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2021/08/10

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  • 読書日記1043

    読んだ本 柄谷行人『柄谷行人発言集 対話篇』読書人 (2020) ブライアン・グリーン『時間の終わりまで:物質、生命、心と進化する宇宙』講談社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 柄谷氏の高橋和巳論について少し読んでみた。 柄谷氏は高橋和巳に対してかなり厳しい姿勢であり、『わが解体』については「解体じゃない、体裁のいい自己説明にすぎない」と述べた。 個人的には、日本人の小説家のなかで高橋和巳が一番好きである。 『高橋和巳論』という本を買うくらい好きである。 高橋和巳に匹敵する小説を書きたいと強く思った時期もあった。 高橋和巳の豊富な…

  • エドガー・カバナス/エヴァ・イルーズ『ハッピークラシー:「幸せ」願望に支配される日常』みすず書房 (2022) 読了

    エドガー・カバナス/エヴァ・イルーズ『ハッピークラシー:「幸せ」願望に支配される日常』みすず書房 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 頭では分かっていてもうまく言葉にできない。一見単純である「幸せ」という言葉はあまりにも曖昧であり、それこそ千差万別で、一人一人定義が無数にあるこの「幸せ」という言葉の裏側を、この本は見事にただの言葉で、しかも体系的に記述し通したことによって、読み終えた時には自分のわだかまりが一掃された気分になった。 以下、個人的な新しい発見を書いていきたい。 まず一点目として、ランドルフ・F・ネシーの『なぜ心はこん…

  • 読書日記1042

    読んだ本 ウンベルト・エーコ『文学について』岩波書店 (2020) 池澤夏樹『完全版 池澤夏樹の世界文学リミックス』河出書房新社 (2011) 五野井郁夫/池田香代子『山上徹也と日本の「失われた30年」』集英社 (2023) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『文学について』の「ワイルドー逆説 (パラドックス) と警句 (アフォリズム) 」の章では、文学上のレトリックの効果についていろいろと考えさせられた。 しかしエーコの独特な文体には参り、もう少し落ち着ける時間にゆ…

  • 読書日記1041

    読んだ本 五野井郁夫/池田香代子『山上徹也と日本の「失われた30年」』集英社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 心理学者や社会学者は犯人の経歴を見て様々なことを分析し、「こうじゃないか」「ああじゃないか」と語られることに嫌悪を示す人がいることは十分承知であるが(プライバシーの問題等)、やはりどうしても無視せずには事件を語ることはできないと思われた。 アーレント『責任と判断』では、アイヒマンの立場にもし自分が立っていたならばどう行動しただろうか、という問いに対して「ミルグラム実験」という壁が立ちはだかることが示唆された。 勝手な推測…

  • 読書日記1040

    読んだ本 小川公代『ケアの倫理とエンパワメント』講談社 (2021) 浅沼光樹『ポスト・ヒューマニティーズへの百年:絶滅の場所』青土社 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『ポスト・ヒューマニティーズへの百年』の内容は、現代哲学の「思弁的実在論」というものと、その火付け役のきっかけを生み出した(再評価されつつある)ドイツ観念論のシェリングとの関係について論じられるものとなっている。 前半は、メイヤスーという哲学者がカント以来続いてきた相関主義(私たちは思考と存在について、結局のところ思考と存在の「相関」にはアクセスできるが、思考その…

  • 読書日記1039

    読んだ本 藤波匠『なぜ少子化は止められないのか』日経BP (2023) エドガー・カバナス/エヴァ・イルーズ『ハッピークラシー』みすず書房 (2022) ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ 上』岩波文庫 (2015) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『なぜ少子化は止められないのか』と『ハッピークラシー』はそれぞれ半分ほど読み終えた。 『ハッピークラシー』では、自己啓発と個人主義の親和性について語られた。 とくに個人主義が強いと思われるアメリカでは、夢を掴むことが幸せという、ある種のステレオタイプがあるように見える。 映画『カクテル』を思い出した…

  • 読書日記1038

    読んだ本 エドガー・カバナス/エヴァ・イルーズ『ハッピークラシー:「幸せ」願望に支配される日常』みすず書房 (2022) ハンナ・アーレント『責任と判断』ちくま学芸文庫 (2016) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 アーレントは世界大戦によって初めて、戦争犯罪人を裁く国際裁判が誕生したことによって、議論が停滞していた道徳に対する問題が再び加熱したと語る。 また、アイヒマン実験(=ミルグラム実験)では、良心を持った普通の人間でさえも特定の状況に追い込まれることによって犯罪に荷担する可能性が示された。 アーレントが『エルサレムのアイヒマン』を刊行…

