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2021/12/26

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  • シャイな若者3-3

    『店員さんは男?』『いえ、女性です』『いくつくらいの人?』『わからないですけど、たぶん僕と同世代かな…』それを聞いた桜井ママは片手で口を塞いで目を輝かせ、桜井パパもにっこり頷いた。桜井ママは咳払いを1つしてから『順一君、私の経験からするとね、その店員さんは決して順一君を笑ったんじゃないわよ』『えっ?』『少なくとも感謝の笑顔よ。いつもありがとうございますって気持ちを笑顔に託してるの』『そうなんですか?笑われたと思ったんですけど…』『そんな事ないわ、自信持ちなさい、順一君イケメンなんだから!』『ぼ、僕はそんなイケメ…違いますよー』『うちの順一よりはイケメンでしょ!』『あの顔は大人になればイケメンに…

  • シャイな若者3-2

    『順一君ね!あんたいっつも私がお風呂入ってる時間を見計らって電話してくるのね!?笑』『いえ!そんな…桜井ママがいつお風呂に入るかなんて僕わかりませんから』「そうだよ、たまたまそうなったんだ、ひがむなよ」『わかったわよ…で今日は何のお話?』『僕は人とのコミュニケーションが苦手なんですけど、そのことを定食屋の店員さんに笑われたみたいで…』『ねぇ順一君、その店員さんは男?女?』『性別は問題じゃないです』『問題なの、いい順一君、 私達はここで一晩順一君と一緒に過ごしたからわかるのよ。順一君は自分が思ってるほどコミュニケーション能力は低くないわ』『だから、桜井パパと桜井ママは特別です』『にしてもよ、それ…

  • シャイな若者3-1

    「いらっしゃいませ、どうぞ 笑」 店員さんは順一君につかず離れずの誘導で“いつもの席”に誘う。 順一君は勇気を振り絞って挨拶すると、自分でもわかるくらい顔が熱くなり、おそらくはもみじのように真っ赤になってたはず。 そして桜井パパの言葉を思い出して更に赤くなる。 〖もしかして看板娘でもいるのかい〗 違う!この人はただの店員さんで僕はただのお客で、それ以外別に何もなく… 「…さん!お客さん!!」 そんな事を考えていたら店員さんの声になかなか気付かなかった。 「!!はいっ!すみません、どうも」 「笑 いつものでいいですか?」 「いつもの!?あ、あっ、あのー、日替わり定食下さい」 「笑、だからいつもの…

  • 絢里 伸 則子 楽12

    「おじいちゃんの遺言教えてあげます。鉛筆で書いた字は消しゴムで消せるけど、自分で言った言葉は2度と取り消せない…忘れるな!」伸彦の言葉に先程の男性が感銘を受けたのか右手でガッツポーズをとり、そのまま伸彦とグータッチした。それが合図のように居合せた人達はそれぞれの車に戻った。高級車おじさんはまだ何かわめいていたが、誰も相手することなく、渋滞は間もなく解消され、高級車おじさんもそのうち去っていった。伸彦が後ろのハッチを開けてケーブルを片付けていると、先程の男性が車の窓を開けて「どうも!スカッとしました!」そう言って手を上げて通過したので、伸彦も笑顔で会釈した。絢里が「私もスカッとした!」「私もです…

  • 絢里 伸 則子 楽11

    「すみません、バッテリーが上がったみたいで…」「そんな感じの音ですね、ケーブル持ってるんで待ってて下さい。もうセルは回さないほうが、あとボンネット開けといて下さい」「ありがとうございます!ありがとうございます」伸彦は1度車に戻る。「どうなの?」絢里が心配そうに聞く。「あー、バッテリーが上がったみたいだからこの車と繋いでみる」「大丈夫なの?」「うん」伸彦は反対車線をゆっくり逆走して故障車の前に止めて、ボンネットを開けケーブル接続の準備をする。周りの数人も何か手伝う気持ちで近くに寄る。絢里と佐々本さんも心配そうに車から降りて様子を伺う。するとまたしても高級車おじさんが「何やってんだ!そんなポンコツ…

