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2022/01/23

  • 916. ろくでなし

    引用元:amazon.co.jp 1960年の作品 大学四年生の秋山(川津祐介)は秋山物産の社長の息子 父親の放任主義もあって放蕩息子としての怠惰な生活を満喫しながら、残り少ない学生生活に焦りも感じていた いつもつるんでいる同級生の北島(津川雅彦)、森下(山下洵一郎)、藤枝(林洋介)は、そんな秋山の恵まれた環境に皮肉を言いながらもその恩恵にあずかりながら無為な日々を過ごしていた ある日、秋山の父親の会社の秘書郁子(高千穂ひづる)が会社の現金を持って銀行に行くところを車で待ち伏せ、強引に車に乗せ金を奪う ところが北島は「そんな芝居もつまらない」とばかりに郁子に金を返すよう仲間に命令する そして冷…

  • 915. イヌとイタリア人、お断り!

    引用元:myfrenchfilmfestival 再びフレンチフィルムフェスティバルより 20世紀初頭のイタリア北部の町、ウゲッテーラ 住民全員がウゲット姓という、山の斜面にある小さな町は、平らな土地が少ないせいで、農作物の収穫も少なく、隣国のフランスで生活を立て直したいと願う家庭も多い ウゲット一家も例にもれず、フランスに移住し、タイトルにもある様な仕打ちを受けながらも、逞しく生きて行く その中で、フランスという国や、住民への感謝も芽生えてきた頃、ファシズムの台頭により、雲行きが怪しくなっていく フランスではなく、アメリカに渡る家族を描いたシーンもあるが、それはまさに「ワンス・アポン・ア・タ…

  • 914. 私、オルガ・ヘプナロヴァー

    引用元:amazon.co.jp 1973年に実際にプラハで起こった、トラックを暴走させ8人が死亡した事件を描いた作品 劇場で観ようと思いながら、どうしてもスケジュールが合わなかった 銀行員の父親と歯科医の母親との間に生まれたオルガ・ヘプナロヴァー(ミハリナ・オルシャンスカ) 経済的には不自由なく育てられるも、父親からの暴力、母親からの厳しい(過ぎる)躾によって、13歳のある日、大量の精神安定剤を服用し自殺未遂を起こしてしまう それから両親の意志によって精神病院に送られ、そこで壮絶な虐めにあう そうした中で、同性愛に目覚め、また運転手などの仕事で生計を立てるようになり、オルガなりの幸せを掴みつ…

  • 913. セールスマン

    引用元:realsound.jp 2016年のイラン・フランス合作 教師として働くエマッド(シャハブ・ホセイニ)は、妻のラナ(タフネ・アリドゥスティ)と一緒に劇団に所属している 今は「セールスマンの死」という舞台の初日も迫り、稽古に明け暮れていた そんな忙しいところに、住んでいるアパートに重大な欠陥が見つかり、急いで住む場所を探す羽目になる 幸い劇団の仲間が新しいマンションを紹介してくれ、早速引っ越しをすることに 以前の住人の荷物が一部残っているのを廊下に運び出し、自分たちの荷物を運び込み、新しい生活をスタートさせようとしていた矢先、初日の公演が無事に終わった夜、新居にひとりでいたラナが何者か…

  • 912. 離愁

    引用元:amazon.co.jp 1973年のフランス・イタリア合作 第二次大戦中のフランス ジュリアン(ジャン=ルイ・トランティニャン)いよいよドイツ軍が国内に攻めて来るというニュースを聞き、身重の妻と幼い娘を連れて国外に脱出すべく駅に向かう ところが駅には既に多くの人が詰めかけていて、妻と娘は何とか一等車をあてがわれたものの、ジュリアンは最後尾の貨車に押し込まれることに 何の仕切りもないスペースに、人と荷物だけが所狭しと詰め込まれた状態に、最初は苛立ちから喧嘩や口論する者も やがて同じ苦境を乗り越えなければならない同士という連帯からか、途中から一緒に歌ったり、トランプに興じたりする中、ジュ…

  • 911. ダム・マネー ウォール街を狙え!

    時代遅れで倒産間近と噂されていた、ゲームソフト販売会社「ゲームストップ社」 この会社を愛する、マサチューセッツに住む「ちょっと変わった」会社員キース(ポール・ダノ)は、全財産である5万ドルを注ぎ込み、動画配信の中で如何にこの会社が過小評価されているかを訴える すると、キースの奇抜な格好(妙なネコTシャツ)が目を引いたこともあって、多くの個人投資家が賛同し、数日後に株価は急騰する 同社株を「空売り*」することで儲けを狙っていた金持ちたちが大きな損害を被り、メディアも大騒ぎする社会的な問題にまで発展、キースは一躍有名人になってしまう *空売り : 保有していない株式を売却した後に(通常は下落した株…

  • 910. ナポリの隣人

    引用元:amazon.co.jp ナポリに住む老人ロレンツォ(レナート・カルペンティエリ) かつては腕利きの弁護士ながら、正義感溢れる働きは(弁護士としては)周囲に敵を作ることも多く、今でも関係者の周りでは有名人だった 昔は家族で暮らしていた広いアパートに今は一人暮らし シングルマザーの娘エレナ(ジョバンナ・メッソジョルノ)とも、クラブで働いている息子のサヴェリオ(アルトゥーロ・ムセッリ)とも不仲で、妻は数年前に亡くなっている 父に対し、息子はずっと「愛されなかった」と信じ、娘は今でも「許せない」と思いながらも嫌いきれない複雑な想いを抱えている ある日、ロレンツォは向かいの部屋のドアの前に座り…

  • 909. 仕立て屋の恋

    引用元:filmarks.com 1989年のフランス映画 仕立て屋の男、イール(ミシェル・ブラン)は少し偏屈で他人とのかかわりを嫌っている 周囲は彼以上に嫌っているせいでいつもひとり、仕立て屋の仕事に専念している そんな彼の楽しみはボーリングと向かいの部屋に住んでいる女性アリス(サンドリーヌ・ボネール)を覗き見ること 毎晩アリスを覗いていたイールは、アリスに恋人が存在することも知っていたけれど、それでも彼女に恋していた ある夜、そんなイールの知られてはならない行動がアリスに見つかってしまう 最初は気味悪がるアリスだったが、ある思惑から彼女はイールに近づいていく 孤独な中年男性が主役のほのぼの…

  • 908. 夏休み

    引用元:frenchfilmfestival 今年も大いに楽しんでいるフレンチフィルムフェスティバルより 集団行動が苦手なヴァランディーヌ(ヴァランディーヌ・キャディック)は、夏季休暇を利用して、ブルゴーニュの自宅から山麓にあるキャンプ場にやって来る 喧騒を離れようとして来たのに、家族連れやそれ以上の団体で賑わうキャンプ場は、思の他騒がしく、早々に後悔をする 大雨に降られらり、バックパックのせいで背中を痛めたり、リラックスするには程遠い状況で、ひとり湖畔で佇んでいると、キャンプ場に来た人たちにインタビューを試みている新米ジャーナリストのエリオに話しかけられる 嘘のつけないブランディーヌは、「こ…

  • 907. のら犬

    引用元:U-NEXT 南フランスの田舎町に暮らしているドッグとミラレス 内向的なドッグは、弁が立ち要領の良くそしていつも攻撃的な友人のミラレスに言われっ放し ドッグも決して良い気はしていないけれど、ミラレスが優しいこともわかっているドッグはいつも彼の傍で過ごしていた そんなある日、ドッグがひとりで車を運転している時に、ヒッチハイクをしていたエルザという女性を乗せる そのことを聞きつけたミラレスは、早速ドッグを使って彼女を飲みに誘うも、やがてエルザはドッグの方に好意を寄せ始め、ふたりのバランスが崩れてしまう 観ている間ずっと、ドッグを罵倒するミラレスに内在している劣等感が疼くような感覚を引きずっ…

  • 906. インビクタス / 負けざる者たち

    引用元:amazon.co.jp 2009年のアメリカ映画 モーガン・フリーマン、マット・デイモン主演で、クリント・イーストウッドが監督した評判の良い作品ながら、10年以上も観なかった理由は 「ラグビーのシーンがショボかったら嫌だな」という単純な懸念 実際には心配したほど競技シーンも多くはなく、またそのレベルも高くて杞憂に終わった 南アフリカについて初めて意識したのは1985年 ロック・ジャズ・ラップ・アフリカ音楽などのミュージシャンが集結して録音、リリースした「サン・シティ」という曲を聴いて、初めて授業で習ったアパルトヘイトと実際の問題意識が繋がった サン・シティというのは南アの白人専用リゾ…

  • 905. 自分の事ばかりで情けなくなるよ

    印象的amazon.co.jp 2013年の松居大悟監督作品 2022年公開の「ちょっと思い出しただけ」と同じくクリープハイプの楽曲を使った作品 本作では彼らの楽曲を元に松井監督が書いた4つの短編をまとめた映画ということで、バンドのヴォーカルとギターそしてほぼすべての楽曲の作詞作曲を手掛けている尾崎世界観が原案としてクレジットされている クリープハイプの曲を知らなくても楽しめる「ちょっと - 」とは違って、本作はクリープハイプの世界が好きな人向けの映画 個人的にはそれほど詳しくはないけれど、サウンドのセンスの良さと、スパルタローカルズの安部コウセイを思わせるヴォーカルが気に入っている(多くのの…

