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2022/01/23

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  • 1393. フェリチタ!

    引用元:filmarks.com 2020年のフランス映画 タイトルはイタリア語で「幸福」 冒頭で同名タイトルのヒット曲を夫婦が車の中で歌うシーンがある まさに幸せなふたり いつも両親、特に父親のティム(ピオ・マルマイ)は真顔でとんでもない嘘をつく 誰の得にもならない単純に驚かせるためだけに 外食中に11歳の娘トミー(リタ・メルル)に向かって 「いつか話そうと思っていたけれど、実は俺たち夫婦は、当時一緒に暮らしていた友人夫婦の間に生まれた子供を育ててきた」 などと全然シャレにならない内容 そのお陰で幼い娘もすっかりクールに育ち、滅多なことでは驚かない(日本の家庭でもお馴染みの光景ではあるけれど…

  • 1392. 惜春鳥

    引用元:yahoo.co.jp 惜春(せきしゅん)、過ぎていく春を惜しむ ということは、4月後半辺りの時期になるのだろうか? 花粉に悩まされるようになってからは、それが落ち着いてひと息ついたら、もう梅雨が始まるくらいの感覚(ちょっと大袈裟)で春を楽しむ余裕もない、、、と言いたいところだけれど、今年は春らしい天候を結構楽しめた 1959年公開の、会津若松で育った5人の若者の映画(←何となく観たくなりませんか?) 東京の大学生、岩垣(川津祐介)は、二年ぶりに故郷の会津若松に帰る電車の中で、ある男性に声を掛けられる それは同級生の牧田(津川雅彦)の兄の英太郎(佐田啓二)だった どこか浮世離れした風貌…

  • 1391. 花園の迷宮

    引用元:yahoo.co.jp 横浜の真金町(まがねちょう) 旧遊郭街で、現在でも特異な空気を放っているエリア もちろん普通に、コンビニやチェーン店があって、通りを歩いている人たちもサラリーマンやOL風の人たちが多いけれど、他の街では見かけないタイプの人もチラホラ 横浜の老舗ミニシアター、ジャック&ベティや横浜シネマリンに向かう時には、通行人を観察しながら、かつての真金町を想像しながら歩いている 横浜、真金町にある「福寿老」 夫の市太郎(中尾彬)と上海から引き揚げてから、多恵(島田陽子)が「体を張って」大きくしてきたこの遊郭ホテルに、田舎の親に売られた二人の少女、美津(野村真美)と冬美(工藤夕…

  • 1390. バーブ&スター ヴィスタ・デル・マールへ行く

    引用元:amazon.co.jp ネブラスカにある家具屋で一緒に働いているバーブ(アニー・マモロー)とスター(クリステン・ウィグ)は大の仲良し いつも店内に商品として置いてあるお気に入りのソファに座って、一日中お喋り 一方が非番の日でも、店にやって来ては喋っている そんな二人がクビにならずにいられる素敵な店が長続きするはずもなく、ある日店長から閉店することを告げられるバーブとスター 心底能天気なふたりは、そのショッキングな通達に「これからどこでお喋りすればいいの?」と途方に暮れるも、偶然出会った女性から素敵な場所と聞いた、フロリダのリゾート「ヴィスタ・デル・マール」に向かって出発する これまで…

  • 1389. 女は男の未来だ

    引用元:amazon.co.jp 長くアメリカで暮らしていたホンジュン(キム・テウ)が帰国 初雪の降る日に、大学時代の後輩ムノ(ユ・ジテ)の家を訪ね、妻が体調が悪いこともあって、居酒屋で酒を酌み交わす ホンジュンは映画(監督)の道に進み、ムノは美術講師として大学に勤務、やがては教授になる夢を持っていた ふたりが飲むうちに、かつてつき合っていたソナ(ソン・ヒョナ)という女性の話になり、少し離れたところでバーを開いているから、会いに行くことにする 焼酎と煙草とキムチチゲの匂いが画面から伝わってくるような、ふたり(その後三人)のノスタルジックにもならないくらい、下世話な会話が面白い 翌日、ムノが生徒…

  • 1388. マッチ工場の少女

    引用元:amazon.co.jp カウリスマキ監督、初期の作品 近年の「街のあかり」や「希望のかなた」といった、情緒溢れる作品と比較すると、やはりプリミティブというか、エッジが効いているというか、ロックなプロレタリアート作品 時間も69分と短く、駆け抜けるように観終わってしまう マッチ工場で働くイリス(カティ・オウティネン)は、同居する母(エリナ・サロ)と継父(エスコ・ニッカリ)が、彼女の稼ぎをあてにして働かないので、給料のほとんどを家に納めていた 料理までイリスの担当で、母たちは黙って食べるだけ 特別可愛くもないイリスは、ディスコに行っても、男性から誘われることもなく、退屈で単調な毎日を送っ…

  • 1387. きばいやんせ 私!

    引用元:video.unext.jp 先日「いとみち」で、津軽弁に苦労したばかりのところに、今回は鹿児島弁 本州最南端の町、南大隅町にやって来た女子アナの児島貴子(夏帆) 全国放送番組で活躍していたところを、自らの不倫騒動で降板させられてしまう そして、日本全国にある地方の祭りをとりあげるという、労力の割に地味な企画ながらも、再起を期すためにと「幼い頃に一年だけ住んでいた鹿児島の御崎祭りならば」と引き受ける しかし、仕事を始めた頃の情熱はすっかりなくなってしまった貴子は、いつもの投げやりな姿勢でかつての郷里に入り、出迎えてくれた市役所の職員や地元住民からスキャンダルを冷やかされたり、彼らに祭り…

  • 1386. 似ている

    引用元:video.unext.jp 国籍を持たない(存在しないことにされている)子供たちにスポットを当てる という目的で、「シーツで顔を覆った」子供の絵を描き、一躍有名な広告デザイナーになった田中(大迫一平) 所属しているデザイン会社で、テレビのインタビューを受けていたところに、見覚えのある顔が通り過ぎるのに気付いた田中は、その男性にエレベーターの前で声を掛ける その男性は、美大の時の旧友の有作(ミネオショウ)で、卒業後は塾の講師をしていたが、それで食べていくには厳しく、妻が妊娠したこともあって、田中の会社に面接を受けに来ていた 互いに時間の余裕もなく、その場は簡単な会話で済ませ、田中はイン…

  • 1385. いとみち

    引用元:itomichi.com 以前、「魚影の群れ」のレビューで、南部弁、下北弁、津軽弁の違いについて書いたけれど、その中でも最も難易度が高かったのが津軽弁 本作の中でも、(誇張ではなく)字幕が欲しいくらい難しく、前後関係から意味を拾うように聞いていても、台詞の2割くらいは理解できなかった 青森県弘前市、といっても弘前駅からは結構離れた板柳(下図:赤い点線で囲まれたエリア)という町に住む女子高生のいと(駒井蓮)は、訛りの強い津軽弁と、それも影響してかの極度な人見知りに悩んでいた どうにか克服したいと考えたいとは、青森市にあるメイドカフェでアルバイトを始める 当初は、接客もまともに出来ないなが…

  • 1384. シークレット・ウィンドウ

    引用元:amazon.co.jp 2004年のアメリカ映画 スティーブン・キングの原作 小説家のモート(ジョニー・デップ)は妻エイミー(マリア・ベロ)の浮気が原因で現在離婚調停中 自宅を出て森の中にある別荘で執筆活動をするつもりが筆は一向に進まず、アルコールの量だけが増えていく ある日、別荘にひとりの男がやってくる 「俺の作品をアンタに盗作された」 と突然非難してくるこのジョン・シューターという男(ジョン・タトゥーロ) 「許してほしかったら盗作を世間に公表しろ」とモートに迫る 過去に一度、盗作を指摘され内々に示談したことのあるモートだったが、身に覚えがあるのはこのきりで、この男の執拗な追及に次…

  • 1383. アメリカン・ヒストリーX

    引用元:amazon.co.jp 1998年のアメリカ映画 三年前、自宅前に停めた車を荒そうとした黒人の泥棒を射殺したデレク(エドワード・ノートン) 父親を黒人に殺害されているデレクにとってはまったくの正当防衛だと、容赦なくそして過剰に発砲した その憧れのデレクが刑期を終えて帰ってくることになり、弟のダニー(エドワード・ファーロング)は興奮していた 頼りになる兄を尊敬し続け、兄以上に白人至上主義で傾倒したこの三年間 これから兄と一緒に過ごせる喜びと、成長した自分を見て欲しいという想い ところが久しぶりに会う兄は髪形も以前のスキンヘッドではなく、物腰も穏やかになっていた 自身の過激な発言に対して…

  • 1382. 夜のあぐら

    引用元:natalie.mu 2022年の開局したBS松竹東急の開局記念ドラマスペシャル 死期が迫った父親(岸部一徳)の遺産を、愛人のミドリ(南果歩)から守ろうとする長女の春子(尾野真千子) 「自分ひとりで闘うのではなく、兄弟全員で」と、ピアノの講師を辞めて漠然とした日々を過ごす妹の秋子(井上真央)と、働きもせず姉より豪華なマンションに父の金で暮らして(引き籠って)いる弟の雪雄(村上虹郎)にも声を掛ける しかし、オーバーヒート気味の姉に対して、気が乗らない妹と、やる気のない弟では、話もまとまらず、そもそも父親はミドリと再婚しているから、愛人ではなく正式な主たる相続人とあって、勝ち目の無さそうな…

