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  • 森浩美『家族の言い訳』を読む

    森浩美著『家族の言い訳』(双葉文庫も-12-01、2008年12月14日双葉社発行)を読んだ。裏表紙にはこうある。家族に悩まされ、家族に助けられる。誰の人生だってたくさん痛み、苦しみ、そして喜びに溢れている――。作詞家・森浩美がその筆才を小説に振るい、リアルな設定の上に「大人の純粋さ」を浮かび上がらせた。「ホタルの熱」「おかあちゃんの口紅」はラジオドラマや入試問題にもなった出色の感動作。あなたの中の「いい人」にきっと出会える、まっすぐな人生小説をお届けします。8編の短編集。「ホタルの熱」夫が失踪し、お金もなく、追い詰められた和香子と6歳の息子・駿。体が弱い駿は、この日も旅の途中で発熱してしまう。困る親の姿を見続けた駿は「ママ、ごめんね」と繰り返す。覚悟を決めて電車に乗ったはずなのに、……どうせもっと“遠い...森浩美『家族の言い訳』を読む

  • 岡真理『ガザとは何か』を読む

    岡真理著『ガザとは何かパレスチナを知るための緊急抗議』(2023年12月31日大和書房発行)を読んだ。大和(だいわ)書房による紹介【緊急出版!ガザを知るための「まず、ここから」の一冊】2023年10月7日、ハマース主導の越境奇襲攻撃に端を発し、イスラエルによるガザ地区への攻撃が激化しました。長年パレスチナ問題に取り組んできた、パレスチナ問題と現代アラブ文学を専門とする著者が、平易な語り口、そして強靭な言葉の力によってさまざまな疑問、その本質を明らかにします。今起きていることは何か?パレスチナ問題の根本は何なのか?イスラエルはどのようにして作られた国?シオニズムとは?ガザは、どんな地域か?ハマースとは、どのような組織なのか?いま、私たちができることは何なのか?今を知るための最良の案内でありながら、「これから...岡真理『ガザとは何か』を読む

  • 包丁と私

    島崎藤村の「初恋」は、「まだあげ初めし前髪の林檎のもとに見えしとき前にさしたる花櫛の花ある君と思ひけり」で始まり、「やさしく白き手をのべて林檎をわれにあたへしは…」と続く。私もりんごは女性にむいてもらう方が勿論好きなのだが、りんごの皮むきは嫌いではない。皮をつなげたままどこまでむけるかゲームのようなところもあり、小学生のときから一人でチャレンジしていた。もちろん、ギネス記録の53メートルには遠く、遠く及ばないのだが。記録を狙う人は、りんごを回しながら、皮にカッターでらせん状に刻みを入れていく。その時、可能な限り線と線の間隔が狭い幅になるようにする。上からはじめて下まで刻み終わったら、細い紐のようになる皮をむいていくのだ。極度の集中力を必要とする作業で、想像するに、むき終わったらもはや、りんごを食べる元気は...包丁と私

  • 台湾屋台飯の祥福堂でランチ

    井の頭通り沿い、井の頭南病院の向かい側にある小さな「台湾屋台飯・小吃招福堂」だ。「屋台」とあるように、基本持ち帰りの店で、壁際に座れるようになっていて、小さなテーブルで食べることもできる。この店、昨年3月にオープンしたのだが、なかなかチャンスがなくて、今回が初めて。営業時間パラパラと持ち帰りのお客が訪れる中、我々は、お客さんが注文する後ろに座って食べることに。私は牛肉麺。「パクチーを載せますか?」と聞かれて、やせ我慢して「お願いします」と答えて、ちょっと鼻についた。相方は、やさしい味でもちもちの「油飯(台湾おこわ)」見た目はいまいちだが、もっちりとし、色々入っていて、美味しい。半分回ってきたが、イケる。それぞれ、¥800、¥600とお手軽。簡単に食べられるので、持ち帰るより、狭くてもここで食べてしまった方...台湾屋台飯の祥福堂でランチ

