◎これは夜もすがらいたく泣き悲しみ、そのほおには涙が流れている。そのすべての愛する者のうちには、これを慰める者はひとりもなく、そのすべての友はこれにそむいて、その敵となった。(哀歌1:2)預言者エレミヤの嘆きはとまらない。かつての華やかな時を思い起こす。「ああ、むかしは、民の満ちみちていたこの都、国々の民のうちで大いなる者であったこの町、今は寂しいさまで坐し、やもめのようになった。もろもろの町のうちで女王であった者、今は奴隷となった。」(哀歌1:1)エレミヤの書記はユダの捕囚は70年にわたると言うエレミヤの預言を記した。エレミヤは民から迫害され受け入れられないなかで、エルサレムの滅亡を神の言葉として語り続けた。だがエレミヤも一人の人間だ。預言者の職にあってなおユダの民の人間としての苦しみと悲しみに対する深...[Ⅴ263]泣きべそ聖書(23)/認知症の妻がひとり流す涙