  • 1381. 星屑の町

    引用元:hoshikuzu-movie.jp 売れない昭和歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」 ベテラン歌手のキティ岩城(戸田恵子)との地方巡業で、リーダーの山田修(小宮孝泰)の故郷である、東北地方の田舎町にやって来た 翌日、楽屋入りした彼らの元に、世話係としてやって来たのは、山田の弟・英二(菅原大吉)の息子の同級生の愛(のん)だった 彼女は、昨夜メンバーたちが接待されたカラオケスナック、「エアポート」のママの娘で、「(遠洋漁業での事故で亡くなったと聞かされてきた)父親は、ハローナイツの誰かかもしれない」という昨夜の話を信じ、また歌の世界で勝負したいという夢もあり、「ハローナイツに加入…

  • 1380. 神は見返りを求める

    引用元:filmarks.com 合コンで知り合った、底辺YouTuberの優里(岸井ゆきの)と、イベント会社に勤めている「いい人」田母神(ムロツヨシ) 自身のチャンネルの再生回数がまったく伸びないことに悩んでいた優里は、田母神のサポートを得て、動画を作成することに 仕事上、動画の編集も行う田母神は、忙しい合間を縫って、撮影後の編集まで手伝うようになる 職場の関係者のツテを使ったり、多少の経費を負担したり、すべては「優里にYouTuberとして成功して欲しい」一心からだった ところが、有名YouTuberに紹介されたことをきっかけにして、優里により強力なサポーターが付いたことで、ふたりの関係は…

  • 1379. 午後の遺言状

    引用元:amazon.co.jp 蓼科にある別荘に毎年夏になるとやってくる女優の蓉子(杉村春子) 10年ほど前に夫が亡くなってからは、ひとりで2週間ほど、東京の喧騒を離れリフレッシュしていた その別荘を長年管理し、蓉子の滞在中に食事や掃除などするのは、地元の農婦豊子(乙羽信子)だった 出迎えてくれた豊子と、22歳になりすっかり大きくなった、その娘・あけみ(瀬尾智美)と三人で、ひと息ついていると一本の電話が入る それは、古い芝居仲間の牛国夫妻から、別荘への訪問を告げるものだった 数十年振りの再会に喜ぶ蓉子だったが、夫の藤八郎(観世栄夫)に介抱されながらやってきた妻の登美江(朝霧鏡子)の様子がおか…

  • 1378. 海辺の家族たち

    引用元:yahoo.co.jp かつてリゾート地として栄え、今はすっかり寂れてしまったマルセイユ近郊の海辺の街 この地で20年以上、地元民に愛される小さなレストランを営んできたモーリス(フレッド・ユリス)は、海を見下ろせる自宅のベランダで寛いていたところ、脳卒中で倒れて失語症になってしまう 父の介護とレストランを継ぐことを決意した、長男のアルマン(ジェラール・メイラン) 親子ほども歳の離れた婚約者のヴェランジェール(アナイス・ドゥムースティエ)からフラれてしまいそうな次男のジョセフ(ジャン=ピエール・ダルッサン) そして「ある事件」以来、20年もこの地に戻らなかった女優として活躍している長女ア…

  • 1377. バートン・フィンク

    引用元:amazon.co.jp コーエン兄弟の4作目、「ファーゴ」(1996年)公開の5年前とあって、ストーリーは既に個性的ではあるものの、構成はいたってシンプル 時は1941年のニューヨーク 劇作家として駆け出しながらも、高評価を受け始めたバートン・フィンク(ジョン・タトゥーロ)は、ハリウッドからお声が掛かり、ロスに向かう ところが、チェックインしたホテル「アール」は、薄気味悪く、部屋は暑苦しい上に、蚊が飛んでいた 仕方なく、居心地の悪い部屋で執筆に取り掛かるも、隣の部屋の騒音で集中できず、バートンはフロントに苦情を入れる 暫くすると、バートンの部屋のドアを激しくノックする音がして、「フロ…

  • 1376. スウィートホーム

    引用元:yahoo.co.jp 監督・脚本は黒沢清でありながら、それよりも製作総指揮・伊丹十三というクレジットが前面に出ていて、「監督が可哀想だなあ」と感じつつも、それでなかったら観なかった可能性を考えると、「それも仕方ない」と納得 「有名なフレスコ画家である間宮一郎の幻の作品が眠っている」と言われる無人の屋敷にやってきた4人のテレビ取材班 頼りないプロデューサーの和夫(山城新伍)に、しっかり者のディレクター秋子(宮本信子)、フレスコ画に並々ならぬ情熱を見せるレポーターのアスカ(黒田福美)、トラブルメーカーのカマラマン田口(古舘伊知郎) そして、夏休みの勉強として父の和夫についてきた娘のエミ(…

  • 1375. ミンボーの女

    引用元:filmarks.com 1992年5月に公開された映画 その2か月前に、「暴力団対策法」が施行されるという、商業的には幸運なタイミングでありながら、本作への高い注目に刺激されたのか、伊丹十三監督が自宅前で襲撃され、全治三か月の重傷を負うという事件が起きてしまう まるで昭和な(1992年は平成4年)ニュースではあるけれど、まだ映画が社会的な影響力を持っていたことがわかる 今、観ると「そんなに過激な内容かな?」と、普通に疑問に感じる 国際サミットの会場に立候補していた、ホテルヨーロッパ しかし、暴力団対応の甘さから、全国の暴力団が押し寄せるようになり、政府からサミットの招致を断られてしま…

  • 1374. タンポポ

    引用元:amazon.co.jp 伊丹十三監督作品は、好きでひと通り観ているけれど、80-90年代の作品が配信で観られる環境になく、最近はご無沙汰していた ということで、土曜日の夜、11時半くらいから自宅でDVD鑑賞 トラック運転手のゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙) ゴローが運転している間、ガンはラーメンを美味しく味わう極意を記した指南書を音読していた 最初は「あと2時間くらい走って仕事が終わったら、旨いラーメンを食べに行こう」と話していたが、余りに食欲をそそる指南書のせいで、ふたりはトラックを停めて、国道沿いにある一軒のラーメン屋に入る ところが店の中は活気が無く、女性店主のタンポポ(宮本信…

  • 1373. 君は永遠にそいつらより若い

    引用元:eiga.com 話の内容も知らないのに、タイトルに惹かれて気になっていた作品 原作は、津村喜久子の小説 これを機に、彼女の小説(というよりもエッセイ)を好んで読むようになった 大学四年生の堀貝(佐久間由衣)は、春から地元の和歌山に戻って児童福祉士をすることに決まる 工場のバイトと卒論はあるものの、当分はゆとりのある生活を送る予定 卒論を書くための資料として多くの人にアンケートをお願いしている堀貝だったが、たくさん集めてくれた友人から「お礼に、ある授業に出席してノートをとって」とお願いされていたにも関わらず寝坊してしまう 教室に駆け込んだ時には、ちょうど授業が終わったところ 困った堀外…

  • 1372. 森山中教習所

    引用元:enjoycinema.net かなり昔の話になるけれど、高校三年生の春休み(卒業直前)に、免許を取りに教習所へ通った 順調にコースを修了して、サクッと終わるなと安心して臨んだ卒検で、小さなミスを重ねて冷や汗をかいた記憶がある 命にかかわる大事なことではあるけれど、かかる時間と労力とお金を考えると、二度とお世話になりたくないところ (自分がまだ若いという自覚もあって)教官の 小言 ご指導も比較的素直に聞けたから、つくづく18歳で取得して良かったと思う 能天気な大学生の清高(野村周平)は、ある日突然車の免許を取りたいと思いつく そして、どこの教習所にしようかと考えながら自転車に乗っていた…

  • 1371. マチルド、翼を広げ

    引用元:senlisfilms.jp 9歳の少女マチルド(リュス・ロドリゲス)は、離婚した母ザッシンガー(ノエミ・ルヴォウスキー)と二人でパリのアパート暮らし 情緒不安定な母は、しょっちゅう突飛な行動を起こしたり、会話がまとまらなかったりして、周囲を困らせていたけれど、マチルドはそれでも母のことが好きだったし、年齢的にもまだ甘えたい時期だった ある日、マチルドが学校から帰ると、母が大きなギフト用のラッピングされた箱の前で嬉しそうに座っていた 包装を剥すと、大きな鳥かごの中にフクロウがいた 大喜びするマチルド しかもそのフクロウは、マチルドとだけ会話ができるのだった その後も、母親は夜の電車で意…

  • 1370. めがね

    引用元:taiyomegane.com もたいまさこ&小林聡美のコンビは、「かもめ食堂」や「プール」を観ていたので、全体のぼんやりした雰囲気は想像がついていたけれど、本作の舞台は鹿児島の与論島ということで、楽しみに鑑賞 「携帯電話が通じないところに行きたい」 というだけの理由で、プロペラ機に乗って南の島にやって来たタエコ(小林聡美) 宿泊予約していた「ハマダ」という海沿いの旅館に着くと、主人のユージ(光石研)に出迎えられる 親切な男性ではあるけれど、かなりマイペースで、タエコは少し面食らってしまう また若干気持ち悪いくらいに静かに微笑み、かき氷を振舞おうとするサクラ(もたいまさこ)や、宿泊客で…

  • 1369. ファミリープロット

    引用元:yahoo.co.jp 50本以上の長編映画を残した、ヒッチコック監督の遺作として知られる作品 とはいえフィナーレを飾る超大作、というわけではなく良い意味で軽くコミカルなサスペンスに仕上がっている 本作の撮影後には、次作に向けて準備を始めた(その体調により断念)くらいだから、最後の作品にする意図はなかったのだろう お得意様である富豪の老婦人から、「長い間行方が分からない甥を、(全財産を譲るために)見つけ出して欲しい」という希望を聞き出した、イカサマ霊媒師のブランチ(バーバラ・ハリス) タクシー運転手で恋人のジョージ(ブルース・ダーン)にも捜索の協力をお願いして、(途中、命を狙われたりし…

  • 1368. 時の翼にのって / ファラウェイ・ソー・クロース!