  • 彼と私とボランティア

    高校で知り合った親友は、正義感が強く、常に弱きものの味方だった。特にボランティアに熱心で、大学は違ったのに何かというと私を熱心に誘った。ためらう私を強引に日本点字図書館の点訳講座に参加させた。私は講座をようやく卒業したのだが、あまりにも地味な作業で、最初の一冊の本の点訳途中で挫折した。なんで、ポツポツと点を打っていく機械でも出来そうな作業を、美徳であるかのごとく、じっと我慢して人がやらなければいけないのか疑問を持ってしまった。彼は、私には特に言わなかったが、その後も点訳を続けていた。グローブが足りないという茨城の小学校の新聞記事を読んで、いやがる私を連れて、グローブやお菓子を買い、わざわざ小学校まで行って渡したこともあった。私と違って努力家で優秀な彼は東大に合格したが、何事にも真面目な彼は党活動を始めた。...彼と私とボランティア

  • 田中聡『施設に入らずに「自宅」を終の住処にする方法』を読む

    田中聡著『施設に入らずに「自宅」を終の住処にする方法』(詩想社新書36、2021年8月28日詩想社発行)を読んだ。詩想社による内容紹介病院、施設、それとも自宅か、あなたは大切な人をどこで看取るかそして、自分はどこで逝くのか・・・よりよく生きたいと思えば「よりよい最期」を求めることは当然のことだ。しかし現在、人の最期においては、医療、介護の関係者がかかわるだけで、居心地のよさを追求する住環境の専門家の視点はほとんど加味されていない。病院や施設などの自由が制限されるなかで、その他、多くの人たちと一律に扱われて亡くなっていくことが、はたしてその人らしい最期と言えるのだろうか。一級建築士でありながら、自身で設計した介護施設の施設長も務めた著者は、人間がその人らしい最期を迎えることができるのは、自宅しかないと考える...田中聡『施設に入らずに「自宅」を終の住処にする方法』を読む

  • 齋藤孝『いつも「話が浅い」人、なぜか「話が深い人」』を読む

    齋藤孝著『いつも「話が浅い」人、なぜか「話が深い人」「あの人は深い」と言われる話し方』(詩想社新書38、2023年2月21日詩想社発行)を読んだ。表紙裏の説明を以下に示す私たちのまわりにあふれる「浅い話」当たり前のことばかり述べる話ポイントを押さえていない掘り下げ方の甘い話具体性がなく、終始、漠然とした話思い込みが強くて視野の狭い話ものを知らない、知識のない人の話思いつきだけで、思考の形跡がない話人生観のない話普遍的視点がない話……これら「浅い話」の問題点を解き明かし、「深い話」をする技術を説く。私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)ひねくれ者の私は、もともとハウツー本が嫌いだ。自分なりのやり方を工夫する中で確立したやり方が、はじめてしっかり身につくのだ。教わるのは基本中の基本だけ...齋藤孝『いつも「話が浅い」人、なぜか「話が深い人」』を読む

  • 5月(1)の花

    5月6日に届いた花赤いカーネーション6本、ベニバナ4本と、ピンクと白紫の八重のナデシコ(ダイアンサス)、一番左手の白のデルフィニュウム。2日後5日後カーネーションのシワシワベニハナ(紅花)。既に黄色からオレンジに色が変化している(スプレー)デルフィニウムデルフィニウムは、つぼみの形がイルカに似ていることから、ギリシャ語でイルカを意味するDelphisという名が付けられた。青系の花色が多い。花屋さんによくあるのが、スプレーデルフィニウムと呼ばれるシネンセ系。その他、花穂を直線に伸ばし、「一本立ちデルフィニウム」とも呼ばれる下の写真のエラータム系がある。ダイアンサス(ナデシコ)ナデシコの仲間であるダイアンサス属は、世界に約300種が分布している。カーネーションもダイアンサス属に含まるが、通常はカーネーションを...5月(1)の花

  • プレゼントされた花

    5月12日にプレゼントされたアレンジメントプリザーブドフラワーかと思ったら、下の説明を読むと、生花だった!全体が淡い色合いで優しく、空色が映える豆知識:砂糖や、ましてや漂白剤、氷を入れるなど考えられないのだが?ちなみに、プリザーブドフラワーだったら寿命はどのくらいか検索してみた。ヨーロッパでは約10年だが、湿度の高い日本では保管場所によっては約1〜2年で劣化する場合もあるという。10年はともかく、1年も変化なく存在しても目に入らなくなるし、2週間ほどで萎れていく過程を共にできる生花でよかった。また、昨年のアジサイの鉢も、切り詰めて、丹念に水やりして、元気に葉がたくさん出てきました。花芽がまだ見当たらないのが心配ですが。そのうちご報告しましょう。プレゼントされた花

