ライプニッツ級数とは「分子が1で分母を奇数とする分数を、プラスマイナスの符号を交互に変えて加えて行くと円周率の1/4に収束する」という無限級数を指します。 この無限級数の導出方法はいくつか存在し、ここでは図形的な考察をもとにした式変形と定積分の計算、それと幾何級数展開を使った導出方法を説明します。 ライプニッツ級数の導出方法はここで説明するものだけではなく、いくつか方法があります。例えば、逆正接関
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可解群(solvable group)とは、群に対して交換子群列を作った時にDk(G)={e}【単位元だけからなる群】となる自然数kが存在する群Gの事です。以下、D(G)(=D1(G))はGの交換子群で、D2(G)=D(D1(G))、D3(G)=D(D2(G))、・・・等とします。 ◆可解群に関しては、次の定義をする事もあります:群Gに対して有限個の正規部分群の列Hjがあり【jは自然数、H0=G】
交換子群は多項方程式の可解性(ベキ根で解ける事)との関連性が非常に深い群です。 目次: 交換子と交換子群 交換子群の性質 交換子群列 交換子と交換子群 群Gがあって、xとyがその元であるとします。この時、xyとyxは等しいとは限りません。 他方で、x-1y-1xy という4つの元の積からなる別の元を考えてみて、これを [x,y] と書く事にして「交換子」(commutator)と呼ぶ事にすると、[
目次: 曲線の曲がり具合と曲率円 曲率円の中心座標と曲率半径の公式 曲線の「曲率」と公式 曲率円そのものについては高校ではあまり扱いませんが、内容としては高校数学のまとめのような所もあるので、高校数学としても勉強になる題材かもしれません。より一般的には、曲線・曲面論の初歩的な事項の1つになります。 曲線の曲がり具合と曲率円 平面上の曲線について、緩やかに曲がっているものもあれば、急激な曲がり方をし
目次: 2乗(自乗、平方)の意味と表記 2乗(自乗、平方)の応用・使われ方 一般のベキ乗(累乗)と指数 「乗(じょう)」は数学では掛け算の意味です。掛け算の事を「乗法(じょうほう)」とも言います。「~を掛け算する」という意味で「~を乗する」とも言います。 2乗(自乗、平方)の意味と表記 2×2=4、3×3=9、4×4=16など、「同じ数を掛け算する事」を「自乗」あるいは「2乗」と言います。これを2
物理学で考える「角運動量」は回転運動を表す物理量です。外積ベクトルを使って表します。 目次: 角運動量ベクトル 力の能率(モーメント) 角運動量の保存則 剛体の角運動量 ◆関連:ベクトルの基本事項と内積 角運動量ベクトル 角運動量ベクトル(angular momentum)の定義 角運動量ベクトルは、次のように外積ベクトルによって定義されます。 $$角運動量ベクトル:\overrightarrow
電磁気学などでよく使う「ガウスの発散定理」(「発散定理」「ガウスの定理」とも)の証明をします。ベクトル解析の分野の中の基礎的で重要な定理の1つになります。 目次: 定理の内容 発散定理における閉曲面の扱い 証明 電磁気学の「ガウスの法則」は、「ガウスの発散定理」と関係が深いですが、あくまで静電場に関して成立する事実関係としての「法則」を表すものとして用語の使い分けがなされるのが一般的です。 関連事
3次元ベクトルに対しては、「外積」と呼ばれるベクトルを考えます。外積ベクトルは、物理学で力のモーメントや角運動量、電磁気学での特定の法則などの定式化に使用したりします。また幾何的には「平行六面体」の体積を表す公式に使用もされます。 目次: 定義と考え方 演算と公式 成分表示の方法(外積ベクトルの成分と射影面積の関係) ◆「微分形式」という数学分野の演算でも「外積代数」という用語を使います。その3次
平行四辺形の面積は「底辺×高さ」です。(参考:台形の面積公式と同じ考え方)他方で、「直交座標上の2つのベクトルが作る平行四辺形」の面積を、「ベクトルの大きさと内積」あるいは「ベクトルの成分」で表す方法と公式があります。 (ベクトルが作る「三角形」の面積については、単純に平行四辺形の面積を半分個を考えます。) ベクトルが作る平行四辺形の面積 原点を始点とする2つのベクトル と があり、なす角度がθで
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ライプニッツ級数とは「分子が1で分母を奇数とする分数を、プラスマイナスの符号を交互に変えて加えて行くと円周率の1/4に収束する」という無限級数を指します。 この無限級数の導出方法はいくつか存在し、ここでは図形的な考察をもとにした式変形と定積分の計算、それと幾何級数展開を使った導出方法を説明します。 ライプニッツ級数の導出方法はここで説明するものだけではなく、いくつか方法があります。例えば、逆正接関
