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鑑三翁に学ぶ[死への準備教育] https://blog.goo.ne.jp/tsuguchan4497

内村鑑三翁の妻や娘の喪失体験に基づく「生と死の思想」の深化を「死への準備教育」の一環として探究してみたい。

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2020/12/12

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  • [Ⅵ282] 安楽死/考 (5) / その前に「告知」の周辺

    ここで「死ぬとわかっている病気」とは、医師の科学的な診断と判断に基づくもので(鑑三翁の時代にも私の生きている今の時代でも)、あらゆる治療手段を駆使しても治癒の可能性がない病気を指している。ここでの主役は診療を行う医師である。次に「必ず全治することが可能とみなして」とは、医師が患者本人及び家族に向けたメッセージである。ここでの主役は三者即ち医師・患者/家族である。医師は彼の知識(文献、知識と経験、複数の医師によるカンファレンス)によって治療の方法はなく治癒困難であると診断した。さてここで最初に問題となるのは、診療現場での病名の「告知」である。近年でこそ患者本人に病名告知することが一般的となっているが、これをそのまま「ロボット告知機械」のように(訴訟や面倒を恐れて、あるいはがん保険のこともある)そのまま患者に...[Ⅵ282]安楽死/考(5)/その前に「告知」の周辺

  • [Ⅵ281] 安楽死/考 (4) / 鑑三翁「安楽死」論‥試論   

    さて鑑三翁である。この森鴎外の小説等に関して鑑三翁が評論を加えた記録はないのだが、普段から購読していた雑誌の事なので鑑三翁がこれを読まなかったとは考えにくい。むしろしっかりと読み込んだことだろう。その時鑑三翁の胸に去来したものはどのような思いだっただろうか。鑑三翁のキリスト教信仰は深く厳しく柔和で慈愛に富むものである。鑑三翁のこのキリスト教的信仰の堅い岩盤から「安楽死」を考えたとき、どのような論稿を執筆しただろうか‥この事に私は強い関心を抱いている。鑑三翁のキリスト教信仰では、生と死は神の手に委ねられているので、死の瞬間も神の腕(かいな)が神の国に自分を誘ってくれるのだから、死の瞬間を「人」の手に委ねることはできない‥しかし森鴎外『高瀬舟』の場合には、死の瞬間を委ねたのは心を通い合わせてきた信頼する兄だ、...[Ⅵ281]安楽死/考(4)/鑑三翁「安楽死」論‥試論  

  • [Ⅵ280] 安楽死/考 (3) / 懇願‥らくに死なせてくれ

    鴎外がこの書で指摘している主題は「経済的な貧困」と「安楽死」である。貧しくとも懸命に兄弟が支え合って生きてきた。その愛する弟は重篤な病気になる。弟は考えた、この病気は苦しいばかりで恐らく治癒の可能性もないのだろう、その上経済的にも兄に大きな負担をかけている、と。その苦悶の末に弟は自殺を決行する。未だ死を果たせないまま苦しんでいる目の前の愛する弟は、彼に死を懇願している、その時兄の動揺困惑は止まり弟の苦しみを解放してあげようと考えてカミソリを抜いた。弟を死に至らしめた行為によって罪を負わされて島送りになる際に、役人から手渡されたのは生涯もったこともない大金。鴎外は医師として軍医として、軍属や一般人の病者の多くの死に立ち会ってきた。その中で自然死のように老衰や穏やかな心不全などで亡くなる患者は幸せである。しか...[Ⅵ280]安楽死/考(3)/懇願‥らくに死なせてくれ

  • [Ⅵ279] 安楽死/考 (2) / 鴎外の問題提起

    鑑三翁の「安楽死」観に立ち入る前に、森鴎外の『高瀬舟』について考えてみる。この小説は教科書にも掲載されてきた”問題作”であり、数多の人たちがこの作品が扱う「安楽死」の問題について論じている。映画化もされた(松山善三脚本、1988)。ここでは私なりの論を起こしてみる。小説『高瀬舟』のあらましである。《徳川時代には遠島を命ぜられた京都の罪人は高瀬舟で大阪へ護送されたものである。この話は彼らを護送する京都町奉行所の同心の話の一つである。‥‥兄弟殺しを犯した男が少しも悲しそうにしていなかったので、その理由を尋ねると、彼は遠島を言い渡された時にもらった銅銭二百文が持ったこともない大金であったと話した。そして子供の頃に両親を亡くした兄弟は二人で力を合わせて生きてきたが、弟は病気になり、兄は懸命に働いて弟の看病をしてき...[Ⅵ279]安楽死/考(2)/鴎外の問題提起

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