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kori 理数系学習サイト https://physkorimath.xyz/

中学生・高校生・独学者用に作った数学の学習サイトです。 詳しく解説しています。 勉強に行き詰った時などにはぜひどうぞ。 随時コンテンツ増やしています。 https://physkorimath.xyz/

畠山恭平
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2020/10/19

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  • ライプニッツ級数の導出【四分円を使う方法】

    ライプニッツ級数とは「分子が1で分母を奇数とする分数を、プラスマイナスの符号を交互に変えて加えて行くと円周率の1/4に収束する」という無限級数を指します。 この無限級数の導出方法はいくつか存在し、ここでは図形的な考察をもとにした式変形と定積分の計算、それと幾何級数展開を使った導出方法を説明します。 ライプニッツ級数の導出方法はここで説明するものだけではなく、いくつか方法があります。例えば、逆正接関

  • 立体角の定義と使われ方

    立体角(solid angle)は、平面上の角度を空間的な広がりに拡張したものであり、球の表面積を利用して表されます。通常の平面の角度の事は、この記事では主に「平面角」と表記します。 立体角の単位は無単位とする事もありますが【sr】(steradian) という単位も一応あります。この記事では平面角のラジアン【rad】と区別する目的で、立体角に対して単位を付けて表記している事があります。 立体角の

  • 光の二重スリット干渉実験【ヤングの実験】

    ヤングによる実験をもとにしている二重スリットを使った光の干渉実験は光の波動性を確認できるとともに、可視光の波長の概算的な測定ができる実験です。また、光の干渉を利用した種々の干渉計のもとになっているという意味での重要性も持ちます。数式的には三角比も含めた平面幾何的な考察によって、光の異なる2つの経路の長さの差(光路差)を計算する事により波長を含んだ関係式を導出できます。 この実験では光のコヒーレンス

  • 微分の定義と接線

    微分の定義とイメージを、図形的な意味と数式の両方の観点から説明します。 微分のイメージと接線 微分の定義式 微分の表記方法 微分の四則演算 微分不可能な場合とは 微分は積分の逆演算でもありますが、ここでは「関数のグラフの接線の傾き」という図形的な意味に特に着目して説明をします。 ■サイト内関連記事:各種の微分に関する公式の証明等です。 初等関数の微分公式積の微分公式合成関数の微分公式 微分のイメー

  • 波動の式と用語【正弦波】

    波を表す具体的な形として最も基本的な「正弦波」は関数としては三角関数の正弦関数 sinθですが、波動を表す関数として考える時の変数としては位置座標と時間の両方を考えるのが普通です。 「振動」も波動に関連が特に深い物理現象であり、波動においても個々の位置では振動が起きているとみなせる事もあります。ただしここではバネの振動現象などは除いて、特に波動のほうに注目して見て行きます。 物理的な「波」の種類

  • 電磁場の波動方程式と真空中の電磁波の式

    4つのマクスウェル方程式からは電磁波の式を得るための波動方程式およびそのもとになっている一般形の方程式の導出されます。 電場と磁場の波動方程式 電磁波と光の関係 導出に必要な式および法則・記号・公式等 電場についての波動方程式の導出 磁場についての波動方程式の導出 ポテンシャルによる電磁場の波動方程式の導出 平面波解として得られる電磁波の式 ポテンシャルによる計算から得られる電磁波の式 ■関連サイ

  • 直交曲線座標系の成分にベクトルを変換する方法

    物理学などでは、微分方程式を座標変換して考える時があります。例えば極座標における運動方程式や波動方程式を考えてみるといった事です。 そのような場合で特にベクトルを含む微分方程式を考える時には、x=rcosθ等の関係の代入だけでなくベクトルの基本ベクトルを変更する事まで行う事があります。普通はベクトルを成分で表す時には(x座標,y座標,z座標)で考えるわけですが、それを(r座標,θ座標,φ座標)で表

