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2021/12/26

1件〜100件

  • ボブ達タコパ15

    隊長さん夫婦が帰宅「どうする?こんなにいっぱいもらって…」「だから余ったら冷凍すればって」「そうじゃなくて、こんなに貰いっぱなしで申し訳ないと言ってんだよ」「あー!そうね、結婚式の真似事するから手伝って欲しいって言うから、軽い気持ちで行ったのにね」「そうだよ、それが普通の結婚式より何倍も感動的で、絶品たこ焼きやら色々ご馳走になって、こんなに沢山お土産まで。あの子ら本当に25歳なのか?」「じゃ、来月のお墓参りは御両親とは別にボブ君にも何か今日のお返しみたいなの持って行きますか」「うん、そうしよ。何かあれだな、ちょっと小腹空いたからたこ焼き…」「あなたも?私も今たこ焼き食べたいって、果音ちゃんの言…

  • ボブ達タコパ14

    「何だか夫婦で切り盛りしてるたこ焼き屋さんみたいだね、すいませーん!ラブラブ盛り1つ下さーい!」「果音先輩!」「笑笑笑ごめんごめん。あれ?亜夢ちゃんのお土産分数えてないじゃん、ボブあんたね1番大事な」そこで果音は急に腕を洋太に引っ張られた。「えっ?何?何何何!」そしてライク、エル、洋太、果音の4人がボブと離れた場所で小さな円陣を組む。洋太はボブの視線を何度も確認しながら声をひそめて「あのな、ボブが俺達と同じタイミングで亜夢ちゃんまで返す訳ないだろ!」「そうなの?」「当たり前だ、俺達みんなを返してからここで2人っきりで…」「何するの?」「まあ、ボブさんお疲れ様でしたとか、亜夢ちゃんもありがとうと…

  • ボブ達タコパ13

    「おいパパ!ボブがな」「俺は洋太のパパじゃない笑」「何だそのだらしない顔は!パパって言葉に反応して…そんな顔エルに見せたら逃げられるぞ!」「大丈夫、毎日見せてるし、エルもママって言われたらこんな顔になる」「馬鹿夫婦が…」「馬鹿夫婦とは何だー!」「あーごめん、羨ましくてついひがみが…」「じゃあ洋太も頑張れ」「何を?笑笑」「だからこうゆう顔する為に」「目的ずれてないか?」「まあいい、お前もこうなったらこうなるから」「はあ?どうなったらどうなるって?何がまあいいだ!さっきの結婚式であんな感動的なスピーチしたのに…俺の涙返せ!」「洋太、お前もいつか俺の言う事わかる日がくるさ」「親か!どんだけ上から言う…

  • ボブ達タコパ12

    「亜夢ちゃん、ボブの御両親には挨拶したの?」「はい、初めてこのお家にお邪魔した時直ぐに」 時を巻き戻す事2週間「どうぞ上がって」「ありがとうございます、お邪魔します。凄い綺麗ですね!」「最初はね、親がいなくてもちゃんとやるんだって意地になってた時期もあったけど、今は自然に片付けたり、掃除したり出来るようになったよ。それから、ここは両親が建てた家だから綺麗に使わないと申し訳ないから」「素晴らしい、ボブさん!」そのままリビングに入る2人。「その辺適当に座って、お茶淹れるよ」「あの!ボブさん!」「ん?」「その前に、まずお仏壇…」亜夢ちゃんの想いをすぐに察したボブは「うんわかった、こっち来て」両親の寝…

  • ボブ達タコパ11

    「おいやす!ちょっと来い!」「何ですかおじさん」ボブと2人で話そうと最初は勢い良かった鶴舞だが一緒に亜夢ちゃんもついて来たので急にオドオドし始めた。「どうしたんですか?」「ん?や、あれだ」事情を知ってる果音の母親は大爆笑。それを見た果音が「えっ?お母さん何?お父さん何したの?」母親が果音に耳打ちする。「お父さんがね、自分だけ亜夢ちゃんを紹介してもらってないから、怒ってやっくんのとこ行ったけど、亜夢ちゃんも一緒だから急にオドオドして、笑笑笑」「ばっかじゃないのー!笑笑笑」「ちょっと面白いから様子見よか」「えっ?」 「今日お前はあれだよな!」「はっ?」「つまりあれなんだよな?」「いや…あれと言われ…

  • ボブ達タコパ10

    「身寄りのない両親ですから年賀状はほんの数枚でしたが、中に同じ苗字の女性からの年賀状がありまして、父親に姉や妹なんて聞いてないけど、とりあえず喪中葉書出したら直ぐ電話が来たそうです。自分はあなたのお父さんといとこにあたる者で、あなたのおじいちゃんと私の父親が兄弟で、2人でやってた事業が失敗して、やむなく私とあなたのお父さんを別々の施設に預けたと」「そうだったんですか…苦労されたんですね」「その池堂…何さんだっけ?」「貴美子さんよ」「ああ、そうだった貴美子さん、池堂貴美子さんが自分の結婚を機に出生を調べて、やすのお父さんに辿り着いて、やすが赤ちゃんの時に一度会ってたらしいんです」「へー!」「でも…

  • ボブ達タコパ9

    ボブら若者6人は中庭に出て写真を撮ったりはしゃいでいる。家の中では果音の両親と江藤隊長さん夫婦が残った。「女房と相談して家で一緒に暮らすって考えたんですけど、おじさんの気持ちは嬉しいけど、果音と一緒に暮らすのはイヤだとあっさり断られました笑」「笑、まぁ思春期ですからね」「アイツの両親から遺言のように頼まれましたけど、どうして良いかわからなかったんですがね、アイツは…やすは私らが思ってたよりはるかに大人でした」「それは私らが見てもわかります」「暫くはうちで晩御飯一緒に食べることにしたんですけど両親が亡くなって10日くらいかな?」果音の母親が間に入る。「いや、初七日の日よ。いつまでもお世話になる訳…

  • ボブ達タコパ8

    「ごめんなさいボブ君、辛い事思い出させてしまって」「いえ、大丈夫です。」「お仏壇はこのお家に?」「はい」「後で主人とお線香あげさせてもらっていいかしら?」「ありがとうございます、両親も喜んでくれると思います」暫くすると隊長さんが戻って来た。「思い出した、やっぱりそうだった」「何がよ?」「7年前、ボブ君のご両親はこの家のすぐ近くで交通事故にあった。」「そうですけど!」「私が救急車で駆けつけました」「そうだったんですか…」「私らが到着した時は既にお2人共意識が無かったんですが、側に子供さん2人と近所の方なのかな?必死に声をかけていて…じゃ、その時いたのがボブ君?もう1人は妹さん?」「僕は1人っ子で…

  • ボブ達タコパ7

    「まさか、あんなに盛り上がるとは笑」「笑笑」ボブの家での“結婚式”が終わり、皆んな落ち着いてケーキを食べていた。ボブ、亜夢ちゃん、果音、洋太の4人が出産が最優先の為、結婚式の予定がまだだというライクとエルに、何かしてあげたいと思った事に隊長さんと奥さんが共感してくれ、何処にも、誰にも真似出来ない“結婚式”をあげる事が出来た。「隊長さんと奥さんのおかげで何倍も盛り上がりました!ありがとうございます」「いや、お恥ずかしい…笑」ライクが「烏龍茶買って来いって、下手くそな小芝居で出された時」「下手くそな小芝居笑笑笑」「あん時すぐわかったよ、あーこれ何か企んでるなって」「えっ、わかったの?」「わかるさ、…

  • ボブ達タコパ6

    「買って来たぞ」ライクがドアを開けるとクラッカーが鳴った。 (まぁ、これは何となく予想出来るさ、でも一応びっくりして…えっ!)ライクとエルが部屋に入ると正面に隊長さん…いや、神父さん(絶対違うけど、状況的にそうとしか考えられない)が立っていて、横には奥様がオルガンではあるが美しい“讃美歌”を奏でている。2人はテーブルの前に来るように神父さん(隊長さん)に促され「一旦指輪をはずして置いて下さい」隊長さんの一言でその場の空気がガラリと変わった。2人は言われるがままに指輪を外しテーブルに置くと、隊長さん改め、神父さんが指輪をクロスして置き直す。「ではライクさん、エルさんに指輪を」ライクがエルに指輪を…

  • ボブ達タコパ5

    「隊長さん、ボブは顔に似合わずたこ焼き上手なんですよ」ボブが作ったたこ焼きは大絶賛で、隊長さん御夫妻も喜んでくれ、ボブと亜夢ちゃんは大満足の笑みを交わした。「あー!今ボブと亜夢ちゃん、濃厚なアイコンタクトした!」「何だよ!濃厚なって、笑」「今が1番楽しい時期なんだよ!そうですよね?隊長さん」急に振られ慌てて、たこ焼きを皿に落としてしまった。奥さんに「何慌ててるの?笑」「やっ!別に慌てた訳じゃ…急に聞かれてびっくりしただけで。まぁ、昔の事は忘れました」奥さんが「恥ずかしがってるんですよ、私は覚えてます。この人お付き合いしてから3ヶ月は手も握ってこなかったんですよ」「隊長さんうぶ!」「うぶ!」全員…

  • ボブ達タコパ編4

    「おい果音、今奥様は俺達みんなを褒めてくださったんだぞ!さも自分1人だけ褒められた感だして!」「笑笑笑」「こういうは時ドンマイって言うんだよね」「言わねーよ!」全員に総ツッコミされる果音。それを見て大受けする隊長さん御夫妻「いや、本当に面白い人達ですね!チームワークバッチリ!」「チームではないですけど、学校が同じだけで」「それで!」「私とエルとボブが中学校の同級生で、私とボブに関しては産まれてからずっと一緒、家隣なんです」「あー、なるほど。えっとあなたがかのさん?」「私は鶴舞果音です。鶴が舞う鶴舞で果実の果に音でかのんです」「あらまぁ優雅で可愛らしいお名前だわねぇ」「いえ、そんな」(名前負け)…

  • ボブ達タコパ編3

    「えっとー…まず隊長さん御夫婦から紹介します」「池堂さん、私らはそんな…いいですから」「まあ、そう仰らずに。きっかけは勿論救急車に乗った時、亜夢ちゃんが守ってくれたお礼と一緒に、嬉しかったと言ってくれて、俺が思わず赤面して。それに隊長さんが気付いて」「それであの伝説的名言!」「そんな名言だなんて。私はとにかく顔が赤くなったのが気になって気になって」「笑笑笑」「あの時こちらのお嬢さんは池堂さんとお付き合いしてる彼女さんだと思い込んでましたから。彼女さんから嬉しかったと言われてその都度顔を赤くする彼氏なんていませんからね、まぁ場合にもよりますけど、普通は」「そう…ですよね」「だから池堂さんがそんな…