  • 904. 女と犬

    引用元:MyFrenchFilmFestival いよいよ今年も My French Film Festival が始まった 2月19日まで、出来る限り他の映画は後回しにして、たっぷり楽しみたい まずは短編から、ということで「女と犬」(↓ は予告映像ではなくフル) 仲の良い女子学生二人組が、街を歩きながら問答を繰り返すだけの作品 いわゆる「究極の質問」ながら、そこにフランスらしい黒さが溢れている 「選んで 物乞いをするか、彼氏と別れるか」 「選んで 事故で顔に怪我するか、両親が離婚するか」 その黒さに若干呆れながらも、真理が垣間見えるような気もしたり、、、悪趣味なだけでもないな、と思わせる 最…

  • 903. 瞳をとじて

    外苑前にあるGAGA東京本社試写室での独占最速試写会にて鑑賞 映画監督のミゲル(マノロ・ソロ)は、海沿いの田舎町で愛犬とキャンピングカー生活 マドリッドを離れ、妻とも別れ、映画を撮ることもなく、自身の為に時々短編小説を書く以外は、釣りをしたり、野菜を育てたり 半ば隠遁ともいえる暮らしをするきっかけになったのは、自身が監督を務める作品の撮影中に、親友であり主演俳優だったフリオ(ホセ・コロナド)による突然の失踪 あれから22年が経過し、失踪事件の謎に迫るテレビ番組から出演依頼を受けるミゲル 迷った末に出演を決めたミゲルは、インタビューに応え、フリオの出演している映像まで番組に提供する その番組の放…

  • 902. ビヨンド・ユートピア 脱北

    実際に脱北を目指して国境を超えるシーンを収めた(再現映像ナシの)ドキュメンタリー映画 ということで、是非劇場で観ようとシネ・リーブル池袋まで遠征 韓国ソウルに住むソンウン牧師 北朝鮮で知り合った(後の)妻を無事に脱北させた経験から、これまで多くの脱北者を支援してきた 脱北者はもちろんのこと、支援行為を続けるソンウン牧師も、複数の国の当局から目を付けられている 活動をサポートしていた実の息子が命を失うという悲しい出来事がありながらも、以降の10年でも1,000人以上の脱北に手を貸してきた そんな彼の元に、幼児2人と老婆を含む5人家族の脱北を助けて欲しいという電話が入る 脱北と言っても、38度線を…

  • 901. 燃えよドラゴン

    引用元:amazon.co.jp 「ドラゴン危機一髪」(1971年)、「ドラゴン怒りの鉄拳」(1972年)、「ドラゴンへの道」(1972年)の三作はいづれも製作国はイギリス領香港 これら三作の香港でもヒットを受けて、香港のプロダクション会社と米国ワーナーブラザーズの合作で世界に向けて作られた作品 ベトナム戦争の行き詰まりを打開すべく、ニクソン大統領が1972年に訪中し毛沢東と会談、後(1979年)に鄧小平とカーターの間で米中国交正常化が成されることになる追い風もあったのだろうか 1973年、香港では7月26日、アメリカでは8月、そして日本では12月に公開されている そしてブルース・リーは香港で…

  • 900. 誰かがあなたを愛してる

    引用元:amazon.co.jp ブルックリン・ブリッジが好きだ バランスの良いフォルム、ゴシック調のデザイン、歴史を感じさせる風格(1883年に完成) 富士山の様な美しさを持つ橋 もちろん数多くの映画の中にも登場する 「サタデー・ナイト・フィーバー」や「ソフィーの選択」そして「ナイト・オン・ザ・プラネット」等々 1987年の香港映画 25歳になるジェニファー(チェリー・チェン)は、香港からニューヨークにやって来る 演劇の勉強をするという目的の他に、先にニューヨークに来て生活しているビンセント(ダニー・チャン)に会うために ところが、彼には新しい彼女がいて、冷たい態度をとられてしまう いきなり…

  • 899. ショーイング・アップ

    年末に武蔵野館で「ファースト・カウ」を観たばかりなのに、同じくケリー・ライカート監督による本作が年明けに劇場で観られるなんて、、 とウキウキしながらヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞 本作も同じくオレゴン州が舞台ではあるけれど、時代は原題で、舞台は美術学校 リジー(ミシェル・ウィリアムズ)は、美術学校で教鞭をとりながら、近く開催予定の個展に向けて、彫刻作品を仕上げる忙しい日々を送っていた 現代アートで注目され始めているジョー(ホン・チャウ)が買った、大きな一軒家の離れに、リッキーという名前の猫と住んでいるリジーだったが、最近はお湯が出ないことにストレスを溜めていた (同僚とはいえ、家賃を受け…

  • 898. 友だちのうちはどこ?

    引用元:amazon.co.jp 1. 何度も同じ話をする 2. 横暴な態度をとる 3. 絶対に間違いを認めない 4. 意見を押し付けてくる 5. 人を見下す 6. 思い通りになると勘違いしている 7. 妻に罵声を浴びせる 8. 老人への気遣いが足りないと思っている 9. 老人扱いされることを嫌う 10. 都合が悪くなると弱々しくなる 以上は、「老害」の10の特徴 ちなみにその対処法としては、 1. 近寄らない 2. 必要以上の関係にならない 3. 毅然とした態度で接する 日本であれば有効なアドバイスに思えるけれど、こんな対処は通用しない国のお話 1987年のイラン映画 キアロスタミ監督作品 …

  • 897. ツレがうつになりまして。

    引用元:amazon.co.jp 2011年の作品 ずっと前から観ようとは思いながらも 「元気のある時に、、」 と言い訳(いつも元気なクセに)してきたけれど、やっと観ることができた PCのコールセンターで働く幹夫(堺雅人)は、仕事もソツなくこなし、朝は自分でお弁当を作る お弁当に入れるチーズの種類と、身に付けるネクタイは曜日ごとに決められている 妻の晴子(宮崎あおい)は漫画家ではあるけれど、唯一の連載も読者の反応は芳しくない ふたりはペットのイグアナ(名前はイグ)と一緒に仲良く暮らしていた ある日、いつもの様にお弁当を用意しながら「イグ、お前はいいなあ 食欲があって」 と幹夫が嘆く 最近は夕食…

  • 896. モネ・ゲーム

    引用元:amazon.co.jp 随分昔の話になるけれど、車でテキサス州を走っている時に偶然、牛の競売を見かけた 何も無い道を運転するのに飽きてしまい、気になる人だかりが出来ている建物に入って行くと、牛の競売をしているところだった 競馬場のパドックのように、牛が次から次へと登場し、それを見て男たちが指で値段を(まるで日本の魚市場のように)示している 彼らのいで立ちは、カウボーイ・ハットにウエスタン・ブーツ、それにウエスタン・ジャケットと呼ばれる袖にフリンジの付いた上着 全員がスタン・ハンセン(テキサス出身の元プロレスラー)に見えた 決してコスプレなどではなく、日常的にこうした服装をしていること…

  • 895. ポテチ

    引用元:Yahoo!映画 2012年の作品 原作者伊坂幸太郎の住む仙台が舞台 忠司(濱田岳)は、同棲している若葉(木村文乃)と一緒に、プロ野球の尾崎選手の自宅に空き巣に入る 真剣に金目のものを物色するでもなく、部屋にあった器具を使ってウェイトをしていた時、部屋の電話が鳴る 空き巣に入った部屋で電話が鳴ったのは、これで二度目だった 一度目は、一年ほど前に結婚詐欺師の部屋にいた時、騙された女が留守電に「自殺してやる」とメッセージを残したので、忠司が折り返し電話をかけて踏みとどまらせた その時の女が若葉だった 今回もまた女から助けを求めるようなメッセージが残され、忠司は放っておくことができず、助けに…

  • 894. 東京家族

    引用元:Yahoo!映画 2013年の山田洋次監督作品 子供たちはみな東京で独立、或いは嫁入りして、今では瀬戸内海に浮かぶ島にふたりで暮らしている老夫婦、周吉(橋爪功)ととみこ(吉行和子) ふたりは、その子供たちを頼って東京見物にやって来る 予定通りに品川駅に着いたふたりだったが、出迎えるハズの次男の昌次(妻夫木聡)は東京駅と勘違い 気の短い周吉は、とみことタクシーで東京郊外で開業医をしている幸一(西村雅彦)の家に向かう 昌次や、都内で美容院を経営している長女の滋子(中嶋朋子)らと一緒に久しぶりの一家団欒、元気な孫の顔も見られて、無事に上京一日目を終える 翌日は幸一がドライブに連れて行く予定だ…

  • 893. 鬼龍院花子の生涯

    引用元:toei-video.co.jp タイトルが有名なせいで「何となく知っている気になっていた」けれど、実際には何も知らなかったことがよくわかった 舞台は大正10年の高知県 「鬼政(おにまさ)」と呼ばれている地元の大親分、鬼龍院政五郎(仲代達矢)と、妻の歌(岩下志麻)の間には子供がおらず、日頃面倒を見てやっている子だくさんの白井家から、男の子を養子に迎える しかし白井家を訪れた鬼政は、男の子の隣に座っていた12歳になる姉の松恵(仙道敦子、成人後は夏目雅子)に目を留め、ふたり一緒に引き取ることにする ある日、鬼政は音、そして松恵を連れて闘犬場に出掛ける そこで横綱の闘犬が格下に敗れる波乱が起…

