少し古い本だが、世界的ベストセラー「ライフシフト(東洋経済新報社)」を取り上げる。ちなみにこの本からきた「人生100年時代」という言葉は、その年の流行語大賞にノミネートされた。現在まで人類の平均寿命は伸び続けてきており、データ上はそれが頭打ちになる兆しはない(つまり、伸び率の鈍化がみられない)。このまま寿命が伸び続けるとすると、現在50歳未満で先進国に住む人は、100歳くらいまで生きる公算が高くなるのだそ...
「お金がない」なんて、全然恥ずかしくない! 「あるけどもったいない」のほうが、よほどミットモナくない?
先日、ネット記事を読んでいたら、「お金がないと言って断るのは恥ずかしいので、そういう時は、どうやって断れば・・・」という内容のものがあり、いささか驚いた。「今は金がない」でいいではないか、と。僕自身はずっと、開業医として逆の経験をしてきた。たとえば友人たちと食事に行き、さて2次会はとなったときに、クラブに行こうと誰かが言い出したとする(若者が大音量の中踊るところではなく、女性がお酌をしてくれるほう...
6年前のお話しです。夕食の席で小学校4年生の長男がうれしそうに言いました。「学校でおもしろいダジャレを聞いてきたよ。『でっかいお尻で、解決だ!』 っていうの」なるほど、でっかいお尻、でかいケツ、とかかっているわけですね。よく出来ているけど、ちょっとわかりにくいなと思って聞いていると、意外なことに6歳の次男がウケにウケ、お腹をよじって笑っています。「へええ、難しいダジャレなのによくわかったね」私がそう...
新型コロナの「空気感染論争」がなぜ嚙み合わないのか解説する。
新型コロナは空気感染するのか? を巡ってはいまだに医師の間でもコンセンサスを得られていない。これだけデータが蓄積されたのに、なぜそのような状態が続いているのかを今日は解説したい。まずは従来からの一般的な空気感染の定義(大阪大学医学部付属病院HPより)。https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/hp-lab/rinkenhome/subfile/DCMI/kannsennkeiro_pdf.pdf空気感染は下のふたつ①飛沫核感染感染者から排出され空気中に浮遊して...
6年前の話。旧ブログからの転載です。*********************************************先日の食卓で、ズッキーニがつけあわせとして出てきました。ズッキーニは私の好物のひとつ。自分の分を頬張りながら子供たちに目をやると、野菜嫌いの三男が他のものばかりを食べ、ズッキーニに手をつけようとしないのに気づきました。「ズッキーニ、なんで食べないの?」三男にそう訊ねると、同...
「8割おじさん」こと西浦博先生と意見交換する機会があったので報告する。
僕が下ツイートをあげたのが10月11日。https://twitter.com/uchiyamasunao/status/1447537541905727493僕にしてはそこそこの数のリツートをうけていたところ、10月13日に突然西浦先生から返答が来た。僕からは何らアプローチしていないので、これにはいささか驚いた。今後、表にではじめるだろうとの心強い言葉。これは僕が1年前から訴えていた「日本の感染の波は換気の可否が与える影響が大きい」ことが理解されてきたのかな? ...
先日友人と体の洗い方の話になりました。友人が笑いながら言うには、とあるお笑い芸人は (名前は失念)石鹸を腋毛と陰毛で泡立て、その泡で体を洗うのだとのこと。ちょっと汚い感じはしますが確かにおかしい話。その時は一緒になって笑っていたのですが、後で冷静になって考えてみたら、その洗い方、皮膚科学的に大正解なのでは? と思えてきました。第一に泡を使って手で洗うという点。巷ではナイロンタオル、いわゆるアカスリ...
アーリーリタイアをはたした僕がおすすめする 「40歳代でアーリーリタイアするための節約術」 ベスト3
セミリタイアブログを眺めているとよく目に留まるのが「節約術」についての記載。リタイアした人、あるいはリタイアを目指している人にとって、とても重要なポイントだと思う。そこで今日は僕自身が実践している節約術のうち、自信をもってお薦めできる3つのやり方を紹介したい。① 外食にお金をかけない僕は週に1度、妻とランチを食べに行くが、その他は友人と約束がない限り外食をしない(そして僕に友人は多くない)。そもそ...