  • 東川篤哉『博士はオカルトを信じない』を読む

    東川篤哉著『博士はオカルトを信じない』(2024年2月19日ポプラ社発行)を読んだポプラ社による書籍の内容紹介中2男子×アラサー女博士コンビがオカルト事件に挑む!『謎解きはディナーのあとで』の東川篤哉が描く、連作短編ミステリー。中学2年生のオカルト好きな探偵の息子×自称・天才発明家のアラサー女博士異色の凸凹コンビが町のオカルト事件に挑む、連作短編ミステリー小説!丘晴人は、君立市君乃町に住む中学2年生。両親が「有限会社オカリナ探偵局」という私立探偵事務所を営んでいるため、町の有象無象の面倒事や困りごとや事件が舞い込む。両親の手伝いで事件に立ち会う中で、晴人が目にした数々の不思議な事件。これって、幽霊がやったとしか考えられない――。事件解決の糸口を見いだせない晴人がひょんなことから出会ったのは、廃墟に住む、白...東川篤哉『博士はオカルトを信じない』を読む

  • 5月(2)の散歩

    5月3日、三鷹台駅南の神田川に翻る鯉のぼり「神田川鯉のぼり」散歩途中で見かけた住宅街の小さな工場の解体現場。強力な顎を持つ恐竜が鉄骨に噛みつき、引き倒す身体を曲げて、下から食いつく嫌な奴こちらは、立教女学院正門そばで見つけたそば屋。例によって、ここで昼飯を済ませてしまおうと入った「そば処やぶ」。テーブルの上の可愛い生花私は、「冷やしむじな」¥850。「むじな(貉)」はアナグマ、タヌキやハクビシンの俗称。ということで、具は、油揚げ、揚げ玉、昆布、玉子焼き、キュウリ、蒲鉾と、様々。相方は、とろろそば¥920井の頭線久我山駅近辺を散歩中に、久我山駅南東で見つけた「東京都太田記念館」。ジャーナリストの太田宇之助が自宅敷地を寄贈し、東京都が建物を建てた。元々、中国の北京市からの留学生宿舎だったが、2012年からアジ...5月(2)の散歩

  • 井戸川射子『共に明るい』を読む

    井戸川射子著『共に明るい』(2023年11月7日講談社発行)を読んだ。講談社BOOK倶楽部の内容紹介\『この世の喜びよ』で芥川賞受賞、待望の受賞後第一作!/その瞬間、語られないものたちがあふれ出す。早朝のバス、公園の端の野鳥園、つきあってまもない恋人の家、島への修学旅行、バイト先の工場の作業部屋――。誰もが抱える痛みや不満、不安、葛藤。目に見えない心の内に触れたとき、「他人」という存在が、つながりたい「他者」に変容する。待望の芥川賞受賞後第一作、心ふるわす傑作小説集。「共に明るい」早朝のバス、女は過去を語り出す。「野鳥園」産後の女性と少年が過ごす、仮初のひととき。「素晴らしく幸福で豊かな」出会って一ヵ月、恋人と過ごす不安定な日常。「風雨」台風で足止めをくらった修学旅行生たちの三日間。「池の中の」電池の検品...井戸川射子『共に明るい』を読む

  • 香山リカ『61歳で大学教授やめて、北海道で「へき地」のお医者さんはじめました』を読む

    香山リカ著『61歳で大学教授やめて、北海道で「へき地」のお医者さんはじめました』(2024年2月29日集英社発行)を読んだ。集英社の内容紹介精神科医として知られる著者は、2022年春、北海道南部のむかわ町穂別にある「へき地診療所」で総合診療医としてデビューした。この大転換をひっそり決意したのは50代半ば。そこからの転職活動はハードルの連続!年下の医師から学ぶ総合診療医研修、35年ぶりの自動車運転免許再取得、はじめてのクルマ購入、転職先探しとオンライン面接、大学教授職辞職、慣れ親しんだ東京から北海道への引っ越し……。そこまでして「むかわ町穂別」に就職した理由は……え、「恐竜」って、何それ、なんで!?定年が見えた年齢からの一大決心。その発端を少女時代まで遡り、心のままに突き進んだ慌ただしくも魅力的な“人生大転...香山リカ『61歳で大学教授やめて、北海道で「へき地」のお医者さんはじめました』を読む