  • 方向余弦の定義と公式

    方向余弦(direction cosine)とはベクトルに対して考えられる補助的な量で、ベクトルの大きさに乗じる事で各成分の値になるような余弦(コーサイン、cos)を指します。(空間ベクトルの平面への射影を考える時の余弦とは一般的に異なるものです。) この方向余弦の応用として特に重要であるの直交座標同士の座標変換です。(局所的には直交座標から直交曲線座標への変換もできます。) 「方向余弦」の定義

  • 電磁誘導の法則

    電磁誘導(「でんじゆうどう」)は「磁場が変化する事で起電力が生じる」事を表す現象で、発電機や変圧器の原理です。電磁誘導の法則はマクスウェル方程式の1つで、数式的には磁場の時間変化と電場の回転を含む式になっています。 電磁誘導の法則は、アンペールの法則と組み合わせて電磁波を表す式を導出するための法則でもあります。また、電磁誘導の法則はマクスウェル方程式の中では電気回路論との直接的な関係が強い法則であ

  • 逆三角関数

    逆三角関数とは「三角関数の逆関数」で、正弦、余弦、正接のそれぞれに対して存在し、それぞれ「逆正弦関数」「逆余弦関数」「逆正接関数」と呼んで Arcsinx,Arccosx,Arctanxもしくは sin-1x,cos-1x,tan-1x のように書きます。あるいは arcsinx,arccosxのように書く事もできますが、それらは記述法によっては Arcsinx等と区別して意味を持たせる事もありま

  • アンペールの法則

    アンペールの法則は電流と磁場の関係を表す式であり、マクスウェル方程式の1つです。マクスウェル方程式の他の3式のように積分形と微分形の両方があり、数式的には微分形は磁場の回転(rot)で含む形をしています。また、時間変動(時間による偏微分)の観点からは電場の時間変動を含む式です。 この記事では、他の電磁場の法則や数学の定理との関係を中心にアンペールの法則の内容と性質について整理してまとめています。

  • 部分積分の公式

    部分積分の公式は「部分積分法」もしくは単に「部分積分」とも言い、置換積分と同じく積分において関数の原始関数(=微分するとその関数が得られる)を探すのに使われる基本公式の1つです。英語名:integration by parts 公式の内容 導出・証明 部分積分によって計算できる積分の例 応用例1:テイラー展開を部分積分から導出する方法 応用例2:近似式の導出(スターリングの公式での例) 応用例3:

  • 電流密度ベクトル

    電流は向きを持っていますが、電磁気学において3次元の空間の中での向きを持つベクトルとして扱う時にはむしろ電流密度ベクトルが扱われる場合が多いと言えます。「電流密度ベクトル」あるいは単に「電流密度」とも言われますが、いずれにしてもベクトルで表される量です。 電流は の記号で書く事が多いですが、電流密度ベクトルは一般的に で表され、空間内の位置ごとに各成分がx,y,zの関数で表されるベクトル場です。(

  • 置換積分の公式

    置換積分は「ちかんせきぶん」と読みます。「置換積分の公式」「置換積分法」とも言い、1変数の積分における公式の1つです。定積分にも不定積分にも、どちらにも使えます。微積分学の基本定理および部分積分と並んで、置換積分は定積分の計算法としてよく使われる公式です。 公式の内容と意味 公式の証明 計算例1:円と楕円の面積計算 計算例2:物理・電磁気学での使用例 計算例3:数学上の色々な不定積分の計算 積分の

  • ビオ・サバールの法則【電流素片が作る磁場の式】

    ビオ・サバールの法則とは電流が作る磁場の大きさと向きを表す法則です。電流が作る磁場を表現する法則としてはアンペールの法則もありますが、特定の条件下でビオ・サバールの法則とアンペールの法則は等価である法則となります。 数式的には外積ベクトル(ベクトル積)を使って表現されるものであり、向きも含めて電流の向きと発生する磁場の関係が表現されます。(電流・磁場・力の関係を表す「ローレンツの力」も同様に外積ベ