  • 絢里 伸 則子 楽10

    「大牟田さん、ご馳走様でした」佐々本さんが丁寧に礼を言う。「のぶ、ありがとう」「あー、大丈夫大丈夫 笑」伸彦はそんな事より佐々本さんと連絡先交換出来たのが嬉しくて仕方なかった。間接的には振られたけど、まだ直接は振られてないわけで、明日はその佐々本さんと2人っきりで行動するわけで…(それってデート?イヤイヤそんな)「のぶどうしたの?何かニタニタして気持ち悪い。あっ、さっきのウェイトレス思い出してたんでしょ?笑笑」「ん?あー、まあそんなとこだ」(何とでも言いやがれ!こちとら明日は佐々本さんとデー¥*〒) 再びドライブを再開し、絢里と佐々本さんはまた真面目?にDVD鑑賞を始めた。伸彦は運転なのでDV…

  • 絢里 伸彦 則子 楽9

    注文した山賊丼がテーブルに運ばれてる。「ご注文の山賊丼でござる」ウェイトレスの言葉に3人は笑いを必死に堪えたが絢里が限界を超えて吹き出してしまった。佐々本さんは右手で口を押さえて下を向く。肩がピクピク揺れていた。「ご注文は以上ですか。」伸彦が無言で頷くと「では、ごめん」ウェイトレスがその場を去ると「笑笑笑笑笑」「ござるって 笑笑笑 あの格好でござるって言われたら 笑笑笑 で、最後にごめんって、あの人何も悪いことしてないのに 笑笑笑」「いつまで笑ってんだ」「笑笑笑 だって 笑笑 顎が痛い 笑笑笑」「食べよう」「よく食べれるね 笑笑」「どっかのぽんぽこぽんよりはマシだ」やっと笑いが収まり食べ始めた…

  • 絢里 伸 則子 楽8

    「ランチ?ディナー?」「ランチランチランチランチランチランチ」「だから何回ランチ食べるんだ!」「笑笑笑」「お洒落なとこ行くんでしょ?」「ただでさえ緊張するのに、そんなお洒落な場所行ったら尚更緊張するから明日はとりあえずファミレスってことで」「何処の?」「職場の近くの桔梗坂駅の隣りにあるソイフル」「へー」「待ち合わせは桔梗坂駅に11:30分」「迎えに来てくれるんじゃないの?」「その人ね、明日は朝と夕方仕事なんだって。だから明日は本当にランチだけ」「そうなんだ、楽しみだね。ドキドキしてる?」「ちょっとね 笑」「何かいいなぁ」「どうなるかまだ全然わかんないけどね。則子は明日何するの?」「えっ!あ、明…

  • 絢里 伸彦 則子 楽7

    伸彦に注意され、暫くは真面目にDVDを観てた2人だが「のぶ、トイレ行きたい。コンビニあったら寄って」「ん、わかった」「則子は?」「私はまだ全然」「そうなの?じゃ、ついでに飲み物買ってくるわ。何がいい?」「俺水」「えっ?オレンジ?」「俺!水!」「笑!ボソボソ言うからオレンズって聞こえて、どうした?急に訛ってオレンジをオレンズだなんてって 笑笑」「んな訳ねえだろ!」「そうだね、笑。則子は?」「あ ありがとう、じゃお茶で」「あったあった!寄るぞーっと」車が停止すると絢里は一目散にコンビニの中に入る。「大牟田さん」「はい」「明日の絢里、心配じゃないですか?」「えっ?」「信用してないわけじゃないですけど…

  • 絢里 伸 則子 楽6

    「そうだよ絢里、でもそうやって逃げたってことは、もう何も心配要らないって事ね」「うん、ねーのぶ、あの時何て言ったの?逆に心配になってきた。」「ん?あの野郎かー?もしまた絢里の前に現れたら…カンチョー10連発!って」「笑笑笑笑笑」「実はね、もしかしたら仕返しとかくるんじゃないかってちょっと心配してたけど、これで安心して次の恋に向かえる」「あれ?お前しばらくはシングル楽しむって…」「私はそのつもりだったけど、世の男性がほっとかないのよねー 笑」「ん?佐々本さん今何か聞こえましたか?空耳かなぁ?」人差し指で耳をほじくる。「ちょっとのぶ!真面目に聞きなさいよ!」「何だよ急にでっかい事出して!おっかねぇ…

