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2022/01/23

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  • 994. さすらいの女神たち

    引用元:amazon.co.jp バーレスク という言葉は聞いたことはあるけれど、何を指すものか知らなかった 調べてみると、「有名な作品のスタイルを滑稽に描く文学・戯曲・音楽のジャンル」とある 元々イタリア語のburlesco (burla)には、冗談、嘲りなどの意味があるというから、こういう「みんなが知っている作品を面白おかしく表現する芸」というのは古今東西存在しているということなのだろう アメリカではバラエティ・ショー形式による見世物を指し、劇場やキャバレー、クラブでコメディとストリップなどを織り交ぜていたものが、1990年以降は衰退していたバーレスクを新しい解釈でリバイバルさせた「ニュー…

  • 993. ホームレス - 遥の憂鬱で華麗なる日々 -

    印象的video.unext.jp 偏差値の高いお嬢様学校に通っている女子高生の遥(立花あんな)の自宅は、寂れた食堂 ネットでも最低の評価をされていたことで、冷やかしで訪れた意地悪なクラスメート美鈴(窪田美沙)たちにバレてしまい、翌日から学校でイジられる毎日を過ごしていた 元々は、とんでもなくお人好しの父親(麻木貴仁)が、知人の借金の保証人になったことをきっかけに生活苦に陥り、母親が家を出てしまい、ついには貧乏なふたり暮らしを始めていた そんなある日、店の前で倒れているホームレスの男性(森羅万象)を、例によって困っている人を放っておけない父親は介抱し始める そして強烈に汚くて臭くて下品なこの男…

  • 992. ワンダラー

    引用元:natalie.mu 2019年のPFFアワード作品 海外旅行をドタキャンして行ったフリをする という設定に惹かれて鑑賞 つき合っている男性から 「急な出張で札幌に行かなきゃだから、一緒に旅行には行けない」 と言われた咲子(榎本彩乃) 仕方なくひとりで空港に向かうも、家に引き返してしまう そして近所で、「財布を無くしてしまった」と言う、旅行中の女性を世話をするウチに彼女を家に泊めることになり、ついには一緒にデンマーク旅行をしていることにしてしまう 東京に戻ってきた彼と電話で口論するシーンでは、「出張に行ったことよりも、それを伝える前に(デンマークには行かないことを)自分の中で決めてしま…

  • 991. 夏の娘たち ~ひめごと~

    引用元:amazon.co.jp 山間の小さな町(ロケ地は長野県上田市) 直美(西山真来)は、養父の余命が短いと知らされこの町に戻って来る 父の病室で久しぶりに家族と話し、義理の弟裕之(鎌田英幸)とも顔を合わせる 二人には昔こっそりつきあっていた過去があり、気まずい思いがありながらも直美には再び裕之に対する想いがこみ上げていた 裕之にとっても同じ、或いはそれ以上の強い想いがあり、最初はその気持ちを抑えようとするも、すぐにそれは難しいと気づく 再び深い仲になってしまう二人は、元々血の繋がりはないのだから、と結婚しようと考えるも、直美にある疑念があり考え直そうとする 小さな町で、結婚を考えるような…

  • 990. 黄金のメロディ マッスル・ショールズ

    引用元:amazon.co.jp 公開時にヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞 アラバマ州の片田舎にある60-70年代に最盛期だった音楽スタジオと、そこで働いていたスタジオ・ミュージシャンやエンジニア、またこの聖地に録音に訪れたアーティストたちを描いたソキュメンタリー 名盤を生み出した録音スタジオは、映画「キャディラック・レコード」でも描かれたシカゴのチェス・スタジオやメンフィスのサン・スタジオ、ロンドンのオリンピック・スタジオやアビーロード等々、世界各地に数あれど、個人的にどこかひとつとなれば真っ先に思い浮かべるのがこのマッスル・ショールズ 地元の工場に勤めていた青年、リック・ホールが、友人…

  • 989. スプリング、ハズ、カム

    引用元:forum-movie.net 寄席によく通っていた頃に、柳家喬太郎主演と聞いてイメージフォーラムにて鑑賞 大学入学のため、広島から父親の肇(柳家喬太郎)と一緒に上京した璃子(石井杏奈) 母親は自分を産んでくれた時に亡くなってしまい、それまで肇の男手ひとつで育てられてきた 初日は不動産屋(角田晃広)に連れられて、部屋探しするも気に入る物件を見つけることは出来ず、次の日は母の妹真紀子(朴璐美)と新宿でランチをしてから、再び部屋探し ところが風変わりな隣人がいたり、予算オーバーだったり、タッチの差で気に入った物件が売れてしまったりしてなかなか決まらない 多くの親御さんが経験する子供の部屋探…

  • 988. めぐりあう日

    引用元:iwanami-hall.com 理学療法士として働くエリザ(セリーヌ・サレット)は、幼い息子を連れて自宅のあるパリからダンケルクに移り住む それは自身の生みの親を見つけるためのものだったが、やっとのことで辿り着いた結論は「実母は匿名を希望しているので公開できません」というもの 納得のいかないエリザは、この街で生活を続けながら模索していく そんなある日、息子の通う学校の職員アネット(アンヌ・ブノワ)が、彼女の患者として来院する 腰や背中の不調を訴えるアネットに施術を重ねるうち、エリザは不思議な感覚に囚われていくようになる 優秀な理学療法士で容姿も整っているエリザには、里親に大事に育てら…

  • 987. ホテルニュームーン

    引用元:hotelnewmoon2020.com 教師として働いている母ヌシン(マーナズ・アフシャル)と大学生の娘モナ(ラレ・マルズバン)は、テヘランで二人暮らし モナは、父親は彼女が生まれる前に事故死したと聞かされてきた 女同士、友達のように仲良しのふたりだったが、それだけに同じ学校に通う彼氏サハンド(アリ・シャドマン)の存在も、また彼と一緒にカナダ留学を計画していることも言えないでいた そんなある日、ヌシンに一本の電話が入る それは日本からイランに出張に来た田中(永瀬正敏)からのものだった そしてモナは、母親に預けているパスポートを確認しようと家の中の引き出しを探っている時、日本人らしき男…

  • 986. なつかしい風来坊

    引用元:amazon.co.jp 「風来坊」とは時代を感じさせる言葉だ 1966年の山田洋次監督作品 公務員(衛生局防疫課の課長)の早乙女(有島一郎)と、土方の源五郎(ハナ肇)は、本来なら相性が悪そうな組み合わせ 偶然に電車の中で出会ってからというもの、意外にもすっかり意気投合 おでん屋で痛飲した挙句、早乙女の自宅に泊まって以来というもの、最初は嫌がっていた妻や娘までもが源五郎の不思議な魅力に惹かれていく 当の源五郎もすっかり懐いて、しょっちゅう早乙女の家にやって来ては道路直しをしたり、押売りを追っばらったりして重宝されるようになる ある日、源五郎は自殺しようとしていた娘、愛子(倍賞千恵子)を…

  • 985. 行き止まりの世界に生まれて

    引用元:bitters.co.jp 原題は「Minding the Gap」 「格差に悩み続けて」というニュアンスだろうか イリノイ州ロックフォード どこかで聞いたことのある地名だな、、、と思ったら、映画「プリティ・リーグ」で、ピーチズという強豪チームが存在した場所だった 80年代以降、地域を支えてきた製造業も廃れ経済は後退、最も寒い1月には平均気温がマイナス7度にも下がるという極寒の街 元々、鉄鋼や石炭そして自動車など様々な産業へ舵を切りながら、ついには時代に乗り遅れた「ラストベルト」 70年代まで栄えていた工業地帯、ラストとは「最後」ではなく「錆びついた」の方で、中西部五大湖周辺をエリアを…

  • 984. ラブリー・オールドメン

    引用元:amazon.co.jp 原題「GRUMPY OLD MEN」 GRUMPYとは、気難しい、イラっとした、などの意 それをラブリーと訳していいの?とは思うけれど、それも頷けるほどに不快感の無い言い争い いわゆる「どうしようもない口の悪さ」だけで、湿っぽさがない老人男性同士 ミネソタにある小さな町に住むジョン(ジャック・レモン)とマックス(ウォルター・マッソー) 彼らは幼い頃からの隣人同士で、二人とも妻に先立たれた今でも毎日いがみ合い 庭でも、行きつけの商店でも、凍った湖の上でする釣り場でも、常に憎まれ口を叩き合っている そんなふたりの自宅の向かいに、カリフォルニアからやってきた美女が引…

  • 983. 俺たちは天使じゃない

    引用元:amazon.co.jp 1989年に京都の映画館で観た作品をもうひとつ 原題は「We 're No Angels」 時は30年代のアメリカ東部、カナダとの国境に近い刑務所に服役しているネッド(ロバート・デ・ニーロ)とジミー(ショーン・ペン) 彼らは軽犯罪(窃盗)で服役していたが、殺人犯ボビー(ジェームズ・ルッソ)の死刑執行に立ち会うことになる ところがその殺人犯は、職員の隙をついて逃走、ふたりも成り行き(?)で一緒に脱獄してしまう 何とか国境まで辿り着くも、越境手続きの際に職業欄に「神父」と書いてしまったばかりに、二人の神父が派遣される予定の教会に連れて行かれてしまう 当時はデ・ニー…