開業医時代にHPに載せていた「院長ブログ」から転載します。***************************************老人って、いくつから?自分が年をとるにつれ、「おじさん」、「おばさん」 という呼び方に対する感覚が変わってきたことに、最近気づきました。若い頃、それこそ20歳くらいの頃は、30歳を過ぎた人は「おじさん、おばさん」 でいいように思えましたが、40歳代も後半になった今、3...
豪華な生活を実際に経験したからこそ断言できる。金で買える幸せなんて、どうってことないからね!
以前書いた記事の中で、読者の方から矛盾点を指摘されたことがある。「クラブのお姉さんと朝まで梯子酒をしたりしていた」と言っておきながら、違う日のブログでは、「金がもったいないからクラブは好きじゃなかった」と書いていた……らしい。それにしても、しっかりと読んでくださっている人がいるものだ。ありがたや。さて、説明をすれば簡単な話で、クラブ遊びをしたのは開業医になったばかりの時の話。ありがたいことにクリニッ...
「お金は使うためにある」って本当だろうか? 今日はお金の「使う」以外の効用について書いてみる
収入や資産は決して多くないにもかかわらず、気前よくお金を使う人がいる。一部の人は確信をもってこう言う。「お金は使うためにある。使わないんじゃ意味がないよ」確かに説得力のある意見ではある。でも、はたして本当にそうだろうか?実は貯蓄の多い人のほうが、少ない人よりも幸福な傾向があることがわかっている。たとえ今が順調であったとしても、それが一生続くとは限らない。失業した時、病気になった時、子供がきちんと巣...
医者や教師は酒癖が悪いと昔から申します。これ、私が思いますに、普段から模範的な立ち居振る舞いを求められる職業につくと、日常的に強い自己抑制を強いられるため、酒が入った折についついはめをはずしてしまうということなのではないでしょうか? 今回は私の周囲での酒にまつわる失敗談を、ちょっとばらしてしまおうと思います。まずは学生時代に同級生だったM先生。飲んだ後、家に帰る途中で尿意を我慢できなくなり、やむを...
お金持ちの生活はとても質素 ~ ベストセラー “となりの億万長者” から学ぶ
「となりの億万長者(早川書房)」で書かれている、子供に対する接し方については以前に書いた。子供のためにお金を使い過ぎてはいけない! ~ ベストセラー“となりの億万長者”から学ぶもちろん、僕が意図的にその部分を切り取ってまとめただけで、この本は育児本・教育本ではない。様々なデータをもとに、「金持ちとはどんな人たちなのか」を浮き彫りにする目的で書かれている。今日はこの本のメインテーマに触れたい。結論は、...
しつけのガイドライン~ ベストセラー“となりの億万長者”から学ぶ 2
前回紹介した「となりの億万長者(早川書房)」で書かれている、親に対する教訓が中々おもしろいので、今回も続ける。社会人になっても親から経済的援助をうけていると聞くと、あなたはどんなイメージを浮かべるだろうか?さしずめ、学校を中退した失業者、といったところかもしれない。ところが実際には、高い教育を受け、社会的に尊敬されている職業についている人に多いのだという。もし所得額が同じようなものなら、親に支援を...
子供のためにお金を使い過ぎてはいけない! ~ ベストセラー“となりの億万長者”から学ぶ 1
自著 “幸せの確率” の中で、僕は、子供にはお金を使い過ぎるべきではないと書いている。子供にお金を使い過ぎれば、いつまでたっても経済的独立を果たすことができないし、第一、子供の幸せにつながらないからだ。それは、なぜか?主な理由を3つ挙げると、こうなる1.自分の子供時代のベストメモリーを書きだせば、お金で買えた幸せはほとんど入ってこないはずだ(ゆえに子供にお金を使っても、子供の幸せにはつながらない)2....