  • 892. かもめ食堂

    引用元:amazon.co.jp その昔、アメリカ(ニュージャージー州)で日本食レストランに行った時のこと メニューと店員を見て、すぐに「日本人が経営している店ではないな」と判ったけれど、かといって店を出るわけにもいかず、ざるそばを注文した すると「ホット or アイス?」 と尋ねられ、面食らってしまった それから20分くらいして出てきたものは、何ともおぞましい代物 ホットかアイスか?と聞かれた時点で、悪い予感どころではなく「悪い確信」 覚悟は出来てはいたけれど、それでも愕然としてしまうレベルだった それ以来、というわけでもないけれど、海外で日本食を食べることはまず無い(むしろ現地の食事を楽し…

  • 891. 二筋の川

    引用元:filmarks.com スペインのサン・フェルナンド アンダルシア州にある海沿いの小さな町で、かつては島だったことから「ラ・イスラ」と呼ばれている ↓ の地図にあるようにジブラルタルまで60-70kmという場所にある サン・フェルナンドにある海抜0メートルの小さな町 兄のチェイトは長い海軍の兵役から、そして弟のイスラは麻薬取引による3年間の服役から自由になり、ふたりは故郷であるこの町に戻って来る 家族との幸せな暮らしを再開するチェイトに対して、イスラは帰宅しようとするも妻に拒まれ行き先を失ってしまう 三人の娘と過ごすことも叶わず、仕事も見つからない 仕方なく貝拾いをするも大したお金に…

  • 890. 天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント

    引用元:amazon.co.jp ドイツ人の映画監督ハーマン・バスケが、世界中を駆け回って、107人に 「なぜあなたはクリエイティブなのですか?」 という質問をしたドキュメンタリー 実際には1000人以上にインタビューを行い、厳選した107人がコメントする映像をまとめたもの ヴィム・ヴェンダース、クエンティン・タランティーノ、デビット・リンチなどの監督や、ウィレム・デフォー、シャーロット・ランプリングなどの俳優陣など好きな映画関係者も多く、他にも美術、音楽、建築など様々な分野で活躍している何とも豪華なラインナップ クリエイティブという言葉から何(どういうもの、思考、行動)を思い浮かべるのかはバ…

  • 889. 静かなふたり

    引用元:mermaidfils.co.jp 2017年のフランス映画 パリに来たばかりのマヴィ(ロリータ・シャマー)は27歳 街にはどうにも馴染めず、自宅でもシェアハウスをしている女性がいつも男を連れ込んでは声を上げてセックスするせいで、どこにも居場所が無い毎日 カフェの店内に「従業員募集」の張り紙をしていた古書店を訪ね、店主のジョルジュ(ジャン・ソレル)に出会う 無愛想で偏屈なジョルジュではあったが、日を追うにつれてその人柄も信用できる素敵な男性だと思うようになる マヴィにとっては祖父にあたるような年齢だというのに 次第に互いの孤独を癒す存在になっていくも、ジョルジュには決して話さない秘密が…

  • 888. 按摩と女

    引用元:amazon.co.jp 1938年の清水宏監督作品 ふたりの按摩、徳市(徳大寺伸)と福市(日守新一) 盲人の彼らは、冬場は南方の宿で、そして夏場になるとこの山間にある温泉街にやって来ては、複数の宿の宿泊客からマッサージの注文に応えていた そんな徳市に、ひとりで宿泊している東京から来た女性客(高峰三枝子)から注文が入る 匂いや音、気配で状況を把握する徳市は、その客が(福市と歩いてこの温泉街に向かっている時に)自分たちを追い越していった女性だと気づく どことなく憂いのあるこの女性に徳市は惹かれるも、女はなかなか自身についての話はしてくれず 1938年ということもあって、盲人についての表現…

  • 887. ラッシュアワー2

    引用元:amazon.co.jp 2001年のアメリカ映画 割とハイペースで映画鑑賞していたせいで 「何にも考えない作品を観よう」と本作を選択 おそらく前作も観ていないけれど、何の問題もないだろうと ロサンゼルス市警の刑事、カーター(クリス・タッカー)は、休暇を利用して友人であり香港警察の捜査官であるリー(ジャッキー・チェン)の元を訪ねる はるばる香港まで来たのだから一緒に楽しもうと思っていたのに、リーは(カーターに黙って)次々と仕事を引き受けてしまい、お楽しみはずっとお預け状態に そしてカーターの我慢も限界にきた頃、アメリカ領事館で爆発事件が発生する 容疑者として浮かんだのは、リーの父親の死…

  • 886. テルマ&ルイーズ

    引用元:amazon.co.jp 1991年のアメリカ映画 この作品はずっと前に一度観ている 劇場ではなくテレビだったか、レンタルビデオだったか いづれにしてもあまり集中して観た記憶はなく、時期的にも、まだブラピのことも知らなかった頃 今回「復習」してみたところ、大好きなハーヴェイ・カイテルが出演しているのも見逃していた(というか、まだ彼のことも認識していなかったと思う) カフェでウエイトレスをしている独身のルイーズ(スーザン・サランドン)と、専業主婦で親友のテルマ(ジーナ・デイヴィス) アーカンソー州の田舎町に暮らすふたりは、サンダーバードのコンバーチブルに着替えや釣り道具を積み込んで、二日…

  • 885. 私は、モーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?

    2022年最後の映画鑑賞は、横浜シネマリンで観た「柳川」(全国公開の初日だった) 2023年も、都内での公開が既に終わり、関東エリアでの劇場鑑賞の機会が危うくなっていた本作を観に、駆け込むようにして横浜シネマリンに向かった 面白い偶然だな、とも思いつつも、この劇場が個性的な良作を(全国公開のタイミングに縛られずに)紹介してくれている証拠かもしれない ジャック&ベティと共に、いつまでも横浜で頑張って欲しい映画館 世界最大の原子力企業、アレバ社 その本社があるフランスで、民主労働組合代表を務めるモーリーン・カーニー(イザベル・ユペール) 彼女は、自社が中国と問題のある取引をしていることを知り、愛す…

  • 884. ファースト・カウ

    新宿武蔵野館にて鑑賞 館内には、特大ポスターと牛のディスプレイも登場! ケリー・ライカート監督作品は、「ナイト・スリーパーズ ダム破壊計画」、「オールド・ジョイ」、「ミークス・カットオフ」、「ウェンディ&ルーシー」、「リバー・オブ・グラス」(どれもまだレビュー出来ていない、、)を鑑賞して、どっぷり心酔中 その彼女の作品が日本で公開されるとあって、年の瀬も迫り慌ただしい中、まさに「万障お繰り合わせの上」、駆け付けた 笑 1820年代のオレゴン 料理に自信のあるフィゴウィッツ(ジョン・マガロ:愛称クッキー)は、毛皮で稼ぐ猟師のチームに入り、食事を提供する役目を担っていた しかし、食材の入手にも困る…

  • 883. TAR/ター

    引用元:eiga.com ベルリンフィルの首席指揮者に任命されたリディア・ター(ケイト・ブランシェット) 独自のカリスマ性と音楽的才能、そして彼女に憧れる数多くの奏者、指揮者、関係者を束ねる統率力を発揮する彼女は、レズビアンであることを公表していることもあって、一層の注目を集めていた 一方で、意に沿わない存在に対して容赦の無い側面もあり、練習中に意見の対立から生徒をやり込めたり、有望な女性指揮者と親密になり過ぎたかと思えば拒絶したり、ということも そんなある日、絶縁状態だった女性指揮者が自死したという知らせが入ると同時に、リディアの過去の行き過ぎた行動が次々と明るみに出てしまう 昨年日本で公開…

  • 882. ケープ・フィアー

    引用元:amazon.co.jp 1991年のアメリカ映画 マーティン・スコセッシ監督作品 16歳の少女に暴行した罪で、14年間服役していたマックス(ロバート・デ・ニーロ)は、刑期を終えて釈放されたものの、社会的信用も家族もすべてを失ってしまった 刑務所の中で(周りの受刑者たちに何度も暴行を受けながら)読み書きを習い、法律を学び、そして自分の弁護に落ち度があった(減刑されるチャンスが大いにあった)ことを確信する そして、その復讐の念を自分を弁護したサムとその家族に向けることを決意する この作品が公開された頃は、デ・ニーロが出演した作品を辿って熱心に観ていた時期 思い入れがあったせいか、復讐の標…

  • 881. オー・ブラザー!

    引用元:amazon.co.jp 二十歳の頃、気に入ったアルバムのクレジットを見ると、よく「T・ボーン・バーネット」という名前があった その確率の高さに、途中からは彼のプロデュース作品であれば迷うことなく聴くようになった それくらいハズレが無く、ルーツ・ミュージックの魅力を最大限引き出しつつ、退屈にならない工夫に溢れた傑作を生み続けていた しかも(実力のあるプロデューサーにありがちな)ワンマン的な印象がなく、あくまでもアーティストという素材ありきの腕利きシェフ然としたところにも惹かれる キャリア的に難しい時期にいた、ロイ・オービソンやエルビス・コステロ、またブレイク前のザ・ウォールフラワーズな…

  • 880. リオ、アイラブユー

    引用元:amazon.co.jp 2014年のブラジル・アメリカ映画 パリ、ニューヨークに次ぐ、シリーズ第三作 といっても、パリもニューヨークも観ていないのに、リオの風景が楽しめそうと鑑賞 そして「暴走特急 シベリアン・エクスプレス」で絶賛(?)したエミリー・モーティマーや、大好きなハーヴェイ・カイテル出演にも惹かれてしまった リオを舞台にした11の物語 交通事故によって妻は両足が不自由に、自身は片腕を失った男が、妻の手術費用を捻出するためにボクサーとして再起する 賭けボクシングで連勝するも、目標金額にはまだ遠い状況 そこにある男がやって来て「ファイトマネーも手術費用も全額負担する」と言う し…