  • 982. ドライビング Miss デイジー

    引用元:filmarks.com 学生時代に京都の映画館で観た思い出の作品 当時はモーガン・フリーマンのことも知らず 人種差別についても教科書で習った範囲でしか知らず 果たしてどのくらい作品を理解できたのか疑問ではあるけれど、アカデミー作品賞を獲った素晴らしい作品を観た、と純粋に感動した記憶がある アトランタに住む元教師のユダヤ人デイジー(ジェシカ・タンディ)は、買い物に出掛けようとしたところ、車を隣の家の垣根に突っ込んでしまう 高齢の彼女に運転させるのはそろそろ危険だと、息子のブーリー(ダン・エイクロイド)は運転手を雇う様に勧めるも、頑固なデイジーは嫌がる 結局、初老の黒人男性ホーク(モーガ…

  • 981. 朝が来る

    引用元:eiga.com 札幌での不妊治療を続けていた栗原清和(井浦新)と佐都子(永作博美) 悪天候で札幌行きの飛行機がキャンセルになったことを告げるアナウンスを空港ロビーで聞いたふたりは、ふと「もうこれ以上の治療はやめよう」と決める その数日後、旅先の宿のテレビで「特別養子縁組」という制度を知ったふたりは、ふたりで、そして別々によく考えた上で申し込むことにする 無事に元気な男の子を引き受けることになった当日、「ご希望であれば」ということで実の母親と対面もした その母親は片倉ひかり(蒔田彩珠)という14歳の中学生で、ふたりに育ててもらうことに対して頭を下げ、子どもに宛てた手紙を佐都子に手渡した…

  • 980. 男たちの挽歌Ⅱ

    引用元:hulu.jp 前年公開された「男たちの挽歌」の続編 間を置かずに撮影されただけあって、前作の勢いと雰囲気を維持してはいるけれど、スピードを優先した粗さも感じさせる 香港警察は、偽札製造グループを摘発するために、内部事情に詳しいホー(テイ・ロン)に捜査協力を要請する 「主義に反する(ターゲットはかつての師匠で今はかたぎになったロンであるとして)」と、一旦は断るホーだったが、弟のキット(レスリー・チャン)がその危険な任務についていることを知り、交代するつもりで任務を引き受ける 即日出所したホーは、グループのリーダーであるロン(ディーン・セキ)に近づき、情報を収集するも、そのルンは部下の裏…

  • 979. 私の男

    引用元:filmarks.com 原作は桜庭一樹の同名小説 奥尻島を襲った津波によって家族を失ってしまった10歳の少女花(山田望叶) 浜で彷徨っているところを遠い親戚の淳悟(浅野忠信)に助けられる 地元の名士で同じく遠縁の大塩(藤竜也)が花の面倒をみようとするも、家族の欲しい淳悟は無理を言って強引に花を引き取り、17歳差の親子としてふたりの生活を始める 高校生になった花(二階堂ふみ)の様子に異変を感じていた大塩は、ある日様子を見に自宅に行ったところ、窓からふたりが抱き合っているのを見てしまう 大塩は、別の街に住む親戚に花が高校を卒業するまで面倒をみてもらう段取りをつけ、それを受け入れるよう花を…

  • 978. ウィンターズ・ボーン

    引用元:amazon.co.jp カントリー音楽が好きでよく聴くということもあって、ヒルビリーという言葉には良い印象しかなかった ヒルビリーとは、19世紀にアパラチア山脈南部の痩せた土地にやってきた移民、スコッチ・アイリッシュが好んだ音楽 ところが音楽だけではなく、彼ら自身もヒルビリーと呼ばれ、またそれが「田舎っぺ」的な蔑称でもあったらしく、音楽の名称はやがてカントリー(&ウェスタン)と呼ばれる様になる 彼らは自らが演奏する音楽をヒルビリーと呼ぶことはなく、「アパラチアン・ミュージック」とか「アパラチアン・フォークソング」などと呼んでいたという カントリーが好きでよく聴くと言っておきながら、こ…

  • 977. 恋人たち

    引用元:Yahoo.co.jp 前回「これから注目」とコメントした成嶋瞳子 「どこかで観たかも、、、」 と考えて本作を思い出し、この機会に再び鑑賞 常にどこか不機嫌そうな夫と姑の三人暮らしをしている主婦の瞳子(成嶋瞳子) 数少ない楽しみのひとつが雅子様で、友人たちと皇居参観した時のビデオをいつも見直している ある日、瞳子が働いている弁当屋に出入りしている肉屋の藤田(光石研)と顔見知りになり、鶏肉をもらったことから思わぬ関係が始まる 三年前に妻を通り魔に殺害されたアツシ(篠原篤)は、すっかり生きる気力を失くし、今でも立ち直れないでいる 損害賠償請求ができると弁護士に言われ、お金の無い中で何とか費…

  • 976. 白く濁る家

    引用元:video.unext.jp 2019年の短編ホラー映画 たまにしか観ないホラーということで、夜中に部屋を真っ暗にして鑑賞 良典(斉藤嘉樹)は疎遠になっていた母親悦子(成嶋瞳子)を驚かせようと、連絡をせずにフィアンセの香苗(藤本泉)を連れて実家に帰省する ところがこのサプライズはそれほど喜ばれず、むしろ「事前に言ってくれたら美容院にも行けたのに」と若干不評に終わり、サプライズだったことを告げていなかった香苗にも小言を言われてしまう ともかく久しぶりの帰省で、彼女が居ること、その彼女と近く結婚すること等々、一気に報告を済ませる そして悦子に促されて二階にある事故で亡くなった弟の部屋に向か…

  • 975. ホテルローヤル

    引用元:city.sapporo.jp 直木賞を受賞した桜木柴乃の小説が原作 釧路湿原がよく見える高台にあるラブホテル「ホテルローヤル」 志望する美大の受験に失敗した雅代(波留)は、他に居るところも無く、実家のホテル業の手伝いをしている 浮気して前の奥さんの元を離れ、今の家庭を持った父親大吉(安田顕)、その父親がすっかり酒浸りになってしまったせいか、出入り業者の若い男ともう一年も不倫している母親のるり子(夏川結衣) 幼い頃から「ラブホの娘」として揶揄われてきた雅代にとって、この上なく居心地の悪い環境から抜け出すことが叶わず失意の毎日を過ごしていた 唯一の楽しみは、アダルトグッズ販売会社の宮川(…

  • 974. パピチャ 未来へのランウェイ

    引用元:Yahoo.co.jp アルジェリアという国は8世紀にイスラム化、オスマン帝国の治下を経て1830年にフランス征服され、1962年に独立 国民の99%がイスラム教を信仰し、80%がアラブ人 フランス語は公用語ではないものの、今でも国民の1/3は日常的にフランス語を話すという この映画で描かれている1990年代のアルジェリアは、政府軍とイスラム原理主義過激派の武装集団との内戦が続き、10万人を越える死者が出た ファッションが大好きなネジュマ(リナ・クードリ)は、自らデザインした服をナイトクラブに集まる仲間に販売している いつかはデザイナーとして世界を相手に仕事をしたいという大きな夢を持っ…

  • 973. ダゲール街の人々

    引用元:filmarks.com パリのモンパルナス フランスの西部や南部に行く列車のターミナル駅があるので、何度か行ったことはあるけれど、いつも早朝(そして夜戻って来る)なので街並みをちゃんと見たことが無い アニエス・ヴァルダ監督は、モンパルナスにあるダゲール街(街というより「通り」)に暮らしていた(下図の青い点線 約600m) 幼い子供を抱えて撮影所やロケハンに行くことが叶わず、自宅兼事務所のあるダゲール街で、電源ケーブルが届く範囲で、行きつけの商店を撮影、店主らにインタビューしたドキュメンタリー 美容院、精肉店、パン屋、仕立て屋、香水を売っている雑貨屋、時計屋、自動車学校にアコーディオン…

  • 972. シティ・ヒート

    引用元:filmarks.com 1984年のアメリカ映画 舞台は1930年代のカンサスシティ かつて警察で同期だったスピア(クリント・イーストウッド)とマイク(バート・レイノルズ) 当時から犬猿の仲だったふたりは、マイクが私立探偵として独立して以降も会えば喧嘩してばかり ある日、マフィアのボスの裏帳簿を入手したマイクの相棒が、二大マフィアを天秤にかけ一儲けしようとしたのが失敗し殺されてしまう 無関係のマイクまで(裏帳簿のありかを知っているはずとして)命を狙われ、巻き込まれたスピアと共にマフィアと対峙することに 殺されたマイクの相棒の恋人役に、映画「フラッシュ・ダンス」で曲が大ヒットしたアイリ…

  • 971. セカンド・ベスト 父を探す旅

    引用元:filmarks.com 1994年のアメリカ映画ながら舞台はイギリス 田舎町で両親と同居していたホルト(ウィリアム・ハート) 実家で営んでいる郵便局の仕事を母の死後に引継ぎ、今や寝たきりの父の面倒をひとりで見ている ホルトの記憶に残っている両親はずっと仲が良く、いつも手を繋いでいた 一方で、内気な自分は両親の期待に応えることができず、ふたりを失望させてしまったと後悔している そんなホルトは町で養子縁組の広告を見て、受け入れたいと望み、応募する 候補に挙がったのは孤児院にいる少年ジェイムズ(クリス・クレアリー・マイル) 刑務所に入っている父親にかなり偏った考えを仕込まれ、狂信的な忠誠心…

  • 970. ベトナムを懐(おも)う

    引用元:atims.info アメリカに暮らす三世代に亘るベトナム人家族の断絶を描いた作品 20年前に多くのベトナム人に感動を与えた舞台の映画化 監督のグエン・クワン・ズン曰く「70%は脚本に忠実に」作られたもの 1995年、冬のニューヨーク 老人ホームを無断で抜け出して、雪の中を何とか家に辿り着いたトゥー(ホアイ・リン) 年老いて妻に先立たれ、その遺言に従ってベトナムの自然豊かな農村から息子家族の住むニューヨークに移住したものの、言葉も通じず楽しみも無い施設での生活には限界があった ボートピープルとして国外に逃れた息子グエンが住んでいるニューヨークの家に帰っても、グエンは働きづめで家を留守に…