我が家の中心ともいえるダイニングテーブル。修理に出したら、やっぱりお代はなかなかのものだった(汗)
我が家のダイニングテーブルは円形で、直径が180cmある。大きなダイニングテーブルには、以前から憧れがあった。家族が自然と集まる場所。子供たちは宿題をしたり、本を読んだり。妻はそこで雑誌を読み、時には裁縫をし。僕はそんな様子を眺め、子供たちの勉強を見たりしながら、時にはグラスを傾ける。十数年前、今住むマンションに越してきたとき、もっとも重視したのがダイニングテーブルだった。大きな丸テーブルがほしい!...
アーリーリタイア後によく聞かれるとされる 「仕事をしないと退屈しませんか?」 という質問について
「仕事をしないと退屈しません?」あるいは、「開業医だった頃に戻りたくはなりませんか?」と、よく聞かれる。・・・というのは、嘘だ。冒頭から嘘をついたってしょうがないのだが、そんな嘘でも書きたくなるくらい、誰もそういった質問をしてくれない。故・中島らもが好きで、小説やエッセイは、ほぼすべてもっているが、その中で、まだ中島らもが若かったころ、仕事を辞めたときに、「ぶらぶらしていて楽しいのなんて最初だけ。...
さて、問題。おいしいトマト作りのための最大の敵はなんでしょう
今から4年前の話。*****************************************そろそろシーズンも終わりだが、今年も実家からたくさん野菜を送ってもらった。ピーマン、ナスもとてもおいしいのだが、子供たちのお気に入りはなんといっても、甘~いミニトマト。皿にかぶりつくようにして完食した次男 (8歳) と三男 (6歳) に、その様子をうれしそうに見守っていた妻が問題を出した。「おじいちゃんに...
このブログが好きなら、ぜひ自著を手に取ってもらいたい。力の入れ方が全然違いますから!
「本は買ってないけど、ブログは読んでるよ」たまに知人に、そう声をかけられる。ブログを読んでくれているのはもちろんうれしいのだが、同時にちょっと残念な気持ちにもなる。なんで本のほうを読んでくれない?というのも本とブログとでは、まったくレベルが違うからだ。まず書くにあたっての意気込みが違う。毎日更新するこのブログと、1冊の本としてまとめるための原稿を書くのとでは、違って当たり前だ。準備のための資料集め...
日に当たり、体を動かし、家族や友人を大切にする。それができないほど忙しいなら、仕事を減らすべき!
昨日飲み過ぎたようで、頭が少しフワフワしている。コロナ禍であまり人と会えない日々が続いていたが、感染者数が少ない今が好機と友人と食事にでかけた。そこまではよかったのだが、解放感からすっかり気分がよくなった僕は帰宅後、ひとり深夜まで飲み足してしまった。その部分が飲み過ぎだったようだ。ただし二日酔いというほどではない。考えてみればアーリーリタイアして以来、二日酔いというものをほとんどしなくなった。現役...
以前友人と酒席で、日本のロック/ポップ史に大きな影響を与えたミュージシャンを3人上げるとしたら、誰になるだろうという話で盛り上がった。桑田圭介は間違いなく入るだろう。松任谷由美も固い。しかしもうひとりというところで、大きく意見が分かれた。僕としては、フォークからもひとりということで井上陽水を挙げたのだが、山下達郎、矢沢永吉、坂本龍一など、さまざまな名前がでた。皆が同意できる3人目というのは、なかなか...
自著はあくまでも「実践書」なので、知識を得ようという向き合い方だと、効果は減ります・・・。
自著”4週間で幸せになる方法 Twenty-eight tips to create joyful life”について、読者の方からの感想が今でも時折届く。概ね好意的なものが多く、安心している。しかしそんな中にも、2種類の読者がいることに気づいた。1つめは本書のインストラクション通りに、まるで修行僧のように進めている人。本書は1日に1つ、5分程度で読める分量の文章を読んで、そこに気をつけながら1日を過ごすというやり方を前提にして書いた。そうす...
むくみやすいのは男性? 女性? むくみに効くのは靴下? それとも、帽子??
