先日のことである。 電車に乗っていて、ある駅で脚の悪い男性が乗り込んできた。 30代前半という感じで、杖はついていなかったが、歩くことにとても神経をつかっているように見えた。 私はすぐに席を立ってその人に「どうぞ座ってください」と声をかけた。 しかしその男性は「あ、けっこうです」と暗い顔で俯いてしまった。 「え、、、どうぞ座ってください」と私は自分が座っていたシートを指し再度促したが、その男性はもう横を向いて首を振るだけだった。 私はなんとなくもう一度自分が座っていた席に戻る気になれず、そこから約10分間、自分が降りる駅まで立ったまま居心地の悪い時間を過ごした。 わまりの乗客はじろじろこちらを…