  • ボブ達タコパ編2

    「“たこ焼きパーティー”と言っても本当にたこ焼きだけって訳にもいかないだろ」「そう思って俺らはほら、フライドチキン買って来た!それからお前のお父さんとお母さんに、これ」「ありがとう、直接あげてくれるか?」「うん」ライクとエルは更に奥の部屋行って正座をした。手を合わせる2人(おじさん、おばさん、俺達3日前に入籍しました。コイツのお腹には赤ちゃんがいます。お2人のように、優しくて強い親になりたいです)(おばさん、夏の暑い日に私が果音とこ遊びに来たけど、誰もいなくてしょんぼり帰ろうとしたら、ひろこちゃんおいで!一緒にかき氷食べよって。冷たかったけど、あったかいイチゴのかき氷。私、おばさんのようにあっ…

  • ボブ達タコパ編1

    「亜夢ちゃーん!」「わー!エルさーん!」1ヶ月ぶりの抱擁。大きな身体から醸し出される優しい包容力のエルと、泣いても笑っても可愛いのが魅力的な亜夢ちゃんが、バーベキューで初対面にも関わらず、お互いに“抱かれ心地”が最高と褒め合い、すっかり意気投合。「ライクさんも、お久しぶりです!どうぞ上がって下さい」亜夢ちゃんが2人を奥に案内する。ライクとエルはニコニコしながら「エプロンなんかして、もうここん家の奥さんだな、笑」「そうね、先越された感ある!笑」「あれ?洋太と果音は?」「一度来たんですけど、何か準備するって、隣に戻って行きました。あっ!エルさん、ちょっといいですか?」亜夢ちゃんはそう言うとエルの前…

  • シャイな若者1-4

    『田口順一です』『ええーっ!順一君!?本当に順一君!』『はい、ご無沙汰してます。その節は本当にありがとうございました』『何言ってるの!こちらこそなのよ!』「おい、順一君か!?スピーカーにしろ!お前だけズルいぞ、早く早く!」『順一です』『おー!順一君電話ありがとうスピーカーだから2人で聞いてるよ 笑』『あっ、すみません、ショートメールで電話番号が2つ書いてあったんでどっちがどっちなのか?この電話が桜井お母さんで』『えっ、えっ、ちょっ、何、何、えっ今順一君、その、桜井…お母さん…って、えっ!ああー』『ダメですか?』『ちょっと待ってよ、突然そんな…ドキドキが、えー!』『お父さんお母さんはやっぱり違い…

  • シャイな若者1-3

    「ただいま」「お帰りなさい!あなた、順一君から手紙が来てるわよ!」「そうか!何て書いてある!?」「まだ開けてないわよ、一緒に読みましょ!あなた声出して読んで、私だと泣いちゃうから」「わかった、じゃ読むよ。手書きだぞ!」 《桜井御夫妻様先日はこんな僕の為に心温まるおもてなし本当にありがとうございました。あの日のビールと、奥様の手料理、そしてお2人の優しい笑顔は一生忘れる事は出来ません お2人はたぶん察してたかもしれませんがあの日僕は“死ぬ”つもりでした。携帯も家に置き、お金も片道分だけ持って…僕とお二人の出会いは運命ですね。僕の勝手な解釈ですが僕がお2人に出会ったのは“順一さん”が引き合わせてく…

  • 出会い花見16

    日は暮れたが家からの灯りが注いでたので飲食には影響なかったが「ちょっと寒くなってきたね、みなさん中に入って下さい。縁側でどうぞ」みんなで黙々と一式を中に入れる。涼介と恵里が桜の周りでゴソゴソと動き回り「よし、恵里OKか?」「いいわよ!」「では今から第2部、スイッチオン!」すると庭の桜が見事にライトアップされた。「わー!きれー」歓声が上がる。「何か癒される…」「そうだね…」「涼介、お金掛かっただろ?俺の為に…」「ポン太の為じゃない!笑」「笑笑笑」「電線は家にあったし、この灯りはホームセンターで…そんなに高くなかったぞ。みんなに見てもらおうと思って」「涼介がやったのか?誰かに頼んだんじゃなくて?」…

  • 出会い花見15

    「ごめん下さい」「あっ、ママだ!」つばきちゃんが庭から直接玄関に行く。「ママこっち!」つばきちゃんがママの手を引いて庭に来る。「ママでーす!」「少地です。今日は弟と彼女の萌ちゃん、そして娘のつばきまでお邪魔してすみません、ありがとうございます」深々と丁寧にお辞儀した。「いいえー!つばきちゃんとってもお利口さんで、いい子ですね!」「ママ!お菓子いっぱいもらった!」「あらまあ!重ね重ねありがとうございます」母ちゃんが笑顔で右手を振る。「お姉さん、お久しぶりです」「恵里ちゃん!暫く見ないうちにすっかり美人さんが増して!」「いえいえいえ!そんな 笑」「涼介君も彼女が綺麗だと心配ね」「そうでもないです」…

  • 出会い花見14

    「恵里ちゃんと弟君は仲良いの?」「まあ、普通だと思うよ、他の姉弟の事情はよくわからないけど」「ほっぺにビンタとか」「するわけないじゃん!」「首絞めたりは?」「はあ?そんな事もう犯罪でしょ!逮捕されるよ!笑」(逮捕されろ!)「そんな事する姉弟いるの?」(はい、います)「あいや…その、大丈夫」「何が?」「1人っ子の俺からすればスコッチ、あんな綺麗な姉ちゃんがいて羨ましいわ」「ポン太!お前がその気ならうちの姉貴いつでもくれてやる!」「くれるって物じゃないし、ましてや親が言うならまだしも、弟のお前にくれる権利ないだろ!」「権利はないけど願望…」「スコッチ贅沢だぞ!」「何が?」「俺は彼女もいない、綺麗な…

  • 出会い花見13

    「つばきには知られたくないから今言うけど」スコッチは話すトーンを少し抑えて「元旦那と養育費でちょっとトラブって」「そうなんだ。何か聞くなぁ、そんな話」「元旦那に新しいパートナーが出来て、そのあたりから養育費が減ったり、未入金だったりみたいで」「元だから、今どうしようが勝手だけど、責任だけは取らないとな」「そうなんだよ、家は全員会社勤めだからお金に困ってる訳じゃないんだけど、ポン太が言うように父親としての責任だよ。ましてや離婚の原因は元旦那の浮気だから」「そうなんだ…」「俺に言わせりゃ、あんな恐ろしい姉ちゃんがいるのに浮気だなんて」「スコッチ、お前自分の姉ちゃんが恐ろしいのか?」「…うん…」「あ…

  • 出会い花見12

    「ほら、ここ見て。世の男性は浮気の可能性がありますから注意が必要ですが、少地明信は浮気の可能性は皆無なので心配いりません。ねっ!」萌ちゃんもお姉ちゃんに合わせて「確かに書いてありますね。まぁ私もその事は最初から心配してません」「あの顔だからねぇ…」「顔で心配してないんじゃないんです」(本当は少しあるけど…)「ないんじゃないん?ナインティナイン!」(連想ゲームじゃないんで…)「私そんなに恋愛経験豊富じゃないですけどわかります。スコッチ君は絶対浮気しません!」「じゃ姉の私も断言します。弟のあきは絶対浮気しません、出来ません!」そして2人は笑ってハイタッチした。「笑笑笑」 「お姉ちゃんお酒強いですね…

  • 出会い花見11

    「先日スコッチ君のお姉ちゃんと居酒屋に行ったんです」「えっ?2人っきりで?」「はい!笑」 時を巻き戻す事数日前「ごめんね萌ちゃん、無理矢理付き合ってもらって」「いえ!私も一度お姉ちゃんと呑みたいと思っていたので。でも私、あんまり呑めませんから、相手になるかどうか…」「知ってて誘ったんだから、笑。無理しなくてもいいよ。でも乾杯ぐらいは付き合ってね」「ありがとうございます、乾杯!」「ずっと聞きたかった事、今日はズバリ聞くね」「何ですか?ちょっと怖い 笑」「最初は何かのドッキリか罰ゲームかなぁって思ってたけどね、時間が進むのと比例して、あきと萌ちゃんは真剣にお付き合い重ねてるのがわかってきて」「ドッ…

  • 出会い花見10

    「ス、スコッチの家族賑やかだから」「あー!はい。みなさん明るく私に接してくれます。ウェルカム感MAXで!」「それは良かったね」「びっくりしたのが、スコッチ君のお姉ちゃんすっごく美人さんで」(弟のスコッチがブ◯◯クだからマジでびっくりしたんだ…)「萌程じゃないでしょ?私会った事あるけど…あっスコッチ君ごめん、謝ったほうが良いのかな?この場合」「大丈夫、事実。萌ちゃん程でない」「デレデレすんな!スコッチ!」「うるせー!」「ねー、つばきちゃん、ママ綺麗だもんね!」「うん、ママ美人!」「ねー、笑。それからスコッチ君のお母さんも綺麗で」「そうだった、俺の母ちゃんより5.7倍美人!」「数値で表現するんじゃ…

  • 出会い花見9

    「去年すこし君は1人だったけど、今年の花見はこんな可愛い萌ちゃんと一緒、良かったねぇすこし君」(いい加減スコッチって覚えろと言いたかったが…諦めた)「はい!まぁ」スコッチは照れながら、右手で頭の後ろを押さえ、首だけを何度も前に出した。若者独特のお辞儀なのだろうか?「萌ちゃん、もう慣れた?」「はい?」萌ちゃんは質問の意味がわからなかったみたいだが涼介、恵里、ポン太の3人はすぐに気付いて焦った。それは、母ちゃんの質問は、スコッチのブ◯◯クな顔に慣れた?って意味だから。 世の中本当に不思議な事があるもので、テレビやメディアに出てもおかしくない可愛いさ満点の萌ちゃんと、テレビやメディアに出てもおかしい…