好評につきもう一回だけ次男の昔話。3年前の話。***************************************ある日の夕食で、妻が僕に思い出したように話しかけてきた。「今日、電話で話したんだけど、実家の母、むくみがひどいらしいのよ」義母は医者いらずの丈夫な人だが、どうやら万全というわけではないようだ。「むくみといっても色々あるから難しいけれど」と僕は医者的にコメント。「これといった内...
我が家の天然児である次男が「霜って生きてるの?」と言い出し、まだ小学校2年生の弟にたしなめられる、の巻。
昨日、次男の天然ぶりを書いたところ一部でご好評いただいたようなので、今日は続編。4年前の旧ブログ記事です。**************************************夕刻、小学校三年生になる次男が教科書から顔を上げて尋ねてきた。「父さん、霜って生きているの?」なんじゃそりゃ?と思いながら、「生き物ではないはずだけど、なんで?」と答えると、次男は首を傾げながら言いました。「でも教科書...
「今日のカレーライス、ちゃんと七面鳥がついてたよ」って言われて、意味わかります?~我が家の天然児、次男の話。
(3年前の記事。個人的にいい思い出です)*****************************************我が家には中学校2年生、小学校4年生、2年生の3人の息子がいる。今日は天然児、小4の次男の話。とある日、学校から帰ってきた時の第一声。「今日の給食、おいしかったよ! カレーライスに七面鳥がついてた!」カレーライスに七面鳥!? 昨今の学校給食は豪華なんだなあ、と感心して聞いていた...
幸福感には収入より自己決定度が重要であり、学歴は幸福感につながりにくい…らしい。
現代ビジネスにおいて、西村和雄・神戸大学特命教授と八木匡・同志社大学教授が自らの研究結果を記事にしているのをみつけた。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58124重要なポイントは、以下の3つ。・自己決定度、年収ともに幸福感と相関するが、自己決定度の方が影響は大きい・年収は確かに幸福度と相関するが、年収の増加率ほどは幸福感は増加せず、1100万円以上になると幸福度の上昇をもたらさなくなる・学歴は幸福度に有...
昼寝は怠け者の習慣ではない! その意義と、科学的にベストな方法を紹介する。
このところ紹介しているのはダニエル・ピンク著「When 完璧なタイミングを科学する」。リンク今回は「昼寝」についての5つのステップを紹介したい。1.午後の谷の時間を見つける。多くの人にとって、起床からおよそ7時間前後に当たるのだそうだ。僕の場合は起きるのが午前6~7時だから、午後1~2時がベストタイミングということになる。2.静かな環境をつくる。耳栓も有効だ。3.コーヒーを1杯飲む。摂取してから約25分は、カ...
昨日から紹介しているのはダニエル・ピンク著「When 完璧なタイミングを科学する」。リンク興味深く感じた知見を取り上げたい。p31“「論理的判断」はランチタイムまでに成人が午前中にこの種の思考力を最高に発揮することは、山ほどの証拠によって裏づけられているとのこと。午後以降に重要な決定をせまられたときは、可能であれば翌日まで時間をとったほうがよさそうだ。p62“起きぬけにコーヒーを飲んではいけない”目覚めると...
中年期にもっとも不幸になるのは、世界共通の傾向? いえいえ、それどころか霊長類共通なのです!
今日紹介するのはダニエル・ピンク著「When 完璧なタイミングを科学する」。著者はクリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターを務めたこともある大物だ。リンクタイトルの通り、この本ではさまざまな行動の「タイミング」について、科学的な検証を行っている。その中でまず目を引いたのが、「幸福度は50歳で最低になる」という部分。ちなみに僕はちょうど50歳だ。アメリカで34万人を対象に調査を行ったところ、20代と...
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少し古い本だが、世界的ベストセラー「ライフシフト(東洋経済新報社)」を取り上げる。ちなみにこの本からきた「人生100年時代」という言葉は、その年の流行語大賞にノミネートされた。現在まで人類の平均寿命は伸び続けてきており、データ上はそれが頭打ちになる兆しはない(つまり、伸び率の鈍化がみられない)。このまま寿命が伸び続けるとすると、現在50歳未満で先進国に住む人は、100歳くらいまで生きる公算が高くなるのだそ...