  • 絢里 伸 則子 楽5

    どちらに向かうか相談して(ほとんどが絢里の意見だが)最初は海辺を走り、それから山に向かうルートが選ばれた。「あれ?DVD忘れた!」「お前は何しに来たんだ?はぁ…」「則子は?」「私?何枚か持って来たけど」「じゃ、それにしよう!何系?」「洋画の恋愛系が多いかなぁ…でも、絢里の好きな日本語吹替版はないかもー…」「そうそう、絢は頭の回転あんまり良くないから字幕読みながら映像観ると頭こんがらがるんだよな」「んな事ないし!勝手に決め付けないでよ!」「いいから決まったらよこせ!」絢里と佐々本さんは2人でゴソゴソ相談しながら、DVDを1枚伸彦に渡す。伸彦はDVDをセットして再生ボタンを押し、前席の画面を消した…

  • 絢里 伸 則子 楽4

    「車の中でそんなの観れるの?大体車は?…あっ、絢里またあんたのぶ君に甘えて」「違う!のぶが積極的に!」(えっ?絢里何でそんなウソつくの?)「絢里あんたね、いい歳してそんなに甘えるんじゃないわよ、お付き合いしてるんなら話は別だけど」「私がのぶと付き合う訳ないじゃん!」「則子ちゃんはどう?のぶ君みたい男性は?」「えっ!はっ?のぶ…お、大牟田さんですか?」「どうしたの?そんなにびっくりしなくても 笑」「お母さん!朝から変な事言わないでよ!」「別に変じゃないでしょ。若い男女が恋するなんてとても自然な事で、太古の昔から脈々と継がれてきた、子孫を継ぐ為の大切な事なんだから」「またお坊さんみたいになってる …

  • 絢里 伸 則子 楽3

    「お邪魔します」「いらっしゃい…則子ちゃん!」「おばさんどうも、いかがですか?」「則子ちゃんのおかげですっかり元気!後遺症もないの」「それは良かったです 笑」「色々ありがとうね」「いえ、私は本当に何も…」「お父さんも絢里もパニクってオロオロしてただけらしいから、則子ちゃんとのぶ君のおかげで、スムーズに病院行けたのよ」「私なんか…大牟田さんは凄かったです!テキパキと動いて」「うん、のぶ君は昔から頼り甲斐のある子でね、絢里もずっと世話になったし。小学校の時この子がちょっといじめられてた時も、のぶ君がずっと守ってくれたから」(やっぱりそうだったんだ!)「お母さん!そんな昔の話はいいから!何か飲みたい…

  • 絢里 伸 則子 楽2

    佐々本さんは伸彦を見た瞬間、2日連続で伸彦の胸で泣いた事を思い出す。最初は絢里の母親が脳梗塞で倒れた事に対し、辛くて切なくて悲しい思いで、駅まで送ってくれた車の中でつい伸彦の胸に顔を埋めて泣いた。そして翌日は、最悪の事態も覚悟した状況の中、奇跡の生還を遂げ喜びのあまり、またしても伸彦の胸で泣いた。1度目は無意識で伸彦の胸に飛び込んだかもしれないが、翌日のは少し計算が入ってたのかもしれない。 「ねぇ則子、こんなにいいお天気なんだからさ、やっぱりDVD鑑賞じゃなくてドライブ行かない?」伸彦はイヤな予感がした。「いいね!…でも車は?」「大丈夫!」伸彦はイヤな予感しかしなかった。絢里が真顔で伸彦の車を…

  • 絢里 伸 則子 楽1

    休日の朝、気持ち良いくらい晴れたので伸彦は特に用事もないから、家の前で車を洗っていた。 以前向かいに住む幼馴染みの絢里が「ドライブ日和なのに彼女のいないのぶは1人淋しく洗車ですか!?」などとカチンとくる言葉を平気で言う絢里だったが、先日DVだった絢里の元彼を伸彦が成敗してくれた事もあり、最近は少し感謝してるのか、そんな事も言わなくなったなぁと、機嫌良く、鼻歌交じりで洗車してる伸彦の背後から「助手席に乗せる彼女もいないのに朝から精が出ますね!」その言葉で伸彦は、ご機嫌モードから一気に怒りMAXに。「テメー!侮辱罪で1回牢屋に入れ!」「何でよ、褒めてんじゃん!精が出ますねって」「その前!」「もう1…