  • 出会い花見8

    「スコッチお前、萌ちゃんと付き合ってから服装のセンス上がってね?」「わかるか?涼介!これ全部萌ちゃんが選んでくれたんだ。帽子とサングラスは萌ちゃんからのプレゼントだから!」「萌、やっぱセンスあるわ」「萌ちゃんは俺のファッションコーディネーター」「は?場所混んで寝た?」「何言ってんだ?涼介、聴覚か脳への伝達機能が壊れてるぞ」スコッチは両手で大きくゼスチャーしながら「ファッションコーディネーター!どういう意味かわかるかなぁ?妹尾涼介君」「フルネームやめれ、お前だってその言葉使うのは人生初だろ。まぁでも確かに萌ちゃんがコーディネートしただけあって、あのスコッチとは違う」「あのスコッチって何だよ!」「…

  • 出会い花見7

    「いいか母ちゃん、その姪っ子ちゃんの親は離婚して母親、つまりスコッチの姉ちゃんと暮らしてんだから、間違ってもパパとか言っちゃ駄目だからな」「そうなのかい?わかったよ、可哀想に」「今はとりあえずスコッチがパパ代わりしてるみたいだけどな“あきパパ”って呼ばれてる」「名前は?」「明信だよ」「バカ!すこし君じゃなくて姪っ子ちゃんの名前だよ」「紛らわしい聞き方するな!えっと…何ちゃんだっけ?」「つばきちゃんです、意味は花の椿ですけど、ひらがなでつばきちゃんです」「あらま、可愛らしい名前だこと」「目がクリッとして可愛いんですよ」「あの顔はママ譲りだな。ママ、つまりスコッチのお姉ちゃん綺麗な人だもんな。で …

  • 出会い花見6

    「恵里ちゃんが一緒に来てくれて助かったわ、ありがとう 笑。最近の子供の好みなんか全然分からないからね」「私もあんまり詳しくないんですけど、最近スコッチ君の姪っ子ちゃんとか会ってたんで少しは 笑」「母ちゃんは涼介しか育ててないから、女の子の好みとかはね…」「これくらい用意しておけば姪っ子ちゃん喜びますよ」「そだね良かった」「ここはコンビニが近くて良いですね」「本当だよ、コンビニに限らずスーパーやら病院やら銀行、学校だって近いから便利だよ。ほとんどが歩きか自転車で行けるから!」「お嫁に来ても安心ですね」恵里の言葉に母ちゃんは立ち止まった。「母ちゃんどうしたんですか?」「えっ?恵里ちゃん、こ こ、こ…

  • 出会い花見5

    「ちょっと出てくるわ」「母ちゃんは今日のメンバーに入ってないんだからいちいち言わなくていいから」「涼介、そんな事言わないの!母ちゃんどこ行くんですか?」「やっぱり恵里ちゃんは優しいね、恵里ちゃん、その姪っ子ちゃんは何歳?」「えっと、保育園の年中さんだったと思います」「それくらいの子供が食べたり飲んだりするのあんまりないから買ってくるよ」「あっ、私も一緒に行っていいですか?」「本当?助かるわ。そこのコンビニで良いよね?」「大丈夫だと思いますよ。じゃ涼介、ちょっと行って来るから」「わかった」 「本当仲良いな、涼介母ちゃんと恵里ちゃんは。去年のバス旅行で一緒に風呂入って、恵里ちゃんが涼介母ちゃんの背…

  • 出会い花見4

    「あ!沙織も誘えば、あの時のBBQと同じメンバー揃ったのにね!」「私はBBQに行ってないけど」「母ちゃんは今日のメンバーにも入ってないんだけど」そんな親子の会話をポン太は無視して「いや恵里ちゃん、勘弁してよ。俺は沙織ちゃんとは上手くいかなかったんだよ!ここに沙織ちゃんきたら気まずいっしょ?沙織ちゃんだって」「ポン太君、沙織に告ってないでしょ?」「そりゃそうだよ、沙織ちゃんは誰か好きな人がいるみたいだしさ…」「でも変なんだよね、沙織は未だに彼氏募集中だよ」「おいポン太!も1回いけ」「いやだから沙織ちゃんは、その誰かにだけ募集してるんじゃ?」「ポン太、あのスコッチがあんな可愛い萌ちゃんをゲットした…

  • 出会い花見3

    「あんな顔って言うな母ちゃん!もうちょっとしたらその“あんな顔”が来るんだぞ!笑」「涼介、笑いながら言わないでよ!ポン太君も笑い過ぎ!笑」「恵里だって笑ってるじゃんか!」「笑笑笑」「母ちゃんも大爆笑!笑、まあいいか、来る前にいっぱい笑っとこ」「笑笑笑笑笑」 高校生の時に父親を亡くした涼介と、小学2年生で母親を亡くした恵里がお付き合いをするようになってから、妹尾家の庭でこの時期恒例の花見。今日はそこに、涼介とは小学校から幼馴染みの加藤健太 通称“ポン太”が参加。そしてこの家の“世帯主”母ちゃん。世帯主だから仕方ないところは多少あるが、誘われても頼まれてもないのに、毎年普通に花見に参加してる。理由…

  • 出会い花見2

    「あのな母ちゃん、さっきからこの涼介とかあのすこし君とか、どんだけポン太より下に見てんだ!」「だってそうだろ?なんたってポン太君は県庁なんだから!笑。私の自慢の子」「母ちゃんの子じゃねえだろ!」「笑笑笑」「頭おかしくなったんじゃねぇのか?」「バカだね!小さい頃から知ってる我が子同然可愛い子って事だよ」「何だ、そういう事か」「そうだよ、恵里ちゃん誰かいない?」「だから母ちゃん、物を欲しがるみたいに言うな」「こればかりは縁ですからね、母ちゃん」「まぁ恵里ちゃんが言うなら…」「とりあえずポン太、頑張れ!」「何を?」「笑笑笑笑笑」「でも母ちゃん、ポン太君は県庁職員だからそんな話結構くるんじゃないんです…

  • 出会い花見1

    「本当に毎年綺麗に咲きますね、母ちゃん」「本当だよ、涼介の父ちゃんが庭の真ん中に植えた時は邪魔だなぁ、なんて思ったけど今はこの桜の下で、毎年恵里ちゃんと花見するのが楽しみでね 笑笑」「あのな母ちゃん、今日は俺と恵里とポン太で花見するんだ!後でスコッチと萌ちゃんも合流するけど、誰も母ちゃんのことは1ミリも誘ってないんだからな!何で当たり前のようにちゃっかり座ってんだよ!」「恵里ちゃん、今日は後ですこし君も来るのよね?」(俺の話は無視か!スコッチ来るって今俺が言っただろ!)「はい、今日は姪っ子ちゃんに何かプレゼント買いに行くらしくて、萌も一緒に。姪っ子ちゃんは萌のこと“萌姉ちゃん”って呼んで懐いて…

  • シャイな若者1-2

    食事の支度も整い3人がテーブルに着く。「すみません、こんなにまでしていただいて」「君、順一君っていうのかね?」「はい、順番の順に漢数字の一です」夫妻はまた顔を見合わせびっくりした。「気分を害したら謝るけど、私達にも子供がいたんだけど、5歳の時交通事故で亡くなってね」若者は黙って静かに頷く。「家の子も生きていれば23歳、名前も順一、字も同じ」「そうだったんですか…」「お願いがある」「はい、何でしょうか?」「明日帰るまででいいから私達のもてなしに付き合ってはくれないだろうか?」「いや、お世話になってるのにそんな事言われたら…まぁ、こんな僕でもお二方の気持ちが癒やされるなら、僕は喜んで」「ありがとう…

  • シャイな若者1-1

    「危ねっ!! びっくりしたー!おい、お前今人が見えたか?」 夫は車を止めながら妻に言った。 「見えた!2人で見えたって事は幽霊じゃないわね」 「そうだな、こんな時間にしかも雨だぞ、可哀相に、なんだったら乗せてあげようか?」 「そうね」 「声掛けてみるよ」 男は車から降り、傘をさして人に近づく、どうやら若い男のようだ。 「どうしました?」 「あっ、すみません道に迷ってしまって」 「もし良かったらどうぞ、ふもとまでならいいですよ」 若者は一瞬喜んだがすぐ顔を曇らせて 「あっ、でも僕こんなにずぶ濡れだしご迷惑なので気持ちだけ」 助手席の窓が開き妻が 「いいから乗りなさい!」 夫と若者は少しびっくりし…

  • 絢里 伸 則子 命10

    「いヒックをヒックました」(息をひきとりました?)伸彦はそう解釈し、絢里もまたそう思ったのだろう、泣き始める。看護師が「すみません、しゃっくりが止まらなくて、ヒック栗部芳恵さんが意識を取り戻しました」「は?もう一度ゆっくり言って下さい」「栗部芳恵さんが意識を取り戻しました。言語も四肢も問題ありません!」「やったー!」伸彦の両親は抱き合って喜びを分かち合う。絢里の父親は「ばっか野郎!」そう言って座り込み号泣すると、絢里と抱き合った。親戚の人達も手を取り合って安堵の表情。佐々本さんは…1人静かに部屋から出て行く。伸彦はちょっと気になったので様子を見に行くと、廊下の隅で泣いていた。泣顔見られるのが恥…

  • 絢里 伸 則子 命9

    「すみません、大牟田さんの胸をお借りして」「だ!大丈夫です、いつでもどうぞ」(あっ!今のは失言。撤回して謝罪します)伸彦も佐々本さんも明日は休みなので朝8時にまたここに迎えに来る事を確認してから別れた。別れ際、佐々本さんは何度も丁寧にお辞儀して、最後に右手で小さなバイバイをすると、こんな時に不謹慎だが伸彦はキュンとなった。 翌朝佐々本さんを迎えてから病院に行くと、待合室には伸彦の両親と栗部家の親戚と思われる人達が数人いた。絢里と絢里の父親は、昨日そのままこの病院に泊まり、泊まりと言ってもほどんど寝ていないので、疲れとショックが表情に出てる。伸彦と佐々本さんがコンビニでおにぎりとサンドイッチを買…

  • 絢里 伸 則子 命8

    「大学病院ですか?」「はい、その予定です」「じゃお母ちゃん、後で連絡するから!あっ!ここんちの鍵…」「さっき預かっておいた」「お母ちゃんファインプレー!じゃ佐々本さん行きましょう」「はい!」 病院に搬送された絢里の母親芳恵は脳梗塞と診断され緊急オペが行われた。一命は取り止めたものの、医師からは厳しい宣告を受けた。意識がこのまま戻らない可能性もゼロではないという事。戻っても言語と右半身に障害が残る可能性がある事。今はICUで治療が続けられている。伸彦の連絡で病院に到着したお父ちゃんとお母ちゃん。絢里の父親から病状の説明を聞くと、お父ちゃんは廊下の壁を叩き、お母ちゃんは見てられないほどの勢いで泣崩…