  • 読書日記1037

    読んだ本 山崎良兵『天才読書:世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊』日経BP (2022) 出光佐三『マルクスが日本に生まれていたら <新版> 』春秋社 (2013) モンテーニュ『エセーⅢ:社会と世界』中公クラシックス (2003) トマス・ピンチョン『スロー・ラーナー』新潮社 (2010) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 出光佐三のマルクスに対する見解は非常に考えさせられるものであった。 西欧は「物の国」、日本は「人の国」だと語る。 共産主義は唯物論の立場を取っているため、人間をある種の機械的な存在として捉えてしまう。 …

  • 読書日記1036

    読んだ本 仲正昌樹『マックス・ウェーバーを読む』講談社現代新書 (2014) 出光佐三『マルクスが日本に生まれていたら <新版> 』春秋社 (2013) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『なぜ少子高齢化は止まらないのか』の立ち読みをきっかけに、もう少し広い視野で物事を考えられるようになりたいと感じた。 「経済成長は必要である」 という漠然とした回答(立ち読みなので論旨は勿論理解していない)に納得いかず(さすがにあれこれ本を買う余裕はなく)、立ち読みである程度カバーしながら今持っている知恵と本で自分なりの回答を出したいと考えた。 (今日読んだ本…

  • 読書日記1035

    読んだ本 アンガス・フレッチャー『文學の実効:精神に奇跡をもたらす25の発明』CCCメディアハウス (2023) 小坂井敏晶『矛盾と創造:自らの問いを解くための方法論』祥伝社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『文學の実効』では帰納法と演繹法について語られた。 『矛盾と創造』においては、帰納法は論証不可能な方法であると科学哲学者の村上陽一郎氏が述べていたことが紹介されていた。 結論としては『文學の実効』の話と一致していた。 『ニュー・アトランティス』などで知られる、中世イングランドの哲学者フランシス・ベーコンは、演繹法よりも帰納法…

  • 読書日記1034

    読んだ本 パンガジ・ミシュラ『怒りの時代:世界を覆い続ける憤怒の近現代史』草思社 (2021) ハンナ・アーレント『責任と判断』ちくま学芸文庫 (2016) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 戦争犯罪の責任はどこにあるのか。 アイヒマンの「上からの命令に忠実に従っただけだ」という主張は「命令に従わなければ射殺されてしまう」という前提とセットであった。 アーレントはこの問題について以下のように語りかけた。 "たしかにこの論拠はもっともらしく聞こえるので、その誤謬を確認す…

  • 読書日記1033

    読んだ本 ハンナ・アーレント『責任と判断』ちくま学芸文庫 (2016) 円堂都司昭『ディストピア・フィクション論:悪夢の現実と対峙する想像力』作品社 (2019) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 本屋に入ると日経プレミアシリーズから『なぜ少子高齢化は止められないのか』という新書が棚に置かれていた。軽く立ち読みしたが内容は掴めなかった。 ありきたりな答えとして、日本の経済成長が低迷しているために財源が困窮、あっぷあっぷしている状態では国が出せる社会保障費にも余裕はなく…

  • 読書日記1032

    読んだ本 富岡幸一郎/紅野謙介『文学の再生へー野間宏から現代を読む』藤原書店 (2015) アンガス・フレッチャー『文學の実効:精神に奇跡をもたらす25の発明』CCCメディアハウス (2023) 矢野英隆『免疫から哲学としての科学へ』みすず書房 (2023) カトリーヌ・マラブー『真ん中の部屋ーヘーゲルから脳科学まで』月曜社 (2021) 松岡正剛『読書の裏側 千夜千冊エディション』角川ソフィア文庫 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 昨日読んだ『夢を売る男』のなかで、編集部長の牛河原が部下の荒木に小説に対する不満をぶちまける。 "…

  • 百田尚樹『夢を売る男』幻冬舎文庫 (2015) 読了

    百田尚樹『夢を売る男』幻冬舎文庫 (2015) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 簡単なあらすじ 丸栄社の編集部長の牛河原は、出版にかかる経費を著者と折半(厳密には本書のなかでは半分ずつではないが便宜的に)する「ジョイント・プレス」方式によって「全国に本を出す」という「夢」を売ることを生業としている。 俗に言う「意識高い系」はこの商法にまんまとハマり、日々暴利をむさぼる丸栄社であったが、ライバル社が登場し、ある大胆な戦略で攻防戦を繰り広げていく。 ・・・ 解説によると、これはB社が過去に実際に行っていたのだという。 一般に「自己顕示欲」といわれ…