  • 969. あなた、その川を渡らないで

    引用元:amazon.co.jp 2014年、韓国のドキュメンタリー映画 韓国の田舎、川の流れる小さな村に暮らす98歳のお爺さんと89歳のお婆さん 二人は山菜を獲りに山へ行き、二匹の犬と遊びながら穏やかな毎日を過ごしている 二人は枯れ葉を集めながらふざけて投げ合ったり、水を掛け合ったり、雪合戦したり、、これが100%のドキュメンタリーだとしたらちょっと気持ち悪いくらいに仲良し 時々、病院に行ったり、老人会の集まりに参加したり、時には子供たちが孫を連れて訪ねて来たり それでも最近は、お爺さんが咳き込むことが多くなり、お婆さんはいよいよその時が来たかと覚悟を始め、六着の寝間着を購入する 6人の子供…

  • 968. ラングーンを越えて

    引用元:amazon.co.jp 1995年のアメリカ映画 舞台は1988年 まだミャンマーがビルマ、ヤンゴンがラングーンと呼ばれていた(日本では翌1989年まで)頃の話 アメリカ人のローラ(パトリシア・アークエット)は、留守中に夫と息子を強盗に殺されたショックから立ち直れないまま、姉アンディ(フランシス・マクドーマンド)の提案でビルマに観光にやって来る 現地に入って数日観光を続けていても気分が晴れないローラは、ひとりでホテルから街中に出たところ、民主化運動で盛り上がる群衆の姿を目の当たりにし、激しく高揚する ホテルに戻ると、ロビーでは自分が居ないことで現地警察まで駆けつける騒ぎになっていて、…

  • 967. ピアノレッスン

    引用元:amazon.co.jp 1993年のフランス・オーストリア・ニュージーランド合作 公開から30年も経つというのに、何となく好みではない気がしていたせいで、大好きなハーヴェイ・カイテルが主演していることも知らなかった 19世紀のニュージーランドが舞台 原住民のマオリ族の住むこの未開の地に暮らしているスチュアート(サム・ニール)に妻として迎えられたエイダ(ホリー・ハンター) 彼女は話すことができないけれど、ピアノが弾けることで本人は不自由を感じてはいなかった 遥々スコットランドから娘フローラ(アンナ・パキン)そしてピアノと一緒に小舟で現地の砂浜に到着したエイダ 後れて浜に到着したスチュア…

  • 966. ブロンコ・ビリー

    引用元:Yahoo!映画 イーストウッドが元ロデオスターの老人役を演じる「クライ・マッチョ」を劇場で観る前に、彼が旅回りの一座でカウボーイに扮した1980年の本作を鑑賞 ビリー(クリント・イーストウッド)は「ワイルド・ウェスト・ショウ」のリーダーとして旅回りの一座をまとめ、各地を巡業しながら時々慈善興業も行っている ある日ビリーは電話をかけようとしている若い娘に出会う リリー(ソンドラ・ロック)というこの娘はかなりのお嬢様で、30歳までに結婚すれば父親が持っている莫大な資産を継げることになっていた そこで好きでもないアーリントンという男(ジェフリー・ルイス)と形式上の結婚を目論むも、自身の酷い…

  • 965. ポルトガル、夏の終わり

    引用元:eiga.com 2019年のアメリカ・フランス・ポルトガル映画 原題は「FRANKIE」 舞台はポルトガルの避暑地シントラ(ロカ岬まではバスで40分) 山中にある別荘でのシーンが多いけれど、見たことのない枝振りの大樹や何もない海沿いの道(崖と海と空以外)が美しく、映画の雰囲気を盛り上げている その別荘の持ち主、フランキーことフランソワ・クレモント(イザベル・ユペール)は有名なベテラン女優 それまで何とか持ち堪えてきた癌が拡がり、ついに自身の死が近づいていることを感じ、一族全員と親友のアイリーン(マリサ・トメイ)をシントラの別荘に呼び寄せる 皆には死期が近づいていることは知らされておら…

  • 964. いつも心に太陽を

    引用元:amazon.co.jp ヤル気の無い生徒たちを更生させる学園モノは、日本では 1964年に「風来坊先生」、翌65年には「青春とはなんだ」 「われら青春!」が1974年、そして1978年に「熱中時代」 翌79年から「3年B組金八先生」 この他にも無数のドラマや映画が作られてきた 本作は1967年のイギリス映画 上記の系譜からすると何と言うこともない学園モノではあるけれど、主役で教師役のシドニー・ボワチエが黒人であること、教師が転職を考えていることなど、当時の日本の作品には無い設定や、ロンドンの街並みや私服姿の生徒たちのファッションなどいろいろ興味深い 何よりも以降の作品に影響を与えてき…

  • 963. いちごの唄

    引用元:eiga.com 2019年の作品 田舎から東京に出てきて冷凍食品会社の工場で働いているコウタ(古館佑太郎) 七夕のある日、自宅近くの商店街を歩いていると、高校の同級生のあーちゃん(石橋静香)に出会う コウタは当時親友だった伸二とふたりで、あーちゃんのことを「天の川の女神」として崇拝していたほどの憧れの女性だった ちょうど10年前に、あーちゃんを庇う形で交通事故で亡くなった伸二のことを思い出している時にあーちゃんと出会ったことで舞い上がるコウタ 夢中で彼女を目の前のラーメン屋に誘い、食べ終わってからも、務めている冷凍食品会社の製品が如何に優れているかや、アパートの隣人の女性の酒癖の悪さ…

  • 962. こんにちは赤ちゃん

    引用元:amazon.co.jp 公開の前年、1963年に梓みちよが歌うタイトル曲がリリースされる 100万枚を越えるセールスにレコード大賞など受賞 その翌年、東宝と日活で同じタイトルで映画が公開される(ストーリーは別物で、梓みちよの歌が使用されたのは東宝版、日活では合唱による曲が使用された) 今回レビューするのは日活版 東南アジアから長い航海を終えて横浜港に戻ってきた貨物船・月光丸 その乗組員たちは地上での三か月の休暇を目前に、それぞれ楽しみにしていたところ、他の貨物船のトラブルをカバーするために寄港後24時間で再び出航しなければならなくなる 独身の乗組員、五郎(山内賢)と実(杉山敏夫)は、…

  • 961. 透明花火

    引用元:Yahoo.co.jp 2018年の作品 野本梢監督初の長編映画 都内に暮らしている「もがくように」生活している人たちが、最後に花火大会に辿り着くまでを淡々と描いた作品 痴呆症の祖母の面倒を見ながらふたりで暮らしている24歳の圭太は、ナンパ塾と称してモテない男性にナンパの正攻法を指南するとして(実はサクラの女性と組んで)金を巻き上げている 女子高生の理恵は、親友に気に入った男性とつき合えるように協力を求められ渋々協力するも延々と続く親友からのリクエストに辟易とする 大学は卒業したものの就職に失敗し、居酒屋のバイトを続けている楓は、企業に就職している同級生と再会し、見栄を張って嘘をついて…

  • 960. 風船

    引用元:nikkatsu.com 1956年の作品 戦後から約10年、本作の映像では家の前の道は舗装されておらず、車が通るたびに埃が舞い上がる 銀座のバーのシーンではスーツ姿の男たちにドレスを着たホステスが、コニャックを飲みながらシャンソンを聴いている 今でも銀座のバーは存在しているし、夢のような空間なのかもしれないけれど、当時の昼間の生活とのギャップを考えると、如何に特別な場所だったのだろう、と思う 写真会社の社長を務めている村上春樹(森雅之)は、以前は天才画家と言われたほど将来を有望視されていたにも関わらず、そのキャリアを捨て実業界に転じてしまった かつては苦しい生活を送ってはいたが、今で…

  • 959. 真珠の耳飾りの少女

    引用元:Yahoo映画 その昔、KLM航空に乗ることが何度かあって、その都度お酒(ジン?)の入ったデルフト家の模型(ブルーハウス)が貰えた 最初はピンと来なかったけれど、部屋に並べて飾っていると次第に気に入ってきて、デルフトだけでなくオランダという国に(サッカーやビール以外にも)興味が湧いてきた そのひとつがフェルメールで、国内のフェルメール展以外にもルーブルやアムステルダムの美術館に観に行った 2003年のイギリス・ルクセンブルク合作 フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」をテーマに書かれたトレイシー・シュヴァリエの同名小説が原作 時は1665年のオランダ、デルフト 画家のフェルメール(コ…

  • 958. サイドウェイズ

    引用元:amazon.co.jp 2004年に公開されヒットしたアメリカ映画「サイドウェイ」を2009年にリメイクした日本・アメリカ映画 道雄(小日向文世)は、昔ホームステイで来て以来、20年振りにロサンゼルス空港にやって来る 今回は、当時の友人大介(生瀬勝久)の結婚式に招待されてのものだった 東京で売れないシナリオライターを続けている自身に比べ、資産家の娘のローラと結婚することになった大介はさぞ幸せな日々を送っているかと思いきや、それはそれで気を遣う毎日で、旧友の道雄が来てくれたことを良い口実にしたいようだった 結婚式までの数日をラスベガスで羽目を外したい大介と、せっかくロスに来たのならナパ…