    引用元:amazon.co.jp 「ベルリン・天使の詩」の続編 ベルリンの壁崩壊前の前作では、天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)が人間社会に入り込む様子を描いたのに対して、本作では壁の崩壊後のベルリンを舞台に、ダミエルの相棒・カシエル(オットー・ザンダー)が人間社会に入って行く様子が描かれている ダミエルと別れ、下界を見下ろすカシエル 東西統一されたものの、人々の暮らしは落ち着かず、様々な問題が起こっていたベルリンの街を眺めているうちに、自身も人間として生活したいと思い始める カシエルは、大義は成されたものの、達成感よりも虚無感の入り混じった複雑な心境のゴルバチョフ旧ソ連書記長(本人)の様子を眺…

  • 1367. 彼は秘密の女ともだち

    引用元:cinefil.tokyo 「スイミング・プール」、「危険なプロット」、そして「すべてうまくいきますように」などのフランソワ・オゾン監督作品とあって、普通なら迷わず観るところを、数年保留してしまった 「親しい男性が女装し始めたことに動揺する女性を描いたコメディ映画」というのに、食指を動かされなかった、というのが正直なところで、あまり期待せずに鑑賞 幼馴染で親友のローラ(イジルド・ル・ベスコ)が、若くして亡くなってしまい、呆然とするクレール(アナイス・ドゥムースティエ) 葬儀の場では、「ローラの親友として、残された夫のダヴィッド(ロマン・デュリス)と幼い娘のサポートをしたい」と発言する …

  • 1366. 引き裂かれたカーテン

    引用元:ciatr.jp 数あるヒッチコック作品の中でも、冷戦時代の東ドイツが舞台ということで、お気に入りのひとつ 2018年に、ベルリンやライプツィヒなど、旧東ドイツの街を訪れるきっかけを作ってくれた作品 アメリカの原子物理学者マイケル(ポール・ニューマン)は、学会に出席するため、秘書であり婚約者のセーラ(ジュリー・アンドリュース)と、コペンハーゲンに向かう ところが目的に着く前に、東ドイツから届いた機密文書を読んだマイケルは、学会への出席をキャンセルし、数日東ドイツに行くと言い出す ろくに説明もせず「大丈夫だから、コペンハーゲンで待っていろ」と言うだけのマイケルに不安を感じたセーラは、マイ…

  • 1365. プロミスト・ランド

    引用元:Yahoo.co.jp 2012年のアメリカ映画 「グッド・ウィル・ハンティング」(1997年)以来のガス・ヴァン・サント監督とマット・デイモンのタッグ(と思ったら「ジェリー」という2002年公開の作品でも一緒だったようだ) 大手エネルギー関連企業グローバル社に勤めるスティーブ(マット・デイモン)は、天然ガスの採掘権を農民から買い取るというタフな仕事において優秀な成績をおさめていた その理由は、アイオワ出身の自分には農民の気持ちがわかり、彼らのとってベストな将来を提案することができるから、と信じている 今回も同僚のスー(フランシス・マクドーマンド)とペンシルヴェニア州の田舎町に出張し、…

  • 1364. クリスタル殺人事件

    引用元:amazon.co.jp ロンドンの郊外の町セント・メアリー・ミードに住む推理好きで有名な老婦人、ミス・ジェーン・マーブル(アンジェラ・ランズベリー) 町の教会で上映されていた探偵映画が、映写機の故障で観られなくなった瞬間、スッと立ち上がったミス・ジェーン・マーブルは 「もう犯人はわかったから、この先を観る必要はない」 と、犯人を宣言して、その場を離れてしまった この町は、新しい映画の舞台になり、往年の大女優マリーナ(エリザベス・テイラー)と、夫で監督であるジェースン(ロック・ハドソン)と長期滞在することになっていた 地元の人たちによる歓迎パーティで、ご機嫌な様子を見せるマリーナだった…

  • 1363. 私の少女

    引用元:yahoo.co.jp 小さな漁村の警察署に、所長として赴任してきたイ・ヨンナム(ペ・ドゥナ) 若い女性所長が、寂れた何もない村に来たということで、周囲は必要以上に注目し、警戒もしていた ある夜、彼女は少女が父親らしき男から暴力を受けているのを目撃し、警告を与える その男は、村で唯一の若者であるヨンハ(ソン・セビョク)で、酒に溺れては暴れる癖はあるものの、村人の仕事の面倒を見たり、血の繋がりもないドヒという少女(キム・セロン)も家に住まわせ、学校にも通わせていた 母親に置いて行かれた14歳のドヒは、他に行き場所もなく、昼間は近所の子供たちから虐められ、夜はヨンハの暴力に耐える毎日に、委…

  • 1362. 誰も知らない

    引用元:Apple TV 2004年の公開 1988年に起きた「巣鴨子供置き去り事件」を元にして是枝監督自ら脚本を書いている 都内にある2DKのアパートに越してきたけい子(YOU)と息子の明(柳楽優弥) お隣さんには「主人は海外出張中で、、」と饒舌に説明するも、実際にはけい子の子供は4人いて、長男の明の他にも、長女の京子、次男の茂、次女のゆきがいた 子供たちの父親はそれぞれ別に生存するものの、いづれもけい子と子供を捨てて他所で暮らしていた 4人の子供たちは、出生届さえ提出されず、もちろん学校にも通わず、そして明以外は(存在しないものとして)外出や、部屋で騒ぐことさえけい子から禁じられていた 衝…

  • 1361. 猿楽町で会いましょう

    引用元:yahoo.co.jp 渋谷区猿楽町(さるがくちょう) 駅で言うと東横線の代官山 個人的には馴染みのない、オシャレ店の多いエリアという印象 そんな猿楽町にある(全然オシャレじゃない)アパートに住んでいる駆け出しのカメラマンの小山田(金子大地)は、作品を抱えて売り込みに行った雑誌社の編集者に 「何が撮りたいの? 作品にパッションを感じないよ」 と酷評されてしまう 見込みも無さそうだからと、小山田が帰ろうとしたところ、「インスタの写真を撮って欲しいという読者モデルがいたなあ」と、酷評したことへの若干の罪悪感のある編集者から聞き、読モのユカ(石川瑠華)を紹介される 駆け出しで無名な者同士、リ…

  • 1360. MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

    引用元:prtimes.jp タイムループ、タイムリープ、タイムトラベルなど、時間軸をテーマにした映画が苦手だ 頭の悪さを露呈している様で恥ずかしいのだけれど、容易に「置いてきぼり」にされてしまうから 「TENET テネット」の上映時にも、(既に「メメント」で満腹になっていたので)劇場には行かなかった 過去と現在が交差する構成は、(特にそれが作品のウリでなくても)もはや常套手段ではあるけれど、あまりに複雑なのは勘弁してほしいと思ってしまう 個人的には「恋はデジャ・ブ」くらい穏やかなので十分だ 小さな広告代理店で働いている吉川(円井わん) クライアントからの急な依頼と、短い納期に振り回されて、泥…

  • 1359. はじまりへの旅

    引用元:yahoo.co.jp 「ジャックとローズのバラード」を観た時に 「はじまりへの旅」と同じような父親の話かなあ と思ったくらい、印象に残った作品というのに、レビューを書くのをすっかり忘れていた アメリカ北西部の森に住むベン(ヴィゴ・モーセンテン)は、男手一つで、6人の子供を育てていた 文明社会に頼ることなく、自給自足に近い生活を送る中で、子供たちにも早くから「仕事」を与え、学校にも通わせず、独自の徹底した教育方針で、それぞれが6か国語をマスターし、野生動物並みの身体能力を備えるまでに育てていた 18歳になる長男は、アメリカの名門大学を複数受験、そのすべてに合格した 7人の特殊な生活がこ…

  • 1358. ジャックとローズのバラード

    引用元:yahoo.co.jp 「父親の偏った教育方針のもとに、育てられた子供」 という設定は、「はじまりへの旅」などで観ているので、特に惹かれなかったけれど、ダニエル・デイ=ルイスとポール・ダノの共演となると、観ないワケにはいかない アメリカ東海岸の小さな島にある、かつてヒッピーたちのコミューンだった場所に、今でも住んでいる、バツイチの父親ジャック(ダニエル・デイ=ルイス) 同居している16歳の娘・ローズ(カミーラ・ベル)には、11歳で学校に行くのをやめさせ、外の世界と関わることを禁じ、独自の教育を続けている ローズは「家にテレビが欲しいな」という程度の不満は口にするものの、絶対的な存在であ…

  • 1357. オリ・マキの人生で最も幸せな日

    引用元:amazon.co.jp 原題もそのまま「The Happiest Day in the Life of Olli Maki」 時は1962年の夏 ヘルシンキのパン屋の息子でプロボクサーのオリ・マキ(ヤルコ・ラハティ)は、世界タイトルマッチに出場することになる それだけでも凄いことなのに、現チャンピオンが、アメリカからヘルシンキにやってくることになり、「フィンランド発の世界戦の開催」に、周囲は異常な盛り上がりを見せる 内向的でおとなしい性格のオリ・マキは、タイトルマッチは楽しみではあるものの、異常な盛り上がりにも、スポンサー対応にも辟易としていた そんな中、彼は、ライヤ(オーナ・アイロ…

