上田の城に、為景自らの後詰が来るという話が伝わると城方は大いに沸き立ち「さらば城からも打って出て上杉勢を挟み撃ちにしよう」と五郎政景に城を守らせて、越前守房景は二千騎を率いて打って出るその勢を二段に備えて、六日市に進み、風間河内守が備える陣へ無二無三に討って入り、追いつ帰りつ戦う勢いまことに竹を割る勢いにて、風間勢は破られまいと勇兵小島三左衛門、宅間若狭守、友田藤右衛門、切っ先から火を出して数十騎をなぎ倒し、ついに討死するそのほか風間勢、手負い討ち死に多くなり後方に下がれば、柿崎弥二郎、弥三郎柿崎七左衛門、須磨靱負、牟礼覚之進、団久蔵など柿崎一党が入れ代わり各所で激しい戦となった長尾の勇士、名護屋、大堀らは柿崎に押されて乱れて引き下がると、代わって勢いよく攻め寄せたのは、長尾為景大将自ら柿崎勢の中に突き進...「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(95)長尾家8