  • 絢里 伸 則子 命7

    「ごめん絢里ちゃん、私帰っていいかな?」「いいに決まってるだろお母ちゃん!勝手に入って来て」「笑笑笑」「のぶ、母親にそんな口きいたら女の子にモテないよ」(ここでそんな事言うなよ!)「じゃ、このタッパー預けてから帰るね」「おばさん私も一緒に、ついでにトイレ」(おい絢里!俺と佐々本を2人っきりにさせるなよ、だからって俺も出て行ったらあからさまに変だし…)「大牟田さん」「はい!」緊張でのぶは声が裏返った。「さっき絢里が小学校の時、いじめられた絢里を守ってくれたのって大牟田でしょ?」「えー、ちょっと記憶にないですね」「さっき絢里が大牟田さんを見ながら話したからそうなのかなぁって」「いや、昔の事だから覚…

  • 絢里 伸 則子 命6

    「ここはお前の部屋じゃないだろ?絢里ちゃん入ってもいい?」既に入ってる。「ど、どうぞ 笑」伸彦は目を閉じて天を仰いだ。 「向かいに住んでる大牟田です」「あ!佐々本則子です、初めまして」「あらー!綺麗な方ね。絢里ちゃんも綺麗だから、類は友を呼ぶのかな?笑」「おばさん、そんなあ!笑」(絢里もバカみたいに喜ぶな、鏡見ろ)「これ、お土産のたくあんね」「何かすみません、こんなに」恐縮する佐々本さんに「私が好きで勝手に持って来たんだから遠慮は要らないのよ。ここの家の冷蔵庫に預けておくから明日帰る時持って行ってね。タッパーは返さなくてもいいから」「すみません、こんなにしていただいて」「今日はここにお泊まりす…

  • 絢里 伸 則子 命5

    「悪かったわね、こんな部屋で。少なくとものぶの部屋よりはだいぶましでしょ」「言いたいヤツには言わせておくわ」「で、のぶは何時に帰るの?」「お前やっぱりビールが欲しいだけで俺を呼んだだろ?」「ち、違う!ガールズトークに集中しようと思って」「じゃあ、最初から俺を呼ぶなよ」「そんなつもり全然ない!ほ、ほらのぶだって則子に会えて嬉しいでしょ?」(言うなその言葉!一気に形勢逆転…コイツ)「それは…」「笑笑笑」「すいません、私が大牟田さんと呑みたいと言ったんです」佐々本さんが顔を少し赤らめて言った。恥ずかしがって赤くなったのか、アルコールで赤くなったのかは微妙なところだが。そんな事を言われた伸彦も一気に赤…

  • 絢里 伸 則子 命4

    「私クラスの人達からちょっといじめられて」「佐々本さんが?」「そんなに激しいいじめじゃなかったんですけど」「則子美人さんでしょ、男子からモテるから、たぶん嫉妬で」「絢里は心配なかったな」「いちいちカチンとくる事言うわね、のぶは!」「そんな時絢里はずっと側にいてくれて。絢里がターゲットになるかもしれないのに…」「私も小学校の時いじめられてたけど、同級生の1人が私を守ってくれて」「そんな事言ってたね」「言いたいヤツには言わせておけばいい。俺も一緒にいてやるからって」絢里はそう言うとゆっくりのぶを見た。「絢里も私に同じ事言ってくれたね。言いたい子には言わせておけばいいよ、私は則子といるからって」絢里…

  • 絢里 伸 則子 命3

    伸彦は栗部家のチャイムを鳴らさずに黙って中に入る。そしてリビングの脇を通過する時両親に挨拶する。「こんばんは」「あら!のぶ君いらっしゃい」「一緒に呑もうって誘われて 笑」伸彦はビールの入った袋を軽く持ち上げる。「わざわざ持って来てくれたの?絢里ったら、いっつものぶ君を頼って!」(頼ってるんじゃなくて、利用してるんですよ)「じゃ」「絢里にあんまり呑み過ぎるなって言ってね」「はぁ、ども」伸彦はテーブルに置かれた大量のビールの空き缶を暫く見てから、絢里の母親を見た。「こ、これは違うのよ!」(何が?どのツラ下げて言うんだ) いつもならノックもせず「おう!いるか」などと言って入るが今日は佐々本さんがいる…

  • 絢里 伸 則子 命2

    『ごめんのぶ、ビールがちょっと足りないかも…』(コイツ最初からそのつもりで!…)『わかったよ、余るほど持って行くわ』『さすがのぶ!則子も待ってるって!』『直ぐ行く!』 「絢里んとこ行ってくるわ」「何伸彦、絢里ちゃんにプロポーズしに行くの?!」「そんな言葉、絢里には死んでも言わない!バカじゃねーのか?」「母親に向かってバカとは何よ!だから前から言ってるでしょ、絢里ちゃんでもいいじゃない」「絢里で妥協させるな!」「じゃ何しに行くのよ?」「それ以外考えてなかったのか?はぁ。一緒に呑もうって、友達も来てるらしいから」「友達って?…あっ!佐々木さんとかいう子でしょ?美人の?」「佐々本さんだから!」「伸彦…

  • 絢里 伸 則子 命1

    『ねぇのぶ、私んちで一緒に呑もうよ』何だか恋人同士の会話に聞こえるが、のぶこと大牟田伸彦と栗部絢里は保育園からの幼馴染みで家もお向かいで、仲は悪くない。むしろ良いほうだが、お互いに恋愛感情は一切無し。ただお互いの母親は「のぶ君でいいじゃん」「絢里ちゃんでもいいじゃん」そんな事を言われると2人して「なんでアイツと!」そう言って激怒する。確かに保育園の時には結婚の約束を堅く交わしたらしいが… 『何でわざわざ…面倒くさいし、お前が来いよ』『私はね、男の家にのこのこと行くほど尻軽女じゃありませんから!』『今更どのツラ下げて言ってんだ!お前俺ん家に何万回来ると思ってる』『どのツラって、そんな下品な言葉使…

  • ボブたちBBQ17

    洋太は病室のドアを開けるなり「ボブ、おめでとう」「おい、こう見えて俺怪我人だぞ!何だよおめでとうって!」4人はニコニコしてから果音の掛け声で「ボブ、亜夢ちゃん、お付き合いおめでとう」4人で盛大に拍手。居合わせた県の職員の2人もつられて拍手。「な!何でしっ、だ、誰に聞いた?!」「ナースセンターで看護師さんが全部教えてくれたの、笑」「全部って…」「全部よ、容体急変、顔面紅潮から愛の告白まで全てよ!」(あの救急隊員め!)「わかった!もう言わなくていい。じゃ、改めて紹介します“俺の彼女”の千寿亜夢ちゃんです」「ヒューヒュー!」「ヒューヒュー言うな!」ボブが顔を赤くしながら言った。「ボブ、顔面紅潮!」(…

  • ボブたちBBQ16

    「亜夢ちゃん、今から大事なこと言うね」「は、はい」ボブの態度に全てを察し、震える声で返事をする亜夢ちゃん。隊長さんは訳が分からずただただ見守るだけ。「2週間前、喫茶店で初めて会って直ぐ好きになりました。そして今日、バーベキューで一緒に過ごしてもっと好きになりました。僕は大好きな亜夢ちゃんとお付き合いしたいです!」全てを察していた亜夢ちゃんも、緊張で操り人形の様な動きで2度頷く。何も察してなかった隊長さんは驚いて目と口と、鼻の穴を大きく開けて、ボブと亜夢ちゃんを交互に見る、何度も何度も、テニス観戦のように。「私」亜夢ちゃんが話し始めると隊長さんの首の動きが、亜夢ちゃんを見てる向きでピタリと止まっ…

  • ボブたちBBQ15

    「ねえさっき、さどさくさで聞き逃しそうだったけどボブさぁ"亜夢ちゃん"って呼んでたね、笑」「そうだったか?」「私も聞いてた!亜夢ちゃん大丈夫?って。しかもすんっごい抱き締めて!」「亜夢ちゃんあれで恋に落ちたかな?笑」「いやいや、あんな緊迫した状況では落ちないだろ」「でも2人の距離がグンと縮まったのは間違いないわね」「だな、ぴったりホールドされてたし、笑。でもボブのヤツ、よくあの瞬時に身体が動いたな、やっぱり空手やってるから身も心も鍛え上げられてっから出来たのかな?」「そうかもね。よし、じゃ私らも片付けて、どこぞに電話してボブの居場所聞かなきゃ」「なぁ、聞かなきゃずっと2人っきりって事か?笑」「…

  • ボブたちBBQ14

    飛散した炭が火種となってあちこちで芝が燃えていた。ボブは革ジャンを脱ぐと、その革ジャンで芝を叩いて次々に火を消していく。「ボブ!あんたその革ジャン!」「いいんだ!これで人様の役に立てば、親父も喜ぶだろ!」ボブはそう言いながら必死に火を消す。「どなたか、可能な方で結構ですからお手伝い下さい」数人が上着を脱いでボブに加勢した。洋太がバケツに水を汲んで果音の元へ「大丈夫か?」「赤ちゃんは大丈夫そうなのよ」「ママさんが本能でかばったんだろう」「でもママさん、かなりの火傷だよ」「とにかく冷やそう、火傷は1にも2にも冷やすだからな」「わかった、洋太は水まきやって!」「おう!」ライクがエルの側に戻って来た。…

  • ボブたちBBQ13

    「テレビでやってました。この使い方でカセットコンロが爆発したニュースやってたもんで」「あんた、ここの管理の人?」「いえ、うちらもただの利用者です」「何の権利があってごちゃごちゃ言ってんだ?関係ねぇだろ」「じゃ、ここの管理事務所の方に言われたらやめるんですね?」「ああ、やめるよ!てか何なんだあんた!うるせーなー!おい、こんなのほっといて花火行こうぜ」リーダー格らしい男の一言で他の3人も後に続く、捨て台詞を吐きながら。「馬鹿かお前」「殿に向かって、命知らず笑」「うちの殿知らないの?ふん」残ったのが、“これぞ見本”のようなヤンキーママと赤ちゃん。左手で赤ちゃんを抱き、右手でタバコをゆっくり吸いながら…

