死はすぐそこに あなたが叫べばやって来る 瀕死の鳥の如く わたしが歌えば墜ちてくる怖いか 刹那が 重み 連なった石の 膝の上で何度も 這い出ようと蠢く命(それ)が死はすぐそこに あなたが覗けば寄って来る 嬉しそうな顔をして おまえの穴を埋めんとて嘔きそうか 今にも 除き 拒絶したはずの 憶いの殻を何度も 破(は)らんと叩く蟲の實を死はすぐそこに
性情に叛(そむ)くは至難なり 体からあふるる水のような 熱意それ自体を櫂にして 光の原野をめざす道徳は遥か彼方 呼ばわる声も聞こえない 大海に身投げる我は愚かといえども 彼らは井の中の蛙なりまづは佯(いつわ)りこそ堰塞 霊(たましい)の流れ妨げるもの 鍍金(メッキ)の剥がれかけた理武装を捨てて 身一つで馬に乗る性情に叛くは至難なり 体からあふるる水のような 熱意それ自体を櫂にして 光の原野をめざす
曾て彼(あ)の泰山の巓(いただき)に悠々として構へし女 俗世を識つて猶離れ更に頭で是を掌握す かの女(じょ)の下(もと)には暗き闇光を求め数万集ひ 理を以て其の心と體を深く癒し鎮めけり運命の腸に触れしかと思ゆ言の葉の数々 産まれ乍らに狭き坑(あな)の中這出せぬ人々は まこと臓腑を鐵の鉤もて捕らはれし心持 遂に麗しき地上へ引上られむと狂喜した曾て人であつたかの女は今も人であつた 名誉を得神仙と崇められし後(のち)も変はらず かの女の下に殺到せし昼の光は血の如く 童(わらべ)を奪ひ去る青龍の如く天地どよもした絶叫し眼(まなこ)を覆ひ身を捩(よじ)り悶へる我が愛を 見し群衆は丘の上立ち尽くし歓呼やめ…
Now that I don't care about youあなたのことだってどうでもいいYou can hit or hate me嫌ってくれても構わないThe void opens its mouthまた口を開けてゆく虚(うろ)にSo time to throw my body ahead.我が肉體を捧ぐべき
なっちゃいけない自分にならないように 言ってはならない言葉も使わないように 気を張り続けることに疲れてしまったの 自分が最低最悪な存在だとしてそれが何だ もはや知ったことか けど 心から血を流してまで 生きる必要があるとも思えない 眠るように消えていけたらいいのに それが叶わないなら痛みを食べるだけ たとえば 鋭い包丁を首筋に当てる映像が浮かぶ そんな瞬間を幾つも重ねて痛みを殺すだけ 詩と生活の間でふらふらしている 健全な世界と暗鬱な心層どっちも愛している ときに 人生がゲシュタルト崩壊を起こして 自分が何処にいるのかも判らなくなるのは 実存の重みから逃れるためなのですか それとも 無用な人間…
心臓を掴むアラバスターの手に 大事な命を預け 私は大地も歩める 馬に跨がり剣を抜くことだって切れれば譫妄、斃れん道半ば 砕いて呑み籠め 吾が血液を白濁に安堵せよ 雪花(ぜっか)の星光る祥(しょう)を
蜜は翅(はね)に染みわたることなく 肉や煩悩を肥らせる 舞う軽さを喪った身体が 自ら蜜を生むの我が五体こそ蝶の住処なり 我は蝶に非ず 我が魂は前世を憶い出す 我蕾化(はな)之(の)女(おんな)也ティファニーを纏いし花よ 土を踏み 精を散らし 蜂を求めて終焉へ生き急ぐの 葩(はなびら)を散らす為 ※This poem is inspired by '蛹化(むし)の女' written 戸川純.
目が覚めたら牢獄にいた 鉄の冷たさが掌から這い昇る肩で 貴方の名を呼んでいた格子の外には白い壁が見えるが 澱んだ空気を吸いとり汚れている 扉には鍵がかかっていなかった泪を滴らしながら廊下を彷徨した 嗚咽があふれて止まないのが嫌だった 貴方の名を叫んでいた行く手に美しく光る電球は明滅し なにか恐ろしげな実存を照らしている 心が喉元まで込み上げた引き返し走りだす、 光る白い小窓が目の前にあった 外界は睥睨するばかりでこの深奥を拒んだいっそ濁流に呑まれて この身が 流れて仕舞えば良いのにと思った 祈る対象も持たないこの身はかさついた床に幾つもの蟲が這っている 全身は嫌悪に汚泥のような炎となって また…
昼も夜もなく ただひたすら 顔に黒い布を被って彷徨い歩いてるみたい 躓くことにも疲れ果てた足元に広がる大量の腐乱死体をひとつひとつ ひとつひとつ踏みしだいていくような 戦々兢々たる足取りよ心が固まって動けないときは 周りの空気が澱みながら 私を責めていく 胃の皮が徐々にめくれていく 喉を異物が塞ぐなぜ こんなことになど 神様にすら解るまいが 私が手にするもの全てが穢れていくようで 一つ所で必死に息を詰めている罅割れる蠟の如く、 いつか体も固まって 世界は失効するのだろう
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