コーンスープの底に澱(とご)る春愁(しゅんしゅう) み
思い草 花の形が 崩れてく み
蝗(いなご)の佃煮出て 静かならずや み
不知火(しらぬい)よ 思うべきか、 恐るべきか み
投錨地(とうびょうち) 山の錦に 吾亦紅(われもこう) み
金風(きんぷう)や稲穂撫(な)でたい摩(さす)りたい み
優先席に扇子(せんす)忘れられ 秋 み
<追体験でよむ。2021年、神幸式大祭はコロナ禍のため一部規模縮小> 女(をんな)、追ひきて どんかん祭に遇(あ)う み
曼殊沙華(まんじゅしゃげ) 野分(のわき)に倒れ 朱(しゅ)の潤む み
秋茄子(あきなす)は 蔕(へた)の芯にも 真の味 み
紙袋ずっしり 『そごう』で月餅(げっぺい) み
牛蒡(ごぼう)掘る マリーゴールドの種採る み
里芋は蛸(たこ)と出会うと恋仲に み
椎茸(しいたけ)の薄切りが 虫に見えた日 み
蕎麦(そば)の花 休耕田の 水捌(みずは)けは? み
ハンモック 仰向け虚ろ 鰯雲 み
宵闇(よいやみ)に 尾灯暗赤(あんせき) レストア車 み
<ナパ・バレーの山火事から1年> 葡萄酒醸(ぶどうしゅかも)す 火事を免れし谷 み
台風前 紅芋出荷し ホッと み
零余子(むかご)の役目を知らず 炊き込み飯 み
雲海見て くしゃみ出る 熊野古道 み
韮(にら)の花 蜜吸う蝶は 風に耐え み
重陽に 左随臣(ずいじん)、段から落ちる! み
美術展 価値観にクタクタ 夕(ゆうべ) み
図鑑こそ信用できず毒きのこ み
鸚哥(いんこ)迷い来て 律(りち)の調べ ループ み
左中間 赤蜻蛉(あかとんぼ)来る 巨人戦 み
尋ねれば 「鹿」と返す シェフは猟師 み
庭木刈る 「清々(せいせい)した」と 母ぽつり み
駅弁買おと窓上げる、 あいの風 み
秋の浜 反省もなく波寄せる み
「ブログリーダー」を活用して、みさんをフォローしませんか?
コーンスープの底に澱(とご)る春愁(しゅんしゅう) み
まず投資 それから消費 初給与 か
淡月(たんげつ)や『飲む』と言えば『お酒』ですよ み
自信作、突き返されて春の宵 み
その歌を聴いた記憶に泣く。残花 み
山葵(わさび)擂(す)る。ひとりひとりがマイノリティ み
露天風呂 ボーッとしてたら わっ蜂! み
桜蘂(さくらしべ)が赤くなる。もう散りどき み
プリムラが咲く フーガを練習する み
チューリップ一本だけでは何だか み
八重桜 「おのぼりやす」 「おくだりやす」 み
蒲公英(たんぽぽ)に曖昧さ足す朝日影 み
山笑う、そろそろ歯医者に行くべき み
屋根屋根のブルーシートに春霞 み
薄暗い六畳 掛け花に椿 み
サポートセンタの親切な佐保姫(さほひめ) み
草摘んで尻餅ついてキャアキャアと み
山吹の色の帯なら春驟雨 ま
銀座で迷い、夜桜の写真展 み
幻を愛してしまう花疲れ み
苦しくて光っているの蛍烏賊(ほたるいか) み
初給与、明細メールを転送 か
春夕(しゅんせき)やチェアリングが流行(はや)る理由(りゆう) み
ずるい!子猫だせば視聴率アップ み
春雨や檀香梅(だんこうばい)とすれ違う み
引出しを『開帳』。ぐちゃぐちゃプリント み
春の闇にトランペットの弱音 み
葉桜の陰は毛虫に注意やで み
客船の春灯(しゅんとう) おっとりと離岸 み
春愁(しゅんしゅう)はどんくらいかな泣かないで み
その巣箱、バリが多くて痛そうね み
喰わんとや練乳(れんにゅう)持っていちご狩り み
蓬(よもぎ)に殺菌作用 父の教え み
参道に蜂の群れあり紫雲英(げんげ)咲く み
黄砂来て銀のポルシェにドラえもん み
塔から瞰(み)れば街の愁いは霞(かす)み み
夜桜の写真に白い影がいる み
顔合わせ 桜湯が出て 庭を誉め み
鶴(つる)・鴇(とき)を押さえて国鳥たる雉(きじ) み
清明(せいめい)。昨日(きのう)のつづきの今日(きょう)を行く み