  • 879. サン・セバスチャンへ、ようこそ

    1月19日から公開される本作、スペイン政府観光局による特別試写会(@ユーロライブ)に行ってきた ウディ・アレン監督作品ということで、観客はそれなりの年齢層かと思いきや、30-40代が圧倒的(募集方法がSNSだったから?) 舞台は、カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアに並ぶ国際的な映画祭が開催される、スペイン北部のリゾート地、サン・セバスチャン この映画祭に、ニューヨークからPR活動の仕事で訪れたスー(ジーナ・ガーション) 活躍目覚ましい若手フランス人映画監督のフィリップ(ルイ・ガレル)の広報を務めている スーが仕事で忙しいことを承知でついて来た、夫のモート(ウォーレス・ショーン)は、せっかく映画祭で…

  • 878. あしたの少女

    引用元:eiga.com 念願だった深谷シネマに行ってきた! 深谷駅には、人混みの激しい渋谷駅から向かったので、解放感が半端ない そしてとにかく、空が高い その混雑した渋谷駅からたった1時間21分で深谷駅、そこから歩いて7-8分で到着した 劇場前には、手書きのポスター(?)も ペ・ドゥナ主演の、韓国での労働問題を扱った作品ということで、是非劇場で、と思っていたのに、首都圏では上映終了していたから、深谷シネマ訪問と併せて最高に嬉しい鑑賞 韓国の職業系高校に通うソヒ(キム・シウン)は、卒業間近にようやく大手通信会社の下請けのコールセンターに研修することが決まる 自立していくことに対して期待と興奮の…

  • 877. 馬を放つ

    引用元:amazon.co.jp 2023年も残りわずかということで、今年劇場で観た映画ベスト9を挙げてみた 「劇場で観た」という条件付きだから旧作も含まれ、逆に配信で観て感動した作品は含まれないという、何とも身勝手なランキング 興行成績の高い作品や、重厚な大作ばかりではつまらないし、奇をてらったマニアックな作品を並べる気もなく、素直に感動した作品を列挙して、そこから9つに(泣く泣く)絞った 「PERFECT DAYS」、「光復」、「枯れ葉」、「福田村事件」、「658km、陽子の旅」、「THEATERS」、「ドリーム・ホース」、「ぼくたちの哲学教室」、「栗の森のものがたり」(順不同) 惜しくも…

  • 876. 椿姫

    引用元:shochiku.co.jp その土地によっていろいろ違いはあるけれど、タクシーの運転手にも結構違いがある 東京に来た時に驚いたのが「必要な会話以外めったにしないこと」 お喋り好きなドライイバーも時にはいるけれど、関西の比ではない 初対面の人と話すのがあまり好きな方ではないので、本当なら東京のタクシーの方が良いはずなのに(道中会話しながらというスタイルに慣れていたせいか)不愛想に感じてしまった 今では、行き先だけ告げて降りる時にお礼を言うだけ、というのにすっかり慣れてしまったけれど、時々は運転手の話を聞いてみたいとも思う 1988年の作品 北海道で行われるコンサートのため、その前日に東…

  • 875. 水の中のナイフ

    引用元:filmarks.com 1962年のポーランド映画 ロマン・ポランスキー監督の長編デビュー作 この監督の作品は、「チャイナタウン」、「袋小路」、「戦場のピアニスト」、「オリバー・ツイスト」、「おとなのけんか」等、結構観ているけれど(全然レビューを書けていない、、)作品毎に違った表情というか、あまりに一貫性が無く、「実は複数人の製作チームなのでは?」とさえ感じる アンジェイ(レオン・ニェムチック)は妻(ヨランタ・ウメッカ)とヨットで楽しもうと港に向かって車を飛ばしていた するとひとりの若者(ジグムント・マラノウッツ)がヒッチハイクしようと道の真ん中まで出て来る 拾う気のないアンジェイが…

  • 874. LETO - レト -

    引用元:eiga.com 恥ずかしいことに「レニングラード」について、「(ウラジーミル)・レーニンの街」という意味で名付けられたこと以外には、どの場所にあってどのくらいの規模なのか知らなかった レニングラード州の州都は、モスクワに次ぐ第二の都市であるサンクトペテルブルク(人口約540万人、面積1,431km2) しかし、サンクトペテルブルクは「連邦特別市」として州から独立しており、レニングラード州の人口は約170万人、面積は85,900km2となっている 元々サンクトペテルブルクという名前だったのを、第一次大戦中に「ドイツ語っぽい名前を変更しなければ」と、「ブルク」から「グラード」に差し替え、…

  • 873. クレイジー・ナイン

    引用元:Yahoo!映画 学生の頃、深夜のコンビニでバイトしていた 4年間働いて、最後の1年間は、翌日到着するお弁当や雑貨などの発注作業まで担当していたから、卒業時には店長から半分冗談で就職を勧められたりもした 午後9時から朝6時までのシフトで、授業のある日は2時間くらい眠ってから出席という生活(こんなところで無駄に若さを謳歌していた?) 夜中の入店客数は少なかったけれど、来る客の多くはちょっと変わった人たちだった 「将来何になりたいんだ?」とか、スケール感のある質問をしてくるトラック運転手や、ほぼ毎月「氷枕ありますか?」と駆け込んでくる主婦、そして週に2、3回、早朝にイチゴ大福を買って帰るお…

  • 872. ブロークン・フラワーズ

    引用元:Yahoo!映画 2005年のアメリカ映画 公開当時に劇場で鑑賞 後でDVDも買ったので何度か観ている作品 ジム・ジャームッシュ監督作品の中でも「ジャームッシュを好きじゃなさそうな人にも勧められる」のでは?と勝手に思っている 彼らしい作品ではあるけれどその特徴は控え目で、普遍的そして(いつもながら)音楽が心地良い ロード・ムービーのスタイルではありながらも、主演がビル・マーレイだからかハードボイルド感は無く、終始グダグダな調子で緩く進んでいく これがあの「パーマネント・バケーション」と同じ監督作品か?と思ってしまう そのグダグダな中年男性ドンは、かつてビジネスで成功し余裕のある生活を送…

  • 871. 理由

    引用元:Yahoo!映画 原題は「Just Cause」 厳密に訳せば、「(正当な)理由」 カッコの中を除いてしまうと、大事なニュアンスまで失われてしまうから、邦題を決める際に諦めて欲しくなかったと思う 犯行の動機に大きく関わるポイントだけに、鑑賞後には尚更そう感じた(邦題を考える人は、果たして実際に観ているのだろうか?) 1995年のアメリカ映画 自分の中で1995年というと 「そんな昔じゃないな」 と普通に思ってしまうけれど、もう30年前のこと(ちなみに映画で言えば「マディソン郡の橋」や「ユージュアル・サスペクツ」が公開された) こういう感覚は事務的に調整していかないと、、、と思いながら、…

  • 870. ディーパンの闘い

    引用元:Yahoo!映画 2015年のフランス映画 内戦が続くスリランカ 戦況も厳しく、フランスに逃れるために元兵士はディーパンと名乗り、まったくの他人の女性をひとりは妻、そしてもうひとりを娘と偽りスリランカを脱出 それぞれ家族を失った三人が偽装家族となり、偽造パスポートでフランスに入国を試みる パリでの難民審査では、危ういところを通訳の男の機転で何とか通過 無事に郊外の集合住宅の一室を得て、ディーパンは管理人としての仕事を得る その団地は、地元のギャングや売人の溜まり場で物騒ではあるけれど、娘も学校に通い始め、日々の生活を営む幸せを感じ始めていた スリランカでは多数派であるシンハラ人と、約2…

  • 869. 去年マリエンバートで

    引用元:Yahoo!映画 1961年のフランス・イタリア合作 タイトルだけはずっと前から知っていたけれど、ようやく観ることができた 驚いたのは、つい最近鑑賞した黒澤明の「羅生門」に触発されて作られたものであること 両作品の雰囲気のあまりの違いに、まさかこうした繋がりがあろうとは思わなかった とあるホテルで出会った男女 男X(ジョルジュ・アルベルタッツィ)は「去年お会いしましたね(そして愛し合いました)」と女A(デルフィーヌ・セイリグ)に言い 女は「そんなことは憶えていない」と言う 男は諦めずに去年どんな場所で、どういった会話をして、何が起こったのかをひとつひとつ女に説明していく 頑なに否定する…

  • 868. 野球どアホウ未亡人

    最近、劇場で観た映画が、あまりにも暗かったことに気づき、(「福田村事件」とか「月」とか「アイヒマンが処刑された日」とか)、本作を観に池袋新文芸坐へ 仕事に忙殺されていた夫の賢一(秋斗)は、草野球チーム「多摩川メッツ」の監督である重野(藤田健彦)から野球に誘われ、すっかり元気を取り戻す しかし、プライベートの時間が無くなるほどの重野の特訓(束縛)に、夏子(森山みつき)の我慢は限界に来ていた ある日、猛特訓の最中に賢一が亡くなってしまい、夏子は(自宅のアパートに線香をあげに来た)重野を非難するも、重野から野球を始めるよう説得される それからというもの、猛練習によって魔球を習得してプロ野球で活躍、最…

  • 867. 地獄の警備員

    引用元:amazon.co.jp その昔、新入社員で入った会社には、テレックスなるものが存在した タイプライターのようなキーボードが付いた通信機器で、メッセージを打ち込み送信すると、指定した相手のテレックスから印刷される、「FAXの前身」のような通信機器 ふたつの違いは、FAXが電話回線を使って「画像」を信号化して送信する機器であるのに対して、テレックスは、同じく電話回線を使って「タイプした文字」を信号化して送信すること FAXならタイプした文字だけでなく、手書きの文字でも画像でも送信できるし、通信時間も短くて済むことから、既にテレックスは「ほぼ使われない通信手段」だった 会社の先輩たちは、欧…

