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2021/08/10

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  • 読書日記1011

    読んだ本 仲正昌樹『精神論ぬきの保守主義』新潮選書 (2014) 島田雅彦『パンとサーカス』講談社 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『パンとサーカス』は明らかに反米の精神が全面に表れている。 歴史的に左派、右派は「共産主義」vs「資本主義」を意味し、冷戦の終結 (=ソ連の崩壊) によって後者に軍配があがり、左派は徐々に衰退していく。 「脱成長」の名のもと、再び「社会主義」あるいは「マルクス主義」は息を吹き返しつつあるが従来の「共産主義」vs「資本主義」は明らかに無くなった感じがある。 従って「右派」に対する「左派」とは今日何を意…

  • 読書日記1010

    読んだ本 島田雅彦『パンとサーカス』講談社 (2022) ヘレン・プラックローズ/ジェームズ・リンゼイ『「社会正義」はいつも正しい:人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』早川書房 (2022) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『パンとサーカス』は5時間ほどかけて150ページ弱読み進めた。 「いまもっとも読まれている政治小説」ということでどういうものか気になるところであった。 時間はかかったが読みやすく、ストーリーや人物設定が頭にしっかりと入ってい…

  • 読書日記1009

    読んだ本 ヘレン・プラックローズ/ジェームズ・リンゼイ『「社会正義」はいつも正しい:人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』早川書房 (2022) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 第四章「クィア理論」の終わりまで、139項まで読み終えた。 ここまで読むことによって著者が「クィア理論」や「ポストコロニアル理論」に対してどういう感情を抱いているのか理解できた。 これらの理論を俯瞰的に見ているようにみえるなかで「暴言」の類いも時々見受けられた。 これはい…

  • 読書日記1008

    読んだ本 薬師院仁志/薬師院はるみ『公共図書館が消滅する日』牧野出版 (2020) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "単に画一的なだけの中央統制が望ましいわけではない。だが、理想的に大切なことは、何が何でも中央館制にアレルギーを示すことではなく、公的な制度枠組みを通じて圖書館サービスを全民衆に行き渡」らせることであろう。戦後の図書館関係者は、そのことが理解できなかった。" P95 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 本…

  • 読書日記1007

    読んだ本 薬師院仁志/薬師院はるみ『公共図書館が消滅する日』牧野出版 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 こちらは前から気になっていた本であった。 いっきに100ページほど読み進めた。 本書の全体的な問題意識は「ネオリベ」における文学部及び教養に対する攻撃へのアンチテーゼ(反対の意見)である。 そして『図書館長の本棚』において語られた「公共性への軽視」を徹底的に掘り下げるものである。 ・・・ 著者は図書館法の本質から追っていかなければ今日を取り巻く図書館の状況を理解できないとし、日本におけるGHQ統治時代の図書館運営にまで遡った。 …

  • 読書日記1006

    読んだ本 ヘレン・プラックローズ/ジェームズ・リンゼイ『「社会正義」はいつも正しい:人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』早川書房 (2022) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 久しぶりに読み進めた。 今日は第2章の初めから第3章の手前まで読み終えた。 ニューアカデミズムは1990年代頃に徐々に衰退。 しかし、形を変えて、つまりポストモダンの理論を応用させた「応用ポストモダン」が2010年代にかけてアクティビストたちによって幅を利かせた。 それら…

  • 読書日記1005

    読んだ本 バタイユ『有罪者 無神学大全』河出文庫 (2017) 若園義彦『図書館長の本棚ーページの向こうに広がる世界ー』郵研社 (2016) 小室直樹『日本国民に告ぐ 誇りなき国家は滅亡する』WAC (2018) 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今日は通勤の途中にバタイユ『有罪者 無神学大全』を読んだ。 「不安」に関するバタイユの記述に目が吸い込まれた。 "『不安の概念』を読むために。裂け目のただなかで交流をつかみ取る者にとって、交流とは罪であり、悪である。交流は、安定した秩序の断絶である。笑い、快楽の絶頂、供犠、心を…

  • 読書日記目録401-500

    nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 401. フランクル『虚無感について』青土社 (2015) 402. 熊代亨『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』イースト・プレス (2020) 403. ロイ・リチャード・グリンカー『誰も正常ではない : スティグマは作られ、作り変えられる』みすず書房 (2022) 404. 熊代亨『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』みすず書房 (2022) 405. フランクル『虚無感について』青土社 (2015) 406. フロラ…