立体角(solid angle)は、平面上の角度を空間的な広がりに拡張したものであり、球の表面積を利用して表されます。通常の平面の角度の事は、この記事では主に「平面角」と表記します。 立体角の単位は無単位とする事もありますが【sr】(steradian) という単位も一応あります。この記事では平面角のラジアン【rad】と区別する目的で、立体角に対して単位を付けて表記している事があります。 立体角の
ヤングによる実験をもとにしている二重スリットを使った光の干渉実験は光の波動性を確認できるとともに、可視光の波長の概算的な測定ができる実験です。また、光の干渉を利用した種々の干渉計のもとになっているという意味での重要性も持ちます。数式的には三角比も含めた平面幾何的な考察によって、光の異なる2つの経路の長さの差(光路差)を計算する事により波長を含んだ関係式を導出できます。 この実験では光のコヒーレンス
微分の定義とイメージを、図形的な意味と数式の両方の観点から説明します。 微分のイメージと接線 微分の定義式 微分の表記方法 微分の四則演算 微分不可能な場合とは 微分は積分の逆演算でもありますが、ここでは「関数のグラフの接線の傾き」という図形的な意味に特に着目して説明をします。 ■サイト内関連記事:各種の微分に関する公式の証明等です。 初等関数の微分公式積の微分公式合成関数の微分公式 微分のイメー
波を表す具体的な形として最も基本的な「正弦波」は関数としては三角関数の正弦関数 sinθですが、波動を表す関数として考える時の変数としては位置座標と時間の両方を考えるのが普通です。 「振動」も波動に関連が特に深い物理現象であり、波動においても個々の位置では振動が起きているとみなせる事もあります。ただしここではバネの振動現象などは除いて、特に波動のほうに注目して見て行きます。 物理的な「波」の種類
4つのマクスウェル方程式からは電磁波の式を得るための波動方程式およびそのもとになっている一般形の方程式の導出されます。 電場と磁場の波動方程式 電磁波と光の関係 導出に必要な式および法則・記号・公式等 電場についての波動方程式の導出 磁場についての波動方程式の導出 ポテンシャルによる電磁場の波動方程式の導出 平面波解として得られる電磁波の式 ポテンシャルによる計算から得られる電磁波の式 ■関連サイ
物理学などでは、微分方程式を座標変換して考える時があります。例えば極座標における運動方程式や波動方程式を考えてみるといった事です。 そのような場合で特にベクトルを含む微分方程式を考える時には、x=rcosθ等の関係の代入だけでなくベクトルの基本ベクトルを変更する事まで行う事があります。普通はベクトルを成分で表す時には(x座標,y座標,z座標)で考えるわけですが、それを(r座標,θ座標,φ座標)で表
方向余弦(direction cosine)とはベクトルに対して考えられる補助的な量で、ベクトルの大きさに乗じる事で各成分の値になるような余弦(コーサイン、cos)を指します。(空間ベクトルの平面への射影を考える時の余弦とは一般的に異なるものです。) この方向余弦の応用として特に重要であるの直交座標同士の座標変換です。(局所的には直交座標から直交曲線座標への変換もできます。) 「方向余弦」の定義
電磁誘導(「でんじゆうどう」)は「磁場が変化する事で起電力が生じる」事を表す現象で、発電機や変圧器の原理です。電磁誘導の法則はマクスウェル方程式の1つで、数式的には磁場の時間変化と電場の回転を含む式になっています。 電磁誘導の法則は、アンペールの法則と組み合わせて電磁波を表す式を導出するための法則でもあります。また、電磁誘導の法則はマクスウェル方程式の中では電気回路論との直接的な関係が強い法則であ
逆三角関数とは「三角関数の逆関数」で、正弦、余弦、正接のそれぞれに対して存在し、それぞれ「逆正弦関数」「逆余弦関数」「逆正接関数」と呼んで Arcsinx,Arccosx,Arctanxもしくは sin-1x,cos-1x,tan-1x のように書きます。あるいは arcsinx,arccosxのように書く事もできますが、それらは記述法によっては Arcsinx等と区別して意味を持たせる事もありま
アンペールの法則は電流と磁場の関係を表す式であり、マクスウェル方程式の1つです。マクスウェル方程式の他の3式のように積分形と微分形の両方があり、数式的には微分形は磁場の回転(rot)で含む形をしています。また、時間変動(時間による偏微分)の観点からは電場の時間変動を含む式です。 この記事では、他の電磁場の法則や数学の定理との関係を中心にアンペールの法則の内容と性質について整理してまとめています。