  • 読書日記1031

    読んだ本 円堂都司昭『ディストピア・フィクション論:悪夢と現実と対峙する想像力』作品社 (2019) 松岡正剛『読書の裏側 千夜千冊エディション』角川ソフィア文庫 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 しばらくこの2冊だけでも十分に読書ライフを楽しめそうだと思えるくらいに、この2つの本は相性が良い。 『読書の裏側』の第三章ではニコラス・キャロライズ&マーガレット・ボールド&ドーン・ソーヴァ『百禁書』について語られる。 本書によればジョージ・オーウェル『一九八四』と『動物農場』は教育委員会と公立図書館から読書拒否声明を受けたとされる。 …

  • 読書日記1030

    読んだ本 檜垣立哉『バロックの哲学:反ー理性の星座たち』岩波書店 (2022) 福嶋亮大『書物というウイルス:21世紀思想の前線』blueprint (2022) 柄谷行人『柄谷行人発言集 対話篇』読書人 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 まず「ポピュリズム」という言葉について素朴に思うことがあった。 何をもってそう呼ぶのか。 ポピュリズムという言葉はニュースでは滅多に聞かないが、最近の本では時々登場する。 『書物というウイルス』のなかでも出てくる。 『書物というウイルス』では、スティーブン・ピンカー『21世紀の啓蒙』に触れ、この…

  • 読書日記1029

    読んだ本 関口竜平『ユートピアとしての本屋:暗闇のなかの確かな場所』大月書店 (2023) 斎藤環『映画のまなざし転移』青土社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『ユートピアとしての本屋』はなかなかに分厚く、ようやく半分は読み終えたといったところであった。 社会の在り方に疑問を持って、よく考え自分で本屋を立ち上げるというその行動と思想には端的に素晴らしいと思う。 自分も過去に「シェア本棚」に半年ほど籍をおいた。 夏から冬までの半年間、いろいろと学ばせてもらったが、自分で本屋を立ち上げるという行動には至れなかった。 その理由としては…

  • 読書日記1028

    読んだ本 仲正昌樹『新装版 ラディカリズムの果てに』明月堂書店 (2016) 小坂井敏晶『矛盾と創造:自らの問いを解くための方法論』祥伝社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『ラディカリズムの果てに』はほぼ読み終えた。 その後「教養とは結局のところ何か?それは何のためにあるのか?」と自省してみた。 答えが出た。 教養とは人類が残してきた遺産のことであり、それは不毛な争いや過ちを繰り返さないために存在する。 死者からのメッセージであり贈り物である。 「今を生きよ」 カルペディウム。 ネットで検索にかけてみたが「今日を楽しもう」という…

  • 読書日記1027

    読んだ本 ペトル・シュクラバーネク『健康禍:人間的医学の終焉と強制的健康主義の台頭』生活の医療社 (2020) 小川公代/吉野由利『感受性とジェンダー:<共感>の文化と近現代ヨーロッパ』水声社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 本ばかり読んでいないで何かできることはないか、という内なる声が社会問題への勉強を促す。 良くも悪くも、ひとまず流れのままに貪り読む日が続いている。 ビジネスの世界で活躍している人間は私のような読書バカを「ディレッタント」と切り捨てるが、ディレッタントにも意地がある。 ・・・ 県内最大級の図書館で『健康禍』と…

  • 読書日記1026

    読んだ本 小坂井敏晶『矛盾と創造:自らの問いを解くための方法論』祥伝社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 小林秀雄の本に『考えるヒント』があるが、インパクトとしてはこちらの本のほうが考えるヒントになると思われた。 小坂井氏の新刊が出ているということで軽く立ち読みしてみたが、結局購入し、70ページほど読み進めた。非常に示唆に富む刺激的な本であった。 ・・・ アッシュ実験について、心理学者モスコヴィッシュの解釈が紹介された。 まずアッシュ実験とはざっくりいうと、サクラが用意され、そこにあるのは明らかに「青」であるがサクラが全員「緑」と…

  • 転売に関する考察

    久々の独り言です。 転売に関する考察 – 読書梟の独り言

  • 読書日記1025

    読んだ本 ヴァージニア・ウルフ『新装版 病むことについて』みすず書房 (2021) 仲正昌樹『新装版 ラディカリズムの果てに』明月堂書店 (2016) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『病むことについて』というタイトルは重く感じるが、本書はウルフによる読書論も収録されており、いろいろと勉強になった。 ウルフは「小説を書くこと」によって作者の諸要素を理解できるようになると語りかける。 建築術と似ていて、言葉の芸術作品である小説を組み立てるには、どの言葉を選ばなければいけないか、どの言葉を選ぶことは危険なのかを考えなければならない。 ウルフは小説…