  • 読書日記1004

    若園義彦『図書館長の本棚ーページの向こうに広がる世界ー』郵研社 (2016) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 100ページほど読みすすめた。 図書館運営における現状と課題や、その背景を図書館長の筆者が自身の経験をもとに考察するという、内容的にとても興味あるものであった。 筆者は2006年12月5日、教育基本法の「改正」案が可決したことに触れた。 実際になにがどう変わって何が起きたかまでは言及されていなかったが、教育の問題を法律に「すり替え」ているという指摘には共感を抱いた。 教育について語ろうと思えばそれこそ一本の論文になってしまうので細かくは…

  • 小室直樹『日本人のための憲法原論』集英社インターナショナル (2006) 読了

    小室直樹『日本人のための憲法原論』集英社インターナショナル (2006) つづきを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 前回は「資本主義の精神」まで語られた。 小室直樹によれば「天職」の本当の意味は英語でいうと「calling」に相当し、「神から与えられた仕事」であり、「仕事によって救済される」という精神と「複式簿記」が融合することによって資本主義が生まれたというもので…

  • 読書日記1003

    読んだ本 小室直樹『日本人のための憲法原論』集英社インターナショナル (2006) つづきを読みすすめた。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 頭に刻むにはアウトプットを繰り返すしかないように思われた。 まず「憲法と民主主義は本質的には無関係である」と小室直樹は述べている点。 ヨーロッパではじめて誕生した憲法は「マグナ・カルタ」であり、これはイギリスのジョン王が「慣習法」をあまりにも無視したために生まれたとされる。 小室直樹は、「憲法と…

  • 読書日記目録301-400

    nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 301. 斎藤環/福山哲郎『フェイク時代に隠されていることについて』大和出版 (2018) 302. 仲正昌樹『現代哲学の最前線』NHK出版 (2022) 303. ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟1』光文社古典新訳文庫 (2006) 304. ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟1』光文社古典新訳文庫 (2006) 305. 田中ひかる『アナキズムを読む<自由>を生きるためのブックガイド』皓星社 (2021) 306. 香山リカ『しがみつかない生き方:「ふ…

  • 読書日記1002

    読んだ本 小室直樹『日本人のための憲法原論』集英社インターナショナル (2006) つづきを読みすすめた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 学部生時代に学んだイギリス史の復習でもあるように思えた。 本書の射程は歴史から民主主義と憲法、多数決や言論の自由、はたまた資本主義の精神や宗教社会学にまで派生していくので、200ページ程度の読書でさえも、多くの新しい収穫を与えられたように思う。 ・・・ 憲法を掘り下げ続けイギリス史の解説に入っていくわけであるが、なかなか内容が濃いので個人としては重要…

  • 読書日記目録201-300

    nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 201. プラトン『国家 (下) 』岩波文庫 (1979) 202. プラトン『国家 (下) 』岩波文庫 (1979) 203. プラトン『国家 (下) 』岩波文庫 (1979) 204. プラトン『国家 (下) 』岩波文庫 (1979) 205. プラトン『国家 (下) 』岩波文庫 (1979) 206. プラトン『国家 (下) 』岩波文庫 (1979) 207. 池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版 (2014) 208. 宮本弘暁『101のデータで読む…

  • 読書日記1001

    読んだ本 小室直樹『日本人のための憲法原論』集英社インターナショナル (2006) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 自分は法律に関していかに無知であるか、本書を読んで痛感した。 ひとまず120ページ弱読みすすめた。 講義形式で進むので、小室直樹の本のなかでは読みやすいほうであると感じた。 ・・・ 小室直樹のマスコミ批判は参考になった。 マスコミの本来のあり方について、小室直樹は「国家権力の暴走から人民を守るためにある」と語る。 また、松本サリン事件で冤罪が起きてしまったのは、警察発表をそのまま真実であるかのごとく報道する姿勢にあると語った。 …