  • 東急プラザ銀座、銀座三越へ

    5月3日の「憲法記念日」、所用で「東急プラザ銀座」へ出かけた。いつも休日は、若い人の邪魔になってはいけないと、近場か、家で過ごすのに、久しぶりにお出かけ。休日の10時頃とあって、電車の中に年寄りがほとんどいない!若者が多く、派手な格好に目ぱちくり。人波をスイスイ抜けていく、遠い昔の丸の内ガールの後を必死について行く。東急プラザ銀座に着くと、開店の11時前なので長蛇の列。営業時間は、なぜか11:00~21:00or23:00東急プラザ銀座の施設コンセプトは、「伝統工芸である江戸切子をモチーフに取り入れた外観デザイン」とあり、歩道の端から上を向いてパチリ。近すぎるせいだろうか、どう見ても江戸切子には見えない。3つある各エレベーターに長い列ができている。9階、8階の免税店専用エレベーターへの行列に並ぶ。ようやく...東急プラザ銀座、銀座三越へ

  • 5月(1)の散歩

    秋には柿の実が鈴なりのままで気になってしょうがないこの柿木も、今は若葉がまぶしい牧野富太郎博士や昭和天皇に怒られるが、私にとっては「雑草」だが、この季節、雑草までも輝いている。おお!こちらも鮮やかな若葉がみっちりの塀。と思ったら、プラスチックで、保育園児覗き防止対策だった。GooleLens判定してみると、「ポトス」と出て、ほくそ笑むと、その下にグリーンフェンスとの正解も。秋には一面にまっかな実がなるピラカンサに白い花が。ピラカンサは総称で、これはトキワサンザシ(常盤山査子)だと思う。他に、黄色い実のタチバナモドキや、赤い実のカザンデマリがある。ツツジ?ツツジに似ているのに、サツキ、アザレア、シャクナゲがあり、開花時期などに違いがある。ツツジ:よく見かける「オオムラサキツツジ」のことを指す場合が多い。サツ...5月(1)の散歩

  • 東急吉祥寺店の丸福珈琲店でランチ

    買物で東急吉祥寺店をブラブラしてくたびれた。これから帰宅して昼飯の支度をするのが面倒になり、弁当などを買って帰っても、結局、サラダなど作ったり、後片付けしたりするのがかったるくなった、私が!そこで、3階にある「丸福珈琲店」で簡単にランチした。この店、どうみてもコテコテの大阪の店で、ついつい敬遠していた。今、ホームページを見てみると、やはり大阪に珈琲専門店『丸福珈琲店』を昭和九年に創業とある。老舗だ。この際、妥協するかと、初めて入店。相方は「サンドセット」。意外とボリュームがあり、私に2つ程お下がりが。私は「丸福カリーセット」。味は普通に美味しい。サラダのドレッシングの味が、何なんだか思いだせず、もどかしい。カレーをすくっていくと、「29」らしき文字が顔を出した。29って?Mr.MARUFUKU(丸に2(フ...東急吉祥寺店の丸福珈琲店でランチ

  • 凪良ゆう『星を編む』を読む

    凪良ゆう著『星を編む』(2023年11月6日講談社発行)を読んだ。講談社BOOB倶楽部の内容紹介☆2023年本屋大賞受賞作シリーズ最新作☆第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』続編花火のように煌めいて、届かぬ星を見上げて、海のように見守って、いつでもそこには愛があった。ああ、そうか。わたしたちは幸せだったのかもしれないね。『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語「春に翔ぶ」--瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原が秘めた過去。彼が病院で話しかけられた教え子の菜々が抱えていた問題とは?「星を編む」--才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語。漫画原作者・作家となった櫂を担当した編集者二人が繋いだもの。「波を渡る」--花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人...凪良ゆう『星を編む』を読む