  • ボブたちBBQ12

    「3年生の時に写生大会があったのね、どっかの神社だったかな?バスで行って、その日はほかの小学校も何校か来てて。絵を描きました、で終わって、さあ帰りましょうって時に、コイツがいないわけよ、笑」「わかった!トイレ!」「ブー」「どっかで寝てた!」「ブー」「人さらい!」「ブー、こんなのさらってもメリット無いでしょ」「おい!」「そうだよな」「おい!」「正解は…こんな事本当有り得ないんだけど、ボブは違う小学校のバスに乗って先にいなくなったの!」「笑笑笑笑笑」「バカじゃね?笑笑」「ねえ!バカでしょ?」「べ、別に大した事件じゃ」「大事件だわ!小3の子供が突然居なくなったんだから!笑」「で、結局どうなったんだ?…

  • ボブたちBBQ11

    「でも良かったな2人共」「うん、笑」「入籍とか式は?」「入籍は来月のエルの誕生日に」「へー!」「式はこんな状況だから産まれてから考える。今は式よりこの子が無事に産まれてくれる事だけ」「エル、完全に"ママ"だね。何だろ?エルが泣いたから、もらい泣きもあるけど、本当に嬉しい!」「そだな、まさか果音まで泣くとは笑」「どゆー意味よ!まさかって」「笑笑笑」洋太がしんみりと「俺もな、ライクがみんなに頭下げてたの見てグッときた、笑」そして真面目な顔で「ライク、エル、お前らはもう立派なパパとママだ。」「やめてくれ、そんな事言ったらまたエルが…」みんなでエルを見ると、やっぱり大粒の涙を流して泣いていた。ただ…笑…

  • ボブたちBBQ10

    「果音にこんな可愛い後輩がいたなんて…どうも、エルです、笑」「ど、どうも…笑」「エルは勿論ニックネーム。大きい子って書いてひろこって名前なの」するとエルが自ら「名前も大きい、身体も大きい、声も大きい、Lサイズのエルって事」自虐的な説明かも知れないが、全くそう聞こえないのがエルの特長なのか、1つ加えるなら心も大きいのかも知れない。「それから彼氏の斉藤好彦、名前に好きがあるから、好=ライクってわけ。私とボブとエルが中学校の同級生。ボブと洋太とライクが高校の同級生。でね、私と洋太も、エルとライクもどっちもボブが愛のキューピッドなの!」するとボブは恥ずかしそうに左手で後ろ頭を押さえ、若者独特の首だけ前…

  • ボブたちBBQ9

    「あっ、来た来た!エル!ライク!」果音が元気よく手を振る。「ほら亜夢ちゃん見て、あの2人がいっつも手繋いでるラブラブカップルのエルとライクだよ」「馬鹿ップル…」「えっ?何?」「いえ!何でもありません!」「おはよう」「おはよう、みんな揃ったね。荷物はこれで全部?」「ああ、もうちょいある」「さっさと運んでよ、ボブ!」「あのなー!コイツらが手繋いでこなけりゃ、炭とシートを1回で持って来れたんだぞ!おらのせいじゃない!」「仕方ないでしょ!エルとライクなんだから」「笑笑笑笑」「ど、どーゆー事?」「私行ってきます」亜夢ちゃんはそう言って駐車場に向かった。「ボブも行け!」「ボブ行け!」「早く行って!」みんな…

  • ボブたちBBQ8

    「今日は果音をお願いね」「はい、や、洋太がいるんで」「そうなの?…」果音の母はやや不満そうな声を出す。「おー、やす!おはよう」「おじさん、おはようございます」果音の父も顔を出した。「バーベキューか!いいな、若いもんは!」「はぁ、まぁ、笑」果音の父はいきなりボブの肩を組んで「おいやす!お前今日もしかしたらこれが出来るかも知れないんだってなぁ!笑笑」そう言いながら左手の小指を立てた。「や!俺はそんな……」そう言って直ぐに果音を睨み、鋭い息声で「ペラペラしゃべるな!」果音はしらばっくれて、へったくそな口笛を吹く。「後は誰来るの?」「大子(ひろこ)と彼氏」「あー!あの仲良しカップル笑」「それと私の後輩…

  • ボブたちBBQ7

    「ボブ!ボブ!!」「何だよ果音、朝からギャギャうるせえな!」「何よその言い方!おはようくらい言えないわけ?!」「お前こそ言ってないじゃんか!笑」「あー言えばこう言う」「どっちがだよ!」ボブこと池堂保武と、鶴舞果音は家が隣で、生まれてからずっと一緒に育った間柄なので、側からみれば一触即発の会話に聞こえるかもしれないが本人達は至って普通の日常会話。「あんたの車、まだ余裕でしょ?」「ああ、一式積んだけどまだ大丈夫だ」「じゃあさ、クーラーボックスと炭お願い。途中で亜夢ちゃん乗せるからキツイのよ。それともボブが亜夢ちゃんを乗せてくれる?笑」「や、俺は〠$%☆♪」「焦ってる、笑。冗談よ」「朝からからかうな…

  • ボブたちBBQ6

    「でもな、そうだとしてもニコニコしてたから」「俺がか?」「バカ、亜夢ちゃんだよ」「バカ亜夢ちゃんとは何だ!!」「落ち着けボブ!句読点の位置が…はぁ…」「ニコニコしてたのか?」「うん、お前は緊張してろくに顔見てないから分からなかっただろ?何かいい感じの表情だったような」「だから、せ、千寿さんは果音先輩が怖いから」「それを差し引いても25点を見る感じじゃなかったんだよな~」「25点はお前の個人的採点だ」「おいボブ!お前ひょっとしたら脈ありかもだぞ!」「は?」「今果音が亜夢ちゃんを送りながら聞いてるよ」「何を?」「決まってるだろ、お前の事だよ。どう亜夢ちゃん、アイツ?とか聞くだろ?そしたら、あー、私…

  • ボブたちBBQ5

    「なんでこんな会わせ方したんだよ!」「だから、あん時のお返しだべ」「何年根に持ってるんだ!しつこいな。それに、せ、千寿さん巻き込むことねえだろ!」「亜夢ちゃんって言えねぇのか?笑笑」「うるせぇ!」 果音と亜夢ちゃんが喫茶店を出てから男2人の反省会が行われていた。「俺も果音もお前の好きなタイプはよく知ってる。ドンピシャだろ?笑笑笑」「せめて昨日のうちに写真見せておいてくれよ。そしたらちゃんと対応出来た!」「無理だね、お前には」「だ!大丈夫だよ」「それにそんな事したら、本来のお前を見せられないだろ?最初から緊張して、オドオドするのがおちだ」「大きなお世話だ」「亜夢ちゃんが登場する前のリラックスした…

  • ボブたちBBQ4

    果音の言い方に僅かな違和感を感じた亜夢ちゃんも果音の目を見る。「やすをお願いってね」果音の言い方に言い知れぬ恐怖感を覚えたが、信号が青に変わり車内の空気も元に戻った。「バーベキュー大丈夫?今日のボブ見て幻滅したら無理しなくてもいいよ」「いえ!楽しみです。」「そう?今度はボブも少しはマシにお話し出来るでしょ。あっ、それからね、私に遠慮や気ぃなんか使わなくていいから、嫌ならはっきり断りなよ。もし、そうなっても私と亜夢ちゃんの関係には何の影響もないから。ましてや私とボブがギクシャクする事もあり得ないんだから。中途半端に"お友達で"とか言わずにきっぱり断りなよ!」「果音先輩、もう私が断る体で話してませ…

  • ボブたちBBQ3

    「どう?亜夢ちゃん、アイツ」「あっ、池堂…さんですか?」「笑、池堂さんって、ボブでいいよ」「まぁ、あんまりお話し出来てないんでまだ、何とも」「笑、そうだね!まぁ、今日はボブにとって亜夢ちゃんに会うのはサプライズ的出会いだったからね、笑。だからあんなに緊張して、キョドって、ろくに挨拶も出来なくて、ポンコツ丸出し」「そんな…ポンコツだなんて笑」 果音と亜夢ちゃんは先に喫茶店を出て、果音の運転する車で亜夢ちゃんを家まで送る車中。「果音先輩に彼氏さんを紹介したのが…?」「そっ、ボブなのよ。ボブと洋太が高校の親友でね」「果音先輩と池堂さんは前からの知り合いで?」「笑、知り合いどころか、さっきボブが言って…

  • みっちゃんと…6

    『もしもしみっちゃん』『あ、てっちゃん!』『ちょっと遅いけど明けましておめでとう 笑』『あ 笑、明けましておめでとうございます 笑、本当にちょっと遅いね』『しばらくだけど元気?』『おかげさまで元気よ、てっちゃんは?』『みっちゃんのナデナデ効果で元気。前から思ってたこと、新年会とかどうかな~って2人でたけど。でもみっちゃん美人だからすぐ彼氏とか出来るだろうし、躊躇してたんだけど、ダメ元で電話してみた。っていうかみっちゃんさ、彼氏出来たらすぐ連絡して!そしたらちょろちょろするのすぐ辞めるから 笑』『笑、てっちゃんが思ってるほど美人じゃないし、なかなか彼氏出来ないの』『嘘だー!』『本当だよ!てっちゃ…

  • ボブたちBBQ2

    「じゃ何の話だ?」「バーベキュー行こうぜ!」「は?そんなの2人で行けばいいじゃんか」「ライク達も来る」「ん?って事はエルも来るのか?」「勿論よ、私達よりラブラブだもん」「尚更行かね、俺そんな暇じゃねぇし、誰が好き好んで馬鹿ップル2組の見学会なんて…」「誰が馬鹿ップルだ!!」洋太と果音が同時に立ち上がって同時に言った。ボブは一瞬驚いてから「そ、そうゆーところです」「再来週の土曜日よ」「行かね」「県民の森だぞ」「行かね」「他にも来るのよ」「馬鹿ップルがまだ来るのか?神に誓って行かね」果音と洋太は含み笑いをしてからボブに携帯画面を見せ「この子も来るのよ、今彼氏募集中だけど、どうボブ?」「あっ、再来週…