  • 階乗(数式の「!」記号)の意味と使われ方

    数学では、数式中にいわゆるびっくりマーク(感嘆符)の「!」が使われる事があります。これは階乗(factorial)を表す記号です。意味としてはすごく簡単なのですが、この記事では「具体的にどのような時に階乗を使うのか」という例も多く挙げる事で詳しく解説をします。 階乗の定義と計算方法数学の諸理論と応用における階乗の使われ方(6例) ※プログラミングでは感嘆符「!」の記号が「否定」の意味で使われる場合

  • 数学的帰納法とは?証明が簡単になる場合

    数学的帰納法(「すうがくてききのうほう」)は数学の命題や定理の証明を行う手段の1つで、整数や数列的な内容が含まれる命題や定理を証明する時に使える場合があります。 「帰納」とはどのような意味?数学的帰納法による証明の手順数学的帰納法を使ったほうがよい場合とは? 「帰納」とはどのような意味? 数学的「帰納」法と言いますが、実は帰納という言葉自体は元々数学用語ではなくもっと一般的な語です。 「帰納」は「

  • 静磁場のベクトルポテンシャル

    静磁場は回転が0でない(渦を作る)事から、電場の場合のようにスカラーポテンシャルを考えても統一的な物理的意味を与える事が難しくなります。(特に静磁場が電流により作られる場合。) しかしその代わりに静磁場は発散が0になります(磁場に関するガウスの法則)。そのため、任意の「ベクトル場の回転」の発散は0になるという公式と合わせて「回転が静磁場になるようなベクトル場」を考える事ができます。一般にそれをベク

  • 静電場の渦無しの法則【数式的導出】

    静止した電荷あるいは電荷の分布が作る静電場(時間による値の変動がない電場)についてはクーロンの法則と、その一般的な形であるガウスの法則が成立します。そしてもう一つ、「渦無しの法則」というものも成立します。 渦無しの法則とは渦無しの法則における回転と循環の関係静電場の回転の直接計算による導出勾配と回転の関係からの導出電磁場で「渦」がある場合とは? 【※この記事では、ベクトルに対する「ゼロベクトル」(

  • ナブラ記号の使い方

    ベクトル解析などで使う grad, div, rot (または curl) の代わりに∇(「ナブラ」)という記号を演算子として使って表記する方法があります。 この記事ではそれらの書き換えの方法と、ナブラ記号を使って作られる別の2つの演算子について詳しく説明します。 ナブラを使う利点は何か?勾配(grad)の書き換え(ハミルトン演算子)発散(div)の書き換え回転(rot, curl)の書き換え2階

  • ストークスの定理【内容と証明】

    電磁気学や流体力学、数学のベクトル解析の分野で、ガウスの発散定理と並んで重要な定理とも言えるストークスの定理について、その内容・使い方・証明を詳しく説明します。 ストークスの定理はベクトル場に対する数学上の定理です。スートクスの公式と呼ばれる事もあります。 ストークスの定理とは?内容とイメージ証明その1:積分と偏微分の計算を直接進める方法証明その2:微小長方形領域で回転を計算する方法 ストークスの

  • 面積要素の変換公式

    積分変数としての面積要素dSと、x、y、zで積分した時に使うdx、dy、dzを偏微分を使って結びつける公式について説明します。積分変数に関する公式ですからもちろん積分に関係しますが、ベクトルとも関連します。この公式はやや特殊で、使われる場面はベクトル解析の分野のごく一部分に限定されるとも言えます。しかし特定の定理の証明・考察において重要である場合があるので、詳しく解説しておきます。 目次: 面積要

