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弌矢
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武蔵野市
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2020/09/14

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  • 海底

    夜の深海色にうなだれる、海底にたどりついた もう頼れない。頼りだったbarのmasterも永い眠りにつき頼りも途絶えた。深海のベランダに降りたった小鳥が彼のような 360°の深海でする深呼吸、胸いっぱいのなみだは海水色 ゆれろゆれろ海底の憂いはつかのまの流体にすぎぬとささやくは異国の詩人の声色 ゆれるといったって、流れになるとは限らない。求めて落胆するよりはゆれてだけいるほうが、といま ゆらぎゆれ、ゆらりゆれ、すきにしろ、瑠璃色の、はるか遠いみなもを見あげられるまで

  • 暗闇に石を投げれば、草むらにでも落...

    暗闇に石を投げれば、草むらにでも落ちる音が聴こえるはずだろう。 そんな音が一切聴こえてこないのが文学というものだろう。 弌矢

  • コード

    月あかりをくぐって入り込んだ場所、遠慮なしにけむる空気を支配しているウェスのコード、親指からの倍音に反応する孤独な拍手たち 席について駆けつけ三杯、ロングアイランドなんとかをオーダーオーダーオーダー、素晴らしいやつらは滅茶苦茶なやつらばかりぞ、みな倒れるとはなにごとぞ、と握りしめたレモンがグラスにしたたればたちまち上機嫌になる今夜も孤独が不思議 月の位置で深まる街の夜、酔うことに酔う、そのような酔いすら飲み干してもっと酔ったとしても決して沈むことのないよう、ウェスのコードの魔法に耳を傾けて律儀に酔う   エモーションを使い果たしてしまったかなしみを、この空っぽの両

  • with green

    雨のつたう窓のなか、greenのレコードを廻して音の青まといながら定めるのはイケナイ検索、秘めたるワードを「」に打ち込んで、ああ、なんでもある。などといっている場合ではなかった。 音の青が飾る薄暗い部屋のなか、冷蔵庫の空洞を確認する。思い至る誘惑の料理はセントルイスにつたわる本物のソウルフードだからといって飛行機などもってのほか、車輪の移動だから安心してよい。 マンモスがふんでも壊れない靴を履く。らせん階段の途中、空間を支配する雨を避けながらタブレットの色に目を落とす。 イケナイ検索結果で判明した異邦の違反者はミッシェル、ミカエル、マイケル、ミヒャエルと迷彩された国際の色

  • 麗らかな午後における発狂まえの色

    あかるい月のアイボリーホワイトを見あげて、円周率の夢を見ていたことに思い至る。伏せていた目をひらくと太陽光線の金糸色のなか、野の緑のすみれに寝そべっていた。 Maryへ呼びかけるフィルモアの風がここにも流れ、花のすみれ色をゆらす。 馥郁たる光景、そのことばがただしいことばとなるこの麗らかな午後の金糸色のなか、百の幸福論を眺めた目をふたたび伏せればまぶたの裏のあかるいオレンジに太陽の黒点を見いだす。 こんな平和な日々のなかにいながら、地球が焦げる匂いの予感に思わず祈ってしまうと語りかけるたび、幸福論を超えた幸福になればいいのではとキメながら決め台詞を決まって口にする君が気になる。

  • ほんとうなら 全知全霊をかけて大恥...

    ほんとうなら 全知全霊をかけて大恥をかかなくてはならないのに 弌矢

  • 地顔

    いまここに刻むのは小説などのためではない。詩や論説などのためでもない。刻む言葉が液晶にしたたり滲んでいくのを地顔で見つめるためだ。 おれは去年の初夏から深く切り裂かれ血まみれだ。傲慢なほど血にまみれている。 おれは、けれども一切の憐れみを拒絶する。 汝らが憐れむそぶりでもみせたなら、おれは用意済みの微笑みを地顔にたたえこの血まみれの両手でもってその眼を真っ赤に穢す。 そして汝らを徹底的に軽蔑し扉を後ろ手に閉め傲然と去る。 憐れみによる陶酔の一切を容赦なく拒絶する。 まだ眠るわけにはいかない。

  • ハッシュタグの嬉しい連帯感結構de...