  • ボブたちBBQ1

    「なんでわざわざきっちゃてんに呼び出すんだよ!俺んちでいいじゃんか。果音んちでも、家隣だぞ!」「まぁまぁ落ち着きなってボブ」「そうだぞボブ、たまにはこうして3人で会うのもいいじゃんか」「洋太、昨日2人で呑みに行ったばっかじゃんか 笑。果音、お前に至っては週8で顔見てるぞ、どうやったらたまには3人でって発想になるんだ?お前ら記憶喪失か!」「落ち着けボブ、ちょっと話があるんだよ」「何だよ?あっ、お前らもしかして!?」「何だよ?」「何よ?」ボブは声をひそめて「結婚か?別れるのか?」「馬鹿!何よその両極端な予想は、本当デリカシーがないわね!だから中々彼女が出来ないのよ」 ボブこと池堂保武、色が黒いので…

  • みっちゃんと…5

    「カウンターでも大丈夫?みっちゃん」「私は全然へーき」「じゃ、座ろう。みっちゃんは何呑む?」「私、サワーにしよっかな、てっちゃんは?」「僕はビール。つまみも適当にたのもうよ。」店員を呼んで注文する。ほどなくしてとりあえずビールとサワーがきた。「じゃ、発表するよ」「え、え、え、今?」「だって不合格だったら乾杯じゃ変でしょ?」「あー、まあ…」みっちゃんが少し不安な顔になる。「実は僕が受けた試験ってのは“宅建士”」「えっ?それって超難しくて合格率も低いヤツでしょ!?」「そう、合格率が15%くらいしかないヤツ」「そんな難い試験受けてたんだ!受けるだけでも凄いんでしょ!?」「そんな事ないけど……発表する…

  • みっちゃんと…4

    『もしもしみっちゃん?』『あ てっちゃん 笑、何もしかして国家試験合格したの?』『みっちゃんは何時頃仕事終わるの?出来れば仕事終わりに直接報告したいんだけど都合はどう?』『えー、今教えてくれないの?』『逢ってからのお楽しみって事で!』『焦らすのね 笑、明日ならいいわよ!』『じゃ、この前会った駅の改札の所でいい?』『わかった!』 改札手前でみっちゃんの見つけた信彦は軽く手を挙げる。みっちゃんもてっちゃん(信彦)を確認すると自分のお腹の前あたりで小さく手を振る。その仕草に信彦は少しキュンときた。「ごめん、待った?」「そうでもない 笑」「良かった。みっちゃん美人だからすぐナンパとかされて拉致されたら…

  • みっちゃんと…3

    「御礼だなんてそんなの、いいですから!でもこうやって再会出来たのも何かの縁、軽く一杯行きますか?」「はい!」2人は決して大きくもない傘に無理矢理入って駅前の居酒屋に向かった。 「ちゃんと入らないと濡れますよ、てっちゃん」「みっちゃんこそ、自分の傘なんだから」「笑笑」「そこでいい?」「はい、何処でも!」 「乾杯!!」「改めてお詫びします。てっちゃんを巻き込んで本当にごめんなさい」「いいんですよ!うまく切り抜けたんだし、こうやって再会出来たのも僕は嬉しいです」「でもびっくりしたでしょ!?」「そりゃ最初はちょっとパニクりましたよ!知らない美女が切迫感溢れる表情でこっちに来るんだもん!」「笑笑」「素朴…

  • みっちゃんと…2

    改札を出て地上に上がると雨だった。「え!?」確かに天気予報では所により一時雨と言ってたが(一時って今かよ!? 所ってここかよ!?)そう思ったのは信彦だけでなく、この駅の軒下で雨宿りしてる数百人も全く同じ事を思ったはずだ。「てっちゃん」信彦は先日の図書館での出来事を思い出した。やからに追われた女性を助けた?いや、何とか切り抜けたって表現が相応しいかもしれない。女性からとっさに「てっちゃん」と呼ばれた。信彦はそれを思い出し顔に出さず心の中で笑った。ん?誰かもう一回てっちゃんって呼んだ?(すいません、僕はてっちゃんじゃないんで)肩を叩かれ「てっちゃんですよね?」僕をそう呼ぶのはあの人しか…ゆっくり振…

  • みっちゃんと…1

    信彦は図書館で国家試験を受ける為の勉強をしてた。自宅でもいいのだが、信彦は学生時代から割と図書館を利用してる。自宅は生活の場でもある環境なので、誘惑もあり、なかなか集中出来ないが、ここはその為の場所なので、わざわざ足を運ぶ事を差し引いても、充分価値があり、モチベーションも上がる。 信彦はその女性と一瞬目が合った。知らない人だが女性は迷わず信彦に近付いてそのまま信彦の隣に座った。「助けて下さい!」女性の小さいが鋭い声と切迫感溢れる表情で信彦は何かを察し、周りの様子を見る。どう見ても図書館とは縁遠い風貌の男が入って来た。女性の顔がみるみる強張る。信彦はとっさに「遅いよ、みっちゃんもう 笑」女性も機…

  • 幸星と母親 2

    「だいたい両親が大したことないのに」「ちょっと幸星!失礼な事言うんじゃないわよ!!」「じゃお母さん、陸上得意だったの?」「いや…お、お母さん は、それ程でも…」「お父さんは?」「お、お父さんは…スキップすら出来ない」「ね、だから足が早いのは本当に今だけかもしれないって事。で、中学3年の時、推薦の話があったら、その時は前向きに考えようと思う。」「ふーん…理由はそれだけなの?」「まあ、1番の理由はそれだよ。後は友達」「友達ね」「どうせ高校は、ばらばらだろうけど、せめて中学校まではみんなと一緒にいたい。ずっと一緒だったからね」「女子も?」「女子?女子は別に…」「幸星君、君は3軒お隣のお嬢様の事は考え…

  • 幸星と母親 1

    「幸星、また本借りてきたの?」「うん、図書委員が何も借りないってのもあれだし、ちょっと頑張って借りてる。でも無理してるんじゃないから 笑」「亜夢は?」「寝たよ」「そう、幸星ちょっと座りなさい」「座ってるけど 笑」「こっち向いて」「向いてんじゃん 笑、何?」「本当にいいの?」「何が?」「推薦の話だよ、もう正式にお断りしたけど、幸星の中で何も迷いはなかったの?」「決断するまではいろいろ考えたけど、今はもう何もないよ」「じゃ何を考えてたの?全部言いな」「えー!全部!?笑」「あんたお母さんに全部言ってないでしょ」幸星はあきらめたようにため息をついてから「まずね、俺はまだそんな選手じゃないよ」「全国大会…

  • 幸星 沙耶香 嬉7

    「離れ離れになると思ってたのにまた三年一緒、しかも部活まで!」「嫌なのか?」「幸星のバカ!」また体当たりした。「うるせー保育園児!」「もう置いてくよ!」 「持って来たよ、ビールとジュースと三脚」「ごめんね幸星君、紗耶香も」紗耶香の母親はすぐに気付いた、紗耶香の眼が明らかに少し輝いてる事を。「じゃ、ここで写真撮るよ。第1回杉浦家上条家合同ハロウィンパーティー、三脚貸してくれてありがとう記念写真!」「タイトル長い 笑」「笑笑笑」「長すぎ 笑」「三脚貸してくれてありがとうのくだりはいらないでしょ! 笑」いろんなバージョンで撮った。オーソドックスな家族写真から、子供だけ、杉浦家の子供と上条家の親という…

  • 幸星 沙耶香 嬉6

    「幸星君どうするの?中学校、有名所からお誘いもらってるんでしょ?」「断るかも」「そーなの!?」「本人に任せたの。そしたら今のところ中学校までは普通の公立行きたいし、仲の良い友達と離れるのは嫌だって。勿論陸上部には入りたいみたいだけど」「ふーん、仲の良い友達ね」「そう、仲の良い友達」幸星の母親は紗耶香を見て、紗耶香の母親は幸星を見て微笑んだ、微笑んだ。「紗耶香ちゃんは?部活の事何か言ってるの?」「紗耶香はね、前々から陸上部で長距離やりたいって言ってる 笑」 「あっ、後でみんなで写真撮りましょ」「あれ?三脚壊れてたけど直ったんだっけ?」「お父さんが直してなければ直るわけないでしょ 笑」「すみません…

  • 幸星 沙耶香 嬉5

    子供達はトランプを始めた。幸星は六年男子という事もあり最近はこのメンバーと遊ぶことはめっきり少なくなったが、今日は気を使ってるのか、空気を読んでるのか、楽しく女子の輪の中で楽しんでいる。もっとも幸星は亜夢が何より可愛いから、亜夢の為にも楽しんでるところは大いにある。「亜夢、ジョーカー取っても笑うなよ」「うん」「今は誰がジョーカー持っているのでしょうか!?」お互いにポーカーフェイスを決め込んでるが、亜夢の目だけが完全に笑ってる。 「亜夢笑ってるじゃん!もうばればれだね 笑」「亜夢ちゃんて本当可愛いよね」「いやいや、上条家こそ美人姉妹じゃん!でも同性の兄弟、姉妹のほうが仲いいのかもね。」「何言って…

  • 幸星 沙耶香 嬉4

    「ただいま!」「おかえりー沙羅、いいヤツ買えたの?」「うん!みんなで飾り付けやるよ!」「お願いね」「お邪魔します」「あー、幸星君もありがとうね」「お母さん、幸星にも飾り付け手伝ってもらうよ、高い所とか力がいる所」「いいの?幸星君」「あっ、大丈夫ですけど、センスないから指示してもらえば、はい」「指示は上条紗耶香総合プロデューサーが全てやるから大丈夫よ 笑」「笑!私いつからプロデューサーになったの?笑」 「今日ねー、電車でねー、酔っぱらったおじさんが乗って来てねー」「えーっ!?酔っぱらい?やーねー!沙羅と亜夢ちゃんは大丈夫だった?」「うん、お姉ちゃんが守ってくれたから!そしたら幸星君が酔っぱらいの…

  • 幸星 沙耶香 嬉3

    「人聞き悪い事言うんじゃない、上条!先生は純粋に君達にだな…その…ジュースをご馳走して…あげようと思ってだな…」「私達は六年生ですから、大丈夫ですけど…妹達は…一応言っておきますけど、駄目だったらすみません。でも先生、いっそのこと公開して全校児童に応援してもらうってのはどうですか?」「そんな恥ずかしい事出来るか!とにかくこの事が広まらないように頼む」「だから買収ですよね」「…」彼女(になるかもしれない人)が戻って来たので話は終わった。彼女は妹達に話し掛け「ハロウィンパーティーやるの?」「うん、沙羅ちゃんんちでみんなでやるんだよ!」「そう!?楽しそうね!どんな変装するのかな?」「内緒!」「内緒!…