  • 866. コーヒー&シガレッツ

    引用元:amazon.co.jp シガレッツを嗜むことはないけれど、コーヒーは好きで毎朝必ず飲む その日の過ごし方によって、昼から夜は飲んだり飲まなかったりするけれど、自宅では豆を挽く インスタント、缶コーヒー、アイスコーヒー、そしてサーバーに貯めているコーヒーは飲まないし、砂糖もミルクも入れない こだわりは少ない方だけれど、コーヒーについては少々面倒くさいと自分でも思う 2003年のアメリカ映画 ジム・ジャームッシュによる11作品のオムニバス 以前ほど偏狭的に好きなわけではないけれど、数年に一度はDVDを取り出して観ている 「2話くらい観ようかな」と思いながら観始めて、結局は全部観ることに …

  • 865. 羅生門

    引用元:amazon.co.jp 「羅生門」は教科書で読んだ 調べて観ると、現在の高校教科書のすべてに掲載されているという 老婆が死体の髪の毛を引き抜いているところなど、究極的に飢えた人間がどういう心理でどんな行動にでるのか 10代の自分にどれほど想像できたのか?今となっては不明だけれど、強烈なインパクトを与えてくれた 文学というよりも、おどろおどろしい世界への好奇心で惹かれていたと思う その「羅生門」の映画は、黒澤明の監督で1950年に公開 芥川龍之介の同名小説からは大幅な脚色がなされている(同じく芥川の「藪の中」のストーリーと巧くミックスしている)脚本は、黒澤明と橋本忍 舞台が羅生門という…

  • 864. 枯れ葉

    いよいよ本日から公開される、アキ・カウリスマキ監督の最新(祝・復帰)作 先週、ユーロスペースで行われた先行上映に行ってきた 平日の夜にも関わらず、地味なフィンランド映画を観に足を運んだ、奇特な人たちで溢れていた しかしこの地味なフィンランド映画は、今年のカンヌ映画祭で審査員賞を受賞 今年5月にパリに行った時には、映画館で特別上映されていた(言葉が理解できなくても観たかったなあ) フィンランドの首都ヘルシンキ 勤務先のスーパーマーケットで、賞味期限切れの商品をくすねたことで失業してしまうアンサ(アルマ・ポウスティ) ひとり暮らしの彼女は、自宅でよくラジオを聴いているけれど、最近はロシア・ウクライ…

  • 863. 幸福の黄色いハンカチ

    引用元:shochiku.co.jp 「PLAN 75」を観る前に、倍賞千恵子出演作の予習として「男はつらいよ」を観たと書いたけれど、もう一本観たのが本作 いつかは観ようと何十年も思いながら、ラストシーンが有名過ぎるせいで、何となく後回しに、、 「この機会を逃すとマズいな」と、意味もなく焦って鑑賞 福岡から上京し、工場で働いていた欽也(武田鉄矢)は、女にフラれたことで自暴自棄に 仕事を辞め、その退職金で真っ赤なマツダ・ファミリアを買って北海道に向かう 東京からフェリーで釧路、そこから網走まで走り、駅前で「車に乗っていかないか?」と女性に声をかけ続ける 何人目かに声をかけたのは、同じく東京から傷…

  • 862. 男はつらいよ

    引用元:amazon.co.jp 最近の楽しみは、毎朝「私の履歴書」を読むこと いつもは、知らない(大企業の経営者とか)オジ様の 自慢話、もとい、苦労話が書かれているから滅多に読まないけれど、倍賞千恵子の連載が始まってからは熱心な愛読者に 倍賞という名の由来や、デビューまでの経緯など、知らなかった話ばかりで何とも面白い ↑ のリンクでこれまでの連載も読めるので、ご興味のある方は是非! 1969年のシリーズ第一作 あらすじを書くのも気が引ける(ほどに有名な)ので、ほんのサワリだけ 父親と喧嘩して家を出た寅次郎(渥美清)は、20年振りに故郷の葛飾柴又に帰ってくる 町はちょうどお祭りの最中、お調子者…

  • 861. ロープ 戦場の生命線

    引用元:Yahoo!映画 2015年のスペイン映画 舞台は1995年、停戦直後のバルカン半島 恐らくモデルになったのは、ユーゴスラビア紛争 そもそも、第一次大戦で敗れたオーストリア=ハンガリー帝国が解体され、後に「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国家」と言われるほどに多様性(と言えば聞こえはいいけれど)のある、ユーゴスラビア王国が誕生した 当事者たちにしてみれば、「そもそもスタートから無理があった」ということなのであろう 国境なき水と衛生管理団でリーダーを務めているマンブルゥ(ベニチオ・デル・トロ)らは、井戸に投げ込まれた男性の死体をロープで引き…

  • 860. 走れ、絶望に追いつかれない速さで

    引用元:Yahoo!映画 2016年公開の中川龍太郎監督(脚本共に)作品 作品を鑑賞するのは、「愛の小さな歴史」(2015)、「四月の永い夢」(2018)に続いて三作目 本作も同時期(他2作の間)に作られているので、世界観にも共通するところがあり、落ち着いて観られた 東京に暮らす漣(太賀)は、大親友の薫(小林竜樹)の死がまだ受け入れられない 亡くなった理由も、そこに自分がどれくらい影響していたのか(影響していなかったのか)もわからず、悶々とした日々を過ごしていた 薫とつきあっていた理沙子(黒川芽以)にとってもそれは同じだった 薫が中学生の時の同級生、斉木環奈(寉岡萌希)を書いたスケッチを手に、…

  • 859. ドライブイン蒲生

    引用元:amazon.co.jp 蒲生の話をする前に、名古屋の映画ファンに向けてお知らせ 今年7月に閉館したシネマテークが、ナゴヤキネマ・ノイ(公式Xアカウント)として、来年2月のオープンを目指しているという クラウドファンディングはコチラ 映画が配信されるようになって、短期的には劇場の経営を苦しめているけれど、長期的には映画ファンの増加がこうした動きをサポートしていくのかも、と思わせてくれる嬉しいニュース 2014年の作品 くたびれたドライブインを営む父(永瀬正敏)は、昼間から酒を飲んでは 「雨だから」 「風が強いから」 と言っては店を閉めて、怠惰な生活を送っている そんなだらしのない父のせ…

  • 858. 福田村事件

    劇場で観なければと思いつつ、都内での上映もほぼ終わり、折角なのでミニシアター行脚もかねて、神奈川県鵠沼海岸にあるシネコヤへ 鵠沼海岸駅から歩いで3分くらいで、見えてくる小さな劇場 写真館だった建物をリノベーションして、映画館としては6周年を迎えたところ 一階のカフェには、映画関連の雑誌やパンフなどもあって、鑑賞前の時間潰しが出来る 食べ応えのあるフレンチトーストも美味しかった 二階の劇場には、カフェに置いてある様なソファーや椅子が並んでいる(オーナーが買い集めたアンティーク)だけなので、わずか22席しかないけれど、どの席でも落ち着いて観られる 今から100年前、1923年の秋 朝鮮で多くの現地…

  • 857. 街のあかり

    引用元:filmarks.com 明日12月9日から、渋谷ユーロスペースにて「愛すべきアキ・カウリスマキ」と題して、彼の17作品が上映される デビュー作「罪と罰」や、初期の「カラマリ・ユニオン」も観たいし、2000年以降の本作や「希望のかなた」をスクリーンで観直すのも良い 料金は一般で1,400円、2本目からは(半券の提示で)1,000円という嬉しい企画 彼の新作「枯れ葉」も、15日に公開される中、さらに忙しい師走になりそう(「枯れ葉」は、先行上映で先日既に観たのだけれど、それはまた別の日にレビューします) 警備会社に勤めているコイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)は、夜間の百貨店を担当し…

  • 856. トラック29

    引用元:amazon.co.jp 冒頭のシーン 母親探しの旅に出たひとりの青年が、ヒッチハイクをしようと親指を上に突き出している そのバックにはジョン・レノンの「マザー」が流れている Mother, you had me but I never had youI wanted you, you didn’t want meSo I, I just got to tell youGoodbye, goodbye お母さん、僕はあなたのものだったけれど、あなたは僕のものじゃなかった 僕はあなたを求めていたけれど、あなたは僕を求めなかった だから言わなきゃ さようならお母さん、さようなら ノース・カ…

  • 855. 家路

    引用元:filmarks.com 2014年の作品 東日本大震災から3年 福島で代々農業を営んできた沢田家 自宅が立ち入り禁止区域に指定されてしまい、総一(内野聖陽)は妻の美佐(安藤サクラ)、継母登美子(田中裕子)、幼い娘菜穂(志村美空)と四人で仮設住宅に住んでいる 与えられた環境で耐えている女性三人に対して、いつまでも喪失感から抜け出せない不満を吐き出している総一 狭い部屋の中でも、つい些細なことで口論になってしまう そんな中、10年以上も前に「ある事情」で、村を捨てて出て行った腹違いの弟次郎(松山ケンイチ)が戻ってきて、(立ち入り禁止の)実家にひとりで住んでいるらしい、という情報が入ってく…