  • 1356. カリフォルニア

    引用元:Yahoo.co.jp 1993年のアメリカ映画 ケンタッキーに住むブライアン(デイヴィッド・ドゥカヴニー)は、殺人鬼が過去に起こした事件を辿ることでその心理に迫るルポを書こうとしていた 恋人で写真家のキャリー(ミシェル・フォーブス)に現場写真を撮ってもらいながら犯行現場巡りをして最後は憧れのカリフォルニアまでドライブする計画だ しかし予算が心もとないこともあってブライアンは同乗者を募ってガソリン代を折半しようと思いつく 神経質なキャリーはこのアイディアに反対するも、先立つものも無いだけに渋々了承する そこへやってきたのはみすぼらしい恰好をしたアーリー(ブラッド・ピット)とかなり頭の悪…

  • 1355. ギルバート・グレイプ

    引用元:Yahoo.co.jp 1993年のアメリカ映画 原題は「What's Eating Gilbert Grape」 内容ズバリの素晴らしいタイトルながら邦題では前半分が取り除かれてしまった かなり英語的表現だから仕方ないと思うと同時に、この邦題も定着したし悪くないとも思う もう状況設定くらいしか覚えていないくらい前に観た作品 「そういえばどこの州の話だったっけ?」と思い、スマホで調べれば数秒でわかるものを久しぶりにフル鑑賞 その舞台はアイオワ州アンドーラという架空の町 人口は1,000人程度の退屈なところで、ギルバート(ジョニー・デップ)は「音楽なしのダンスのような、いつも眠っていて永…

  • 1354. プール

    引用元:Yahoo.co.jp 大学生のさよ(伽奈)は、卒業前の旅行も兼ねてひとりでタイにやってきた それは4年前に自分とお祖母ちゃんを置いて突然チェンマイに行った母の京子(小林聡美)に会うためだった ゲストハウスで働いているという母が空港まで迎えに来てくれるものと思っていたら、市尾と名乗る頼りなさそうな男性(加瀬亮)が「さよさんですか?」と声を掛けてきた 母が働くゲストハウスは共用のテラスが美しく、風景にマッチし過ぎていて実用感の薄いプールがあり、忙殺されることもなく優雅な時間が流れていく 穏やかな雰囲気の女性オーナー菊子(もたいまさこ)と市尾、そして母でゲストハウスは運営され、現地の小学生…

  • 1353. 傷だらけのランナー

    引用元:amazon.co.jp トレーラーハウスという住まいは、「ソードフィッシュ」、「ロゼッタ」、「ミナリ」、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」など、映画の中で登場する頻度も高いので、よく知られているけれど、トレーラーパークという空き地にトレーラーハウスを並べて設置してある住宅形式で暮らすひとも多い 電気やガスが使える中では、恐らく最も安く生活をスタートすることができる住宅形式だろう ここに住んでいるのは、映画「ノマドランド」に登場するような、自由人というよりも、生活に行き詰って他に選択肢の無い家族 ハウスを持ち込んだり、一括購入できる人は稀で、大家の言う家賃や電気代、ガス代を払い続けていくし…

  • 1352. 花とアリス殺人事件

    引用元:hulu.jp 岩井俊二監督が、原作、脚本、音楽も手掛けたアニメーション映画 転校してきた中学三年のアリス(蒼井優)は、クラスでのある噂を耳にする 1年前の話だと言うその噂は、「3年1組で、ユダが4人の女性に殺された」というもの そして、アリスの引っ越してきた家の隣に住む、もう一年以上も学校に来ないで引き籠っているハナという名の生徒(鈴木杏)なら、ユダについて何か知っていると聞き、アリスは隣の家を訪ねる 最初はアリスを不審に思い警戒するハナだったが、アリスが訪ねてきた理由を知り、次第に打ち解けていく しかし、興味本位でしかなかったというのに、気が付くとハナの指示に従って、アリスはユダの…

  • 1351. フルメタル・ジャケット

    引用元:amazon.co.jp ベトナム戦争真っ只中の、サウスカロライナ州にある海兵隊訓練キャンプ 鬼軍曹として知られるハートマンにより、隊員たちは初日から厳しい訓練を受ける 「(7週間の訓練を終えるまでは)お前たちは人間ではない」と、人格を無視した罵倒や叱責に加え、激しい体罰も日常茶飯事だった またその厳しい要求に応えられない隊員がいると、連帯責任として全員に懲罰が下るため、肥満で動きの悪いレナード(ヴィンセント・ドノフリオ)は精神的に追い詰められ、他の隊員から夜中に反撃されたりもした 面倒見の良いジョーカー(マシュー・モディーン)らのサポートもあり、無事に訓練を乗り切ったものの、レナード…

  • 1350. ともしび

    引用元:amazon.co.jp 2019年のフランス・イタリア・ベルギー映画 原題は「Hannah」 2年前の名作「さざなみ(原題:45 Years)」に倣ってみたのか? その気持ちがわからなくもないくらいに両作品ともに、70代に入ったシャーロット・ランプリングの魅力満載な観応えのあるものだった ベルギーに暮らす老夫婦、アンナ(シャーロット・ランプリング)とその夫(アンドレ・ウィルム)は、穏やかな生活を営んでいた アンナの手料理を一緒に食べる時も会話はほとんどないけれど ある朝、ふたりは出掛ける準備をする 夫の出頭にアンナも付き添うために 夫が居なくなった後も、アンナは規則正しい生活を続ける…

  • 1349. レイトオータム

    引用元:yahoo.co.jp 母が亡くなり、その葬儀の為に刑務所から一時的に保釈されたアンナ(タン・ウェイ) 認められた外出時間は72時間 それまでにバスでシアトルに行き、家族と再会し、葬儀に出席して、また刑務所に帰って来る必要がある 毎日、携帯に存在確認の電話が入ることになっていて、その電話に対応できなかった時点で、指名手配されてしまう シアトル行のバスに乗り込み、座席で出発を待っていると、遅れて乗り込んできたアジア系の若い男性(ヒョンビン)が、「お金が足りないから30ドル貸して欲しい」と話しかけてくる 軽薄で面倒臭そうな男から、これ以上絡まれたくないアンナは、仕方なく30ドルを手渡すも、…

  • 1348. キネマの神様

    引用元:toeiv.jp 松竹映画100周年記念作品 そして「キネマの神様」というタイトルで、監督が山田洋次 これだけの情報で、この映画が全面的に名作感のある、ハートウォーミングな作品なのだろうなと、既に観た様な気分になって後回しにしていた作品 当時は、主演予定だった志村けんが、2020年3月に新型コロナウィルスに感染(その後、亡くなってしまう)し降板、沢田研二が代役を務めることがアナウンスされ話題になった 70代も後半にさしかかったゴウ(沢田研二)は、受け取っている年金だけでは飽き足らず、消費者金融にまで手を出して競馬に明け暮れていた 借金取りが、契約社員として出版社で働いている娘の歩(寺島…

  • 1347. かあちゃん

    引用元:amazon.co.jp 「粘土のお面」より かあちゃん、というのが正式なタイトルになるのだろうか 随筆家、豊田正子の自伝小説「粘土のお面」が原作 時は1949年(昭和24年) 東京の曳舟にある三軒長屋に住んでいる、ブリキ職人の由五郎(伊藤雄之助) 手に職のある真面目な男ながら、不景気の影響で仕事が無く、もう十日以上も家でゴロゴロ 家賃もずっと滞納している上に、方々に借金しているせいで、年の瀬というのに、新年を迎える準備もできないでいた 困り果てた妻のお雪(望月優子)は、娘の正子(二木てるみ)に「父親が怪我をしてしまい、年を越す金も無く困っている」という嘘の手紙を書かせ、得意先の邸宅に…

  • 1346. 泥の河

    引用元:amazon.co.jp 宮本輝の原作も読んで、映画も随分前に観ていたけれど、レビューを書いていなかったことに数年経ってから気づいた 他の作品と比べても圧倒的なインパクトがあったのに、というかインパクトが強烈だったからこそ、そして単純なインパクトではなく、その背景にある、何ともならない貧しさとか、少年が想像する大人の社会とかを感じて、鑑賞後しばらく寝かせているウチに忘れてしまった 戦後間もない、しかし朝鮮動乱の特需もあり、貧富の差も生まれていた昭和31年の大阪 政府は同年7月の経済白書で「もはや戦後ではない」と宣言 終戦から10年が経った前年の1955年、やっとGDPが戦前を上回り、こ…

  • 1345. 地獄

    引用元:filmarks.com ゲーテの有名な戯曲「ファウスト」 その昔、中学校の文化祭で演じることになり、最初は「錬金術」や「死後の魂」など、勉強(?)と部活に明け暮れていた中学生にとってはピンと来ない印象が拭えず、渋々参加していたけれど、友達が監督を務めていたことや、次第にその世界観が見えてきたこともあって、終わってみれば結構楽しかった記憶がある その話に登場する、悪魔のメフィスト等のモチーフもストーリーに盛り込んだ、日本の怪談モノにしては、異色の名(迷)作 仏教系の大学に通う四郎(天地茂)は、恩師である教授の矢島(中村虎彦)の娘、幸子(三ツ矢歌子)と婚約し、幸せな日々を過ごしているはず…