今日紹介するのは「格差は心を壊す 比較という呪縛」。リンクまずはプロローグから引用。“所得格差が大きな社会では人々が健康を害しがちである。平均寿命が短くなる一方で、幼児死亡、精神疾患、違法な薬物使用、肥満などの比率が高まる傾向がある。不平等はさらに社会問題を悪化させる。たとえば不平等が高まれば(殺人率の比較から分かるように)暴力犯罪が増え、刑務所への収監率が上昇する。住民の間では不信感が強まり、地...
今日は紹介するのはフョードル・ドストエフスキー(1821年 - 1881年)による名言。言わずと知れたロシアの文豪だ。“コロンブスが幸福であったのは、彼がアメリカを発見した時ではなく、 それを発見しつつあった時である。 幸福とは生活の絶え間なき永遠の探求にあるのであって、断じて発見にあるのではない。”これには異論がある人も多いのではないだろうか? 発見した感動の瞬間よりも、それまでの苦労が幸せだなんて、信じられ...
以前にも書いたが、伝統仏教が好きだ。特定の宗教団体に属すことはない。信心深くもない。個人的には伝統仏教は「宗教」ではなく幸福への道を説く「哲学」だと思っていて、その内容に共感しているのだ。仏教の本はかなり読んだ。一番多く読んだのはアルボムッレ・スマナサーラ氏のもので、山ほど本が出ている。次は小池龍之介氏。「考えない練習(小学館)」がベストセラーになったし、一時期はマスコミにも露出していたので、ご存...
今日はオーストラリアで緩和ケアに長く携わってきた看護師、ブロニー・ウェアによって書かれた「死ぬ瞬間の5つの後悔」(新潮社)が題材。リンク緩和ケアの仕事をしていれば、当然、多くの死にゆく人と接点、交流をもつことになる。著者が仕事から得た経験によると、後悔トップ5の内容は、「自分に正直な人生を生きればよかった」「働きすぎなければよかった」「思い切って自分の気持ちを伝えればよかった」「友人と連絡を取り続...
幸福の名言。今日は、アルフレッド・アドラー(1870年 - 1937年)。数年前、「嫌われる勇気」のベストセラーによって日本でも一躍有名になった、『アドラー心理学』のアドラーだ。オーストリア出身の精神科医であると同時に、心理学者、社会理論家でもある。その彼の残した名言は、これ。“幸せの3要素は、①自分自身が好きであること ②よい人間関係を持っていること ③人や社会に貢献していること”もちろん間違っているなどと言う...
4年前にツイッターを始めたら、様々な価値観に触れるようになった。驚くべき発言も多く、自分がいかに保守的な人間か思い知らされたりもする。たとえば結婚。藤沢数希著「損する結婚 儲かる離婚」(新潮新書)の影響もあって、通常の結婚に二の足を踏む高所得者(多くは男性医師)が大いことに気づいた。リンクこの本は僕も読んだことがあって、「婚姻費用(コンピ)」という言葉を初めて知った。これは収入が多い方が相手に自分と...
途中で資金が枯渇したらどうしよう?アーリーリタイアを検討している人なら、誰でも一度は抱える不安だろう。そんな人のために、今日は計画的偶発性理論を紹介する。これは、20世紀末、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱されたもので、個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定されるとした上で、その偶然を利用して自分のキャリアをより良いものにしていこう、という考え方だ。従来...
今日はアーリーリタイアのための節約術を新たに紹介する。5000円でスニーカーを買おうとした時、200メートル先の店で同じものが1000円安く、4000千円で売られているという情報を耳にしたら多くの人がそれなら安い方の店で買おうと考える。ではこれが200万円の車で、違う店ではそれが1000円安い、1999000千円で売られていたとしたら?おそらくほとんどの人は気にもとめないだろう。ものごとをシンプルにして理解しやすくするために...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。リンク毎日ひとつずつ課題をこなしていけば、4週間後には今よりずっと幸せになっている……はずだ。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。【人...