  • 854. わが谷は緑なりき

    引用元:amazon.co.jp 1941年のアメリカ映画 この年のアカデミー賞の作品賞、監督賞、助演男優賞の他にも撮影賞、美術賞、室内装置賞(初めて聞いた)も受賞している 原題は「How Green Was My Valley」 舞台は19世紀末のウェールズにある炭鉱町 これまで観てきたイギリスの炭鉱を扱った映画は、どれも斜陽産業として描かれていたけれど、時代設定が19世紀末だけに多少趣が異なる それでも炭鉱に必要な人数以上が押し寄せ、賃金カットや解雇になってしまったり、作業中の事故で命を落としてしまうシーンもあり、厳しい環境というのは変わらない ストーリーは、一家の末っ子だったヒュー(ロデ…

  • 853. トウキョウソナタ

    引用元:Yahoo!映画 2008年の日本・オランダ・香港映画 都内の健康機器メーカーで総務部に勤めている佐々木竜平(香川照之)は、都内に一戸建てを持ち、妻の恵(小泉今日子)と二人の息子と四人で暮らしている 仕事にも家庭にも何の問題も無く、自分は理想的な父親でいると信じていた ところがある日、自分の給与の1/3でよく働く中国人に仕事を奪われ、会社をクビになってしまう 自尊心の強い竜平は、妻には何も言わず、翌朝もスーツを着て定刻に家を出掛ける ハローワークで次の仕事を探すも、窓口で担当者から「今までと同じ条件の仕事は100%ありません」と言われてしまう そして公園で配給される炊き出しをいただくこ…

  • 852. まわり道

    引用元:filmarks.com ヴィム・ヴェンダース監督といえば、雑誌SWITCHの最新号で 「すばらしき映画人生!ヴィム・ヴェンダースの世界へ」 と題して、最新作の理解が深まるインタビューや、ヴィム・ヴェンダースが小津安二郎の墓参りに鎌倉円覚寺を訪れる様子など、76ページにも及ぶ特集が組まれている 最新作「PERFECT DAYS」も、いよいよ12月22日に公開 1975年の西ドイツ映画 ヴィム・ヴェンダース監督のロードームービー三部作の二作目 幸運にも早い段階でDVDを購入できたので、これまで何度か鑑賞している 一回では理解し辛い、観直し甲斐のある作品 とはいえ、ストーリーを追いかけるわ…

  • 851. 女はみんな生きている

    引用元:Yahoo!映画 2001年のフランス映画 原題は「CHAOS」 邦題から想像できる内容通り、と言えばそれまでなのだけれど、想像を遥かに越えて面白かった作品 エレーヌ(カトリーヌ・フロ)は、夫のポール(バンサン・ランドン)と二人暮らし 息子ファブリス(オレリアン・ウィイク)も大学生になり、家を出て生活している ある夜、夫婦で車を運転していると、数名の男に激しく暴行を加えられている女性が助けを求めてふたりの車に乗り込もうとする 血だらけになりながら車の窓を叩く女性だったが、ポールは咄嗟にドアをロックしてしまう そして警察に電話しようとするエレーヌを制し、洗車をしに車を走らせる 翌朝、置き…

  • 850. 婚約者の友人

    引用元:amazon.co.jp 2016年、ドイツ・フランス映画 1919年、第一次世界大戦後のドイツ 出兵前に婚約したフランツを、フランスとの戦争で亡くしたアンナ(パウラ・ベーア)は、フランツの両親を共に悲しみに暮れていた そんなある日、ひとりのフランス人が、フランツの墓の前にいた その男はアドリアン(ピエール・ニネ)といい、戦前のパリでフランツと知り合った友人だという アンナもフランツの両親もよく来てくれたともてなし、パリでのフランツの様子をアドリアンから聞き心を開いていく アンナが、彼に対して「婚約者の友人」以上の気持ちを持ち始めた時、アドリアンはある真実を告白する 相手(ドイツ人)が…

  • 849. 裏窓

    引用元:ro-yu.com 1954年のアメリカ映画 ヒッチコック作品の中でも、誰もが「片手に入れる」であろう人気作品 という表現は「片手ではとても足りない本数の人気作品がある」ことが前提になるけれど、そんな映画監督は果たして他に何人存在するだろう? 最初から最後まで、カメラはほぼジェームズ・スチュアートの部屋から出ない所謂「ワンシチュエーション映画」 脚を骨折してしまったカメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュアート)は、部屋の中で退屈な車椅子生活を送っている そんな彼の唯一の楽しみは、望遠レンズで、裏窓からアパートの住民の様子を覗くこと 喧嘩の絶えなかった夫婦の妻の方が姿を消すと(普段から夫…

  • 848. 鬼畜

    引用元:shochiku.co.jp 1978年の作品(原作は松本清張の短編) 埼玉県川越市で印刷屋を営んでいる宗吉(緒形拳) 妻のお梅(岩下志麻)と印刷屋を営み、印刷工の阿久津(蟹江敬三)と三人で必死で働いていた ところが宗吉には7年もの間、妻には内緒で囲っている妾の菊代(小川真由美)と、彼女に産ませた三人の子供がいた 印刷代の回収が遅れたり焦げ付いたりと、宗吉はいろんな理由をつけてその金を菊代の元に送っていた しかし印刷屋が火事で設備の大半を失ってしまい、経営も成り立たず、ついには菊代が三人の子供たちを連れて印刷屋に乗り込んで来る 妾と隠し子と横領の事実を知ったお梅は激怒するも(当然だ)、…

  • 847. 水の花

    引用元:moviewalker.jp 2005年のPFF(ぴあフィルムフェスティバル)作品 姉の美奈子(寺島咲)と妹の優(小野ひまわり)の姉妹 中学生の美奈子は父親とふたりで暮らし 不器用な父親は、家事もまともに出来ないけれど、最近ようやくこの暮らしにも慣れてきたところ ところが 「(幼い妹の優を連れて家を出て行った)母親を街で見かけた」 という話を耳にし、母親に対する憎悪を再び抱えてしまう ある日、美奈子はスーパーで偶然ひとりでいる優を見つけ、声を掛ける 姉の存在を知らない優は、いつも食べていくことに必死で、娘をかまっていられない母親に怒鳴られてばかり スーパーで声を掛けてくれた優しそうな美…

  • 846. 6月0日 アイヒマンが処刑された日

    都内のミニシアターの中で、まだ行けていなかった下高井戸シネマ 三軒茶屋から路面電車(世田谷線)に揺られて、終点の下高井戸まで 駅から徒歩2,3分で、普通のマンションっぽい建物の2階にあった 以前観た「ハンナ・アーレント」や、最近読んだ「アイヒマンと日本人」の影響で鑑賞 数百万人のユダヤ人をアウシュビッツに移送する指揮を執ったナチスドイツの親衛隊中佐・アドルフ・アイヒマンは、大戦後に偽名を使い、難民を装って西ドイツからイタリアに入り、そこから船でアルゼンチンに逃れる その後、家族も呼び寄せ、ブエノスアイレス近郊に約10年暮らすも、1960年に、イスラエル諜報特務庁(モサド)により身柄を拘束され、…

  • 845. The Witch 魔女

    引用元:amazon.co.jp 2018年の韓国映画 「嘆きのピエタ」で母親(?)役を演じたチョ・ミンスが出演しているという理由だけで珍しくバイオレンスアクション作品を鑑賞 8歳の時に、ある特殊な組織から命からがら抜け出したジャユン(キム・ダミ) 気絶して倒れているところを酪農家の夫婦に助けられ、幸いにもその家の娘として育てられる 10年という月日が経ち、牛の価格の暴落などでエサ代にも困るほど苦しい家計が続き、父親も病気がちで働けない日が続く中、高校生のジャユンが家事や牛の世話も手伝っている 彼女は学校の成績も優秀ながら、最近は時々激しい頭痛に悩まされていた そんなある日、ジャユンは親友にテ…

  • 844. 各駅停車

    引用元:GYAO!ストア 以前、 My French Film Festival で紹介されていた、1992年のフランス映画 毎朝同じ電車に乗って仕事に向かう男 ところがこの朝は、運行ダイヤが変更された初日 それを知らず、男がいつもの時刻に乗った電車は、彼の目的地を通過してしまう急行だった 車掌に追加料金を求められ、必死で事情を説明する男 たった8分のショートムービーだけど、大満足 このラストシーンに、クスッと笑わない人は居ない? 明日は、「嘆きのピエタ」からの流れで韓国映画を紹介します www.youtube.com

  • 843. イカした人生

    引用元:GYAO!ストア 2020年のベルギー映画 作品紹介では「コメディ」と書かれていたけれど、欧州基準というか、思っていたよりもヘヴィな内容 アレックスとノエミは30代のカップル 家を建てるお金も少しではあるけれど貯めているし、そろそろ子どもを作ろうかという幸せな時期 ところが最近アレックスの母、スザンヌの様子がおかしい 複数の銀行口座がマイナス残高になるほど浪費したり、夜中に近所を徘徊してサンドウィッチを欲しがったり 「意味性認知症」と診断されたスザンヌの症状は確実に進み、すべてを差し置いて介護を優先しようとするアレックスと、とはいえ自分たちの生活とのバランスも大事と考えるノミエとの間に…

  • 842. キリクと魔女

    引用元:amazon.co.jp 1998年のフランス・ベルギー・ルクセンブルク映画 フランス映画史上、歴代興行収入No.1のアニメ 職場のフランス人(20代後半)に聞いてみたところ「もちろん知ってる!小さい時に何回も観た」とのこと この作品が公開された1998年といえば、普段聴いている音楽の比重が、ワールドミュージックに傾いていた頃 といっても、主にブラジルやジャマイカなど中南米の音楽で、アフリカの音楽は、本作の音楽を手掛けている、セネガルのユッスーンドゥールくらいしか知らなかった 日本からは距離もあるし、戦争(占領)で関係した過去も無く、フランス人のアフリカを近くに思う感覚は、「まぼろしの…