  • ベクトルの相等:自由ベクトルと束縛ベクトル…【2つのベクトルが等しいとはどういう事か?】

    「同じ向きで同じ大きさのベクトル」を、「始点を基準とした向き」と「大きさ」を変えずに移動させたベクトルの扱いについて説明します。 一般的に、原則的な扱い方は大体決まっているのですが、書籍等では少し曖昧に説明されている場合もあるので詳しく説明をします。 目次: ベクトルの相等・・同じベクトルと異なるベクトルの違いは?基本的にはベクトルは「自由ベクトル」始点の位置を問題にする「束縛ベクトル」自由ベクト

  • スカラー場に対する線積分【定義と積分の仕方】

    線積分という言葉は、ベクトル場に対する接線線積分と、スカラー場に対する線積分の両方に対して使われます。ここでは、スカラー場に対する線積分についての定義と積分の考え方について説明します。 基本的な考え方積分変数が弧長の場合積分変数が座標変数の場合弧長と座標成分の、余弦を使った積分変数の変換 接線線積分と同様に、スカラー場に対する線積分も電磁気学等での理論計算に使われます。 接線線積分の内積計算を行う

  • 複素数の極形式(極表示)と偏角

    複素数の極形式(あるいは「極表示」)の定義と計算方法を説明します。これは三角関数と複素数の密接な関係を表すもので、複素数を平面図形的に扱える根拠ともなっています。 目次: 極形式とは?三角関数と複素数の密接な関係 複素数の乗法と除法、ド・モアブルの定理 考え方の基本は、複素数の定義と、xy平面上の極座標の考え方を組み合わせるというものになります。それによって、複素数の乗法と除法(掛け算と割り算)に

  • 中学数学で特に重要な公式等3つ

    試験というものを度外視して、中学校を卒業した後も(勉強を続けるなら)必要になるという意味で、中学数学において特に重要な公式等を3つ厳選してみたいと思います。 もちろん、それ以外のものは一切知らなくてもよいという意味ではありません。ここでは、「特に重要なものを敢えて挙げるとしたら?」という事で挙げてみます。 また、「重要か・重要でないか」という事はどうしても主観的な面があります。「重要な公式」を集め

  • 接線線積分の定義と考え方

    接線線積分は曲線を積分経路とする積分で、ベクトル場(座標成分を変数とするベクトル関数)に対して定義されます。 目次 開曲線に対する接線線積分閉曲線に対する接線線積分 周回積分と組み合わせた表記法 接線積分の方向の約束①:平面上の閉曲線の場合 接線積分の方向の約束②:空間内の閉曲線の場合 接線線積分に関する定理とその応用 応用例①:積分経路が開曲線の場合…仕事と位置エネルギー 応用例②:積分経路が閉

  • ベクトルの考え方:スカラーの違い

    ベクトルの基本事項のうち、通常の数(スカラー)との違いについて説明します。 目次: べクトルの考え方とイメージベクトルの表記方法スカラーとは?ベクトルとの違い ◆ベクトルの使われ方:単に数学だけの話で勉強をしていると「何のために学ぶのか?」という疑問は必ず生じると思います。ベクトルの場合は、例えば物理学への応用では「ベクトルの微積分」の考え方が重要になります。 https://youtu.be/S

  • ガウスの法則【電場と磁場の数学】

    ガウスの発散定理およびガウスの積分と直接的な関わりを持つ物理学での応用例としては、電磁気学における「ガウスの法則」が存在します。ここでは特に、数学と電磁気学との、ベクトル解析・微積分的な関わりの観点からの法則の説明をします。 目次: 「ガウスの法則」とは?電場と磁場に関する法則 導出:微分形と積分形の数式変換 電場に関するガウスの法則をクーロンの法則から導出する(電場の場合) 真空の誘電率に関わる

  • ガウスの積分【距離の逆2乗に大きさが反比例するベクトル場】

    ガウスの発散定理の応用として、「ガウスの積分」と呼ばれる定積分があります。また、そのガウス積分の応用例として、電磁気学における「ガウスの法則」をクーロンの法則から数式的に導出する理解の仕方があります。 目次: ガウスの積分(公式) 公式の証明 関連(基本知識):■ベクトルと内積 ■微分の公式集 ■積分の基本計算 関連(応用):■ベクトル解析 ■法線面積分 ■ガウスの発散定理 ◆非常に名称が紛らわし