  • ポン太とスコッチ10

    萌ちゃんのお兄さんが中華料理店桃飯里に行ってる間、スコッチと萌ちゃん、そしてポン太の3人は病院の最上階のラウンジでくつろいでいた。「でも、ポン太君の友達がここの産科医だってのはびっくりね。しかもお姉ちゃんの担当だなんて」「うん、もう1つびっくりなのがポン太がニックネームを隠して大学生やってた事 笑笑。職場では?県庁では?」「ポン太なんて言われる訳ないだろ!」「ふーん、職場でもニックネームをひた隠しにしてるんだ」「俺が悪いことしてるみたいな言い方やめろ。誰にも聞かれてないし、大体間抜けなタヌキみたいなニックネーム、自ら進んで教える訳ないだろ。その点スコッチはいいよ、ニックネームだけはカッコいいか…

  • ポン太とスコッチ9

    ドアが開き、助産師の渋渡さんが入って来て、緑沢を見ると満面の笑顔。その笑顔に緑沢は思わず涙顔。「本当に、本当にありがとうございまし#*」語尾が涙声で掻き消される。「緑沢さん!奥さんはもう大丈夫なんですよ!心配いりませんから、何で泣くんですか? 笑」「し、渋渡さんに助けて頂いて、感謝しても感謝しきれません、ありがとうございました」「助けたのは病院の先生方ですから」「その先生が、病院に来るまでの処置が的確で素晴らしかったお陰だったと」「笑 私は私が出来る事をやっただけですから。店長にも一緒に行け!と言われましたし」店長と渋渡さんが笑う。そして渋渡さんは急に真顔で「でもね緑沢さん、お腹の赤ちゃんを本…

  • ポン太とスコッチ8

    麗奈さんの容体が落ち着いて心配いらない事を確認した緑沢は、1人で中華料理の名店“桃飯里”を訪れていた。 「それは良かったです」「本当にご迷惑お掛けしました」「いえ、そんな事ありません。いや、実は私の女房も同じような経験してまして」「そうだったんですか」「更に1度流産の経験も」「そうなんですか…何と言っていいか」「ですから、えっと…」店長がおもむろに右の手のひらを緑沢に向ける。「すみません!お世話になって名乗りもせずに。」そう言うと名刺を取り出し「申し遅れました、緑沢といいます。この度は本当にありがとうございました」「ご丁寧にありがとうございます、すみません名刺は後で。私この店の店長やってます坂…

  • ポン太とスコッチ7

    「すみません、お騒がせしました」3人で店長に頭を下げる。「いえ!お大事に。また是非お越しください」お互いにお辞儀するとポン太が「ちょっと待って1件電話する」そう言ってスコッチと萌ちゃんから少し離れて電話を掛けた。『おい!今何処にいる?』『なんだよいきなり大声出して…病院だよ』『よし!いいかよく聞け、今から切迫早産の危険がある急患がそっちに行く』『は!?名前は?』『緑沢さんって名前だ』『緑沢…!お前その人とどういう関係だ!』『俺の親友の彼女のお兄さんのお母さん…』『はあ?』『とにかくとても大事な人だ!お前の産婦人科医生命賭けてでも母子を救ってくれ!』『わかった!とにかく全力で治療にあたる。他のス…

  • ポン太とスコッチ6

    突然麗奈さんが顔を歪めた。「麗奈どうした?!」「ちょっとお腹が…痛い」「大丈夫か!」ポン太が自分の椅子を移動して「ちょっとでも楽な体勢にしますか」ポン太の言葉でスコッチも自分の椅子を麗奈さんの元へ。ベッドとはいかないが、椅子を4つ並べてだいぶ楽な姿勢がとれた。萌ちゃんのお兄さんはどうしていいかわからず、麗奈さんの身体をとにかくさすった。「どうでしょう、念の為救急車呼びますか?」お兄さんは頷くも、もう放心状態に近かった。それを見たポン太はすく萌ちゃんに向かって「萌ちゃんごめん、母子手帳をかばんから探して!」「はい!」「ごめんねお姉ちゃん、かばん開けるよ」『もしもし急患です、女性妊娠6ヶ月で腹痛を…