  • 読書日記目録101-200

    nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 101. 熊代亭『何者かになりたい』イースト・プレス (2021) 102. 城戸淳二・坂本桂一『学者になるか、起業家になるか 理系の未来は明るい』PHP新書 (2011) 103. 田畑真一・玉手慎太郎・山本圭『政治において正しいとはどういうことか:ポスト基礎づけ主義と規範の行方』勁草書房 (2019) 104. 伊藤守『コミュニケーション資本主義と<コモン>の探求」ポストヒューマン時代のメディア論』東京大学出版会 (2019) 105. 伊藤守『コミュニケー…

  • 読書日記目録

    nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1. 松岡正剛『資本主義問題』角川ソフィア文庫 (2021) 2. 松岡正剛『感ビジネス』角川ソフィア文庫 (2019) 3. 仲正昌樹『ドゥルーズ+ガタリ<アンチ・オイディプス>入門講義』作品社 (2018) 4. 松岡正剛『感ビジネス』角川ソフィア文庫 (2019) 5. 松岡正剛『感ビジネス』角川ソフィア文庫 (2019) 6. 中沢新一『新版 はじまりのレーニン』岩波現代文庫 (2017) 7. 小坂井敏晶『格差という虚構』ちくま新書 (2021) 8.…

  • 読書日記901~1000

    nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenab…

  • 読書日記1000

    読んだ本 ルネ・デカルト『方法序説』ちくま学芸文庫 (2010) 池田晶子『死とは何か:さて死んだのは誰なのか』講談社(2009) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 池田晶子は語る。 "「役に立たない」学問の筆頭は、言うまでもなく哲学である。「生きなければならない」と人々が思い込んでいるところ、「何のために生きるのか」と問うからだ。(・・・)生きるとは、考えることなのだ。こんな当たり前なことを言ったために、哲人は死刑になった。" (『死とは何か』P166) 約束事は目に見えない。「言葉」によって可視化はできる。しかし質量はない。言葉はどこに「存…

  • 読書日記999

    読んだ本 池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版 (2014) 大河内昌『美学イデオロギー 商業社会における想像力』名古屋大学出版会 (2019) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『美学イデオロギー』のなかで、文学の市場形成によって中傷目的の批評家が生まれることに対するコールリッジの批判が取り上げられた。 ”コールリッジによれば、中傷的な言語を生産することが習慣化した匿名批評家たちは、自らの人格を損ない、自己同一性を失う。(・・・) 言語と実体の乖離という特徴をもつ機械的言語の生産者は、自分自身の人格の堕落という結果を招くのである。” (『…

  • 読書日記998

    読んだ本 島田雅彦『小説作法XYZ』新潮選書 (2022) 池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版 (2014) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 島田氏のこの本は、小説を書くためのただのハウツー本となっておらず、文学史、哲学史を横断しながら言葉の本質に迫る優れた本であるように感じる。端的に知らなかったことも多く書かれており、本書は読んでいて面白いものであった。 多少口の悪さが目立つが、それは歴史的に文学が人類にもたらした貢献の数々と、その価値を次の世代へと継承したいという気持ちの表れでもあると感じた。 "私が四十年かけて会得した創作技法を手…

  • 読書日記997

    読んだ本 アントワーヌ・コンパニョン『第二の手 または引用の作業』水声社 (2010) ブルース・フィンク『ラカン派精神分析入門』誠心書房 (2008) 中田光雄『デリダ 脱ー構築の創造力:メタポリアを裁ち起こす』水声社 (2017) 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "これまでもそうであったし、そして、今もそうであるように、多くの学者たちのあいだで引用を流行させてきたのは、偽の博識と多識の精神でしかなかったということ、このことは明らかであるように思われる。というのも、引用しなければならない理由がまったくないのに、大量の…

  • 読書日記996

    読んだ本 大河内 昌『美学イデオロギー 商業社会における想像力』名古屋大学出版会 (2019) 斎藤環『「自傷的自己愛」の精神分析』角川新書 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 斎藤環氏の新書のづつきを読み進めた。 「就活自殺問題」について、斎藤環氏は「食べるために働く社会」から「承認を得るために働く社会」へと移行したことに原因をみる。 日本人は世間体を気にするという一般論がある一方、例えばアメリカではキリストの目を気にすると書いてある本もあった。宮台氏の本だったと記憶している。 ドーナツのようなもので、核は空洞になっているが、「和…

