続いて「ヨブ記」〈第12章〉後半(11-25)の解釈文を掲げます。この部分は神の業の説明が主なのですが歴史的事件を踏まえた表現や抽象的な表現になっているので、やや詳細に説明を加えてみました。【わが友たちよ、人間が口で食物の味を味わうように人間は耳で言葉を聞いて全てを理解できるものなのでしょうか。老者には自ずから知恵が増え長寿の者は悟ることができるものなのでしょうか。あらためて神は全ての知恵と力の源であり神は深淵さと全能性を示していることに注視すべきです。神が破壊した物は再び建てることはできないのです。神が人間を監禁すれば解放されることはないのです。神が水を止めれば川は枯れ水を出せば地をこそぐ洪水を引き起こします。神は全ての力と知恵の源泉であり、誤った道に導かれる者や苦しむ者、他人を欺く者や悪を行う者も神の...[Ⅺ354]ヨブ記巡禮 (23)/俘虜の酷薄