  • 1344. マダムと泥棒

    引用元:doga.hikakujoho.com 夫を亡くしてから久しく、ロンドンにある一軒家にひとり、正確にはよく喋るペットのオウムと暮らしているウィルバーフォース(ケイティ・ジョンソン) 淋しさからか、毎日警察署に雑談をしに行く彼女は、警察官からは(善い市民ではあるけれど)煙たがられてもいた 有り余った一軒家のスペースもあり、下宿人を募集していたところ、マーカス教授(アレック・ギネス)という男性が申し込んでくる 彼には、一緒に楽器を演奏する(弦楽五重奏)仲間がいて、その練習場所として部屋を使いたいと言い、婦人も快く了承する その翌日、コートニー少佐(セシル・パーカー)、ハリー(ピーター・セラ…

  • 1343. パンドラの約束

    引用元:amazon.co.jp 原発反対のスタンスではいる ところが 「全廃することは可能なのか(全廃するとどういうことが起こるのか)?」 という問いに対して、(道義的な問題は別にして)具体的にわかり易く教えてくれる人が居ないことには困っている 自分なりに調べてはいるけれど、今のところ納得できる答えは見つからない 例えば、電気の使用に時間(或いは地域)制限を設ける等の取り組みは、必要というなら(人命と比較するなら)やるべきだろうし、その余波(経済の停滞など)がどんなに重要なことを意味するのか、については真剣に調査・予測した上で議論すべきだろう 本作は、そうした議論が必要ないと言わんばかりに「…

  • 1342. ボディガード

    引用元:amazon.co.jp 1992年のアメリカ映画 なんと今回はじめての鑑賞 大ヒット作にもかかわらずいろんな先入観が邪魔して長い間後回しだった テーマソング(オールウェイズ・ラヴ・ユー)が大ヒットしたサントラ盤も同じように敬遠していたけれど、アルバムに収録されているカバー曲が好きなこともあって、本作を「いつかは観なきゃ」と思いながら30年経ってしまった かつてSPの組織で働いていたフランク(ケビン・コスナー) レーガン大統領の警護を担当していた時、母の死去で任務を外れた日に暗殺未遂事件が発生してしまい、それからは個人でボディガードをしていた そんなフランクの元に人気歌手レイチェル(ホ…

  • 1341. 反則王

    引用元:filmarks.com 1999年の韓国映画 意地悪な上司に困っている銀行員のイム・デホ(ソン・ガンホ) 行内で最も成績の悪く遅刻の常習犯の彼は、毎日のように上司からプロレス技を掛けられている ヘッドロックされてもチカラのないイム・デホにはそれを外すこともできず周囲からは嘲笑され屈辱的な日々を過ごしていた この状況を何とかしたいとレスリングジムを訪れたイム・デホは、ジムの壁にかつて大ファンだったウルトラ・タイガーマスクの写真が飾られているのを見つける 館長は入門希望の彼を拒絶するもプロモーターから反則レスラーを用意するよう頼まれ、イム・デホをその役目に仕立てようと入門を認める イム・…

  • 1340. ヘアスプレー

    引用元:amazon.co.jp ボルチモア メリーランド州で最も大きな都市 2015年に、警察に拘束された黒人青年が死亡し、暴動が起きたことに対して、プリンスが同名の曲を発表した この映画は、そのずっと昔、1960年代のボルチモアが舞台 トレイシー(ニッキー・ブロンスキー)は、大柄で太っていることがコンプレックスではあったけれど、持ち前の明るさと、大好きな歌とダンスで毎日を楽しんでいる女子高生 毎朝、ヘアスプレーで髪形を盛っては、後ろの席の生徒から苦情を受けていた そんなある日、彼女が大好きなテレビ番組「コーニー・コリンズ・ショー」のダンス・メンバーに欠員が出た為に、オーディションが開催され…

  • 1339. 台湾、独り言

    引用元:amazon.co.jp 舞台はずっと台湾の日本映画 「カメラを止めるな!」の撮影監督・曽根剛が、リンデン・ジャングと共同で監督 キャストは、台北を移動しながら見つけ、アドリブもありという撮影方法 起承転結な物語ではなく、何組かの日常的な生活の中でのやりとりを映像に収めている(その割には、短編集の様な楽しみ方が出来て新鮮だった) 実は「カメラを止めるな!」には、二回チャレンジして撃沈(好みではない)したのだけれど、もう一度観てみようかなという気にもなる 一つ目の舞台は、台北の語学学校 併設されたカフェで寛いでいる台湾人講師と、仕事の都合上スペイン人だとしている韓国人講師 そこに新しく面…

  • 1338. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

    引用元:yahoo.co.jp 「かつてのスターも、今やすっかり落ちぶれて、、」 という話は、古今東西人々の心を掴んできたのか? 音楽で言えば「Nobody Knows You When You're Down and Out」というブルースのスタンダードは、ベッシー・スミスがレコーディングした1929年(如何にもこの曲が似合う年!)以降に限っても、無数のアーティストによってカバーされている 映画でも、古くは往年の大女優が復活を目指す「サンセット大通り」や、バート・レイノルズが自身のキャリアを重ねた「ラスト・ムービースター」など、枚挙にいとまがない テレビの世界で長年スターだったリック(レオナ…

  • 1337. 台湾暮色

    引用元:amazon.co.jp 原題は「強尼・凱克 / MISSING JOHNNY」 邦題は、夕暮れ時のシーンが印象的なところから、「東京暮色」にイメージを重ねたのか?(内容的には、国の状態も、若者の心持も特にダブるとは思わないけれど) 監督・脚本は、本作で長編映画デビューとなるホァン・シー 彼女がインターンとして製作に加わった「憂鬱な楽園」、そして「恋恋風塵」、「好男好女」などを監督したホウ・シャオシェンが製作総指揮を務めている ヨガのインストラクター、そして民宿のオーナーとして働いている女性・徐子淇は、部屋で二羽のインコを飼っていたが、閉め忘れた窓から一羽が逃げ出してしまう そんな彼女…

  • 1336. ハワイの若大将

    引用元:filmarks.com 大学のヨット部でキャプテンを務めている田沼(加山雄三)は、練習中にボートと衝突しヨットを破損させてしまう 修繕費用を賄うためにダンスパーティーを企画したものの、チケットの売れ行きは鈍く、ボートを運転していた澄子(星由里子)らから購入してもらうも、最終的には金持ちの息子・青大将こと石山(田中邦衛)の大量購入に助けられる その交換条件が「ヨット部への入部」というもので、自分勝手な石山に良い印象の無かった田沼だったが、渋々了承する そんな中、大学の前期試験が行われ、隣に座った石山から「答案を見せてくれ」と泣きつかれ、仕方なく見せていたところを教授に見つかってしまい、…

  • 1335. 世界で一番しあわせな食堂

    引用元:mirtomo.com 「希望のかなた」、「街のあかり」などで知られるアキ・カウリスマキ監督の兄、ミカ・カウリスマキ監督作品 舞台はフィンランド北部、ラップランド地方の小さな村 シルカという女性が経営する食堂に、中国人の親子がやって来る 父親の方は、店に居る地元の客たちに 「フォントロンという名前の人物を知らないか?」と尋ね回る 彼の名はチェンと言い、上海で料理人として働いていたという 村にはホテルも無いことから、シルカは離れにある部屋を貸すことにするが、中国人旅行者の団体が店に来た際に、チェンがチキンヌードルを振舞ったことが評判になり、店は繁盛すると共に、チェン親子は村に滞在すること…

  • 1334. そんなの気にしない

    引用元:filmarks.com 原題は「RIEN A FOUTRE」 英題が「Zero Fucks Given」であることからすると、邦題はとても上品にしてある(Doing It Their Wayという表記のサイトも) 26歳になるカサンドラは、格安航空会社の客室乗務員 オフにはパーティーに参加し、時々は飲み過ぎたり、ドラッグを欲しがったり 勤務中も、着陸直前にお酒を飲んだり、搭乗前の飲酒が認められない数時間も、守れているとは言えないけれど、勤務はしっかりとこなすハード・ワーカー 特定の彼氏を持たず、仕事で都市から都市を飛び回るように、マッチングアプリの「Tinder」(ハンドルネームは「…

  • 1333. さいはての用心棒

    引用元:amazon.co.jp 「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を観て、彼が音楽を担当している本作を鑑賞 南北戦争が終わった頃のアメリカ(1865年頃) 南軍の敗北を信じることなく攻撃を続けているコロラド連隊に、伝達書を届けに行こうとする、北軍のルフェール大尉(アンヘル・デル・ホゾ)とピット軍曹(ネロ・パッツァフィーニ) 彼らの道案内に選ばれたのは、北軍の捕虜として捉えられていた南軍のゲーリ将校(ジュリアーノ・ジェンマ) その道中、リッグス団からの襲撃を受け、ピット軍曹が射殺される中、ゲーリは伝達書を奪って逃走する 川にさしかかり、渡し船の綱が切れて困っていた女コニー(ソフィー・ドーミエ)…

  • 1332. 河

    引用元:filmarks.com 台北に住むシャオカンは、街中のエスカレーターで昔の女友達とすれ違う 久しぶりに、しかも偶然会ったことで盛り上がって会話していたところ、 「ところで、この後時間ある?」と聞かれ、無職のシャオカンは、映画スタッフとして働いているという彼女について、撮影現場に向かう ふたりが現場に到着すると、「河に浮かぶ死体」の撮影が難航しているところで、あろうことかシャオカンに白羽の矢が立ってしまう かなり澱んだ河ではあったものの、何とか撮影を終えたシャオカンは、女友達の手配してくれたホテルでシャワーを(二回も)浴び、その後、彼女と一夜を過ごす 一夜明けて目覚めたシャオカンだった…