  • 【群論】可解群の性質

    可解群(solvable group)とは、群に対して交換子群列を作った時にDk(G)={e}【単位元だけからなる群】となる自然数kが存在する群Gの事です。以下、D(G)(=D1(G))はGの交換子群で、D2(G)=D(D1(G))、D3(G)=D(D2(G))、・・・等とします。 ◆可解群に関しては、次の定義をする事もあります:群Gに対して有限個の正規部分群の列Hjがあり【jは自然数、H0=G】

  • 【群論】交換子・交換子群・交換子群列

    交換子群は多項方程式の可解性(ベキ根で解ける事)との関連性が非常に深い群です。 目次: 交換子と交換子群 交換子群の性質 交換子群列 交換子と交換子群 群Gがあって、xとyがその元であるとします。この時、xyとyxは等しいとは限りません。 他方で、x-1y-1xy という4つの元の積からなる別の元を考えてみて、これを [x,y] と書く事にして「交換子」(commutator)と呼ぶ事にすると、[

  • 平面曲線の曲率円と曲率半径

    目次: 曲線の曲がり具合と曲率円 曲率円の中心座標と曲率半径の公式 曲線の「曲率」と公式 曲率円そのものについては高校ではあまり扱いませんが、内容としては高校数学のまとめのような所もあるので、高校数学としても勉強になる題材かもしれません。より一般的には、曲線・曲面論の初歩的な事項の1つになります。 曲線の曲がり具合と曲率円 平面上の曲線について、緩やかに曲がっているものもあれば、急激な曲がり方をし

  • 自乗と累乗・ベキ乗

    目次: 2乗(自乗、平方)の意味と表記 2乗(自乗、平方)の応用・使われ方 一般のベキ乗(累乗)と指数 「乗(じょう)」は数学では掛け算の意味です。掛け算の事を「乗法(じょうほう)」とも言います。「~を掛け算する」という意味で「~を乗する」とも言います。 2乗(自乗、平方)の意味と表記 2×2=4、3×3=9、4×4=16など、「同じ数を掛け算する事」を「自乗」あるいは「2乗」と言います。これを2

  • 角運動量の数学

    物理学で考える「角運動量」は回転運動を表す物理量です。外積ベクトルを使って表します。 目次: 角運動量ベクトル 力の能率(モーメント) 角運動量の保存則 剛体の角運動量 ◆関連:ベクトルの基本事項と内積 角運動量ベクトル 角運動量ベクトル(angular momentum)の定義 角運動量ベクトルは、次のように外積ベクトルによって定義されます。 $$角運動量ベクトル:\overrightarrow

  • 【証明】ガウスの発散定理

    電磁気学などでよく使う「ガウスの発散定理」(「発散定理」「ガウスの定理」とも)の証明をします。ベクトル解析の分野の中の基礎的で重要な定理の1つになります。 目次: 定理の内容 発散定理における閉曲面の扱い 証明 電磁気学の「ガウスの法則」は、「ガウスの発散定理」と関係が深いですが、あくまで静電場に関して成立する事実関係としての「法則」を表すものとして用語の使い分けがなされるのが一般的です。 関連事

  • 外積ベクトルの定義と公式【3次元】

    3次元ベクトルに対しては、「外積」と呼ばれるベクトルを考えます。外積ベクトルは、物理学で力のモーメントや角運動量、電磁気学での特定の法則などの定式化に使用したりします。また幾何的には「平行六面体」の体積を表す公式に使用もされます。 目次: 定義と考え方 演算と公式 成分表示の方法(外積ベクトルの成分と射影面積の関係) ◆「微分形式」という数学分野の演算でも「外積代数」という用語を使います。その3次