  • 841. 私がやりました

    所用で大阪に行った際に、TOHOシネマズなんばにて鑑賞 売れない女優のマドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)は、大役を得られるチャンスだと、大物プロデューサー宅に出向くも、襲われそうになる 何とか自力でその場を逃れるも、後にプロデューサーが殺害されたことがわかる その日彼の家に行き、揉めたという事実もあり、マドレーヌは警察に連行されてしまう 一緒に住んでいる親友で弁護士のポーリーヌ(レベッカ・マルデール)による全面的なサポートを受け、マドレーヌは自分の身を守るための正当防衛だったと主張をする ポーリーヌのシナリオ通りに、最高の演技を法廷で見せたマドレーヌは無罪となり、一躍フランス女性の希望の…

  • 840. 嘆きのピエタ

    引用元:Yahoo!映画 2012年のキム・ギドク監督作品 久しぶりの韓国映画 主人公は非情な取り立て屋のガンド(イ・ジョンジン) 物心ついた時から家族も親戚も無く、天涯孤独に生きてきたガンドには、恐れるものは無く、借金が返せない債務者には容赦なく怪我を負わせ、その保険金で支払いさせるのが彼のやり方 ある日、ガンドの元に母親だと名乗る女性ミソン(チョ・ミンス)がやって来る 邪険に追い返そうとするガンドに対しても一切引かないミソンに、ガンドは乱暴な手段に出るもそれにも負けず、ついには一緒に住み始めてしまう 酷い仕打ちにも耐えながら、かつて自分を捨てたことを謝り続ける女性に対し、ガンドは徐々に心を…

  • 839. トリコロール / 赤の愛

    引用元:filmarks.com 1994年の三部作最終章 今回のテーマは「博愛」 大学生のヴァランティーヌ(イレーヌ・ジャコブ)には、付き合っている彼が居るものの遠距離で、しかも司法試験に向けて勉強中とあって会うこともままならない 電話で話すだけの彼は疑い深く、ヴァランティーヌが電話に出られないことがあると「浮気をしているんじゃないか」と問い詰めることもあり、彼女も辟易し始めていた そんなある日、ヴァランティーヌが運転中にラジオのチューニングに手間取った瞬間、犬を轢いてしまう 幸い重症ではなさそうなものの、首輪に書かれていた住所を訪ねると、その家にはちょっと変わった老人男性がひとりで住んでい…

  • 838. トリコロール / 白の愛

    引用元:amazon.co.jp 1994年の三部作、二作目 「青の愛」の直後に鑑賞したこともあって、監督の意図というかいろんな仕掛けがよく分かった 今回は白ということでテーマは「愛の平等」 ポーランドからやってきたカロル(スビグニェフ・ザマホフスキ)は、理容師として確かな腕前を持つものの、フランス語も理解できず、フランス人の妻ドミニク(ジュリー・デルピー)とも離婚調停中 途方に暮れたカロルが、駅の構内で故郷ポーランドの曲を紙笛で吹いていると、ミコワイという同郷の男(ヤヌシュ・ガヨス)が声を掛けて来る そしてこの怪し気な男からの怪し気な儲け話を、フランスでの生活に絶望していたカロルは請け負い、…

  • 837. トリコロール / 青の愛

    引用元:amazon.co.jp 欧州、その中でも特にフランスとイタリアで使われる青の種類の多さ、微妙な色味へのこだわりには感心させられる スカーフやネクタイだけを見ても、例えば「青」だけでも何(十)種類も存在するし、微かな違いが見栄えを大きく左右する ちなみにフランス国旗の「青・白・赤」については色味についての規定が無く、大統領がその決定権を持っているという 実際に、2020年にはマクロン大統領が青色の変更を命じている この作品こそ「いつか観なきゃ」で何年も過ごしてきた代表かもしれない この作品だけでなく、クシシュトフ・キェシロフスキ監督のトリコロール三部作のどれも観ていなかったのだけれど、…

  • 836. 理想郷

    「グランド・セントラル」(何故、日本未公開なのだろう?)以来大好きな俳優、ドゥニ・メノーシェが主演ということで、Bunkamura渋谷宮下にて鑑賞 スローライフを求め、フランスからスペインのガリシア地方に移住してきたアントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)と妻のオルガ(マリナ・フォイス)は、有機野菜の栽培、そして時間を見つけては、周囲の古民家を半ばボランティアで修繕していた 出来れば子供たちも呼び寄せたいし、いつかここの暮らしに憧れる人たちが自分たちの様に移住し、村の過疎化を食い止める力になればと考えている ところが地元の人たちは、夕方から店で酒を飲むために、細々と農業や酪農をしているだけ、風力発電…

  • 835. 海軍横須賀刑務所

    引用元:amazon.co.jp 1973年の作品 勝新太郎には、おにぎりと「座頭市」のイメージしかないせいか、若い頃はどんな俳優だったんだろう?と思い鑑賞 新入りの海兵という役柄ではあるけれど、本作撮影時には既に40代とあって恰幅も良い とはいえ知っている勝新よりも若く、溌剌としているけれど、体形がずんぐりむっくりだから妙に可愛らしいところが人気の理由だったのだろうか 舞台は昭和初期の横須賀 港湾労働者で、一匹狼ながら喧嘩に明け暮れていた志村(勝新太郎) これからは母親のもとで大人しく暮らそうとしていたところに赤紙が届き、横須賀海兵団に入る ところが上官や古参兵からの、軍律を越えた異常な命令…

  • 834. ルー、パリで生まれた猫

    ずっと行きたいと思っていたシネマネコ 青梅という遠さもあって、なかなかスケジュールが合わず、やっと念願が叶った しかも観たのはネコ映画 駅から10分程歩くと、突然お洒落な劇場が見えてくる 青梅という街は、昔は織物業が盛んで、蚕の天敵である鼠を退治してくれる猫を大切にしていたという 館内のカフェで、有機コーヒーと小倉トーストをいただく 観に行ったのは、日曜日(11月12日) ちなみに、毎月2日、12日、22日は「ネコの日」ということで、1,000円で観られた 10歳の女の子・クレム(キャプシーヌ・サンソン=ファブレス)は、大好きなパパとママとパリで暮らしている しかし、パパとママは仲が悪く、毎晩…

  • 833. リスボンに誘われて

    2013年のドイツ・スイス・ポルトガル映画 5年前に離婚して、今は孤独ながらも平穏な日々を過ごしているライムント(ジェレミー・アイアンズ)は、ベルンの高校で古典文献学を教えている ある朝、激しい雨の降る中、学校に向かっていると、橋から身を投げようとしている女性を見つけ助ける 「傍にいて欲しい」という彼女を教室の端で見学させて授業を始めようとするも、濡れた赤いコートを教室に残したまま出て行ってしまう ライムントは、彼女を探そうとコートのポケットを探ると、そこには一冊の本があり、中には15分後に出発するリスボン行の列車のチケットが挟まれていた 慌てて駅に駆け付けるも見つからず、動き出した列車に咄嗟…

  • 832. 真実

    引用元:Yahoo!映画 2019年の作品 是枝裕和がカトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュの共演を監督 という事実に感動しつつも、監督が誰であれ難しいだろうキャスティングに「ストーリーに集中できるかな?」という不安も抱えつつ鑑賞 ベテラン女優のファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自叙伝「真実」を出版するところから物語は始まる そのお祝いに、脚本家の娘リュミール(ジュリエット・ビノシュ)は遥々アメリカから夫と娘を連れてやって来る 久しぶりの再会を喜ぶファビエンヌたち しかし、本に書かれていることが原因で、折角の再会ムードに水を差す口論になってしまう いろんな意味で新鮮で楽しめたけれど、…

  • 831. 体操しようよ

    引用元:taiso-movie.com 2018年の作品 とある海沿いの町に娘とふたりで暮らす佐野道太郎(草刈正雄) 妻を早くに亡くし、文具メーカーで38年間無遅刻・無欠勤で働き続け、めでたく定年退職 堅物で愛想の無い道太郎は、仕事にすべてを捧げてきた割には大した出世も叶わず、自分の送別会でも如何に同僚に慕われていなかったのかをぼんやり痛感しながら最終勤務日を終える 明け方、自宅に戻るとテーブルの上に、これまで佐野家の家事をひとりでこなしてきてくれた娘・弓子(木村文乃)からの手紙があり、そこには 「今日をもって佐野家の主婦を引退します これからの主夫は、お父さんあなたです」 と書かれていた と…

  • 830. キャロル・キング ホーム・アゲイン ライブ・イン・セントラルパーク

    1973年に、ニューヨークのセントラルパークで行われたキャロル・キングのフリーコンサート 50年間、未発表のままだったライブ映像が、今回冒頭に関係者へのインタビューなどを加え映画化 世代的に少し遅れていたこともあるし、シンガーソングライター系の音楽にはそれほど熱心ではなかったので、キャロル・キングの熱心なファンではなかった それでも彼女のアルバムは、前身のバンド「The City」からすべて聴いているし、「つづれおり」は後から(CDも持っているのに)レコードも買った もちろん曲の良さに魅かれたけれど、同じくらいそのヴォーカル、より厳密に言えば声質が好きだったこともあって、是非劇場で観たい(聴き…