  • ポン太とスコッチ5

    萌ちゃんを迎えに行ってから、名店“桃飯里”に行く車内。ポン太は助手席を当然萌ちゃんに譲り、後部座席で2人の邪魔をしないようにおとなしくしてた。「萌ちゃん、ワイン沢山飲んだの?」「そんなに飲めないよ」「飲み放題だったんだろ?」「いくら飲み放題でもそんなには…でも好きな人はガブガブ飲んでたかも!笑」「楽しかった?」「んー、まぁ楽しかったけどスコッチ君といた方が良かったかも」「俺も今日は萌ちゃんがいなかったから、つまんなかった 笑」ポン太が咳払いして「すみませんね、つまんない男がここにいて」その言葉で慌てる2人「違うポン太君!」「そ、そうだよポン太、お前がつまんないなんて一言も言ってないから」「じゃ…

  • ポン太とスコッチ4

    スコッチの電話が鳴る。「あっ、ちょっとごめん」『もしもしお兄さん!』『スコッチ君』『はい』『今、萌と一緒?』『いえ、今日萌ちゃんは会社の慰安旅行で、ワイン工場とあとどっか行くって言ってました。だから今日俺は萌ちゃんと別です』『そうだったんだ!連絡とれないからどうしたのかなって心配してスコッチ君に電話した。ごめんね』『いえ』『実はさ、食事招待券もらって。5枚ももらったから萌とスコッチ君すぐ誘おうと思って。萌何時に帰ってくるか知ってる?』『16時30分にバスが会社に到着して、その場で解散って言ってました』『じゃ萌に連絡して、スコッチ君一緒に来れる?』『いや、萌ちゃんは当然あれですけど、俺なんか…お…

  • ポン太とスコッチ3

    「だから萌ちゃんはお母さんと2人暮らし」「ふーん」「萌ちゃんの家に何度か行って、お母さんと3人で御飯頂いた事もあったさ」「そうなのか」「この前は萌ちゃんのお兄さん夫婦と、お母さんと萌ちゃんと俺の5人で焼肉行った」「へー、ポン太お前そこで我先にガツガツ食ったんじゃないだろうな?」「まさか!緊張してあんまり食べれなかった」「誰に緊張したのさ?」「そりゃお兄さん夫婦だよ、特にお兄さんだな」「怖いのか?」「いやーほらお父さんがいないから自分が萌ちゃんを守るって気持ちが強いみたいで」「それでスコッチには厳しいのか?」「いや、口当たりは優しいんだけど、何かそういうオーラ感じるんだよ」「へー、でもそれだけ妹…

  • ポン太とスコッチ2

    お互いに是非という相手じゃないので、テンションは当然高くないが、人間は何をしても、何もしなくても空腹は必ず訪れるので、ポン太とスコッチの2人はファミレスに入った。「何でポン太とファミレスで、仲良くメニュー選ばなきゃなんねぇんだよ!」「自分で誘っておいて何言ってるかな少地明信君!」「こんなとこでフルネームやめ!だから言ったろ、萌ちゃんが会社の慰安旅行でいないから…」「仕方ない感MAXで出すな!」「彼女のいないポン太が日曜日に淋しくしてると思って…」「悪かったな、萌ちゃんのかわりに、仕方なく俺で」「だから違うって!」「もういいわ、スコッチお前何食べる?」「ん?あー、パスタでいいや、サラダバーつけて…

  • ポン太とスコッチ 1

    「何で日曜日にお前と2人だけで海行かなきゃなんねぇんだよ!」 「いいじゃんかぽん太、どうせお前暇だろ?笑」 「失礼な事言うな!少なくともお前よりは暇じゃない!」 「彼女もいないのにか?」 「自慢か!?」 「あー!自慢だ!!笑」 「いちいちムカつくな!萌ちゃんとデートで来ればいいじゃんか!?あっ、もしかしてとうとう振られた?そうか!仕方ないよ、萌ちゃんとお前だもんな。スコッチ失恋傷心ドライブ!」 「勝手に物語つくるな!しかも嬉しそうに。ひがみ根性丸出し」 「じゃあなんで萌ちゃんじゃなくて俺となんだよ?」 「萌ちゃんは今日、会社の行事で日帰りバスツアー。で、涼介誘ったらヤツらはどっかの川下り行くっ…