  • 1331. ジャイアンツ

    引用元:yahoo.co.jp その昔、車でアメリカ横断をした時には、朝からハイウェイを走って、夕方に着いた街のモーテルに泊まり、暗くなってからは近くのレストランくらいまでしか運転しない、という毎日だった 50-60マイルで7-8時間のドライブなら約400マイル(約640kmになるから、東京から岡山の距離になる) もちろん途中で何度も寄り道したけれど、ある程度事務的に「ひたすら移動する日」を作らないと、永遠に辿り着けないので、魅力的なスポットが無い州(失礼!)では、移動に専念した 東海岸で400マイルなら、州を3つくらい進むことができるけれど、一番の難関テキサス州は、一日走ってもまだテキサス州…

  • 1330. バオバオ 普通の家族

    引用元:eiga.com 2023年1月、台湾は、同棲カップルの結婚について(相手が中国本土の住民である場合を除き)婚姻届けを受理することを決めた 元々、2019年5月には同性婚を認めていたけれど、一方が外国籍の場合にその国が同性婚を認めていなければNGとしてきた そんな台湾(とロンドン)を舞台にした、2018年の作品 ロンドンに暮らしている二組の同性カップル、ジョアンとシンディ、そしてチャールズとティム 赤ちゃんを望む四人は、協力して妊活を始めることにする 体外受精の結果、シンディは双子を妊娠することに成功し、皆で喜んでいたが、他の三人が子供の取り決めについて(金銭の絡んだ)ある約束を結んで…

  • 1329. 海辺の女

    引用元:www.unifrance.org 2023年のフレンチ・フィルム・フェスティバルより トルコの南にバカンスを楽しみにやってきたアンナ(ルイーズ・シュビヨット)だったが、現地に着いてから妙な気だるさを感じていた 砂浜で横になったまま海にも入ろうとしないアンナを、ボーイフレンドのトマ(バスティアン・ブイヨン)は不思議がりながらも、自分は海に飛び込みに行ってしまう いつの間にか眠ってしまったアンナは、サイレンの音が鳴った気がして飛び起きる そして、トマが居ないことに気づき、慌てて彼を探し始めるも、近くを散歩していたトマが無事に帰って来る それでも動悸がおさまらないアンナは、自身が眠ってしま…

  • 1328. 石門

    久しぶり(でもないか)の武蔵野館にて鑑賞 資本的には日本映画だし、大塚竜治がホアン・シーと連名で監督を務めているけれど、舞台も演者も内容的にも中国映画 コロナが猛威をふるう直前の2019年の中国湖南省 20歳のリン(ヤオ・ホングイ)は単発の仕事でお金を稼ぎながら、フライトアテンダントを目指して勉強中 そんな中、産婦人科の診療所を立ち上げた母親が、死産の責任を追及され賠償金を要求されていたことが判明する さらに悪いことに、卵子の提供のために検査を受けたリンは、自らが妊娠1カ月であることを知る このままでは勉強を続けることもできず、また出産することも、中絶することも望まない彼女は、自分と両親を助け…

  • 1327. レザボア・ドッグス

    引用元:amazon.co.jp 1992年公開 原題も「RESERVOIR DOGS」 Reserver(=貯水池)酒?に群がる犬(男たち)というニュアンスだろうか いづれにしても「〇〇な男たち」のような邦題にならなくて良かった クエンティン・タランティーノの長編監督デビュー作にして、脚本、出演作品 彼の渾身の第一球にふさわしいバイオレンス・アクション まさしくここから始まった感に溢れた作品 「コロンブスの卵」的な要素に溢れていて、ファンにはたまらない作品だろう マフィアの顔であるジョー(ローレンス・ティアニー)は、ロサンゼルスで大きなヤマ(宝石強盗)を狙い、自分の息子ナイスガイ・エディ(ク…

  • 1326. 泥棒役者

    引用元:Yahoo.co.jp 2017年の作品 公開時に劇場で観たけれど、なぜこの作品を観たのかまったく思い出せない おそらく時間がある時に思いつきで立ち寄ったのだろう それから数年しか経っていないせいか割と詳細まで覚えていた 殆どのシーンが絵本作家の広いリビングが舞台という、いわゆるグランドホテル形式で展開していく 劇場で観るメリットはさほどない作品ではあるけれど、愛すべきB級感に溢れたコメディ 気の優しい大貫はじめ(丸山隆平)は、悪い仲間に強要されて盗みを働き少年院に入った過去を持ちながらも、今は真面目に働いて更生を目指していた しっかり者の彼女美沙(高畑充希)のお陰でコミュ障も少しづつ…

  • 1325. 復習者たち

    引用元:yahoo.co.jp 終戦直後のドイツ 街は少しづつではあるものの、機能を取り戻しつつあった ナチスによるホロコーストを生き延びたユダヤ人も、彼らを密告したり、乱暴されているのを黙って(或いは笑いながら)見ていたドイツ人も、表面的には同じような生活をしていたが、身内を殺された絶望の渦中にいるユダヤ人と、これから始まる裁判に怯えるドイツ人とでは、精神状態は大きく異なっていた 妻と子供を奪われたユダヤ人のマックス(アウグスト・ディール)は、失意の日々を送っていたが、やがて激しい復讐心を抱き始め、ナチスの残党を殺害しているユダヤ旅団に加わる ところが、マックスは「目には目を、600万人には…

  • 1324. ナミビアの砂漠

    引用元:amazon.co.jp 映画「敵」で怪しげな学生役を演じた河合優実の主演作 脱毛サロンで働いている21歳のカナ(河合優実) 仕事もアルバイト感覚で、将来的なキャリアプランも無く、唯々暇つぶしの様な感覚で日々を過ごしている ホンダ(寛一郎)という恋人はいるけれど、好きというよりも惰性で同棲を続けている 社会人のホンダは生真面目で、だらしのないカナを経済的にも精神的にもサポートしてくれるけれど、カナはクリエイター志望のハヤシ(金子大地)に惹かれ、ホンダと暮らしていた家を黙って出てしまい、ハヤシの部屋に転がり込む デカダンな雰囲気は嫌いではないけれど、カナの情緒不安定なところを描くシーンの…

  • 1323. わたしは最悪。

    引用元:natalie.mu 幼い頃から優秀だったユリア(レナーテ・レインスヴェ)は、医学の道を目指すものの、実験に参加した時に「自分に向いているのは物理的なことではなく精神的なもの」と感じ、軌道修正する ところがその途中で写真に傾倒し、カメラマンを志すのかと思えば、小説家を目指してみたり、なかなか方向性が定まらない 恋人・アクセル(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)は、30歳になったユリやより10歳以上オトナということもあって、グラフィックノベル作家としてのキャリアを築いている そんな彼が、そろそろ家庭を持ちたがっていることを知っているユリアだったが、自身のキャリアに満足していないタイミング…

  • 1322. ANORA アノーラ

    ショーン・ベイカー監督の前作「レッド・ロケット」が大好きで、2023年のベストムービーに選んだ、、、つもりだったけれど、確認すると、惜しくも選外で「特別賞」に選んでいた 2023年ベストムービー 本作も、その「レッド・ロケット」同様にセックス・ワーカーを描いていると、またアカデミー作品賞他、(監督、主演女優、脚本、編集)5部門を受賞と知り、混乱してしまった 前々作の「フロリダ・プロジェクト」と同じように、絶賛する人もそこそこ居るけれど大衆向けとは言えない雰囲気が気に入っていたのに、アカデミー賞なんか獲ってしまうしまうと、(R18+指定ではあるけれど)果たして観客の期待に応えられるのだろうかと不…

  • 1321. サル

    引用元:yahoo.co.jp 自主製作映画を作っている監督の卵、福家(水橋研二)は、資金調達に行き詰ったこともあり、製作スタッフのメンバー4人に声を掛けて、新薬投与実験のバイトに参加する 高額なバイト代に加えて、「ここでの経験も何かのネタになれば」と、ハンディカメラを携えた福家たちは、アルツハイマー型認知症薬の安全性を確認する為という簡単な説明を受けてから、5泊6日の入院生活をスタートさせる 最初は、映画や音楽の話で盛り上がったり、酒や煙草をこっそり楽しんだりする余裕も見せていたが、投薬が進むウチに何かがおかしいと気づき始める 大森南朋や、水川あさみ、古館寛治など、豪華なキャストに対して、ほ…

  • 1320. ミッション

    引用元:amazon.co.jp 「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を観て、久しぶりにもう一度観てみたいと思い鑑賞 前回は、学生の頃に「デ・ニーロ主演の大作」という感覚で観たせいか、内容を忘れてしまったとかではなく、そもそも(18世紀の植民地下での布教と、政治との軋轢などについて)理解できていなかった 1740年代の(現在で言う)パラグアイ付近 パラナ川上流域は、ジャングルと険しい地形、そして先住民であるグアラニー族の抵抗もあって、スペインの統治も実際には不完全なものだった そんな中、宣教師としてこの地に送り込まれたガブリエル(ジェレミー・アイアンズ)も、先人同様の危険な目に遭いながらも、楽器…

  • 1319. ミドリムシの夢

    引用元:yahoo.co.jp タイトルにあるミドリムシとは「駐車監視員」のこと 蛍光色のベストを着ていることから、そして違反者からの恨み節的な思いも込もった呼び名なのだろう 駐車違反の取り締まりは警察官だけでなく、2006年からは警察から委託された民間業者から派遣される駐車監視員によっても行われるようになっている 駐車監視員になるには、資格者講習を受講して修了考査と認定考査に合格する必要がある ネットで検索すると平均的な年収も書かれているけれど、「(この仕事を)ホントに好きな人でなければ割に合わないなあ」というのが率直な印象 都内で駐車監視員をしているマコト(富士たくや)とシゲ(ほりかわひろ…