  • 829. 海辺の金魚

    引用元:tomawari.jp 母親が大きな事件を起こし、幼い頃から児童養護施設で育てられた花(小川未祐) 施設の仕切っている高山さん(芹澤興人)や、同じ様にここに連れて来られた仲間たちにも恵まれ、18歳になった花は、大学への進学、そして施設からの自立を半年後に控えていた そんなある日、晴海(花田瑠愛)という8歳の少女が入所して来る 周囲に対して過敏に反応する晴海の姿を見て、花は10年前の自分を重ね合わせていた 鑑賞前に、一切の情報を入れないで観始めたせいか、(唯一の情報である)タイトルが意味するところは何だろうか?と気にしながら鑑賞 ストーリーは多少の広がりを見せながらも、同時に花個人の内面…

  • 828. ガザの美容室

    引用元:uplink.co.jp 2015年のパレスチナ・フランス・カタール映画 前回に続いてパレスチナ・イスラエル問題を扱った作品 ロシアからやってきたクリスティンが経営する美容院は、パレスチナ自治区ガザにある 決して手際は良くないけれど、丁寧な仕事が好評で、その日も大勢の女性客で繁盛していた その中には結婚式の当日を迎えた若い女性や、出産間近の妊婦、離婚協議中の我が儘そうな主婦、噂好きでとにかく静かにしていられない女、そして付き添いでやってきたヒジャブを被った女性など 10人ほどの女性が狭い美容室でいろんな話をしながらカットしてもらったり、その順番待ちをしていた そんな中、突然外で銃声が響…

  • 827. テルアビブ・オン・ファイア

    引用元:new-movie.info イスラエルとパレスチナ、ユダヤとアラブをこんな日常レベルでコミカルに描いた作品があるのか、と驚かされた2018年のルクセンブルク・フランス・イスラエル・ベルギー作品 サラームは、これまで真剣に仕事に向き合ったことがなく、なかなか定職に就けないでいた 今は叔父さんがプロデューサーを務めている人気テレビドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」で雑用係兼ヘブライ語のアドバイス係をしている エルサレムに住むパレスチナ人の彼が、車で撮影所に通うには、毎回イスラエルの検問所を通過する必要がある その日の撮影で「女性に向かって爆発的という表現はおかしい」と指摘し、認められた…

  • 826. 蟹工船

    引用元:Yahoo!映画 中学から高校の前半にかけて、学校の図書館でよく本を借りて読んでいた 単純に習慣づいたのもあるし、もちろん本を読むのが楽しかった 中でも印象的だったのが、アラン・シリトーの「長距離ランナーの孤独」、ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」、そして小林多喜二の「蟹工船」 面倒くさいヒトになってしまいそうな本ばかり(笑)だけど、中でも「蟹工船」を読みながらイメージした、汚れと汗と蟹の匂いのする薄暗い船内が強烈だった(本までも汚く感じられたことをよく覚えている) それ以来のご無沙汰 2008年頃、新聞への掲載で再評価されブームになった時も、読み返したりしなかった 本作は2009年の作品…

  • 825. High Flash ~ 引火点

    引用元:amazon.co.jp 2018年の台湾映画 台湾映画にしては珍しく、環境問題と企業の不正を描いた社会派サスペンス 舞台は高雄の漁村 大企業の工場からの排出による汚染により、長い間ダメージを負ってきた漁民たちは、若くて行動力のある市長のサポートを受け、工場の操業停止を求め海上からデモ活動をしていた すると漁民たちが乗っている船の脇から炎に包まれた一隻の漁船が、警察やメディアが群がる陸に向かって進んでいく それは、漁民のひとりによる抗議のための焼身自殺と思われ、死亡した男は英雄として賞賛された 遺体の解剖を任された法医学者(ウー・カンレン)は、解剖をするうちに次々と不審な点を見つけ、担…

  • 824. リスボン物語

    第1回丸の内映画祭で上映された、ヴィム・ヴェンダース監督の貴重な作品 この機会を逃すと、劇場で観ることは叶わないだろうという確信のもと、丸ビルホールへ 長旅からフランクフルトの自宅に戻ってきた録音技師のヴィンター(リュディガー・フォーグラー) 留守中に届いた郵便物を整理していると、親友の映画監督フリッツ(フリードリヒ・モンロー)からの絵はがきを見つける そこには「S.O.S. 録音機材を持って、リスボンに来てくれ」と書かれていた ヴィンターは、足を怪我しているにもかかわらず、機材を車に積み込んでリスボンに向かう 車がドイツからフランス、スペイン、そしてポルトガルに入るまでの映像を眺めているだけ…

  • 823. キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

    2023年8月9日、ザ・バンドのギタリストだったロビー・ロバートソンが亡くなった 1976年に行われた「ラスト・ワルツ」で脱退し、1987年にソロ・アルバムをリリースしているから、キャリアの大半はソロ、或いはサントラ盤の製作に費やされている その辺りの経緯は、ドキュメンタリー映画「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」でうかがうことが出来る それでも、多くの人にとっては「元ザ・バンドの」という表現がシックリ来るのだろうし、人を例える時に往々にしてそういうものだろう ザ・バンドの中でも、ヴォーカルも出来るギタリストという、普通なら最もスポットライトを浴びる役割を担いながらも、ヴォーカルもギター演奏…

  • 822. ニューオリンズ・トライアル

    引用元:Yahoo!映画 昔から月曜日の朝のオフィスでの会話が苦手だ 「How was the weekend ?」 という質問に、(相手も本当に知りたくて聞いてるわけじゃないから)適当に応えれば良いのは分かっていながら(そして実際に適当にしか応えないのに)面倒に感じてしまう 今では少しオトナになったせいか、こういう会話の必要性も多少は理解できるようになったけれど、昔は「不毛だなあ」と思っていた 2003年のアメリカ映画 月曜日の朝、ニューオリンズにあるオフィスに従業員が徐々に出社してくる時間帯 ある男性もアシスタントと週明け初めての会話を楽しんでいたその時 突然「バン、バン、バン」という銃声…

  • 821. ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK

    引用元:video.unext.jp ザ・ビートルズによる“最後の新曲”「ナウ・アンド・ゼン」が、本日11月2日に世界同時発売される 1970年代に、ジョンの自宅でピアノとヴォーカルのみで録音したものを、1994年に残りのメンバーによってレコーディングされていた曲 その当時、ジョンのヴォーカルとピアノを分離してクリアなサウンドを実現することが、技術的に出来なかったためにリリースされず、そのままお蔵入りしてしまった ところが、2021年公開の「ザ・ビートルズ Get Back : ルーフトップ・コンサート」で、映像と共にサウンドの修復技術が賞賛されたことにより、再びこの曲に対して「何かで出来るの…

  • 820. ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

    引用元:filmarks.com 2019年のアメリカ映画 公開当時やたらとポスターを見かけた作品 監督は女優オリヴィア・ワイルド(アメリカとアイルランドの国籍、芸名のワイルドはオスカー・ワイルドから) 何とこれが監督デビュー作 ビッグネームがキャスティングされておらず、内容も卒業間近の学生がプロムの相手を探すという、ありきたりな設定ながらもヒットした ロサンゼルスの高校に通う、幼馴染のモリー(ビーニー・フェルドスタイン)とエイミー(ケイトリン・デヴァー) 生徒会長のモリーは、三年間勉強だけの生活、その甲斐あってイェール大への進学が決まっていた 一方のエイミーは、社会的な活動に熱心で、卒業後は…

  • 819. 秘密と嘘

    引用元:online.stereosound.co.jp 1996年のイギリス映画 主人公の母親シンシア役を務めるブレンダ・ブレッシン この作品で初めて知った、イギリスの女優のファンになってしまった そのシンシア(ブレンダ・ブレッシン)は幼い頃から貧しく、弟の世話をしながら若くして仕事を始めた苦労人 写真店を営む弟は結婚し、最近家を建て幸せそうなのに、シンシアはその人懐っこい性格からつきあってきた男性の数は多いものの独身で友達もおらず、未婚の母として娘のロクサーヌ(クレア・ラッシュブルック)と二人で暮らしている ところが、ロクサーヌにとっては細かいことにまで口を挟んでくる迷惑な母親で、口論の絶…

  • 818. 素晴らしき世界

    引用元:Yahoo!映画 2020年の作品 西川美和監督、役所広司主演 これだけで品質保証のマークになるような安心感 十二分に期待したのに、それをも上回って人生を噛み締めさせてくれた作品 これまでの西川作品でも、映像もカットも音楽も、これ以上無いクウォリティだったのに、本作でさらに進化している 特に音楽は、(初めての起用と思われる)林正樹の音が、作品に実に馴染んでいた 場面によって抑制の効いた静かなバラードだったり、カントリーブルース調のアコースティックギターだったり、結構バラエティに富んだ音が鳴っているのに、映像との違和感がまったく無い これまで自身の監督作品はオリジナルだった西川監督にとっ…

  • 817. 月

    日帰りできるミニシアター行脚ということで、あつぎのえいがかんkikiにて鑑賞 小田急本厚木駅から徒歩5分くらいの場所にある、学園祭のような雰囲気のある劇場 受付の前には、こんなスペースも ↓ 上映のリクエストにちゃんと応えて、しかもスタッフのコメントが書き込んである 「こういうやりとりって良いなあ」と思いながら眺めていると、その横でリクエストシートにせっせと書き込んでいる人が居た 選んだ作品は(神奈川県ということもあって)相模原障害者施設殺傷事件を扱った、辺見庸の小説が原作 かつて東日本大震災をテーマにした小説がヒットしたものの、その後は長いスランプに陥っている作家の洋子(宮沢りえ) 出産した…

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