  • ハーマン・メルヴィル『ピェール 黙示録よりも深く(下) 』幻戯書房 (2022) 読了

    ハーマン・メルヴィル『ピェール 黙示録よりも深く (下) 』幻戯書房 (2022) つづきを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あらすじ 物語の骨格をあとで思い出せるように、下巻の300ページまでのあらすじをざっくりと書き残す。 早くに父親を亡くしたピェールは教養ある気高い母親、グレンディング夫人に愛されながら成長する。 ピェールは詩的な才能を早くも獲得し、街で出会う数々の女性を表現力溢れる言葉で魅了する。 やがてルーシーという年下の女性と婚約。グレンディング夫人も息子の幸せを願う。…

  • 読書日記995

    ハーマン・メルヴィル『ピェール 黙示録よりも深く (下) 』幻戯書房 (2022) サラ・サリー『シリーズ現代思想ハンドブック:ジュディス・バトラー』青土社 (2005) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "彼がより賢明で、思慮深くなればなるほど、日々のパンを得る機会が減ってゆく。それなら、自分の深淵な書を窓から放り捨て、いくらか身を落として、長くてもせいぜい一か月で書き上げることのできる、かなり薄っぺらなくだらない小説を書いてみたらどうだ。そうすりゃ、称賛と報酬をほどよく期待できる。しかしピェールの心を貪り食うような深淵な思想が、今や彼の心の…

  • 読書日記994

    読んだ本 サラ・サリー『シリーズ現代思想ハンドブック:ジュディス・バトラー』青土社 (2005) 引用元:版元ドットコム ロージ・ブライドッティ『ポストヒューマン:新しい人文学に向けて』フィルムアート社 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "主体とは、個人が理解可能性を達成し、再生産するための言語学的根拠であり、その存在と行為能力の言語学的条件である。" (『権力の心的な生』P20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 バトラー『欲望の主体』に挫折してしまったが、『反「大学革命」論』のなかに書かれて…

  • 読書日記993

    読んだ本 斎藤環『「自傷的自己愛」の精神分析』角川新書 (2022) 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "自己批判を繰り返す人ほど、自分と他人を比較したり、自分の価値について思い悩んだりするなどして結果的に「自分について考え続けることで忙しい」状態に陥りがちです。この自分に対する尋常ならざる関心ゆえに、私はこれを「自己愛」と呼ぶのです。" (『「自傷的自己愛」の精神分析』P76) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今思えば認知行動療法(CBT)は言…

  • 読書日記992

    読んだ本 ロージ・ブライドッティ『ポストヒューマン:新しい人文学に向けて』フィルムアート社 (2019) 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "誇りをもつ人間は、他人によって投影された自分ではなく自分の中に充実した自分自身を感じることを好む。" (『ピェール 黙示録よりも深く (下) 』P115 ) "進歩的な政治信条として、人文主義は、連動する他の二つの考えと特権的な関係をもっている。その二つとは、平等の追求による人間の解放と、合理的な統治による世俗主義である。これら二つの前提は人文主義という概念から生まれたものであり、…

  • 読書日記991

    読んだ本 ジャコモ・レオパルディ『断想集』幻戯書房 (2020) マーク・ソームズ+カレン・カプラン=ソームズ『神経精神分析入門:深層神経心理学への招待』青土社 (2022) 宮台真司・苅部直・渡辺靖『民主主義は不可能なのか?ーコモンセンスが崩壊した世界で』読書人 (2019) 藤本夕衣・古川雄嗣・渡邊浩一『反「大学改革」論:若手からの問題提起』ナカニシヤ出版 (2017) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 少し前の日記に、自分は「凡人は欲望にしたがって、天才は好奇心から派生した信念で生きる」といった主旨のことを書いた。 また、執行草舟氏が強く…

  • 読書日記990

    読んだ本 藤本夕衣・古川雄嗣・渡邊浩一『反「大学改革」論:若手からの問題提起』ナカニシヤ出版 (2017) 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 PDCAサイクルというものはもともと経営学の概念であった。 しかし何故か教育の現場に「義務」づけられている。 「授業評価アンケート」や「教育目標」などが「PDCAサイクル」の名のもとに大学の現場でも適用させられ、講師は書類作成などに追われる。 古川氏は「人間の物象化」について語りかける。 いろいろと考えさせられた。 教育は必ずしも生産活動に直接直結しない。「生産活動」というのは曖昧…