  • 1318. コンテイジョン

    引用元:amazon.co.jp 2011年の感染症によるパニックを描いたアメリカ映画 ベスは香港から帰宅する途中、かつての恋人に会うためにシカゴに寄る ミネアポリスに住むベスは、香港から帰国して二日後に突然痙攣を起こして失神する 夫のミッチ(マット・デイモン)が慌てて病院に連れて行くもベスは原因もわからないまま死んでしまう 傷心のまま自宅に戻ると、継子のクラークも同じように死んでいた 国土安全保障省では、この原因不明の病気はサンクスギビング休暇を狙った生物兵器によるテロの可能性があるという またベスはシカゴに帰る前、かつての恋人に会うためにシカゴに立ち寄っていたことがわかる そしてウィルスは…

  • 1317. 鉄道運転士の花束

    引用元:yahoo.co.jp ブラック・ジョークと聞くと、2015年のシャルリー・エブド襲撃事件の原因となった風刺画を思い出す いくら言論の自由や正当性を主張しても、どう受け取るかは相手次第 国や宗教や立場が変われば、何が面白いのか、或いは何で笑うのか、ということも異なると、思い知らされた 鉄道運転士として60歳まで現役を続けてきたイリヤ(ラザル・リストフスキー)は、これまでに28人の命を奪ってきた それは彼の業務上の過失によるものではなく、踏切でエンストした車だったり、泥酔して線路に寝ていたり、、 とはいえ、これまでずっと夜も満足に眠れない日々を過ごしてきたイリヤは、28人の命日には必ず花…

  • 1316. キンキーブーツ

    引用元:amazon.co.jp 2005年のイギリス・アメリカ映画 2013年にはミュージカル化もされ、日本でも2016年、2019年、2022年に公演が行われている 100年以上の歴史を持つ靴メーカー、WJブルックス ロンドンから車で北へ2時間の距離にあるノーザンプトンは「靴の聖地」と呼ばれ、ブルックス社の他にも、John LobbやTrickers、そしてEdward Greenなど上質なメンズ・レザー・シューズのメーカーが存在する 経営難に陥ったブルックス社が、キンキー(風変わり)な靴を製造することで立ち直ったという実話に基づいたストーリー チャーリー(ジョエル・エドガートン)は老舗の…

  • 1315. 暗くなるまで待って

    引用元:amazon.co.jp 1967年のアメリカ映画 原題は「WAIT UNTIL DARK」 直訳といえば直訳だし魅力的な邦題ではあるけれど、ストーリーの内容からすると違和感はある 半世紀以上も親しまれてきた邦題に、今さら何か言えるわけでもないけれど、多くの日本人はもっとロマンティックな作品を想像したのではないだろうか モントリオール発、ニューヨーク行きのエア・カナダ ひとりの女性が、人形の中にヘロインを詰め込み密輸する JFK空港に到着したところで、同じ便に搭乗していたカメラマンのサム(エルフレム・ジンバリスト・ジュニア)は、見知らぬこの女性から人形を預かる サムは不審に思いながらも…

  • 1314. その夜の侍

    引用元:eiga.com 2012年の作品 5年前に妻を事故で亡くした中村(堺雅人)は、経営している小さな鉄工所は何とか続けているものの、狭い自宅のテーブルには妻の遺灰があり、プリンと煙草を欠かさないという、ほぼ破綻した生活 事故の直前に中村に残した妻の「プリンばっかり食べちゃダメ」という留守電メッセージを繰り返し再生する毎日を送っている 心配した義理の兄が薦めてくれるお見合いも、すっぽかしたり、取り乱したりと、依然立ち直れずにいる その事故とは、軽トラックによる轢き逃げで、運転していた木島(山田孝之)は刑期を終えて出所していた そんな木島の元には、復習するまであと〇日、と書かれた無記名の手紙…

  • 1313. ワイルド・アット・ハート

    引用元:amazon.co.jp 1990年のアメリカ映画 先日、78歳で亡くなってしまったデヴィッド・リンチ 彼の監督作品は「ブルーベルベット」、「マルホランド・ドライブ」、「エレファント・マン」、「ロスト・ハイウェイ」そして「ストレイト・ストーリー」等を観ているくらいだから、気に入ってはいるのだけれど、正直苦手なところもある そうしたクセの強さが、彼のスタイルであり味でもある(結果として何作も観ているから、本当に苦手なのか自分でもよくわからない)けれど、本作はその苦手なところをたっぷり含んだ作品 テキサス州の片田舎で定職にも就かずフラフラしているセイラー(ニコラス・ケイジ)は、恋人のルーラ…

  • 1312. ロック・ザ・カスバ

    引用元:filmarks.com 2015年のアメリカ映画 タイトルはクラッシュの同名タイトルの曲から 本作はアフガニスタンが舞台 カスバはあくまで 「クラッシュのロック・ザ・カスバの精神で行こう!」 というところからのネーミング 音楽マネージャーのリッチー(ビル・マーレイ)は、かつては大物アーティストを育て上げたと吹聴しデビューを目指す歌手から金を騙し取るような落ちぶれた毎日を過ごしていた そんなリッチーにもライブハウスに来ていた関係者から米軍慰問コンサートのオファーが舞い込む 普段の収入とは比較にならないギャラの提示に、リッチーは唯一のお抱えシンガーのロニー(ズーイー・デシャネル)が嫌がる…

  • 1311. 名もなき者

    1961年2月、故郷のミネソタからアコースティックギターを抱えてニューヨークに出てきた、デビュー前のボブ・ディラン 本作は、そこから彼がフォークの新星として脚光を浴びながらスターダムにのし上がる過程、そして「若者の代弁者」として、望んでもいない期待を押し付けられ、1965年のニューポート・フォークフェスティバルで、その圧力で抗う様子までを映画化したもの 60年以上現役で影響力を維持しているディランの長いキャリアの中でも、特別に重要で濃い最初の5年 コロナ過で撮影予定が延び延びにある間、ずっと歌とギターの練習に励んだというティモシー・シャラメが、若き日のディランを熱演 練習の甲斐あって、初めてス…

  • 1310. 百万円と苦虫女

    引用元:hulu.jp 100万円という金額について個人的に思うことは、 「どうにもピンと来ない金額」ということ 買い物する金額にしては高過ぎるし、家や車を買うには足りない ちなみに、宝くじが100万円当たったら何に使いますか?という保険会社のアンケートでは、 1. 貯蓄 2. 旅行 3. 投資 この3つで過半数(しかも1位の貯蓄が1/4以上)を占めるという結果に 旅行に100万円も使うの? と聞きたくなるけれど、貯蓄や投資に回したくなるくらい微妙な大金、ということなのだろう 短大を卒業して就職浪人中の鈴子(蒼井優)は、実家に住みながらカフェでアルバイトをしている 親には毎月2万円納めてはいた…

  • 1309. シリアナ

    引用元:amazon.co.jp 原題も「SYRIANA」 イランとイラクとシリア、という三つの国がひとつになった場合の想定国家の名前 CIAの諜報部員として、特に中東で過酷な任務を歴任してきたロバート・ベアの著書「CIAは何をしていた?」をもとに、アメリカと中東の産油国の複雑な関係、駆け引きを描いた作品 アラブ某国の王子・ナシール(アレクサンダー・シディング)は、アメリカに依存し過ぎた現状を打破すべく、天然ガスの採掘権をアメリカの大手企業から、中国企業に移すことを計画していた スイスで活動している、エネルギー業界のアナリスト・ウッドマン(マット・デイモン)は、王子の相談役となり、アメリカと対…

  • 1308. 苦役列車

    引用元:amazon.co.jp 原作は2010年下半期に芥川賞に輝いた西村賢太の同名小説 監督は「マイ・バック・ページ」、「オーバー・フェンス」の山下敦弘 時代は1986年 地元九州から上京して専門学校に通い始めた日下部(高良健吾)は、手早く生活費を稼ぐため、日雇いの肉体労働を始める その初日、現場に向かうすし詰めのバスの中で、同世代らしき青年を見つけ声を掛けたのが、貫多(森山未來)だった 同じ学年と知り、すぐに仲良くなる二人 しかし人並みに恵まれた環境で育った日下部に対して、貫多は小5の時に、父親が性犯罪で逮捕され一家離散、中学を卒業してからは家を離れ、安アパートを転々(家賃滞納で強制退去…

  • 1307. ホペイロの憂鬱

    引用元:cinefil.tokyo サッカーが好きで、時々Jリーグの試合を観に行く といっても、(観に行くのは)毎シーズン3-4試合くらいで、他の試合は配信で楽しんでいる スタジアムに行くと、ホームの試合は必ず来ているような熱心なファンも居れば、ゴール裏に陣取っている熱心なサポーターも 中にはアウェイの試合まで応援する人たちも居るけれど、そういう人たちを見ると「いったい仕事とか家の用事はどうしているんだろう?」と純粋な疑問が浮かぶ いづれにしても、かなりの時間と労力とお金を費やしているし、家族の冷たい視線もあるだろうし、チームの調子が悪い時も(というかそういう時こそ)応援するという、趣味のレベ…