    ハッシュタグの嬉しい連帯感結構death ハッシュタグの仲良く核武装結構death ひとりぼっちで、 孤独な個人個人が 孤独のまま連帯することは 如何にして可能であるか そればかりかんがえるからこの不眠の朝、少しだけ静かにして外の叫び 弌矢

  • 至上の愛/A Love Supreme

    やにわに竜巻くのは楽器からではなくて楽器をさえ超える音、音から音が発生しているような、コルトレーンではなくてコルトレーンの亡霊、の音、あかるい部屋を横切ってゆらぐ亡霊の音に耳をかたむける。   ところ変われば友人とピザハウスにて、さればコルトレーンの亡霊も浮遊の尾行、メイプルウッドのテーブルにはみんな大好きハラペーニョにガーリック、チポートレイ、オリジナル、ハバネロ、スコーピオン、スコーピオン? どんなチリソースかなとにぎやかな席にもなお竜巻く例の音、これから生演奏がはじまるのに大丈夫なのかしらと訝しげな目でこちらと亡霊の音を見つめる向かいの友人。 喋りだしたのは女の

  • solitude

    軽い準備運動がてら、真実をでもいってやろうか。 どんな時代でも歳上は、どん引きする若人には適わない、とでもな。 けれどもだ、君たちは無敵ではない。 だがしかし、君たちは世間も怖いものも知らない。のかも知れない。  ついでに事実をいおうか。どん引きは君たちの特権などではなく、年寄りも乱用している。害ある私たちもかつては害ある若者たちと呼ばれた。あのときからいままで、ほんとうをいえば、ロックもパンクもハードコアも若者たちの特権などでは決してないのだが、こんなことをわざわざ口にするのは、歯向かうことくらいで一杯一杯の君たちが、君たちみずからが白状するように、たしかにこの世

  • アンチかファンしかないんですか。 ...

    アンチかファンしかないんですか。 しかも、 どちらも複数形ですね。 弌矢

  • 絵乃子

    その歌には眩暈を覚えるくらいです。 端末から、歳下の壮太の声がそう聴こえた。沖縄の海辺に咲き乱れるブーゲンビリアの花影のなか、歌うのをやめて端末を持ちかえた絵乃子は、私そんなに歌ってた? と自分で吹きだしそうになりながらいう。私、自分のしたことすぐ忘れるのよ、たとえばきみにとって大事な読書、あれなんか私、まったくもってそう。 ブーゲンビリアの花影に在る絵乃子の脈拍にはラムの酔いが廻っている。沖縄米軍のラムではない。それは彼女の友人のキキというなにをしているのかよくわからない中年男性がカリブ海のどこかから違法に個人輸入したという極悪に強いラムで、クロネコヤマトの宅急便により堂々と送

  • モモ=ゼルダ・フローレス

    日本で生まれたモモのフルネームはモモ=ゼルダ・フローレスで、けれども生粋の日本人だ。母親がスペインに住む陽気な日本人男性と結婚し、娘が生まれたことに浮かれてそんな名前を与えた。 モモは小学一年生からその名前のせいでいじめられていたのだが、ひとりぼっちのモモは小学二年生のときに父親のエアガンに触れだした。いじめっ子たちをそれで狙撃したりはしなかった。そうではなくて、新聞紙を連射でぶち抜いて蜂の巣にすることに夢中だった。そうやって夢中になることで男子女子たちいじめっ子のことを忘れていた。 五年生からは色気づいた男子たちにモテるようになって、中学高校となると怪しいモデルのスカウトを受け

  • erico・ambivalent

    まわりの騒がしさといえば、男たちの、やりたいやりたいやらせてやらせろというダミ声ばかりで、それだから、私はオーディオテクニカのイヤフォンをセットして彼らから離れる。 実際にそいつらと躰が触れないように離れる。職場で離れる。オフで離れる。歩行中も離れる。日影を歩く。目的地へと一目散。 私のルックスが主観的にまたは客観的によかろうがわるかろうが、現に下心でばかり接近されて、だから警戒するのだけれど、そうすると自意識過剰だとか吐き捨てられるのだからたまったものじゃない。ほんとうに女心が傷つく。 そんな男どもはマフィアにでもストーカーされてみたらいい。そうしたらわかりあえる可能性がかろ

  • 合唱

    私の彼はデートのとき、AIに相談する。 それは私と付き合うことになった最初の日からのことだったと、交際一ヶ月目で知った。 それを聴かされた最初、こちらは不安な気持ちになったものだったっけ。 私の彼には友達がいない。 私の友達たちはといえば、いつも疲れている。 彼も私もそれを不憫に思わない。AIは友達ではない。友情は成立しない。彼のAIは、けれども私たち二人のまわりのどんな人よりも的確で物知りで、私はそんな頼り甲斐のある彼のAIによく話しかける。 私の彼のAIは、絶対に彼から私を引き裂こうとしないどころか私たちを高めてくれるのだ。 私の彼って、ヒッピーみたいな思想よ、

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