が使用する商標が登録商標を構成する文字だけ、または図形だけ…
発明とは既存のアイデアの新しい組み合わせ以外の何ものでもない
「模倣」は、他人のアイデアをそのまま取り込むデッドコピー的な模倣ではなく、他人のアイデアを分析し、自分のビジネスに合わせて取り込むという模倣です。 今の世の中、他人のアイデアに依存せずに、独自のアイデアを考えだすことは到底不可能です。 全てのアイデアはすでにあるアイデアに依存せざるをえません。 特許の世界の話しをしましょう。 世界の特許の9割が大企業からの出願と言われています。 さぞかし先端的なアイデアが生み出されているだろうと思うかもしれませんが、実際は殆どの発明がすでにある発明を改良したものです。 新しいアイデアを創造することが立派で、改良したアイデアなんて大したことないと思わないで下さい…
ほとんど全ての民生用技術が軍事転用を可能とする技術です。例えば、センサ技術がミサイル誘導に使用され、デジカメに使われているCCDがスパイ衛星に搭載され、塗装技術がステルス戦闘機に使用されています。 今は誰でも使っているカーナビも、当初は測位精度を落として民生用に転用されたものであり、インターネットも、電話回線に代わる通信網として米軍が開発した技術であることは有名です。 日本で開発される先端技術は、民生用として研究開発されているものがほとんどです. しかし、世界に目を向けると、先端技術は軍事用として開発され、それが民生用に転用されます。 同じ技術でも扱い方が日本と日本以外とでは全く異なります。 …
新しい製品を開発したので市場に出したい。 はやる気持ちは分かりますが、その前にやっておくことがあります。 他人の特許権を侵害していないかどうかの調査です。 特許の調査は面倒だ、特許の調査はお金がかかる、という理由で特許調査をしない人を見受けます。 しかしこれはとても危険な行為です。 空いている土地に勝手に家を建てる人はいません。 空いている家に勝手に住む人はいません。 特許の世界も同じです。 すでに存在する他人の権利を勝手に犯していいはずがありません。 自分たちが世の中に出そうとする製品が他人の特許権を侵害していいはずがありません。 特許権を知らないことに過失がある 日本はビジネスを行う事業者…
著作権に対する関心が高まり、著作権について契約を締結するケースが増えてきました。 著作権について契約を締結するときは、著作権法を理解する必要がありますが、著作権法の条文は、他の法令に比べて、例外条項が多く、これが著作権法を分かりにくくしています。 著作権についての契約で最も多いのが譲渡契約です。 「全ての著作権を譲渡する」という条項を規定するだけの簡単な契約書です。 ところが、譲渡契約書に「全ての著作権を譲渡する」と規定しても、全ての権利が譲渡されないことが著作権法に規定されています。 著作権のなかには、小説を映画化したりする翻案権や、小説を翻訳したりする翻訳権という権利があります。 著作権法…
社内の技術情報をノウハウとして守りたい、という話を聞くことがあります。 ノウハウ保護を選ぶ理由は、特許出願すると何れ公開されてしまう、特許出願すると費用が発生する、という内容です。 1年6ヶ月の非公開 確かに特許出願すると、出願から1年6ヶ月経過後に出願内容が公開されます。 しかし逆に言えば、出願してから1年6ヶ月間は非公開です。 競合他社も同じような研究開発を行い、技術進歩が速い秒進分歩の今の時代、1年6ヶ月間も非公開にできれば十分に競合他社に対してアドバンテージを得ることができます。 さらに日本語の壁を利用することができます。 出願内容が公開されれば外国語への翻訳が可能ですが、技術情報を正…
特許権などの知的財産権を開放することがあります。 なかには無料で開放する場合も少なくありません。 特許発明を無料で使えるというメリットがありますが、物事には必ずデメリットもあります。 利用発明はフリーではない 無料開放された特許発明を使うデメリットを考えてみましょう。 発明のなかには、他人の知的財産を利用して完成させた発明があります。 これを利用発明といいます。 利用発明を実施すると、利用発明に含まれている特許などの他人の知的財産も実施することになります。 利用発明の権利者が自分の特許発明を無料で開放し、自由に実施してもいいですよ、とは言っても、利用発明に含まれる他人の知的財産をも自由に使わせ…
契約書に書くべきことは○○をしなかった場合のペナルティを分かりやすく具体的に定めておくことです。 多くの契約書には、○○をしてはならない、という禁止条項は書かれていても、○○をしなかった場合のペナルティ条項が書かれていません。 信義誠実の原則に従い双方が協議するという信義誠実条項を以てペナルティ条項とする人がいますが、トラブルが起きたときに双方が協議して解決に向けて努力するのは当然のことなので、信義誠実条項は単なる標榜条項に過ぎません。 トラブルが起きると協議することすら叶いません。当事者が双方の主張を言い合うだけで解決に向けた努力を期待する方が非現実的です。 不作為のペナルティを分かりやすく…
キャラクター生地のハンドメイド加工・販売やコスプレ衣装の自作をヤバイと思える感覚を持っていますか?
手芸店で販売されているキャラクターがプリントされた生地を使ってバッグなどを作ること自体は何ら違法ではありません。 問題になっているのは、そのようなハンドメイド加工品を販売する行為が著作権の侵害に該当するかどうかということです。 専門家の判断もあてにできない 著作権が問題になると、著作権法を理解して問題を解決しようとする傾向が強いのですが、法律を直接適用して問題を解決することは専門家にとっても決して簡単なことではありません。 著作権法の条文に直接記載されていれば良いのですが、多くの場合、条文を解釈して事例に当て嵌めていきます。 解釈ですから、当然に人によって様々な解釈があります。 ある専門家は手…
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