  • 平行四辺形の面積【ベクトルでの公式】

    平行四辺形の面積は「底辺×高さ」です。(参考:台形の面積公式と同じ考え方)他方で、「直交座標上の2つのベクトルが作る平行四辺形」の面積を、「ベクトルの大きさと内積」あるいは「ベクトルの成分」で表す方法と公式があります。 (ベクトルが作る「三角形」の面積については、単純に平行四辺形の面積を半分個を考えます。) ベクトルが作る平行四辺形の面積 原点を始点とする2つのベクトル と があり、なす角度がθで

  • 法線面積分の定義と性質

    ベクトル解析と電磁気学の分野で使用する「法線面積分」は、閉曲面に分布するベクトル場に対して定義されるものです。ベクトル場とは、すなわちベクトルの3成分のいずれもがx、y、zのスカラー関数になっているベクトルです。 閉曲面とは、例えば球や楕円体などの、「閉じた」曲面です。(ドーナツ型・うきわ型の「トーラス」なども含みます。)また、閉曲線とは、円や楕円のように、ぐるっと一周つながった曲線を言います。

  • 極座標と球座標【考え方と変換方法】

    座標変換のうち、理論面でも応用面でも良く使われる極座標と、その3次元版である球面座標について述べます。(※3次元の球面座標の事も極座標と呼ぶ事もあります。)また合わせて、時々使われる円柱座標についても述べます。 目次: 基本の考え方:三角関数を使う 変換方法:極座標 球面座標 円柱座標 極座標(polar coordinates)の「極」とは英語で言うと pole 、北極とか南極で使う意味での「極

  • 【証明】自然対数の底 e は無理数である

    自然対数の底 e(ネイピア定数)が無理数である事の証明を述べます。マクローリン展開を使うと、背理法によって比較的平易に証明できます。 まず、e の指数関数 ex のマクローリン展開は次のような無限級数になります。 $$e^x=1+x+\frac{x^2}{2}+\frac{x^3}{3!}+\frac{x^4}{4!}+\cdots$$ これは任意の実数xで成立する事に少しだけ注意して(収束半径は

  • 極限値としての自然対数の底 e の定義

    「自然対数の底」eの定義の詳しい説明を述べます。(この定数はネイピア定数、ネピア定数とも言い、数式中では単に「イー」と読む事が多いようです。)これは、ある数列のn→∞での極限値として定義されます。もちろん、発散してしまうのであれば定数として定義する意味はないのでその数列は収束します。その証明をします。(※高校数学の範囲だけだと証明できません。ただし、証明で肝心になる1つの事項を除くと、使う計算や定

  • 円周率は無理数である【証明】

    円周率は無理数です。つまり、整数の比(分数)では表せない実数であるという事です。 その証明方法は1つではありませんが、一般的な2つの方法は次の通りです。 2通りの証明の方法 背理法と部分積分で示す方法:円周率が有理数であると仮定すると矛盾が生じる。 連分数とライプニッツ級数を使う方法:円周率が無限連分数となる事を示す。 2番目の方法は計算自体は比較的簡単ですが、まず「ライプニッツ級数」「無限連分数

  • 立体の体積計算【積分・高校】

    高校数学での範囲での積分による体積計算の方法について説明します。 目次: 積分と体積の関係 錐体の体積公式【積分による導出】 回転体の体積 積分と体積の関係 1変数の関数の積分が基本的にはグラフ上の面積を表すのに対し、2変数関数の2重積分は体積に対応します。(座標上のスカラー関数を体積積分する場合などは3重積分。)【※高校数学の微積分の範囲外。】 他方で、2重積分の最初の積分、「面積」に該当すると

  • 立体の体積

    体積の意味と考え方、柱体や錐体などの立体の体積の計算の仕方などについて説明します。 目次: 立方体と柱体の体積 錐体の体積 このページでは、「高さ」と言ったら断りのない限りは、底面から見た「立体的な意味での高さ」の事を意味しています。 立方体と柱体の体積 基本的には、1辺の長さが1の立方体の体積を1として、これが何個分あるかで立体の体積とします。それが2個分あれば体積は2、半分であれば1/2という