  • 幸星 沙耶香 嬉2

    ハロウィンは日本でもここ10年程前から一気に流行り、特に若者達の盛り上がりは凄まじい。グッズの販売も盛況だ。「いろんなのがあるね!」「そうだな、妹達じゃなくても目移りするわ」「幸星、ちょっとはテンション上がった?」「かもな 笑」それでも限られた予算を何とか工面して杉浦家も上条家もほぼ満足の品を選びレジへ向かう。突然お互いに逃げも隠れも出来ない至近距離でばったり出くわした。「飯杉先生…」「おおー、ああいー!杉浦と上条じゃないか 笑」「先生もハロウィンの買い物ですか?」「おおー、ああ、まあな 笑 お前らもデートか?」「違います!」「何だ2人揃ってムキになって、あはは!別にいいんだぞ、ははは」「先生…

  • 幸星 沙耶香 嬉1

    「今年は合同でやる事にしたの」「やった!沙羅ちゃんと一緒だ!!」「幸星、お金やるから明日必要な物買って来てね、亜夢と一緒に」「何買えばいいの?」「変装グッズと飾り。ある程度家にあるから買い過ぎないようにね。料理と飲み物はお母さん達用意するから大丈夫」「沙羅ちゃんも一緒に行くんだよ!」「えっ、じゃ…」「心配しないで、紗耶香ちゃんにも行ってもらうから大丈夫よ」(またかよ…恥ずかしいんだけど…) 「また、同じメンバーになったね」「やー、別に俺ハロウィンとかそんなに…っていうか」「いやなの?」「いやじゃないけど、六年男子でハロウィンってちょっと恥ずかしい」「えー、今は男も女も凄いじゃん!テレビで渋谷と…

  • 母ちゃん、恵里ちゃん

    「母ちゃん、明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします」「はい恵里ちゃん、明けましておめでとう、今年もよろしくね 笑」「これ、家からです。いつも恵里がお世話になってますって父が 笑」「あらまっ、そんな事されたら申し訳ないわ~!私のほうこそ恵里ちゃんにはいつも助けてもらってるのに、涼介!迫井田さんちにやる御年始持って来て!」「そこにあるだろ、いいよ、どうせ俺が恵里を送って行く時持って行くから」「あ、そか」「去年も同じ会話したはず」「そうだっけ?」「母ちゃん、去年は旅行に連れて行ってもらったり、いろいろもらったり、お母さんのお墓参りまでしていただいて、本当にありがとうございました」…

  • 絢里 のぶ 則子 酔 7

    車中はやや重い空気に包まれた。先に口を開くのは絢里しかいないと、伸彦も佐々本さんも思っていたので待つしかなかったのだ。「ごめん、コンビニ寄って」絢里に頼まれて最寄りのコンビニへ「トイレ行って来る。ついでに飲み物、2人共お茶でいい?」「ああ…いいよ」伸彦も佐々本さんも慌てて返事をする。絢里が車から出て行くとすかさず佐々本さんが「最初はあんな感じじゃなかったんです、今日見てびっくりしました。絢里には悪いけどあんなのと付き合ってたなんて親友としてショックです」「俺もびっくりしました。何か相談受けてませんでしたか?」「別れたいってのは、少し聞いてたんですけど、あんな理由だったとは…」「苦しかったんだろ…

  • 絢里 のぶ 則子 酔 6

    店が2階で1階が駐車場なので絢里を先頭に3人は階段を降りる…絢里の足がピタッと止まった。 絢里の顔がみるみる強張る。佐々本さんが伸彦に耳打ちする。「絢里の元彼です」(コイツ?見てすぐわかるほどのバカ男、絢里はこんなのに惚れてたのか?信じられない。まさか!絢里の異常な怯え方、もしかして…今朝の化粧も…)「おー、絢里じゃんか!何だこの男?お前二股かけてるじゃんか」「この人はただの幼馴染み…」「ふん、どうだか?いいか絢里、お前が自分で2番でいいって言ったんだからな」「そんな事言ってない…」「俺の2番なんだから他の男は禁止だぞ」伸彦が絢里の前に出る。「何だお前?」「さっき言っただろ、絢里の幼馴染みだ」…

  • 絢里 のぶ 則子 酔 5

    (やっぱ佐々本さん、美人だなぁ)「伸!何ポーッとしてんの。則子さんきれいだなぁー、とか考えてたんでしょ!」「!!(何でコイツわかるんだ?)バ!バカな事言うな!」「いいよもう、顔に書いてあるんだから」慌てて顔をなでる伸彦「馬鹿…」 「お前に1つ伝えておきたい事がある」 「何よ?」 「佐々本曰く、絢里の元彼より大牟田さんの方がよっぽどイケメンですって!俺をイケメンって言ってくれた!」 「あのね、確かに私の元彼と比べたらかなりの人がイケメンで、のぶもその1人ってこと。つまりのぶ単体をイケメンって言ったんじゃないからね!勘違い男が」 「いや、あの顔は¥〒…%」佐々本さんが戻り「どしたの?」「お、俺も …

  • 絢里 のぶ 則子 酔 4

    「ねぇマジで私何したの?」「さ、佐々本さん達に聞けよ。俺が行った時には涙と鼻水とよだれを同時に垂らしてたくらいだ。その前はワインボトルに説教してたらしい」絢里の顔がだんだん壊れていった。「それからな」「…まだあるの?…」「お前の財布、1500円しか入ってなかった」「人の財布見ないでよ!非常識ねあんたは!」「金払わないほうがよっぽど非常識だ!馬鹿力で財布握り締めて金払わないから仕方なく確認したんじゃ!」「私の分誰が払ってくれたの?」「俺が立て替えるしかないだろ!」「よっ!お金持ち!」「返せよ」「やっぱり…」 伸彦の車でファミリーレストランの駐車場に着くとほぼ同時に、佐々本則子が歩いてやって来た。…

  • 絢里 のぶ 則子 酔3

    『ねえ伸、昨日の私の行動知ってる?』『これはこれは絢里さん、おはようございます、昨日の記憶があまり、ほとんど、全く残っていらっしゃらないんですか?』(わー、この言い方、私絶対何かやらかした)『ねえ、とにかくちょっと来てよ』 「おはようございます」伸彦は普段、絢里の家に入る時は“ごめん下さい”などの挨拶はせずにそのまま絢里の部屋に行く。昨夜は“荷物”があったから呼鈴を鳴らしただけである。「伸くんおはよう、昨日はありがとね」「いえ、別に…」「部屋にいるわよ」絢里の母親はそう言ってから自分の旦那さんに向かって「だから伸くんでいいのにねぇ」(昨日から何だよ!伸くんでって、でって、なんでおめんちの絢里が…

  • 絢里 のぶ 則子 酔 2

    伸彦が居酒屋“太郎”に到着。「いやっしゃいませ!あっ、伸さん!」「今晩は、マスターすみません」伸彦はマスターに手を合わせ拝んでからふっと横を見ると、年頃の女性とは思えない顔で目、鼻、口の3か所から同時にきったない液体を垂らしてる絢里が…(こりゃ百年の恋も冷めるわ)「大牟田さん、今晩は」「あっ!佐々本さん今晩は!すみません、絢が面倒掛けまして」「いえ、さっきまでこのワインボトルと真剣に話してたんですけど、急に泣き出しちゃって。よっぽどだったと思います」「そうですか、おい絢!帰るぞ。あの会計は?」「あっ、まだです」「マスター、お会計いいですか?」「はい!端数サービスで9000円」「じゃ、3000円…

  • 絢里 のぶ 則子 酔1

    『のーぶーちゃん!笑笑』(うーわ、コイツべろんべろんに酔ってる!どうせ迎えに来いって電話だ、1億円賭けてもいい)『今わらしは、何処にいるんでちょうか?』『どうせ“太郎”だろ?そこしか行かねぇじゃんかお前』『何でわかるのぉ〜?伸って超能力ちゃ?』(何だそのお茶は?)『それともスカートー?』『俺はスカートォでもないし、ストーカーでもない!はぁ…』『ねえスカートォ、迎えに来て』(ほら始まった)『おい絢、側にもっとマシなのいないのか?』『あんたねぇ!スカートォの分際で何言ってん笑笑笑、代わってちょらい!』『もしもしお電話代わりました、佐々本則子です』『あっ!はっ!さっ、佐々本さん!こ、今晩は』『あっ、…

  • スコッチ、紅葉狩 2

    「それが今では俺抜きで、恵里と母ちゃんがディナーデート笑」「相変わらず仲良いな、彼氏の母親と2人で食事とか風呂とか」「お前も頑張れよ!」「何を? 笑」「笑笑笑」 「ちゃんと家まで送って行ったか?」「当然だよ、そしたら萌ちゃんが寄ってって言ったんだ。まだ正式にお付き合いしてないけど、いいチャンスだと思って挨拶したさ」「スコッチは顔と行動のギャップが大きいからいいよな~」「それ、褒めてんのか!?」「当たり前だろ 笑笑」「じゃ、何で笑う?」「すみません」「何で謝る?」「すみません」「笑笑笑笑、やっぱり涼介とスコッチ君の漫才最高!笑笑」「恵里ちゃん……」「ごめんなさいスコッチ君、笑」 「で、どうしたん…

  • スコッチ、紅葉狩 1

    「スコッチ、何でお前が本持ってんだ!?」「萌ちゃんが貸してくれたんだ 笑笑」「でれーっとしやがってこの野郎 笑、お前は別に本を読みたいんじゃなくて、萌ちゃんから本を借りたって自慢したいだけだろ!わざわざ持ち歩きやがって、この確信犯!」「そんなことない、ちゃんと読んでるし」「ジャンルは?」「推理小説」「お前が?」「何だよ、お前がー!?って俺だって推理小説ぐらい読むさ」「その顔で?」「顔は関係ねーし」「♬共立美容外科♬」「歌うな!」「行かねーのか?」「行かねーよ!」「笑笑笑笑笑」「恵里ちゃん、笑い過ぎ!」「ごめんなさい 笑笑、スコッチ君の顔を笑ったんじゃなくて、共立、 笑笑、共立美容外科って 笑笑…