  • 千早茜『透明な夜の香り』を読む

    千早茜著『透明な夜の香り』(集英社文庫ち66、2023年4月25日集英社発行)を読む裏表紙にはこうある。元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。どんな香りでも作り出せる朔のもとには、風変わりな依頼が次々と届けられる。一香は、人並み外れた嗅覚を持つ朔が、それゆえに深い孤独を抱えていることに気が付き──。香りにまつわる新たな知覚の扉が開く、ドラマティックな長編小説。35歳の若宮一香(いちか)は、兄が自死し、自分は何もできなかったことから心に傷を抱え、書店のバイトに行けなくなった。半年もすると貯金も残り少なくなり、家政婦募集に応募し、調香師小川朔(さく)と、営業担当で探偵の新城、そして菜園を世話する源さんと...千早茜『透明な夜の香り』を読む

  • 築地玉寿司吉祥寺店でランチ

    ヨドバシカメラの裏に2014年、10階建ての「ブランシュ」が建ち、2015年3月に銀座アスターが、10月に築地玉寿司吉祥寺店が1階に開店した。開店記念の安売りに興奮して、11月に3回も通ってしまった。以来、今日までご無沙汰していた。一人前、2100円以下と安い。私は「お昼のにぎり」で、相方は「おすすめにぎり」まず、二人に茶碗蒸しとサラダがくる。私の「お昼のにぎり」写真で見ると、いいじゃないと思われるだろうが、一貫が可愛い。コロナを経て、かなり縮んでしまったようだ。まあ頑張って生き延びてくれたことに感謝しなければ。少しずついろいろな物を食べたいと言う流行に対応したと信じよう。相方の「おすすめにぎり」も可愛くて、食べやすいこと。値段相当とも言え、結構でした。手軽に済ませたいときにはいいじゃない。築地玉寿司吉祥寺店でランチ

  • 米澤穂信『可燃物』を読む

    米澤穂信著『可燃物』(2023年7月25日文藝春秋発行)を読んだ。「文藝春秋BOOKS」米澤穂積、初の警察ミステリー。2023年ミステリーランキング3冠達成!(「このミステリーがすごい!」「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」)5編の連作短篇集。「崖の下」雪山での遭難×見つからない凶器群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、崖下に頸動脈を刺され失血死した後東の遺体があった。5人グループのうち、犯人は一緒に遭難していた水野とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。深夜の山中の崖の下、二人の周りの雪は踏み荒らされておらず、凶器を処分することは不可能だった。病院に運び込まれた水野は両手など複数個所を骨折し、右前腕は開放骨折していて、合併症の危険があった。彼は何...米澤穂信『可燃物』を読む

  • 井の頭公園の奥の細道

    井の頭公園の北側の木々の間を通る散歩道(奥の細道?)をご紹介今回は吉祥寺駅から井の頭公園駅や三鷹台駅へ抜ける歩き方を紹介「井の頭通り」と、東急吉祥寺店前からの「吉祥寺通り」の交差点から出発写真は交差点の北東から南西を眺めている下の地図で①の地点。(下の地図は、公園内の看板の案内図を元図にして、英語表記などを消去しています)吉祥寺通りを南に行って、公園入口を入り、紅茶の「ムレナスティー東京」を左に見て、坂を下る。左右に道が分かれるが、左側の崖側の道を行く。(地図の②)さらに木々に囲まれた道を行く(地図の③)ゴミの集積場所を左に見て、正面に七井橋が見える(地図の④)左に進むと、その先に「七井橋通り」からの正面入口が見える(地図⑤)ちょっとだけ寄り道して七井橋から井之頭池を眺める(地図⑥)。4月29日祝日「昭和...井の頭公園の奥の細道

  • 柚月裕子『風に立つ』を読む

    柚月裕子著『風に立つ』(2024年1月10日中央公論新社発行)を読んだ。中央公論新社の電子版の内容紹介問題を起こし家裁に送られてきた少年を一定期間預かる制度――補導委託の引受を突然申し出た父・孝雄。南部鉄器の職人としては一目置いているが、仕事一筋で決して良い親とは言えなかった父の思いもよらない行動に戸惑う悟。納得いかぬまま迎え入れることになった少年と工房で共に働き、同じ屋根の下で暮らすうちに、悟の心にも少しずつ変化が訪れて……。家族だからこそ、届かない想いと語られない過去がある。岩手・盛岡を舞台に、揺れ動く心の機微を掬いとる、著者会心の新たな代表作!盛岡市にある小さな南部鉄器工房『清嘉』営む小原孝雄は、無口で職人気質の親方であるのに、突然非行少年を一定期間預かる「補導委託」を引き受けたと言う。これまで自分...柚月裕子『風に立つ』を読む

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