  • 957. オボエテイル

    引用元:filmarks.com オムニバス形式のミステリー映画 三本とも記憶がテーマになっている 最も印象に残ったのは「遠い記憶」 作家の倉本(村上淳)は東京で母親と二人暮らし 幼い頃の記憶は東京の中で17回も引っ越したこと それ以前に住んでいた盛岡について一切記憶が無い そんな出身地を訪れて何か思い出せないものか、というテレビの取材を倉本は受けることなる 幼い頃に行った神社や、親に手を引かれて通った道などに連れて行かれるにつれて倉本の記憶の断片が蘇ってくる 倉本の場合は特殊なケースにしても、懐かしい場所で(普段忘れていた昔の事を)思い出すことはままある 大抵は本当に些細な事だったりする(も…

  • 956. ノスタルジア

    引用元:amazon.co.jp 1983年のイタリア・ソビエト映画 タルコフスキー監督が初めて国外で制作、その完成後に亡命したという作品 主人公のコートのしわにまで映像美を感じさせる その主人公である作家であり詩人のアンドレイは、助手兼通訳の女性エウジェニアを伴って、トスカーナ地方の町にやって来る 町の広場に温泉があることで知られているその町に来たのは、18世紀にイタリアを放浪したロシアの音楽家パヴェル・サスノフスキーの面影を訪ねての旅の中でのことだった この町でふたりはドメニコという名の不思議な男に出会う 世界の終わりが来ると信じ込んだドメニコは、7年もの間家族を幽閉したことで、周りの住人…

  • 955. 漂流ポスト

    引用元:filmarks.com 漂流ポストとは、陸前高田市の山の中にある郵便ポスト 東日本大震災で亡くなった人への想いを伝えるためのものだったが、今では震災だけでなく病気や事故で亡くなった人たちに向けた手紙が届くようになっているという 高校生の時に震災で親友の恭子(神岡実希)を亡くしてしまった園美(雪中梨世) 大人になった今でもまだその死を受け入れられずにいる そんなある日、当時ふたりで埋めたタイムカプセルが見つかったという連絡を受け、園美はひとりで受け取りに行く それは「約束の日にこれを読んでいたら私たちの友情がまだ続いているということだね」と恭子が言っていたものだった 今でも夢にみる恭子…

  • 954. 正午なり

    引用元:amazon.co.jp タイトルは「正午(まひる)なり」 丸山健二の同名小説が原作の1978年作品 今ならコンプライアンスで引っかかるところが複数ある作品ではあるけれど、観るべき映画でもなる悩ましい作品 東京での生活に挫折し、実家のある信濃大町に帰ってきた忠夫(金田賢一) 友人に会わす顔もなく、しばらく実家で両親と過ごすも、父親には「ここにはお前がする百姓仕事はない」と冷たくあしらわれてしまう 機械いじりが好きな忠男は、何とか電気屋で修理の仕事にありつく 実家で仕事をする許可を得て、壊れた家電製品を持ち込み深夜まで修理に没頭する一方で、幼馴染の哲治(田村幸司)と遊ぶようになる とにか…

  • 953. 変奏曲

    引用元:amazon.co.jp 1976年の日本映画 原作は五木寛之の同名小説 1972年のパリ 夫の出張について東京からパリにやってきた杏子(麻生れい子) プラハに夫が出掛けてしまい、パリに残りカフェでひとり飲んでいた時、ある男性の姿を目にする それは10数年前、東京で学生運動をしていた森井(佐藤亜土)で、かつて彼が警察に追われていた時に杏子が助けた経緯があった その後、森井は杏子の前から姿を消してしまったものの、彼女の中に強烈な印象を残していた 杏子がカフェに来たことに気が付いた森井は(しばし迷ってから)声を掛けてきた 国際的な政治組織に属し活動を続けているという森井は、自分に与えられて…

  • 952. パーフェクト・ストレンジャー

    引用元:amazon.co.jp 2007年のアメリカ映画 2022年に失語症を理由に引退したブルース・ウィリスの主演作 引退の時点で67歳、まだまだ活躍できる年齢なだけに惜しまれる 真相究明に情熱を注ぐ、新聞記者のロウィーナ(ハル・ベリー)は、半年かけて暴いた上院議員のスキャンダルを記事に出来たことを確信した夜、同僚のマイルズ(ジョヴァンニ・リビシ)と祝杯をあげていた ところが、最高に楽しいひと時は、上司からの「上からの圧力で記事にすることは出来なくなった」という電話で台無しになってしまう あまりの怒りに、その場で辞職を宣言したロウィーナだったが、帰宅途中に幼馴染のグレース(ニッキー・エイコ…

  • 951. リトル・ダンサー

    引用元:filmarks.com 原題「BILLY ELLIOT」 時はサッチャー政権のど真ん中にあたる1984年 イギリス北東部の炭鉱町ダーラムに住む少年、ビリー・エリオットは、幼い頃に母を亡くし、炭鉱夫の父ジャッキー(ゲイリー・ルイス)と兄のトニー(ジェイミー・ドラヴェン)そして祖母と四人で暮らしていた 父がボクシングに熱心なこともあってジムに通ってはいるけれど、ビリー自身はあまり好きになれないでいた そんなある日、ボクシングの練習場所の隣でバレエ教室が開かれることになる ボクシングの練習が先に終わったものの、居残り練習を課されたビリーは体育館の鍵をコーチから預けられていて「終わったらバレ…

  • 950. 鰻の男

    引用元:Yahoo!映画 2014年の韓国映画 脚本、総指揮キム・ギドクと知って、なるほど、、、というギドク・ワールド 普通は触れないでおくタブーにグイグイ迫っていく 一方で、男女の描き方は割と安易で、あくまでも「そっちに気を取られないでね」と言わんばかり そして自然を絡めた風景の撮り方が最高に巧い 中国で鰻の養殖を営んでいるチェン(パク・ギウン)は、韓国に輸出した鰻から基準値を超える水銀が検出された(そして以降輸出が禁じられた)ことに納得がいかず、再検査を求め、鰻を三匹抱えて密入国する 検査場の正門で何度も(文字通り)門前払いされるも、最終的にはその検査場に勤めている検査官のミ(ハン・チェア…

  • 949. グッド・モーニング・ショー

    引用元:fujitv.co.jp 2016年の作品 澄田キャスター(中井貴一)は、朝のワイドショー「グッド・モーニング・ショー」のメインキャスターを務めている しかし番組にはそろそろ打ち切りの気配が漂い、アシスタントの小川キャスター(長澤まさみ)からは生放送中にふたりの交際を公表したいと告げられ、家庭では息子から仕事をバカにされてしまう ある朝、いつものようにワイドショーに出演していると、警察を通じて立てこもり事件の犯人から名指しで「現場に来い」という連絡が入り、澄田は防弾服に小型カメラにマイクといういで立ちで犯人(濱田岳)と対面する 日本一、情けない中年男性のカッコよさを演じられる中井貴一 …

  • 948. 鉄くず拾いの物語

    引用元:filmarks.com 2013年、ボスニア・ヘルツェゴビナ・フランス・スロベニアの合作 ボスニア・ヘルツェゴビナに住むロマ族のナジフと妻のセナダは、ふたりの娘と四人で貧しいながらも幸せに暮らしていた ナジフは拾った鉄くずを売ることで何とか生計を立てていたが、三人目の子供が生まれることがわかり、セナダは激しい腹痛に苦しむ 病院に連れていくと、五か月になる胎児は、既にセナダのお腹の中で亡くなっていた すぐに手術をしなければ母体も危険だと診断されるも、保険証を持っていないため、ナジフには980マルクもの大金は払えず、必死に看護師に食い下がるも却下されてしまう ナジフは妻の命を救うために、…

  • 947. ニッポン無責任時代

    引用元:amazon.co.jp クレイジーキャッツの音楽については大瀧詠一の影響である程度聴いてはいたけれど、映画は(以前ハナ肇の「なつかしい風来坊」について書いたきり)初めて 1962年公開のシリーズ第一弾ということで、植木等が当時36歳 ハナ肇が32歳で、一番若そうな谷啓に至っては30歳になったところ そんな男たちが会社の役職について、会社の接待費で酒を飲んで、取引先のお偉いさんたちと商談するという、、、当時の日本の会社でも実際にこういう接待をしていたのはもう少し年上だとは思うけれど、それにしても時代と国の勢いを感じさせてくれる 平均(たいらひとし 植木等)という名の男、バーでに耳にした…

  • 946. 追憶

    引用元:amazon.co.jp 「追憶」で検索すると、ロバート・レッドフォードの「追憶」が上位に表示されてしまう それも無理もないくらいに有名な洋画の邦題があるのだから、どうしてわざわざ同じタイトルにしたのだろうか? 内容が素晴らしいだけに勿体ない気がしてしまう 2017年の作品 特に高倉健作品を多く監督してきた降旗康男の最後の監督作品 今から25年前 能登半島の海岸沿いの喫茶店「ゆきわり草」 この店を営む涼子(安藤サクラ)と常連客の光男(吉岡秀隆)の、まるで息子たちの様に、篤(岡田准一)と啓太(小栗旬)そして悟(柄本佑)は共同生活をしていた 彼らはそれぞれ身寄りのない境遇から救われ、ささや…

  • 945. mid90s

    引用元:Yahoo映画 2018年のアメリカ映画 日本ではコロナ禍での生活が始まった2020年にやたらと ↑ のポスターを見かけたせいで2020年の印象が強い タイトルの通り、1990年代の半ばにロサンゼルスで暮らしているひとりの少年スティーヴィー(サニー・スリッチ) 13歳になる彼には年の離れた兄イアン(ルーカス・ヘッジス)がいる 音楽やファッション、スポーツスなど、イアンはティーヴィーが憧れているものをたくさん部屋に所有している 部屋に入ることを禁じられているのに、つい入って後でバレて殴られてしまう 兄の存在が影響したのか、同級生と遊ぶよりも年上に混ざって遊びたいスティーヴィーは、スケート…