  • 立体の図形【空間図形】

    球・立方体・三角柱・三角錐などの立体的な図形です。基本的な「立体」(りったい)の図形の名称や、用語について説明します。 目次: 柱体と錐体 曲面からなる立体・図形 平面図形をいくつか立体的に組み合わせる事で、箱やボールのような、高さや奥行きのある図形を作れます。平面図形では線が図形を構成しますが、立体では線で構成される「面」によって全体が構成される形になります。立体の図形では面が平面状になっている

  • 図形って何だろう【平面図形】

    算数や数学ではいろいろな図形について学びます。 目次: 平面の図形を構成するもの 直線で作られる平面図形 曲線による平面図形 算数や数学という「数」を扱う勉強でなぜ「図形」の事を学ぶのかと疑問に思う人もいるかもしれませんが、基本的には算数や数学で扱うのは「図形の長さ」「広さ」「角度」・・といった、数量の計算として扱える部分です。 つまり図形に関して、長いとか短い、広いとか狭い、角ばっている、丸まっ

  • 体の拡大

    代数学での「体」【たい】の拡大という考え方について説明します。 目次: 「体」の拡大とは? 拡大に関する多項方程式の用語 「代数拡大」 英:拡大体 extension field 部分体 subfield【体:field 日本語訳は、おそらくドイツ語での名称から。 】 「体」の拡大とは? 実数に対してi2=-1となるiを導入して複素数a+biを考える事や、有理数に対して平方根などを使ってp+q を

  • 微積分の問題【センター試験対策】

    センター試験レベルの微積分の模擬問題です。実際のレベルに近いものです。どういうレベルの問題なのか、雰囲気と解き方の例が分かるようにしてあります。 センター試験(Ⅱ・Bのほうのみ出題)での微積分の問題は大体パターンは決まっていて、しかも問われるのは基本事項のみです。ただし、試験全体では他の問題も多くあるので、高得点・満点を狙うのであれば速やかに計算間違いのないように解きたいところです。 微積分の問題

  • 数列って何だろう

    数列(「すうれつ」)とは、自然数や整数を代入する事で決定する種類の関数の事です。 目次: 考え方:関数と数列 漸化式と初歩的な数列 いろいろな数列 考え方:関数と数列 普通の関数y=x2などを考えて、変数の値を自然数に限定しy=n2と考えると、n=1,2,3,4,・・に対してy=1,4,9,16,・・と決定していきます。これが数列の例です。 要するに考え方は1次関数や2次関数などの普通の関数と同じ

  • 幾何級数(等比級数)

    等比数列の和を無限個で考えたものを、「等比級数」または「幾何級数」と言います。【有限の項数の和のものを同じ名称で呼ぶ事もありますが、ここでは無限級数の場合を扱います。】 収束・発散の条件と計算の仕方 等比数列の和を考え、項数を無限大にしたものはどのようになるかをまとめると次のようになります。 幾何級数あるいは等比級数とは? 次の形の無限級数を「幾何級数」あるいは「等比級数」と言います。 $$\su

  • シグマ記号の使い方(和を表す記号)

    和(足し算)を表すのに使うシグマ記号について説明します。 目次: 記号の意味と使い方 変数が複数ある時 $$英:\sum_{j=1}^n \hspace{10pt}\mathrm{summation\hspace{3pt}notation}$$ 記号の意味と使い方 数学で、いくつかの項の和(足し算、合計)を表す時に次の記号を使う事があります。 $$\Large{\Sigma}$$ これはギリシャ文

  • 数列の和の公式

    数列などについて成立する和の公式についてまとめました。 目次: nの1乗、2乗、3乗に関する和 等比数列の和 階差数列の和 一般の和について成立する公式 nの1乗、2乗、3乗に関する和 1+2+3+4+5+6+7=28です。これは直接足し算をしてもよいのですが、じつは7×8÷2=28のようにも計算できます。これは偶然ではなくて必然であるというのが、数列の和に関する公式です。1から100までの自然数