  • 読書日記989

    読んだ本 宮台真司・苅部直・渡辺靖『民主主義は不可能なのか?ーコモンセンスが崩壊した世界で』読書人 (2019) 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 日々、目を凝らせば面白い本は沢山あることを実感する。 しかし発掘することは時に骨が折れる作業ともなる。 悪貨は良貨を駆逐するが如く、悪書は良書を駆逐しつつある出版業界であると痛感せざるを得ない。 2009年の発言であるが、宮台真司氏がベストセラーの6割は自己啓発の類いであると述べていた。精神安定剤のように、読んで気持ちを元気にさせるものとなるが、すぐに…

  • 読書日記988

    読んだ本 斎藤環『ビブリオパイカ : 斎藤環書評集 1997-2014』日本評論社 (2015) 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ スピノザの「コナトゥス (努力) 」について "スピノザによれば、あらゆる事物は、すべてそれ自身の存在を肯定し、あるいは存在を否定しようとする力に抵抗すべく努めようとするという。この抵抗力が「コナトゥス (努力) 」である。「この努力が精神だけに関係する時には意志と呼ばれ、それが同時に精神と身体に関係する時には衝動と呼ばれる。したがって衝動とは人間の本質そのもの、ーー…

  • 読書日記987

    読んだ本 マイケル・ノース『一九二二年を読む:モダンの現場に戻って』水声社 (2021) 引用元:版元ドットコム 中井亜佐子『<わたしたち>の到来 英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』月曜社 (2020) 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーメモ "ベンヤミンは、芸術が大衆の娯楽として消費される時代には芸術の受容はきわめて政治的なものとなると指摘している。" (『<わたしたち>の到来』P85 ) →何故? →(ベンヤミンによれば)"新しい社会構造に対する不可避の欲求がひそかに少数の有産階級の都合によって搾取される" (…

  • 読書日記986

    読んだ本 斎藤環『映画のまなざし転移』青土社 (2023) 中井亜佐子『<わたしたち>の到来 英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』月曜社 (2020) 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ 「政治的正しさ」の有限性 "これらが強要される場所 では、いたるところで矛盾と乖離が発生する" (『映画のまなざし転移』P233 ) (これら→政治的正しさ) "無関心か暴力か。この構図はネットの炎上にもあてはまる。ネット情報は、知らなければ存在しないに等しい。しかし、急速に知られること(=拡散)は、ほとんど「炎上」によって起…

  • ハーマン・メルヴィル『ピェール 黙示録よりも深く(上) 』幻戯書房 (2022) 読了

    引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 400ページまでは非常に長い道のりであった。 通勤中の電車や移動中に少しずつ読み進め、おそらく二週間くらいだろうか、読み始めて本日読み終えた。 ハーマン・メルヴィルといえば『白鯨』(岩波文庫など)が有名であるが、少数派でいたい私はこちらを読むことにした。 (以下ネタバレ有) ・・・ ようやく物語が始動しはじめた矢先に上巻が終わってしまった。 それだけに、下巻への期待がやたらと高まる。 ここまで非常に時間がかかってしまった。 映画で例えるならば、ようやく物語の背景、設定や登場人物が可視化さ…

  • 丸山健二『真文学の夜明け』柏艪舎 (2018) 読了

    引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "商業優先のやり方を改め版元の規模を限界まで縮小し、目利きにして凄腕の編集者がこれは世に出したいぜひ出すべきだと心の底から思える作品をどうにかして見つけ、しかし赤字を出してはならぬよう長いスタンスで黒字が出ればいいという信念のもとに出版することが当たり前になる状況へと移行するしかなく、そんなことは夢のまた夢であると一笑に付することはたやすくても真の文学が生き延びる真の道はそれ以外にない。" 『真文学の夜明け』P451 "本来文学こそが開拓すべきはずだったもっと高度で気高い感動の世界は単に…

  • 読書日記985

    読んだ本 中井亜佐子『<わたしたち>の到来 英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』月曜社 (2020) 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "作者の権威を問い続けること、そのことによって逆説的に主体の痕跡を完全に消失してやまないことは、文化作品がたんなる消費財ではなく大衆芸術として歴史に責任をもち、現実の暴力への批判的介入となる可能性を、かろうじて担保しておくことであったのだろう。" (中井亜佐子『<わたしたち>の到来』P61 ) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