  • 944. プリティ・リーグ

    引用元:amazon.co.jp 原題は「A League of Their Own」 公開されたのが1992年と知って意外な気がした(何となく2000年くらいの作品かと) 主役で名捕手役を演じたジーナ・デイヴィスにとっては、「テルマ&ルイーズ」のテルマ役を演じた翌年にあたる 時は第二次世界大戦中 ジョー・ディマジオらのメジャーリーグのスターたちも出征し、球団経営も難しくなってきた頃、オレゴン州でソフトボールのチームで活躍している姉妹の元にある男が現れる その男は女子プロリーグ設立の為に全米から名選手をかき集めているスカウトで、強打の名捕手で容姿も整った姉のドティ(ジーナ・デイヴィス)がお目当…

  • 943. 運命じゃない人

    引用元:amazon.co.jp 2005年の作品 金曜日、仕事終わりの宮田(中村靖日)は、買ったばかりの、しかも「彼女に出ていかれたばかり」のマンションに帰宅する すると親友の勇介(山中聡)から電話があり、強引にレストランに呼び出される 食事中、勇介は宮田を元気づけるために、後ろのテーブルに居たお一人様のあゆみ(板谷由夏)に声を掛け、同席してもらう すると驚くことに、あゆみもまた婚約を破棄され、その日の宿泊先も決めずに飛び出してきたところだった ところがあゆみがふたりのテーブルに着いて早々、勇介がトイレに行ったきり居なくなってしまう 同じ金曜日の夜を、勇介、そして宮田の元カノ(霧島レイカ)は…

  • 942. バード

    引用元:amazon.co.jp 伝説のジャズ・サックス奏者、チャーリー・パーカー(愛称バード)の生涯を描いた作品 個人的には熱心なジャズ・リスナーではなかったので、チャーリー・パーカーとの出会いは、ベーシストのジャコ・パストリアスの「Donna Lee」を聴いて、それが彼の代表曲(作者のクレジットもチャーリー・パーカーとなっているけれど、実はマイルスでは?とも言われている)と知ってから そのチャーリー・パーカーを演じたのは「グッドモーニング・ベトナム」「スモーク」「リスペクト」、個人的には「クライング・ゲーム」「ケープタウン」などで印象的な役者、フォレスト・ウィテカー 実際のチャーリー・パー…

  • 941. 魂のゆくえ

    引用元:映画.com 原題の「First Reformed」とは、本作の主人公、トラー牧師(イーサン・ホーク)が務めている第一改革派教会(First Reformed Church)から ニューヨーク州北部の長閑な町にある、ファースト・リフォームド教会 真面目な性格で、周囲からの評判も良い牧師のトラーは、自らが入隊を勧めた息子の戦死から、従軍牧師としての活動も辞め、妻ともうまく行かなくなり離婚してしまう 牧師としての活動は熱心に行うものの、ひとりで過ごす時間は自責の念にかられることばかりで、止められない飲酒もあって身体の不安もかかえていた そんなある日、日曜日の礼拝が終わった時、いつも来ている…

  • 940. 望み

    引用元:映画.com 2020年 建築士の石川(堤真一)は、自らデザインした自宅のすぐ近くに事務所を構え、商談の際にはひとつの参考にと自宅に招き入れたりもしていた そこには出版関係の仕事を自宅でしている妻の貴代美(石田ゆり子)と、高校生の息子規士(岡田健士)、高校受験を目前に控えた娘(清原果耶)と四人で暮らしている 「これから家を建てたい」と思う人たちが、憧れるような暮らしぶりをしている石川家 ところが最近、息子の帰りが遅い 練習で怪我をしてサッカー部を辞めてから塞ぎがちで、親ともロクに会話することもなく、黙って朝帰りするようにもなった そんなある日、息子のクラスメイトのひとりが殺害されるとい…

  • 939. 江分利満氏の優雅な生活

    引用元:amazon.co.jp 大正15年に生まれで、数え年が昭和の元号と一致している江分利満(エブリマン=every man)の日常を描いた山口瞳の小説が原作 every manという表現はあまり聞いたことがないけれど、意味的にはordinary man(どこにでもいる一般的なひと)という意味だろう サントリーの宣伝部で働いているこの男は30代 仕事ぶりもパッとせず、若い世代からのウケも今ひとつ(時代だろうか、今で言えば風貌も社内での存在感も50代くらいに見える) 夕方に仕事を終えるとよく深夜(明け方近く)まで飲み歩いてはクダを巻いていた 彼のそんな様子をいつも気にかけて見ていた婦人画報編…

  • 938. 激流

    引用元:amazon.co.jp 原題「THE RIVER WILD」 30年前の映画とはいえ、メリル・ストリープがアクション映画に出演していた(しかもケヴィン・ベーコンと)という事実に驚いて鑑賞 1994年の作品 メリル・ストリープが主演を務めた「マディソン郡の橋」はこの翌年公開されている 仕事ばかりで家庭を顧みない夫のトム(デヴィッド・ストラザーン)は、今回も家族の期待を裏切ってしまう 小学生の息子ロークの誕生日を祝おうと、そして家族の壊れかけた絆を取り戻そうと妻のゲイル(メリル・ストリープ)が計画した、数日間に及ぶ川下りの旅行に、トムは急な仕事で行けないと言う もうこれで3年連続のドタキ…

  • 937. ランナウェイ / 逃亡者

    引用元:amazon.co.jp 2012年のアメリカ映画 ニューヨーク、といってもマンハッタンからは車で何時間もかかる田舎町のオルバニーに暮らすジム(ロバート・レッドフォード) 弁護士として働きながら、病に倒れ亡くなった妻の亡き後は、11歳の娘イザベルの食事や学校の送り迎えもこなすシングルファーザーとして忙しいながらも平穏な毎日を送っている そんな彼には、1980年に起こったミシガン銀行襲撃及び守衛殺害の容疑で指名手配され、この30年間FBIの捜査の手から逃げ続けているという、元ウェザーマンとしての秘密があった ところが、かつての同志であり、良心の呵責から自首することを考えていたシャロンが2…

  • 936. レット・ゼム・オール・トーク

    引用元:filmarks.com ↑ のポスターの印象から、コメディを想像していたけれど、内容は軽めのタッチながら、演技を観た後に何とも切ない余韻が続く作品 ニューヨークに住む高名な作家のアリス(メリル・ストリープ)は、ある文学賞を受賞することになる ところが、授賞式の行われるロンドンに向かうのに飛行機は嫌だと主張し、豪華客船クイーン・メリー2で行くことになる しかも、彼女のリクエストで甥のタイラー(ルーカス・ヘッジズ)、そして旧友のロバータ(キャンディス・バーゲン)とスーザン(ダイアン・ウィースト)も同乗させることに 船内で新作の執筆をするアリスにとって、タイラーには身の回りの世話をさせると…

  • 935. エグザム

    引用元:amazon.co.jp 原題も「EXAM」 =試験(examination)、本作では就職試験 カタカナで「エグザム」と書かれると違和感があるけれど、「イグザム」という表記が定着しているわけでもないのだろう いわゆる「ワンシチュエーション」映画 その舞台は、「かなり変わった企業」の最終面接場 というのも、採用された者には「生涯一億円の年収が確約される」という破格の条件 その最終選考に残ったのは人種もバックグラウンドも異なる8名の男女 窓も無い無機質な部屋に8つの机と椅子、そしてそれぞれの机の上に1枚の紙が置かれている 入り口には警備員がひとり、そして冒頭に試験監督が以下の説明を告げる…

  • 934. 七つの弾丸

    引用元:amazon.co.jp 1959年の作品 ひとりの男が明和銀行明和支店の周囲をうろうろしている その男は矢崎といい(三國連太郎)、夏の暑い日にスーツに蝶ネクタイ、そしてパナマ帽といういでたち 矢崎は一年前に職を失ってから、知人を頼って転々とする暮らしを続けていたが、電車賃もなく炎天下を歩いている時に日射病で倒れてしまう 担ぎ込まれた警察で意識を取り戻した矢崎は、そこで拳銃を奪い、それを利用して各地で強盗を働く つき合っている女医の三千代(久保菜穂子)には「拾った金で株をやったら大当たりした」と適当な嘘をつき、ふたりで優雅な生活を送る そして今度は三千代の夢である開業医になるための準備…

  • 933. 欲望の翼

    引用元:amazon.co.jp ウォン・カーウァイの長編二作目となる本作は、二部構成のプランだったのを前編で予算とスケジュールを使い切ってしまった 舞台は60年代の香港 ヨディ(レスリー・チャン)は、サッカー場の入場口で働いているスー(マギー・チャン)に一目惚れし、つれない態度をとられても何度も執拗にアプローチする ついにスーが受け入れると、結婚を望む彼女に対してヨディの態度はつれなく、不誠実さに失望したスーは彼の元を離れる 目先の快楽だけを求める無為な毎日を送るヨディは、しばらくするとクラブでダンサーをしているミミ(カリーナ・ラウ)を遊び始める そしてスーの時と同じように、つき合い始めたミ…