部分積分の公式は「部分積分法」もしくは単に「部分積分」とも言い、置換積分と同じく積分において関数の原始関数(=微分するとその関数が得られる)を探すのに使われる基本公式の1つです。英語名:integration by parts 公式の内容 導出・証明 部分積分によって計算できる積分の例 応用例1:テイラー展開を部分積分から導出する方法 応用例2:近似式の導出(スターリングの公式での例) 応用例3:
電流は向きを持っていますが、電磁気学において3次元の空間の中での向きを持つベクトルとして扱う時にはむしろ電流密度ベクトルが扱われる場合が多いと言えます。「電流密度ベクトル」あるいは単に「電流密度」とも言われますが、いずれにしてもベクトルで表される量です。 電流は の記号で書く事が多いですが、電流密度ベクトルは一般的に で表され、空間内の位置ごとに各成分がx,y,zの関数で表されるベクトル場です。(
置換積分は「ちかんせきぶん」と読みます。「置換積分の公式」「置換積分法」とも言い、1変数の積分における公式の1つです。定積分にも不定積分にも、どちらにも使えます。微積分学の基本定理および部分積分と並んで、置換積分は定積分の計算法としてよく使われる公式です。 公式の内容と意味 公式の証明 計算例1:円と楕円の面積計算 計算例2:物理・電磁気学での使用例 計算例3:数学上の色々な不定積分の計算 積分の
ビオ・サバールの法則とは電流が作る磁場の大きさと向きを表す法則です。電流が作る磁場を表現する法則としてはアンペールの法則もありますが、特定の条件下でビオ・サバールの法則とアンペールの法則は等価である法則となります。 数式的には外積ベクトル(ベクトル積)を使って表現されるものであり、向きも含めて電流の向きと発生する磁場の関係が表現されます。(電流・磁場・力の関係を表す「ローレンツの力」も同様に外積ベ
数学では、数式中にいわゆるびっくりマーク(感嘆符)の「!」が使われる事があります。これは階乗(factorial)を表す記号です。意味としてはすごく簡単なのですが、この記事では「具体的にどのような時に階乗を使うのか」という例も多く挙げる事で詳しく解説をします。 階乗の定義と計算方法数学の諸理論と応用における階乗の使われ方(6例) ※プログラミングでは感嘆符「!」の記号が「否定」の意味で使われる場合
数学的帰納法(「すうがくてききのうほう」)は数学の命題や定理の証明を行う手段の1つで、整数や数列的な内容が含まれる命題や定理を証明する時に使える場合があります。 「帰納」とはどのような意味?数学的帰納法による証明の手順数学的帰納法を使ったほうがよい場合とは? 「帰納」とはどのような意味? 数学的「帰納」法と言いますが、実は帰納という言葉自体は元々数学用語ではなくもっと一般的な語です。 「帰納」は「
静磁場は回転が0でない(渦を作る)事から、電場の場合のようにスカラーポテンシャルを考えても統一的な物理的意味を与える事が難しくなります。(特に静磁場が電流により作られる場合。) しかしその代わりに静磁場は発散が0になります(磁場に関するガウスの法則)。そのため、任意の「ベクトル場の回転」の発散は0になるという公式と合わせて「回転が静磁場になるようなベクトル場」を考える事ができます。一般にそれをベク
静止した電荷あるいは電荷の分布が作る静電場(時間による値の変動がない電場)についてはクーロンの法則と、その一般的な形であるガウスの法則が成立します。そしてもう一つ、「渦無しの法則」というものも成立します。 渦無しの法則とは渦無しの法則における回転と循環の関係静電場の回転の直接計算による導出勾配と回転の関係からの導出電磁場で「渦」がある場合とは? 【※この記事では、ベクトルに対する「ゼロベクトル」(
ベクトル解析などで使う grad, div, rot (または curl) の代わりに∇(「ナブラ」)という記号を演算子として使って表記する方法があります。 この記事ではそれらの書き換えの方法と、ナブラ記号を使って作られる別の2つの演算子について詳しく説明します。 ナブラを使う利点は何か?勾配(grad)の書き換え(ハミルトン演算子)発散(div)の書き換え回転(rot, curl)の書き換え2階
ライプニッツ級数とは「分子が1で分母を奇数とする分数を、プラスマイナスの符号を交互に変えて加えて行くと円周率の1/4に収束する」という無限級数を指します。 この無限級数の導出方法はいくつか存在し、ここでは図形的な考察をもとにした式変形と定積分の計算、それと幾何級数展開を使った導出方法を説明します。 ライプニッツ級数の導出方法はここで説明するものだけではなく、いくつか方法があります。例えば、逆正接関