  • 読書日記984

    読んだ本 水野浩二『倫理と歴史:一九六○年代のサルトルの倫理学』月曜社 (2019) 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "自由とは本来性に到達した状態のことである" (『倫理と歴史』P33 ) →しかし、『存在と無』において、本来性について十分に考察されず "せいぜい脚注のなかで、「頽落した存在の、それ自身による回復」とされているだけである" (『倫理と歴史』P33 ) →サルトルは『存在と無』を書き上げたあとに倫理学の研究に移行 (サルトル)"「本来性は人間の条件、すなわ…

  • 読書日記983

    読んだ本 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "すぐれた資質に恵まれて、いきいきとしているひとりの人間に対し、十人は凡庸で生活力に乏しい。そしてすぐれた政治の目的は、後者が、自分よりすぐれている者が当然就くべき社会秩序における地位を絶対に奪わぬようにすることである。" (マイケル・ヤング『メリトクラシー』P50) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 執行草舟氏の働きかけによって本書が復刊されたとされる。 …

  • 読書日記982

    読んだ本 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "今日では民主主義の影響をうけて、協力の美徳が過去において服従の美徳が占めた位置に取って代わった。" P114 (『人生についての断章』) "協力という徳は理想としても不完全である。自分一人ではなく社会との関連において生きることは正しいが、社会のために生きることは、けっして社会がしていることをすることを意味しない。例えば劇場で火災が起り、観客が我先きに逃げ出して混乱状態になった場合を考えよう。いわゆる「協力」の美徳しか持ち合わせて…

  • 読書日記981

    読んだ本 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 山田創平 編著『未来のアートと倫理のために』左右社 (2021) 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ オスカー・ワイルド「すべてのものの値段を知っている経済学者がここにいる。しかし、価値については何も知らない」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 芸術をめぐる経済(芸術作品がもつ市場価値と美的価値の違いなど)について少しだけ理解が進んだように思う。 芸術作品特有の希少性について、今までに気がつけなかったひとつの視点をも…

  • 読書日記980

    読んだ本 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "私たちの住む、どんどん不安定さを増していく未来志向、科学技術重視の社会では、行くべき道を示すのは若い者であることが多い。彼らが、自分たちより年上の人たちに、何をすべきか指図するのだ。そういう社会では、誰が誰にいかなる理由で敬意を払うのだろうか?" P30 (『暇なんかないわ 大切なことを考えることに忙しくて』) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 神奈川県では統一地方選挙が今月の9…

  • 読書日記979

    読んだ本 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 両方とも100ページほど読み進んだ。 ハーマン・メルヴィルのほうは伏線めいたものがちらほら見受けられた。 映画タイタニックの前半のようにまだ穏やかである。 後半に向けていっきに物語が突き進んでいくことを予感させられた。 本書は主人公がのちに作家になるとのことで、作家と人生を問う深い話であろうと勝手に推測して読書中の次第である。 ・・・ 仲俣氏の本ではいとうせいこう『小説禁止令に賛同する』が取りあげられた。 いとうせいこうという作家は小説のなかで小説を問う…

  • 読書日記978

    読んだ本 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 古川日出男・佐々木敦『「小説家」の二○年 「小説」の一○○○年』Pヴァイン (2018) 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "物質から生命へ、そして絶対理念へ至るまでの『大論理学』の叙述を、今この文脈において詳細に追うことはできない。必然的に辿られる意識の事実であるとのみ、述べておこう。なぜならば、「天上と天下とのいずれを問わず、有と無との両者をその中に含まないものは存在しない」からであり、そして「純粋な直感と純粋な思惟とは全く同じものである」からである。" P4…

  • 読書日記977

    読んだ本 古川日出男・佐々木敦『「小説家」の二○年 「小説」の一○○○年』Pヴァイン (2018) 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー日記 古川氏の発言を読んでいくと、小説のなかに宇宙全体を詰め込んでやろうという気構えを感じた。 小説というものは現実でなければならないという考えが選考委員の頭にあり、芥川賞受賞作はその傾向にあると中俣氏は見ている。 個人的にも小説というものは、映画とは違い視覚(目の前の現実)と聴覚が剥奪された状態において、いかに巧みな文章表現でそれを読者に伝達するか、その技術が問われている…

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