  • 932. blank13

    引用元:blank13.com タイトルの通り、13年間不在だった父親の居場所がわかる場面から始まる その父親雅人(リリー・フランキー)は、いつも競馬やマージャンに明け暮れ、そして常に借金取りに追われていた そんな時、妻の洋子(神野三鈴)、長男のヨシユキ(斎藤工)、次男のコウジ(高橋一生)はいつも部屋の灯りを消して、物音を立てずに息をひそめていた ある日、「タバコを買ってくる」と出て行ったきり戻らなかった父親 残された三人は死ぬ思いをして、父親の残した400万円の借金を返済してきた 13年後の今、胃癌で入院中であること、また余命3ヶ月であることを知らされ、今は大手広告代理店に勤めるヨシユキ、現…

  • 931. 骨までしゃぶる

    引用元:amazon.co.jp 1966年の作品 洲崎が舞台の作品は1950年代の「洲崎パラダイス 赤信号」以来 一方、本作は明治33年という設定だからその盛況ぶりや雰囲気などの違いも面白い そんな洲崎にある遊郭、松風楼に新しく連れてこられた18歳のお絹(桜町弘子) 貧しい生活から抜け出せず、一向に借金を減らせないお絹の両親は、可愛い娘をやむなく100円で売ってしまう 何も知らないお絹は、美しい着物や広い部屋、そして今まで口にしたことのない豪華なご飯に満足、次第に人気者になっていく ところが、先輩である「姐さん」たちが、脱走に失敗したり、病気になったり、先が見えない生活にくたびれていく様子を…

  • 930. 天使の分け前

    引用元:amazon.co.jp 大して飲まないけれど、普段はビールやワイン、シャンパンを飲む ウィスキーも同じくらい好きだけど、(氷とか)準備が面倒で、飲む頻度は低い ところが、コロナ禍も二年目を迎えた2021年に、突然深みにはまってしまった 特にスコットランド(その中でもアイラ島のシングルモルト)のウィスキーを飲むようになってから、ビールやワインの登場が減ってしまうほどに (氷を用意するのが面倒なこともあって)ストレートで飲み始めたことで、前より味わえるようになったことも大きい そもそも「美味しいウィスキーを水で割ってしまうこともなかろうに」と思う そんなタイミングで選んだ映画は、スコット…

  • 929. サントメール ある被告

    引用元:transformer 実話に基づいたフランスの法廷劇 タイトルのサントメールとは、フランス北部にある街の名前 作家であるラマ(カイジ・カガメ)は、取材対象としてある裁判の傍聴にこの街を訪れる 被告ロランス(ガラスジー・マランダ)は、生後15か月の娘を海辺に置き去りにし、死亡させた容疑で逮捕されていた セネガルで生まれ育った後に、フランスに留学し、流暢なフランス語を話すこの若い母親が、何故非道な犯行に及んだのか 彼女は罪を認めてはいるものの、その動機や経緯の説明に不透明で曖昧な部分も多く、法廷内には不穏な空気が流れる中、亡くなった娘の父親にあたるフランス人男性や、ロランスの母親らが証言…

  • 928. ほかげ

    「映画芸術」という雑誌の 2023年日本映画ベスト&ワースト というタイトルに刺激されて購入 ワーストの一位に「月」と「怪物」の二作がランクされ、個人的にはベスト9に入れた「658km、陽子の旅」の上位に入っているのに驚いた と同時に、この雑誌のワーストの意味するところを何となく理解 一方でベストには、一位から「花腐し」、「福田村事件」、「せかいのおきく」に続いて四位にランクされた本作が気になり鑑賞(@ユーロスペース) 終戦直後、辛うじて焼け残った居酒屋で、夫と幼い子供を失いひとりで暮らしている女(趣里) 何の希望も無く、酒を卸に来る男や、居酒屋の客に体を売って毎日を凌いでいた ある蒸し暑い日…

  • 927. 空港の魔女

    引用元:amazon.co.jp 1959年の作品 小さな業界紙「経済週報」の社長芹沢(高倉健)は、最近世間を賑わせているドル紙幣の偽札事件に強い関心を抱く 容疑者の落合という名の男の自宅を調べ訪ねるも、既に落合は何者かによって殺されており、芹沢はその容疑者として逮捕されてしまう 馴染みの刑事に事情を説明して何とか釈放された芹沢は、偽札のルートの追跡を継続すべく、空港ロビーで見かけた怪しい甲田という女(久保菜穂子)に近づく 1ドル360円の時代 海外旅行もまだ一般的ではなく、舶来のウィスキーの値段もかなり高かった(数万円?)頃 考えてみれば、まだ敗戦から10数年しか経っていないのだな、と思いな…

  • 926. 折れた矢

    引用元:filmarks.com 2007年に起こった実際の事件に基づいた作品 ある教授が、入試問題の不備を隠蔽しようとする大学と反目し、解雇される 解雇の無効を主張した裁判でも、意見はまともに扱われず敗訴してしまい、元教授は裁判長に非を認めさせたい一心で、彼を待ち伏せボーガンで威嚇する 実際にボーガンを使うつもりはなかったものの、揉み合っているウチに発射してしまい、取り押さえられてしまう そして裁判では、判決を不服とした裁判長への暴力を「司法に対するテロ行為」として扱われてしまい、殺意があったものとして進行していく 裁判長の傷の深さは浅かったことや、ボーガンが発射されていれば15cmの深さに…

  • 925. 心中エレジー

    引用元:Yahoo!映画 有楽町にある不動産屋で働いている京子(小山田サユリ) 野菜を育てながらレストランの開業を目指している夫と住む田舎から、片道二時間半かけて通勤している ある日、賃貸物件を探しにやってきた客の田中(真島秀和)に、西新宿のアパートを案内したところ 「平日の夕方二時間、一緒にここで過ごそう」 と提案される 観始めた時から何となく「自分の好みではないかも」という雰囲気を感じながらも 「たまにはそういう作品も観なきゃ」 という謎の決意で鑑賞 しかしこういう時の直感は当たるもので、狙ったエキセントリックさが微妙に外れている感じや、主演のふたりの役不足感に何度も挫けそうになって「あと…

  • 924. ザ・ギフト

    引用元:filmarks.com 恐ろしい元同級生を演じたジョエル・エドガートンが監督、脚本も務めた傑作スリラー映画 サイモン(ジェイソン・ベイトマン)とロビン(レベッカ・ホール)の夫婦は、シカゴから、サイモンが育ったカリフォルニアの街に引っ越して来る サイモンは情報セキュリティの会社に転職し、ロビンも経営していた会社を離れ、当面は新しい自宅のデザインに集中することに 二人が新居で使う小物などを買いそろえていた時、ふいに同年代の男性から声を掛けられる 「失礼、君はサイモンじゃないか?」 それはサイモンの元クラスメイトのゴードン(ジョエル・エドガートン)だった そろそろ閉店時間という店内というこ…

  • 923. 海街diary

    引用元:amazon.co.jp 是枝監督作品の中でも観るのがなぜか後回しになっていたところ、同じく四人の女性が描かれている「ハッピー・アワー」(← 名作です!)を観て背中を押されてしまった 鎌倉の古くて大きな民家に住む幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)の三姉妹 父は15年前に家族を捨てて出て行き、捨てられた母も今では北海道に住んでいる ある日、三人は、父が病で亡くなったこと、そして再々婚して山形に住んでいたことを知り、看護師の仕事を休めない幸に代って次女の佳乃と三女の千佳が告別式のために山形に向かう 父については、幼い頃に母親と口論している時の記憶しかない佳乃、そして千佳にい…

  • 922. 善き人のためのソナタ

    引用元:amazon.co.jp 2006年のドイツ映画 2006年のドイツといえば何といってもサッカーW杯 日本はグループリーグで 1勝もできず敗退し、トーナメントの決勝戦(イタリア対フランス:延長PKの末、5-3でイタリアの勝利)は、まさかのレッド・カードで終わった何とも「後味の悪い」大会だった さて、本作の舞台はベルリン崩壊の1989年から5年遡った1984年の東ベルリン シュタージ(国家保安省)の局員、ヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)は、反体制の疑いのある劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)と彼と同棲している女優のクリスタ(マルティナ・ゲデック)の監視を命じられる 盗聴や下…

  • 921. 青い体験

    引用元:amazon.co.jp 1973年のイタリア映画 如何にも70年代イタリアという感じのコミカルなお色気映画 原題は「Malizia」= marice(悪意) そういえば昔、malという接頭辞は「悪い」という意味だと習った覚えがある そういえば、感染症のMalariaも、mal + air(悪い空気)から来ているのだろう 服地を扱うイグナツィオ(トゥーリ・フェッロ)は、妻と三人の男の子と暮らしていた 女好きな夫を厳しく取り締まる妻、という典型的なイタリア人夫婦だったのに、ある日妻が急死してしまう 葬儀などの対応に追われて疲れ切った男たちが家に帰ると、若くて美しいアンジェラ(ラウラ・アン…

  • 920. コロンバス

    引用元:filmarks.com モダニズム建築の宝庫・インディアナ州コロンバスを舞台にした、個性的な建築物をバックに描かれる本作 これがデビュー作になるというコドナダ監督は、その名前を「東京物語」、「東京暮色」、「秋刀魚の味」他、多くの小津安二郎監督作品の脚本を務めた野田高梧(コウゴ・ノダ)に因んでいるというマニアックさ より話題になった次作「アフター・ヤン」も近いうちに観ようと思う 一年以上も音信不通だった建築家の父親が倒れたと聞き、息子のジン(ジョン・チョー)は、韓国からコロンバスにやってくる 父との折り合いが悪かったこともあって、早々に帰国したがるジンだったが、地元の有名建築を紹介して…