  • 幸星 沙耶香 1-4

    夕御飯はおばあちゃんの強い、強い希望で寿司で打ち上げとなり、上条家も強引に誘われた。「今日はみんな頑張ったからおばあちゃん嬉しいよ。幸星も亜夢も上条家の皆さんもいっぱい食べてね」「すみません、一家でお邪魔して、ありがとうございます」「じゃ乾杯しましょう、紗耶香ちゃん怪我しちゃって心配だけど、寿司食べたら治る言ってくれたから大丈夫だね」紗耶香はにっこり頷く「乾杯!!」寿司を食べながら、男性陣は呑みながら、お父さん達が撮影した動画を見ながら盛り上がった。「沙羅ちゃんは何が一番良かったの?」「沙羅はねー、玉入れ!だっていっぱい入ったんだよ」「へー、玉入れが良かったんだー」「後はレンタルファイトがちょ…

  • 幸星 沙耶香 1-3

    午後の競技も順調に進み、最大の盛り上がり競技リレー。赤組3チーム、白組3チームの6チームで行われ、一年女子、一年男子の順でアンカーは六年男子。幸星と紗耶香は赤のバトンで同じチーム。スタートの号砲とともに元気なランナーが飛び出すと歓声が一斉にわき起こる。各学年共見事な力走で抜いたり抜かれたり。五年生になるとスピードも上がり迫力が増し、この時点で幸星らの赤バトンは三位。六年の紗耶香がバトンを受け取るとぐんぐん加速、一位と二位の混戦をかわし一気に逆転して一位で幸星に渡せそうだ!ところが追い抜く際足が絡んで紗耶香はまさかの転倒、左足に激痛が走る。立てない…歓声が悲鳴に変わる中、はっきり聞こえた1人の声…

  • 幸星 沙耶香 1-2

    競技は徒競走から始まり、亜夢と沙羅は二位、幸星と紗耶香はリレーの選手に選ばれるほどの脚力なので2人共ダントツの一位であった。その他の競技も順調に消化され午前中のメインイベントとも言えるレンタルファイトが始まった。何故メインかと言えば、実況の飯杉先生が大変面白い先生で、赴任して来た三年前から“名物競技”になった。昔で言うとこの借り物競争である。簡単なボールとかほうきなど、物なら問題ないのだが…迷いながら飯杉先生の元へ駆け寄る上条沙羅【はい、えー、イケメンの大人……あっ俺だ!】会場が笑いに包まれる。ゴールして元の場所に戻る途中白組の児童に呼び止められ「飯杉先生はイケメンじゃない」 「先生は周りから…

  • 幸星 沙耶香1-1

    ドーン!ドドーン!「お母さん、今の花火!?」「そだよ、運動会決定だね、頑張ってよ!」「やったぁ!兄ちゃん運動会やるよ」「うん、晴れて良かったな。亜夢は何に出るんだ?」「亜夢はね、徒競走とー、玉入れとー、レンタルファイトとー、ホークダンス!」「フォークダンスな、レンタルファイトはもしかしてまた飯杉先生の実況付き?」するとお弁当を作ってた母親が「いいじゃない!盛り上がって、亜夢は何をレンタルするのかな?」「何かね、物だけじゃなくて人もレンタルするんだよ、メガネの人とか、五年女子とか」「じゃ亜夢、六年男子だったらすぐ兄ちゃんのとこ行きなよ!」「うん!六年男子、六年男子、六年男子…」亜夢は呪文を唱える…

  • カット工場 始7

    「あの子可愛いですね」「光!お前はダメだから!」涼さんとテツが同じタイミングで同じ言葉を発したので、光はびっくり。「どうしたんですか?2人揃って。あっ、もしかして2人共あの子狙いですか?笑」「ば!バカな事言うな!」またしても2人でシンクロしたので、光は笑ってしまった。涼さんは咳払いをしてから「とにかく、お前はほんの数ヶ月でいなくなるんだから、ここで色恋沙汰はやめるべきだ」「じゃ涼さんも年齢考えたらやめるべきかと…」「歳は関係ない!そんなカップルいくらでもいる!」「やっぱり狙ってるんですね 笑」「違う!一般論を言ってるんだ」「何の話で盛り上がってるんですか?」「初めまして、明光と言います。光でお…

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