  • 読書日記1024

    読んだ本 ジャック・デリダ『哲学への権利 1』みすず書房 (2014) ジョン・デューイ『経験と教育』講談社学術文庫 (2004) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 自分は松岡正剛氏の編集的な読書法に大きく影響を受けている。 多読の醍醐味を教えてくれたのも、同時読みの意義を教えてくれたのも、読書の楽しさを教えてくれたのも概ね松岡氏によるものだと感じている。 とくに、角川ソフィア文庫から出ている松岡氏の『編集力』と『本から本へ』は、気になった本をすぐに読みたがる自分に嫌…

  • 島田雅彦『君が異端だった頃』集英社 (2019) 読了

    島田雅彦『君が異端だった頃』集英社 (2019) つづきを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 島田雅彦『小説作法XYZ:作家になるための秘伝』新潮選書 (2022) の16項には作家の動機について以下のように書かれている。 "私を含め、物書きは自分が世界で最も不幸と思いたがる。この不愉快な境遇を逆転したい、という欲望が作品を書く際の強烈な動機となる。” 本書を読み終えたときに、正直なところ島田氏のこの発言には疑問が湧くばかりであった。帰りに散歩しながら別の意味での不愉快さを噛み…

  • 読書日記1023

    読んだ本 島田雅彦『君が異端だった頃』集英社 (2019) 大竹弘二『公開性の根源:秘密政治の系譜学』太田出版 (2018) 里中李生『私は昨日まで日本を愛していた』イースト・プレス (2021) ハンナ・アーレント『思索日記 1950-1953』法政大学出版局 (2006) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『君が異端だった頃』を手に取ったときに、この本が文庫化されていそうだということをなんとなく予感したが、やはり文庫化されていた。 集英社のコーナーに行けば良かったのだが面倒くさくて結局ハードカバーを買ったが少し後悔してしまっている。 悔しい…

  • 読書日記1022

    読んだ本 佐藤直樹『加害者家族バッシング:世間学から考える』現代書館 (2020) 小川公代/吉野由利『感受性とジェンダー:<共感>の文化と近現代ヨーロッパ』水声社 (2023) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 読解に疲れ果てて要約する元気が残っていないので感じたことを書いていきたい。 まず、今日の段階で概ね日本の「炎上」「中傷」に関する理論が自分のなかで出来上がった。 それを構築するには長い時間がかかった。 参考になったのは皮肉にも「社会心理学」ではなく、小室直樹…

  • 読書日記1021

    読んだ本 小川公代/吉野由利『感受性とジェンダー:<共感>の文化と近現代ヨーロッパ』水声社 (2023) 仲正昌樹『精神論ぬきの保守主義』新潮選書 (2014) 薬師院仁志/薬師院はるみ『公共図書館が消滅する日』牧野出版 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 仲正氏の本と薬師院氏の本はまだ要約しきれる段階にはないため『感受性とジェンダー化』の感想を書きたい。 ・・・ 本書にも書かれているように、「共感」を道徳と結びつけた本は近年多く出版されている。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.ha…

  • 読書日記1020

    読んだ本 仲正昌樹『精神論ぬきの保守主義』新潮選書 (2014) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 トクヴィルの章を読み終えた。 フランスにおいては、1789年にフランス革命が起き、そのあとに「恐怖政治」が起こった。そのあとの1830年には7月革命が起きた。 "「自由」のための「革命」が、「自由」を破壊してしまうという逆説が続く中で、フランス人たちは次第に「自由」に対する情熱を失っていった。" P106 フランス革命は、民主主義が暴走すると恐怖政治になることを示したと…

  • 読書日記1019

    読んだ本 宮川幸奈『自律を目指す教育とは何かー自然主義的な教育哲学の試み』春風社 (2022) 山本七平/小室直樹『日本教の社会学』ビジネス社 (2016) 古井由吉『連れ連れに文学を語る 古井由吉対談集成』草思社 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『日本教の社会学』から感想を書いていくと話が広がっていくように思う。 まだ50ページほどしか読み進めていないが「空気」というものを徹底的に研究した山本七平と小室直樹の対談は非常に濃い内容であった。 そして昨日読みきった『パンとサーカス』とも多少内容の被るものであった。 本書の序盤は、内…

  • 読書日記1018

    読んだ本 仲正昌樹『精神論ぬきの保守主義』新潮選書 (2014) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 エドマンド・バークの章を読み終えた。 ヒュームと同じく「慣習」というものを「合理性」よりも重んじ、それを政治制度に組み込ませることに傾斜している点で「保守」と位置付けられることが理解できた。 ・・・ 仲正氏によれば「功利主義」の祖、ベンサムとバークは対照的な考えを持っているということであった。 バークは慣習法の権利保護機能を重視したのに対し、ベンサムは科学的な立法によっ…