  • 919. ラビング 愛という名前のふたり

    引用元:amazon.co.jp バージニア州はアメリカ東海岸沿い、ワシントンDCの南にある 四季もって比較的気候も穏やかなエリアながら、南北戦争では南部側に属し激戦地になった場所 この州に住む夫婦の訴えによって、始めて異人種間の結婚が認められた実話に基づいた作品 時は1958年、バージニアの郊外に住む白人のリチャ-ド・ラビング(ジョエル・エドガートン) 無愛想ながら誠実で、レンガ職人として真面目に働いている彼は、幼い頃から仲良しの黒人女性ミルドレッド(ルース・ネッガ)と同棲している ある日、ミルドレッドから妊娠を告げられたリチャードは、それならばと(相談もしないで)近所の1エーカーもの土地を…

  • 918. Red

    引用元:eiga.com 2020年の作品 島本理生の同名小説が原作 塔子(夏帆)はエリート商社マンで裕福な家庭に育った真(間宮祥太朗)と結婚し、かわいい娘も生まれ、幸せそうな生活を送っていた ところが夫に頼まれて同席したあるパーティーで、10年振りにかつての恋人鞍田(妻夫木聡)に出会う 塔子は学生だった頃に、鞍田が経営するデザイン事務所でバイトしていた ふたりが別れてから10年の間に、塔子は真と結婚して育児をしながら専業主婦に、一方の鞍田は身体を壊し、会社を清算し、そして離婚していた 今は知り合いの事務所に雇われてデザインをしているという鞍田は、塔子に「その会社で働いてみないか」と会社のパン…

  • 917. マンディンゴ

    引用元:eiga.com 1975年のアメリカ映画 ルイジアナ州のプランテーションで奴隷の売買をして生計を立てているウォーレン リウマチに悩む彼は、医師から「リウマチは他の誰かに移せば治る」と聞き、暇があれば奴隷の一人を横たわらせ、その腹の上に足を置いて過ごしていた(最低!) 父に代って仕事のほとんどを切り盛りしている息子のハモンド(ジェームズ・メイソン)も、幼い頃に落馬した際の怪我で片足をひきづって歩いている そんなハモンドと従妹のブランチ(スーザン・ジョージ)の縁談が持ち上がり、ハモンドは迎えに来た彼女の兄と一緒に、彼女の暮らす広い屋敷(そして広大な農場)へと向かう その途中に立ち寄ったニ…

  • 916. ろくでなし

    引用元:amazon.co.jp 1960年の作品 大学四年生の秋山(川津祐介)は秋山物産の社長の息子 父親の放任主義もあって放蕩息子としての怠惰な生活を満喫しながら、残り少ない学生生活に焦りも感じていた いつもつるんでいる同級生の北島(津川雅彦)、森下(山下洵一郎)、藤枝(林洋介)は、そんな秋山の恵まれた環境に皮肉を言いながらもその恩恵にあずかりながら無為な日々を過ごしていた ある日、秋山の父親の会社の秘書郁子(高千穂ひづる)が会社の現金を持って銀行に行くところを車で待ち伏せ、強引に車に乗せ金を奪う ところが北島は「そんな芝居もつまらない」とばかりに郁子に金を返すよう仲間に命令する そして冷…

  • 915. イヌとイタリア人、お断り!

    引用元:myfrenchfilmfestival 再びフレンチフィルムフェスティバルより 20世紀初頭のイタリア北部の町、ウゲッテーラ 住民全員がウゲット姓という、山の斜面にある小さな町は、平らな土地が少ないせいで、農作物の収穫も少なく、隣国のフランスで生活を立て直したいと願う家庭も多い ウゲット一家も例にもれず、フランスに移住し、タイトルにもある様な仕打ちを受けながらも、逞しく生きて行く その中で、フランスという国や、住民への感謝も芽生えてきた頃、ファシズムの台頭により、雲行きが怪しくなっていく フランスではなく、アメリカに渡る家族を描いたシーンもあるが、それはまさに「ワンス・アポン・ア・タ…

  • 914. 私、オルガ・ヘプナロヴァー

    引用元:amazon.co.jp 1973年に実際にプラハで起こった、トラックを暴走させ8人が死亡した事件を描いた作品 劇場で観ようと思いながら、どうしてもスケジュールが合わなかった 銀行員の父親と歯科医の母親との間に生まれたオルガ・ヘプナロヴァー(ミハリナ・オルシャンスカ) 経済的には不自由なく育てられるも、父親からの暴力、母親からの厳しい(過ぎる)躾によって、13歳のある日、大量の精神安定剤を服用し自殺未遂を起こしてしまう それから両親の意志によって精神病院に送られ、そこで壮絶な虐めにあう そうした中で、同性愛に目覚め、また運転手などの仕事で生計を立てるようになり、オルガなりの幸せを掴みつ…

  • 913. セールスマン

    引用元:realsound.jp 2016年のイラン・フランス合作 教師として働くエマッド(シャハブ・ホセイニ)は、妻のラナ(タフネ・アリドゥスティ)と一緒に劇団に所属している 今は「セールスマンの死」という舞台の初日も迫り、稽古に明け暮れていた そんな忙しいところに、住んでいるアパートに重大な欠陥が見つかり、急いで住む場所を探す羽目になる 幸い劇団の仲間が新しいマンションを紹介してくれ、早速引っ越しをすることに 以前の住人の荷物が一部残っているのを廊下に運び出し、自分たちの荷物を運び込み、新しい生活をスタートさせようとしていた矢先、初日の公演が無事に終わった夜、新居にひとりでいたラナが何者か…

  • 912. 離愁

    引用元:amazon.co.jp 1973年のフランス・イタリア合作 第二次大戦中のフランス ジュリアン(ジャン=ルイ・トランティニャン)いよいよドイツ軍が国内に攻めて来るというニュースを聞き、身重の妻と幼い娘を連れて国外に脱出すべく駅に向かう ところが駅には既に多くの人が詰めかけていて、妻と娘は何とか一等車をあてがわれたものの、ジュリアンは最後尾の貨車に押し込まれることに 何の仕切りもないスペースに、人と荷物だけが所狭しと詰め込まれた状態に、最初は苛立ちから喧嘩や口論する者も やがて同じ苦境を乗り越えなければならない同士という連帯からか、途中から一緒に歌ったり、トランプに興じたりする中、ジュ…

  • 911. ダム・マネー ウォール街を狙え!

    時代遅れで倒産間近と噂されていた、ゲームソフト販売会社「ゲームストップ社」 この会社を愛する、マサチューセッツに住む「ちょっと変わった」会社員キース(ポール・ダノ)は、全財産である5万ドルを注ぎ込み、動画配信の中で如何にこの会社が過小評価されているかを訴える すると、キースの奇抜な格好(妙なネコTシャツ)が目を引いたこともあって、多くの個人投資家が賛同し、数日後に株価は急騰する 同社株を「空売り*」することで儲けを狙っていた金持ちたちが大きな損害を被り、メディアも大騒ぎする社会的な問題にまで発展、キースは一躍有名人になってしまう *空売り : 保有していない株式を売却した後に(通常は下落した株…

  • 910. ナポリの隣人

    引用元:amazon.co.jp ナポリに住む老人ロレンツォ(レナート・カルペンティエリ) かつては腕利きの弁護士ながら、正義感溢れる働きは(弁護士としては)周囲に敵を作ることも多く、今でも関係者の周りでは有名人だった 昔は家族で暮らしていた広いアパートに今は一人暮らし シングルマザーの娘エレナ(ジョバンナ・メッソジョルノ)とも、クラブで働いている息子のサヴェリオ(アルトゥーロ・ムセッリ)とも不仲で、妻は数年前に亡くなっている 父に対し、息子はずっと「愛されなかった」と信じ、娘は今でも「許せない」と思いながらも嫌いきれない複雑な想いを抱えている ある日、ロレンツォは向かいの部屋のドアの前に座り…

  • 909. 仕立て屋の恋

    引用元:filmarks.com 1989年のフランス映画 仕立て屋の男、イール(ミシェル・ブラン)は少し偏屈で他人とのかかわりを嫌っている 周囲は彼以上に嫌っているせいでいつもひとり、仕立て屋の仕事に専念している そんな彼の楽しみはボーリングと向かいの部屋に住んでいる女性アリス(サンドリーヌ・ボネール)を覗き見ること 毎晩アリスを覗いていたイールは、アリスに恋人が存在することも知っていたけれど、それでも彼女に恋していた ある夜、そんなイールの知られてはならない行動がアリスに見つかってしまう 最初は気味悪がるアリスだったが、ある思惑から彼女はイールに近づいていく 孤独な中年男性が主役のほのぼの…

  • 908. 夏休み

    引用元:frenchfilmfestival 今年も大いに楽しんでいるフレンチフィルムフェスティバルより 集団行動が苦手なヴァランディーヌ(ヴァランディーヌ・キャディック)は、夏季休暇を利用して、ブルゴーニュの自宅から山麓にあるキャンプ場にやって来る 喧騒を離れようとして来たのに、家族連れやそれ以上の団体で賑わうキャンプ場は、思の他騒がしく、早々に後悔をする 大雨に降られらり、バックパックのせいで背中を痛めたり、リラックスするには程遠い状況で、ひとり湖畔で佇んでいると、キャンプ場に来た人たちにインタビューを試みている新米ジャーナリストのエリオに話しかけられる 嘘のつけないブランディーヌは、「こ…

  • 907. のら犬

    引用元:U-NEXT 南フランスの田舎町に暮らしているドッグとミラレス 内向的なドッグは、弁が立ち要領の良くそしていつも攻撃的な友人のミラレスに言われっ放し ドッグも決して良い気はしていないけれど、ミラレスが優しいこともわかっているドッグはいつも彼の傍で過ごしていた そんなある日、ドッグがひとりで車を運転している時に、ヒッチハイクをしていたエルザという女性を乗せる そのことを聞きつけたミラレスは、早速ドッグを使って彼女を飲みに誘うも、やがてエルザはドッグの方に好意を寄せ始め、ふたりのバランスが崩れてしまう 観ている間ずっと、ドッグを罵倒するミラレスに内在している劣等感が疼くような感覚を引きずっ…