  • 運動会の翌日2

    映画が終わり「沙羅と亜夢ちゃんお昼は何食べたい?」「沙羅はラザニア!」「亜夢ピザかスパゲティ」「幸星は?」「笑 合わせるよ妹達に」「そうだよね、この流れでカツ丼とか言われたら引くわ 笑」「じゃ、あそこにしよ!“MALIINO”」映画が終わった時間がお昼を過ぎていた事と、なにより月曜日だったので店内はガラガラ、6人掛けのテーブルに小学生4人がゆったり座った。他にも小学生の親子が2組ほど。幸星が小さい声で「あの人達も昨日運動会だったのかな?」「そうかもね!」それぞれいかにもイタリアンなメニューを注文すると妹達は早速先程の映画の話で盛り上がってる。「いらっしゃいませ」店員の声で幸星がふと入口を見るな…

  • 運動会の翌日1

    「亜夢、ちゃんと前向いて歩くんだぞ」「沙羅、亜夢ちゃんと手繋いで」「じゃ、お姉ちゃんと幸星君も手繋ぎなよ!」「六年生はいいの!!」幸星と紗耶香が同時に言うと亜夢が「そうだよ、兄ちゃんと紗耶香ちゃんは手繋がなくてもいいんだよ」亜夢はほんの少しだけ言葉を強めて言った。 運動会の翌日、小学校は代休なので杉浦亜夢と上条沙羅は前日から遊ぶ約束をしていたが朝になって突然アニメ映画を観に行きたいと始まり、どちらの両親も代休などある筈ないので母親は幸星に頼んだ。「幸星あんた亜夢を映画に連れて行ってくれる?今日は別に用事ないって言ってたじゃん!」「えっ?…まぁ…いいけどアニメ映画?」「うん、沙羅ちゃんも一緒にね…

  • 運動会4

    夕御飯はおばあちゃんの強い、強い希望で寿司で打ち上げとなり、上条家も強引に誘われた。「今日はみんな頑張ったからおばあちゃん嬉しいよ。幸星も亜夢も上条家の皆さんもいっぱい食べてね」「すみません、一家でお邪魔して、ありがとうございます」「じゃ乾杯しましょう、紗耶香ちゃん怪我しちゃって心配だけど、寿司食べたら治る言ってくれたから大丈夫だね」紗耶香はにっこり頷く「乾杯!!」寿司を食べながら、男性陣は呑みながら、お父さん達が撮影した動画を見ながら盛り上がった。「沙羅ちゃんは何が一番良かったの?」「沙羅はねー、玉入れ!だっていっぱい入ったんだよ」「へー、玉入れが良かったんだー」「後はレンタルファイトがちょ…

  • 運動会3

    午後の競技も順調に進み、最大の盛り上がり競技リレー。赤組3チーム、白組3チームの6チームで行われ、一年女子、一年男子の順でアンカーは六年男子。幸星と紗耶香は赤のバトンで同じチーム。スタートの号砲とともに元気なランナーが飛び出すと歓声が一斉にわき起こる。各学年共見事な力走で抜いたり抜かれたり。五年生になるとスピードも上がり迫力が増し、この時点で幸星らの赤バトンは三位。六年の紗耶香がバトンを受け取るとぐんぐん加速、一位と二位の混戦をかわし一気に逆転して一位で幸星に渡せそうだ!ところが追い抜く際足が絡んで紗耶香はまさかの転倒、左足に激痛が走る。立てない…歓声が悲鳴に変わる中、はっきり聞こえた1人の声…

  • 運動会2

    競技は徒競走から始まり、亜夢と沙羅は二位、幸星と紗耶香はリレーの選手に選ばれるほどの脚力なので2人共ダントツの一位であった。その他の競技も順調に消化され午前中のメインイベントとも言えるレンタルファイトが始まった。何故メインかと言えば、実況の飯杉先生が大変面白い先生で、赴任して来た三年前から“名物競技”になった。昔で言うとこの借り物競争である。簡単なボールとかほうきなど、物なら問題ないのだが…迷いながら飯杉先生の元へ駆け寄る上条沙羅【はい、えー、イケメンの大人……あっ俺だ!】会場が笑いに包まれる。ゴールして元の場所に戻る途中白組の児童に呼び止められ「飯杉先生はイケメンじゃない」と言われたが飯杉先…

  • 運動会1

    ドーン!ドドーン!「お母さん、今の花火!?」「そだよ、運動会決定だね、頑張ってよ!」「やったぁ!兄ちゃん運動会やるよ」「うん、晴れて良かったな。亜夢は何に出るんだ?」「亜夢はね、徒競走とー、玉入れとー、レンタルファイトとー、ホークダンス!」「フォークダンスな、レンタルファイトはもしかしてまた飯杉先生の実況付き?」するとお弁当を作ってた母親が「いいじゃない!盛り上がって、亜夢は何をレンタルするのかな?」「何かね、物だけじゃなくて人もレンタルするんだよ、メガネの人とか、五年女子とか」「じゃ亜夢、六年男子だったらすぐ兄ちゃんのとこ行きなよ!」「うん!六年男子、六年男子、六年男子…」亜夢は呪文を唱える…

  • 独身最後の…2

    田所家の長女詩織は明日結婚式を挙げる。娘との約束の今日、母親があの思い出深いグラタンを忘れる筈がない、この人も忘れてなかった。「母さん、詩織は?」「あちらのお家に行ってるよ。夕方には戻るけど」「じゃ、今夜はグラタンか…」「駿作!あんた覚えてたの!?さすがお兄ちゃん!」「いや、忘れてたけどさっきふっと思い出したんだ」駿作は少しぶっきらぼうに言うとキッチンを出て行った。母親はニヤリとして小さな声で「隠れシスコンめ」そう言って笑った。 「ただいま!」「詩織?おかえり、早かったわね」「うん、何か手伝おうか?」「いいわよ、もう出来るから」「今日の晩御飯何?」「あんた白々しく聞くわねぇ!10年前にリクエス…

  • 独身最後の…1

    やっぱりお母さんのグラタンおいしい…ここ最近でも一番……」「詩織、なんで泣きながら食べるの 笑」「お母さんだって泣いてるじゃん 笑」「2人共うるさい!」「お父さんまで泣いてる! 笑」「詩織、独身最後のグラタンだから♯@☆&」「お兄ちゃんが一番泣いてるよ 笑」「独身最後の晩御飯はお母さんのグラタンって決めてたの、あの日から」あの日とは… 田所詩織は高校一年生の時白血病を患い、早速家族でドナー検査をしたところ、両親とも不適合だったが兄の駿作の型が適合した。思春期でもあり普段はろくに会話もしない兄妹だが、この時兄の駿作は医者に向かって「骨髄でも脊髄でも血液でも、何でも提供しますから妹を、大事な大事な…

  • トトロさん?9

    けんの視界の端に湖の中へ何か大きな物が落ちたのが見えた、大量の水しぶきが上がる。「ん?あれっ?ん?」次の瞬間、水しぶきのあった場所から10メートル程前方で物が浮いて来た。それは物ではなく「トトロさん!?トトロさんが助けに行った!!」トトロさんの巨漢からは全く想像出来ないきれいなクロールで瞬く間に親子に近付いたかと思ったら左手で親子をそっくり抱え、足と右手だけであっという間に戻って来る。桟橋にいる男性陣は赤の他人同士だが服の汚れも省みず一致協力して、子供、母親の順に桟橋に引き上げた。親子は多少水を飲んだものの、意識ははっきりしてたので拍手が沸き起こった。トトロさんは桟橋に上がるのは無理だったので…

  • トトロさん?8

    「そこの湖でボートに乗る?」「いいね!」トトロさんが「僕は無理なんでパス 笑、みんなの動画撮ってるから」「ええー、じゃやめようか?」「いいよ 笑、気にしなくて。僕は見てるほうが楽しいから大丈夫だよ」 けんはボートのチケットと、たこ焼き、ソフトクリーム、コーラを買って「トトロさん、少ないけど撮影代 笑」「いいのに、けん」「その代わりバッチリ撮影して!」「わかった、任せて 笑」 ボートのりばの桟橋に向かうと既に何組か順番待ちをしてる。2人乗りなので相棒を決めるじゃんけん。結果は翔馬君と姫ちゃん、けんと桜ちゃん、アンダーソンと智香ちゃん。 順番待ちしながらボートに乗ってる人達の様子を見る。カップルも…

  • トトロさん?7

    「それにしても凄いね!今日が紅葉のマックスだよ」「そうだね、これ以上綺麗な紅は無いかも」7人は暫くの間紅葉の美しさに酔いしれた。「写真撮ろう!」「インスタ映えするね!」「映える、映える!!」トトロさんが“猫バス”から携帯用の三脚を持って来た。「さすがトトロさん!」その三脚を使ってまずは全員で一枚。それから女子だけ、男子だけを撮ってからツーショット。まずは智香が立ちその隣に男子が順番に立つ。次は姫ちゃんが立ち、また男子が順番に。翔馬君が隣に並ぶと姫ちゃんは腕を組んでピースサイン。翔馬君は一瞬驚いたがすぐに反応して自分もピースサインして一枚。最後に桜ちゃんが立ち順番に並ぶ。「やっぱりトトロさんは誰…

  • トトロさん?6

    「ええー!桜ちゃんも紅葉狩りを収穫と思ってたの?笑」「笑笑笑」「ごめんなさい 笑、みんなが爆笑してたから私もって、言いづらくて 笑笑」「笑笑笑笑」「桜ちゃんもスーパーの袋持って来たの?笑」「3枚持って来ました」「笑笑笑笑笑」桜ちゃんは両手で顔を覆い、自分でも笑った。「天然が2人もいるとは 笑」「でも俺は桜ちゃんみたいにペットボトルとパックの入れ物は間違わない!笑」「私だってアンダーソンみたいにインドネシアと“いぬどしや”を間違ったりしないもん!笑」「笑笑笑」「いずれにしても、低レベルな争いだね 笑」「笑笑笑」「この2人一緒にいない方が良さそうだな」「そうね、天然と天然でとんでもない化学反応が起…

  • トトロさん?5

    「鶴見田さんって珍しい名前ですよね」「んー、まあね。でも外呂さんの方が珍しいんじゃない?」「かもですね、親戚以外では他に知りません。」「でもトトロさんにとってはぴったりの名前だったんじゃない?」「そうなんですよ!だいたいあんな感じの人はいじめられがちですけど、名前のおかげですぐトトロさんってニックネームがついて」「えっ、トトロさんって小さい時から…」「はい、あの体型です。愛されキャラで 笑、学校では先生もトトロさんって」「先生も!?」「そう、でも正式な時はちゃんと名前です」「そりゃそうよね 笑」「あと親も」「えっ?両親も!?」「はい、普通にトトロさんって 笑」「翔馬君はニックネームとか?」「な…

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