  • 部分群

    群【ぐん】を作る集合の部分集合で、それ自体でも群を作るものを部分群と言います。 目次: 考え方と具体例 式での定義と性質 巡回部分群 正規部分群 英:部分群 subgroup 正規部分群 normal subgroup 考え方と具体例 簡単な例で言うと、加群としての整数全体の部分集合のうち「偶数である整数の全体(負の数と0含める)」もそれ自体で加法に関して群を作るので部分群であるという事になります

  • 慣性の法則

    慣性の法則とは、古典力学で考えられている運動の3法則の1つです。一般的には第1番目の前提条件となる法則として挙げられています。 目次: 運動の3法則の第1法則 物体が静止または等速運動する事の表現 直線運動をする事の表現 運動の3法則の第1法則 慣性の法則とは? 物体に力が働いていない場合、次のいずれかになる: 物体は静止し続ける 等速『直線』運動をする この事が成立する座標系が存在する事を「慣性

  • 平方根って何だろう

    平方根の考え方と基本計算について説明します。 目次: 定義と記号の書き方 小数で表すとどのような大きさ? 平方根に関する計算・公式 英:平方根 square root 定義と記号の書き方 まずは定義と記号からです。 平方根とはどういうもの? 「2乗するとnになる数」の事をnの平方根と言います。n>0の時、平方根はプラスものとマイナスのものの2つがあります。 この時、「nの平方根でプラス符号のもの」

  • 積分の考え方と基本計算

    微分が「傾き」を表すのに対し、積分は「面積」を表すというのが基本的な考え方です。(使い方は色々あって、「体積」を表す事もできます。また、後述するように通常の図形問題で言う面積との相違点もあります。) 目次: 考え方と計算方法 具体的な計算例 定積分は「負の値」やゼロの事もある 英:積分 integral 定積分 definite integral 考え方と計算方法 関数y=f(x)の微分係数はxの

  • 分数とは?

    分数について初歩的な事項から説明します。 分数の考え方は、小学校だけでなく、中学・高校・大学と続けて使います。 目次: 基本的な考え方:半分の事を1/2と書く 分数は本質的に「わり算」と同じ 「通分」の計算「約分」の計算 基本的な考え方:半分の事を1/2と書く 分数【ぶんすう】とは、割合を2つの整数(1,2,3など)で表したものを言います。例えば、「半分」の事を、「2つ分のうちの1つ」という意味で

  • 対数関数

    対数【たいすう】関数 y= logax について説明します。関数ではなく、何か1つの値logabについて考えた時は単に「対数」と呼びます。 目次: 定義と表記 具体例とグラフ 基本公式 英:対数関数・・logarithmic function 対数・・logarithm【「比」と「数」を意味するギリシャ語から作った造語と言われる】 定義と表記 対数関数とは、ある正の数aを「何乗したら」xになるのか

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    行列式について成立する基本公式をまとめてます。一般のn次の行列式の定義だけでも大変面倒であるわけですが、ここで述べる公式によって特定の条件のもとでの行列式の値を計算するのが容易になる、行列式を含む理論計算が簡易になる等の利点があります。 行列式については、次のような基本性質が成立します。扱う行列は全て正方行列とします。 列ベクトルに対する線型性 1つの列ベクトルが和・差の形の行列の行列式は和・差の

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    「学校での数学の勉強方法は、一体どうしたらよいか?」「数学の成績を伸ばすにはどうしたらよいか?」こういった事はよく聞かれるので、中学や高校での実践的な勉強法について紹介します。 目次: 実践的な勉強法を知り、身に付けよう 中学校での勉強法 証明問題に対する勉強法 高校での勉強法 まとめと結び 実践的な勉強法を知り、身に付けよう よく耳にする「勉強方法」としては、授業の予習復習を欠かさない・1日1時

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