  • 906. インビクタス / 負けざる者たち

    引用元:amazon.co.jp 2009年のアメリカ映画 モーガン・フリーマン、マット・デイモン主演で、クリント・イーストウッドが監督した評判の良い作品ながら、10年以上も観なかった理由は 「ラグビーのシーンがショボかったら嫌だな」という単純な懸念 実際には心配したほど競技シーンも多くはなく、またそのレベルも高くて杞憂に終わった 南アフリカについて初めて意識したのは1985年 ロック・ジャズ・ラップ・アフリカ音楽などのミュージシャンが集結して録音、リリースした「サン・シティ」という曲を聴いて、初めて授業で習ったアパルトヘイトと実際の問題意識が繋がった サン・シティというのは南アの白人専用リゾ…

  • 905. 自分の事ばかりで情けなくなるよ

    印象的amazon.co.jp 2013年の松居大悟監督作品 2022年公開の「ちょっと思い出しただけ」と同じくクリープハイプの楽曲を使った作品 本作では彼らの楽曲を元に松井監督が書いた4つの短編をまとめた映画ということで、バンドのヴォーカルとギターそしてほぼすべての楽曲の作詞作曲を手掛けている尾崎世界観が原案としてクレジットされている クリープハイプの曲を知らなくても楽しめる「ちょっと - 」とは違って、本作はクリープハイプの世界が好きな人向けの映画 個人的にはそれほど詳しくはないけれど、サウンドのセンスの良さと、スパルタローカルズの安部コウセイを思わせるヴォーカルが気に入っている(多くのの…

  • 904. 女と犬

    引用元:MyFrenchFilmFestival いよいよ今年も My French Film Festival が始まった 2月19日まで、出来る限り他の映画は後回しにして、たっぷり楽しみたい まずは短編から、ということで「女と犬」(↓ は予告映像ではなくフル) 仲の良い女子学生二人組が、街を歩きながら問答を繰り返すだけの作品 いわゆる「究極の質問」ながら、そこにフランスらしい黒さが溢れている 「選んで 物乞いをするか、彼氏と別れるか」 「選んで 事故で顔に怪我するか、両親が離婚するか」 その黒さに若干呆れながらも、真理が垣間見えるような気もしたり、、、悪趣味なだけでもないな、と思わせる 最…

  • 903. 瞳をとじて

    外苑前にあるGAGA東京本社試写室での独占最速試写会にて鑑賞 映画監督のミゲル(マノロ・ソロ)は、海沿いの田舎町で愛犬とキャンピングカー生活 マドリッドを離れ、妻とも別れ、映画を撮ることもなく、自身の為に時々短編小説を書く以外は、釣りをしたり、野菜を育てたり 半ば隠遁ともいえる暮らしをするきっかけになったのは、自身が監督を務める作品の撮影中に、親友であり主演俳優だったフリオ(ホセ・コロナド)による突然の失踪 あれから22年が経過し、失踪事件の謎に迫るテレビ番組から出演依頼を受けるミゲル 迷った末に出演を決めたミゲルは、インタビューに応え、フリオの出演している映像まで番組に提供する その番組の放…

  • 902. ビヨンド・ユートピア 脱北

    実際に脱北を目指して国境を超えるシーンを収めた(再現映像ナシの)ドキュメンタリー映画 ということで、是非劇場で観ようとシネ・リーブル池袋まで遠征 韓国ソウルに住むソンウン牧師 北朝鮮で知り合った(後の)妻を無事に脱北させた経験から、これまで多くの脱北者を支援してきた 脱北者はもちろんのこと、支援行為を続けるソンウン牧師も、複数の国の当局から目を付けられている 活動をサポートしていた実の息子が命を失うという悲しい出来事がありながらも、以降の10年でも1,000人以上の脱北に手を貸してきた そんな彼の元に、幼児2人と老婆を含む5人家族の脱北を助けて欲しいという電話が入る 脱北と言っても、38度線を…

  • 901. 燃えよドラゴン

    引用元:amazon.co.jp 「ドラゴン危機一髪」(1971年)、「ドラゴン怒りの鉄拳」(1972年)、「ドラゴンへの道」(1972年)の三作はいづれも製作国はイギリス領香港 これら三作の香港でもヒットを受けて、香港のプロダクション会社と米国ワーナーブラザーズの合作で世界に向けて作られた作品 ベトナム戦争の行き詰まりを打開すべく、ニクソン大統領が1972年に訪中し毛沢東と会談、後(1979年)に鄧小平とカーターの間で米中国交正常化が成されることになる追い風もあったのだろうか 1973年、香港では7月26日、アメリカでは8月、そして日本では12月に公開されている そしてブルース・リーは香港で…

  • 900. 誰かがあなたを愛してる

    引用元:amazon.co.jp ブルックリン・ブリッジが好きだ バランスの良いフォルム、ゴシック調のデザイン、歴史を感じさせる風格(1883年に完成) 富士山の様な美しさを持つ橋 もちろん数多くの映画の中にも登場する 「サタデー・ナイト・フィーバー」や「ソフィーの選択」そして「ナイト・オン・ザ・プラネット」等々 1987年の香港映画 25歳になるジェニファー(チェリー・チェン)は、香港からニューヨークにやって来る 演劇の勉強をするという目的の他に、先にニューヨークに来て生活しているビンセント(ダニー・チャン)に会うために ところが、彼には新しい彼女がいて、冷たい態度をとられてしまう いきなり…

  • 899. ショーイング・アップ

    年末に武蔵野館で「ファースト・カウ」を観たばかりなのに、同じくケリー・ライカート監督による本作が年明けに劇場で観られるなんて、、 とウキウキしながらヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞 本作も同じくオレゴン州が舞台ではあるけれど、時代は原題で、舞台は美術学校 リジー(ミシェル・ウィリアムズ)は、美術学校で教鞭をとりながら、近く開催予定の個展に向けて、彫刻作品を仕上げる忙しい日々を送っていた 現代アートで注目され始めているジョー(ホン・チャウ)が買った、大きな一軒家の離れに、リッキーという名前の猫と住んでいるリジーだったが、最近はお湯が出ないことにストレスを溜めていた (同僚とはいえ、家賃を受け…

  • 898. 友だちのうちはどこ?

    引用元:amazon.co.jp 1. 何度も同じ話をする 2. 横暴な態度をとる 3. 絶対に間違いを認めない 4. 意見を押し付けてくる 5. 人を見下す 6. 思い通りになると勘違いしている 7. 妻に罵声を浴びせる 8. 老人への気遣いが足りないと思っている 9. 老人扱いされることを嫌う 10. 都合が悪くなると弱々しくなる 以上は、「老害」の10の特徴 ちなみにその対処法としては、 1. 近寄らない 2. 必要以上の関係にならない 3. 毅然とした態度で接する 日本であれば有効なアドバイスに思えるけれど、こんな対処は通用しない国のお話 1987年のイラン映画 キアロスタミ監督作品 …

  • 897. ツレがうつになりまして。

    引用元:amazon.co.jp 2011年の作品 ずっと前から観ようとは思いながらも 「元気のある時に、、」 と言い訳(いつも元気なクセに)してきたけれど、やっと観ることができた PCのコールセンターで働く幹夫(堺雅人)は、仕事もソツなくこなし、朝は自分でお弁当を作る お弁当に入れるチーズの種類と、身に付けるネクタイは曜日ごとに決められている 妻の晴子(宮崎あおい)は漫画家ではあるけれど、唯一の連載も読者の反応は芳しくない ふたりはペットのイグアナ(名前はイグ)と一緒に仲良く暮らしていた ある日、いつもの様にお弁当を用意しながら「イグ、お前はいいなあ 食欲があって」 と幹夫が嘆く 最近は夕食…

  • 896. モネ・ゲーム

    引用元:amazon.co.jp 随分昔の話になるけれど、車でテキサス州を走っている時に偶然、牛の競売を見かけた 何も無い道を運転するのに飽きてしまい、気になる人だかりが出来ている建物に入って行くと、牛の競売をしているところだった 競馬場のパドックのように、牛が次から次へと登場し、それを見て男たちが指で値段を(まるで日本の魚市場のように)示している 彼らのいで立ちは、カウボーイ・ハットにウエスタン・ブーツ、それにウエスタン・ジャケットと呼ばれる袖にフリンジの付いた上着 全員がスタン・ハンセン(テキサス出身の元プロレスラー)に見えた 決してコスプレなどではなく、日常的にこうした服装をしていること…

  • 895. ポテチ

    引用元:Yahoo!映画 2012年の作品 原作者伊坂幸太郎の住む仙台が舞台 忠司(濱田岳)は、同棲している若葉(木村文乃)と一緒に、プロ野球の尾崎選手の自宅に空き巣に入る 真剣に金目のものを物色するでもなく、部屋にあった器具を使ってウェイトをしていた時、部屋の電話が鳴る 空き巣に入った部屋で電話が鳴ったのは、これで二度目だった 一度目は、一年ほど前に結婚詐欺師の部屋にいた時、騙された女が留守電に「自殺してやる」とメッセージを残したので、忠司が折り返し電話をかけて踏みとどまらせた その時の女が若葉だった 今回もまた女から助けを求めるようなメッセージが残され、忠司は放っておくことができず、助けに…

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