  • 島田雅彦『パンとサーカス』講談社 (2022) 読了

    島田雅彦『パンとサーカス』講談社 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 約550ページにもわたる政治小説をようやく読み終えた。 初めてこのブログに遭遇してしまう方もいると思われるので軽くあらすじを書いて、そのあとに感想を書いて終わりとしたい。 ・・・ あらすじ まず、独断と偏見で判断すれば、主要メンバーは寵児、空也、桜田マリアの3名である。 空也と桜田マリアは腹違いの兄弟であり、寵児と空也は高校の同級生であり親友である。 物語は場面が変わっても常にこのなかの誰かの視点で描かれる。その意味でこの3名はこの小説において主役である。 寵児と…

  • 読書日記1017

    読んだ本 小室直樹『 [ 新装版 ] 日本人のための宗教原論』徳間書店 (2021) 島田雅彦『パンとサーカス』講談社 (2022) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 110項まで読み進めた。 本書を読むことで、今まで考えられなかったことまで考えることが可能になってきたように感じる。 モリス・バーマン『デカルトからベイトソンヘ』において、現代は科学によって信仰心が削ぎ落とされてしまった旨が書かれている。 宗教の種類だけ行動様式があるので、行動様式の総数は宗教の数に比例…

  • 読書日記1016

    読んだ本 薬師院仁志/薬師院はるみ『公共図書館が消滅する日』牧野出版 (2020) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 何が問題なのかが掴みにくい本書の読解に苦戦しながらもなんとか215項まで読み進めた。 今日は図書館と貸本屋との位置関係についある程度読み取ることができた。 市町村に図書館のない時代は貸本屋がその役割を担っていた。 現在では貸本屋は淘汰され公立図書館に置き換わっている。 215項までは主にこの拮抗について考察されていった。 ・・・ 図書館法の「実質におい…

  • 読書日記1015

    読んだ本 小室直樹『 【 新装版 】 日本人のための宗教原論』徳間書店 (2021) 島田雅彦『パンとサーカス』講談社 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 小室直樹は、マックス・ウェーバーが「宗教とは行動様式(=エートス)である」と述べたことを語る。 広い意味では「習慣」でもあり、例えば、起きたら歯を磨くのも「エートス」であると小室直樹は語る。 「空気を読む」も日本人の行動様式であり、つまりこれが小室直樹のいう「日本教」であるということであった。 また、宗教を意味する「religion」のもともとの意味が「繰り返し読む」という意味で…

  • 読書日記1014

    読んだ本 森達也『歯車にならないためのレッスン』青土社 (2023) 吉野源三郎『人間を信じる』岩波現代文庫 (2011) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 昨日『パンとサーカス』を読んで感じたことの二つ目を思い出した。 「面従腹背」という言葉について思うところがあった。 この言葉は、表面的には組織に忠実でありながら、内心では反逆的な態度であることを意味するようである。 昨日紀伊国屋書店でまさにこの言葉が本のタイトルとなっているものを見かけた。 これは加計学園に関するもので、「内部告発」に関する内容であるためにこのようなタイトルになっていると思…

  • 読書日記1013

    読んだ本 シェルリ・ミサック『プラグマティズムの歩き方 上巻』勁草書房 (2019) ジョン・デューイ『経験と教育』講談社学術文庫 (2004) 島田雅彦『パンとサーカス』講談社 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今日はいつもより長い時間書店にこもった。 様々な本を立ち読みしつつも書店に悪いので数冊購入した。 人文知が軽視されている風潮とはいえ、青土社、水声社、作品社、人文書院、みすず書房、白水社、法政大学出版局といった学術系の新刊書の勢いはまだまだあるように思われた。 今日は2日ということで、4月末に出版された本が多く並んでいる…

  • 読書日記1012

    読んだ本 ジョン・デューイ『経験と教育』講談社学術文庫 (2004) 藤本夕衣・古川雄嗣・渡邊浩一『反「大学改革」論:若手からの問題提起』ナカニシヤ出版 (2017) 島田雅彦『パンとサーカス』講談社 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 ヒュームが「慣習」に着目し、それを科学的に捉えることが「政治学」であると『精神論ぬきの保守主義』のなかで仲正氏は述べた。 デューイも教育の本質を「慣習≒習慣」のなかに見てとる。 そしてその歴史の連続性のなかにありながらも普遍的な「知」をいかにして学生の興味の対象とさせるかを教育の問題と位置付けている…

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