  • 1306. 香港、華麗なるオフィス・ライフ

    引用元:yahoo.co.jp 中国語のミュージカルを観たかったというワケではないけれど、「過ぎゆく時の中で」などの名作を残したジョニー・トー監督、チョウ・ユンファ、そしてシルヴィア・チャンの黄金トリオ復活ということで鑑賞 舞台となるのは、上場を目前に控えた香港のとある企業の、高層ビルにある近代的なオフィス 新入社員として入社することになったリー・シアンは、朝オフィスに辿り着くまでのエレベーター待ちの長さに驚いていた そんな中、ひとりの若い女性だけは警備員に導かれ、皆とは別のエレベーターにひとりで乗り込むのを見て、自分もついて行こうとする (もちろん)警備員に止められ、VIP専用のエレベーター…

  • 1305. ローライフ

    引用元:yahoo.co.jp タランティーノが絶賛した、ライアン・プロウズ監督による長編デビュー作(脚本は映画学校の同期生5人で書き上げたという) 絶賛にも頷けるほどに、タランティーノ作品からの影響が随所に見られる(先日鑑賞した「おんどりの鳴く前に」よりも直接的な影響) メキシコ国境に近いカリフォルニアの街で、「ローライフ」を送っている人たち 中心人物となるのは、タコス店のオーナーであり、この街で犯罪の斡旋をしているテディ(マーク・バーハム) そのテディから仕事を請け負っているのは 1) プロレスラーの父に憧れながらも、自身は小柄で弱々しく、名前とマスクだけを受け継いだモンストロ(リカルド・…

  • 1304. みんな元気

    引用元:amazon.co.jp サム・ロックウェルとケイト・ベッキンセイルが共演した2009年のアメリカ映画 「東京物語」を下敷きにしたジュゼッペ・トルナトーレ監督の「みんな元気」(1990年)のハリウッド・リメイク 時と場所(国)が変われば、小津安二郎の世界がこういうストーリーになるんだ と素直に感心してしまった(トルナトーレ監督作を鑑賞した時にはまだ小津作品を知らず、そして東京物語のオマージュだったことも知らなかった) 四人の子供を持つフランク(ロバート・デ・ニーロ) 子どもたちはオーケストラの指揮者、ダンサー、広告会社のエグゼクティブ、そして画家として成功し、デンバー、ラスベガス、シカ…

  • 1303. 野良犬

    引用元:amazon.co.jp 黒澤明監督初の犯罪サスペンス映画 というのに惹かれて鑑賞 刑事の村上(三船敏郎)は、射撃訓練から帰る途中のバスの中で、拳銃を掏られてしまう 犯人に逃げられ、しかも7発も装填していたとあって、激しく落ち込む村上だったが、署内のスリ係に相談して過去の記録を調べ、お銀というスリ師(岸輝子)を問い詰める お銀はシラを切るも、最後には「闇市でピストル屋は袖を引いている」というヒントを与える 早速、闇市を歩き回って、闇取引の現場を突き止めた村上だったが、ここでもまた売人の男に辿り着く前にその女を捕まえてしまい、肝心の男には逃げられてしまう そんな中、淀橋(新宿駅西口の一帯…

  • 1302. 永遠に僕のもの

    引用元:amazon.co.jp 2018年のアルゼンチン・スペイン映画 原題は「El Angel」 連続殺人犯による実際の事件をベースにした作品 時は1971年 ブエノスアイレスに住む17歳の青年カルリートス(ロレンソ・フェロ)は、まるで呼吸をするように自然に泥棒をしていた ひとりで豪邸に忍び込んでは、金目の物を盗み、家族や友人に配っていた 薄々、悪いことをしていると気づいている両親から注意されるも、カルリートスにはまったく心を入れ替えるつもりなどは無く、また盗みを繰り返していく そんなある日、学校でラモンという名の青年(チノ・ダリン)に惹かれるものを感じたカルリートスは、わざと彼につっかか…

  • 1301. セプテンバー5

    1972年のミュンヘンオリンピック 大会11日目となる9月5日の未明 パレスチナ武装組織「黒い九月」が、選手村に侵入し、イスラエル選手団を人質に立てこもる事件が発生する 選手村から数百メートルの距離にある中継施設から、連日競技の様子を伝えていたクルーは、突如として世界中が注目するテロ事件の状況を伝えることになる 現地のテレビ局の中で、唯一生中継をしていた彼らは、 「この放送を人質の家族に見せられるのか」 「放送を見ているかもしれないテロリストたちに、警察の動きを見せてしまうのでは」 「もしも凄惨な場面を世界中に放送してしまったら」 という、今までに経験したことのない重要な問題を突き付けられる中…

  • 1300. ラースと、その彼女

    引用元:amazon.co.jp 2007年のアメリカ映画 これまで何度も ↑ のポスターや、オススメ映画として挙げられているのを目にしてきたけれど、「何となく気持ち悪そうで(失礼)」敬遠してきた作品 しかも、ライアン・ゴズリングは「ハーフネルソン」や「ドライヴ」、「ブルー・バレンタイン」他も観て、よく知っている俳優なのに、↑ の男性が彼だとは気づいていなかった(そのくらい直視していなかった) そしてエミリー・モーティマーも出演している この二人は、頭の中で不思議と、同じ「面倒臭そうだけれど、嫌いではない」という括りに存在していて、それならば観ないワケにはいかない、と鑑賞 兄夫婦が暮らす家の、…

  • 1299. サイレン

    引用元:yahoo.co.jp 津川雅彦主演の、16分のショートムービー、というのに惹かれて鑑賞 彼が演じるのは、郊外の団地で一人暮らしをしている孤独な老人・豊重 その近くにアッバスという名のアラブ系の男性(ハミッド・メッハリ・シーラマード)が入居してくる 豊重にとっては、転居初日から物音の煩い「異国から来た男」が、迷惑であり脅威でしかない 理解できない言葉で電話したり、仲間を読んで騒いだり、ゴミを外に散らかしたり、、毎日コンビニ弁当だけを食べて部屋に籠っている豊重にとっては、大きなストレスだった そんなある日、団地中に大きなサイレンの音が響き渡る ショートムービーならではの「予想される結末、…

  • 1298. ゾッキ

    引用元:zokki.jp 竹中直人、山田孝之、斎藤工が共同監督 と知り、「きっと映画愛に溢れた作品だろうな」と鑑賞 「音楽」の原作にもなった漫画家・大橋裕之の初期短編集を実写映画化したもの ママチャリに寝袋を積んで旅に出た藤村(松田龍平)は、隣町の漁港で、昔一人旅をしたという年配の漁師(國村隼)に呼び止められ、ごちそうになる 立ち寄ったコンビニでカップラーメンとビールを買い、店を出る時に、女性用のパンティを買おうとしている高校生の牧田(森優作)を見かける その牧田は、教師から校舎の窓ガラスを割ったという疑いを、変り者の伴と一緒にかけられ、それを機に友だちとなる 伴は「お前の姉ちゃん可愛いらしい…

  • 1297. 日日是好日

    引用元:amazon.co.jp 2018年9月に亡くなった樹木希林は、晩年数多くの作品に出演していた(2015年以降に公開された作品に限っても10以上ある) 当時は「えらく精力的だな」と何となく思っていたけれど、亡くなった後でも、こうして少しづつ楽しめるのは本当に幸せなことだと感じる 本作は2018年10月に公開された作品 大学生の典子(黒木華)は、二十歳の時に茶道を始める 従姉の美智子(多部未華子)が家に来て、家族で寛いでいた時に母親から突然勧められ、先に反応した美智子にも促される格好で 昔から美智子は決断が早く、いつも自分より前を歩いているように感じていた典子は、「自分は頑固で、努力家で…

  • 1296. 再会の街で

    引用元:amazon.co.jp 2007年のアメリカ映画 原題は「Reign Over Me」(私を支配しているもの) この邦題も難しいところだけれど、もう少しチャレンジしてほしかった 重苦しい内容だとわかっていながらも、観終わって感じた充実感からすると何とも無難な邦題に感じてしまう 歯科医のアラン(ドン・チードル)は、マンハッタンに開業し同僚たちを良い条件で雇いながら、プライベートでも妻子に恵まれ、不自由ない暮らしをしていた ある日タクシーに乗っていると、学生時代のルームメイトのチャーリー(アダム・サンドラー)を見かける アランは声を掛けるも、ヘッドフォンをしていたチャーリーには気づかれず…

  • 1295. ラストエンペラー

    引用元:twellv.co.jp これまでにテレビで2回、配信で1回観た作品 数年経つと再び観たくなるのは、本作の主人公溥儀(ふぎ)ほど「時代に翻弄された」人物もいない、と思わせる運命性とそのスケール感、そして演じているジョン・ローンの優しいのか冷酷なのかわかりかねる表情など、理由を挙げればキリが無い 清という、1616年から約300年間、中国本土とモンゴル高原を支配してきた王朝の最後の皇帝、愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)の生涯を、ベルナルド・ベルトルッチ監督が描いた大作 溥儀の自伝「わが半生」を原作として、ベルトリッチ自身が脚本も担当している 1908年、第11第皇帝・光緒帝の崩御に伴…

  • 1294. 帰郷

    引用元:amazon.co.jp 衛生管理士として東京の精肉工場で働く晴男(西島秀俊)は、母親(吉行和子)の結婚式の為に帰省をする 再婚相手は母より少しだけ年下で、同級生のナオミ(相築あきこ)の父親で、お互い早くに相手を亡くしていたから、喜ばしい話ではあったものの、初耳の晴男にとっては不思議な感覚ではあった 式の前夜、先輩が営んでいる居酒屋でナオミと飲んでいると、かつての恋人・深雪(片岡礼子)が店に入って来る 半年前に離婚して子連れで戻っていたという彼女は、晴男にとって「二度と会えないと思っていたひと」だった 店を閉めてから先輩とナオミと三人で飲み直すところだったが、晴男はそれを断り、パートの…

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