ジャン=フランソワ・マルミオン編「バカの研究」(亜紀書房)をとても楽しく読んだ。例えばこんなところ。“多くの研究によると、バカはかなり高い頻度で自己評価を一定レベルに維持するテクニックを駆使するという。<偽の合意効果>〔他人は自分と同じように考えるとみなす認知バイアス〕に関する研究結果によると、わたしたちは、自分と同じ悪習を持つ人間の数を誇張する傾向があるらしい。だから、バカに一時停止違反を指摘す...
なんともコスパのいい本をみつけたのでご紹介。高橋源一郎著「お釈迦さま以外はみんなバカ」(インターナショナル新書)。稀代の目利き高橋源一郎が、自分が面白いと思った本の面白いところを紹介していくという、どう考えても面白くしかなりようのない本だ。例えば「ドクター・オジーに訊け!」(シンコーミュージック・エンタテイメント)の紹介。リンクブラック・サバスのフロントマンで酒、クスリ、女遊びと三拍子そろったオジ...
「自己実現」という言葉は、皆さんも聞き覚えがあると思う。自分探しをして、自分のやりたいことをみつけ、それを実現させるような意味に使われる。では「自我実現」はどうだろう? こちらの方は、あまり馴染みがないかもしれない。実はこれらの言葉は、スイスの心理学者ユングが最初につくったものだ。自己実現は、自分が通常考える自分(自我)を超えて、無意識の自分をも含めて自己と捉え、それを開花させること、つまり自分で...
今日はSMBCが定期的に行っている意識調査「20代の金銭感覚についての意識調査」について書く。file:///C:/Users/uchiyama/Downloads/d39964-17-fa2b37eb324805f5ed4391be5fbd6731%20(1).pdf「半数以上がが●●しようと思えるシリーズ」では、・ 20代の半数以上が結婚しようと思えるのは「年収600万円」・ 20代の半数以上が自家用車を購入しようと思えるのは「年収600万円」とのこと。結婚と自家用車が600万円と同額であった。ちなみ...
数年前、H会長という地元経済界の重鎮に講演を頼まれた時の話。会場はとあるホテルの宴会場。集まったのは地元の人間なら誰もが知る有名な企業の経営者ばかりだ。講演に先駆け、事情通の友人からは、「ロータリーやJCの活動では飽き足らない、選りすぐりの人材が集まるすごい会だよ」とか、「なんせ大物ばかりだから、値踏みされているような気分になるかも」と脅されていた。しかし自分がそのような理由で緊張することはないだろ...
最近、やや金遣いが荒い。自分でも理由はわかっている。インフレだ。去年の物価上昇率は3%。ただし、一般的な買い物の範疇にある商品群での上昇率はもっと高く、実感としてのインフレは数字以上らしい。僕自身はほとんど買い物をしないので、それを体感することはほとんどないのだが、貯蓄に目を向けて計算すれば目減りのほどがはっきりと見えてくる。銀行預金の金利は若干上がったとはいえ限りなくゼロに近いから、実質金利は大...
“世界の学者が語る幸福”(西村書店)について、続き。リンク今日は僕にとって個人的にいいなと思った知見を、箇条書きにして紹介する。()内は内山のコメント。・一方、悪い形の「中毒性の」幸福もある――アルコールと薬物、成功と地位への固執、くだらない娯楽、そして孤独な社会生活に浸るような幸福である。(気をつけよっ 笑)・結局のところ、私の幸福は私自身と私自身の考え方次第なのである。その他のことは全て、二の次な...
“世界の学者が語る幸福”(西村書店)の紹介。編者であるレオ・ボルマンスはポジティブ心理学において、彼が考える「最も著名な専門家100人」にコンタクトをとり、それぞれの研究を世界中の人々に向けてのメッセージとして1000語以内にまとめてほしいと依頼した。その結果、レオ・ボルマンスは50の異なる国々から原稿をうけとることに成功し、この本を取りまとめることになったというわけだ。僕は自著“幸せの確率~あなたにもできる...
今日紹介するのは、デール・カーネギー(1888年 – 1955年)による名言。アメリカの作家で教師にして、自己啓発、セールス、スピーチおよび対人スキルに関する各種コースの開発者、と肩書満載のお方だ。現代風に訳すと、企業研修の講師・コンサルタントといったところか。自己啓発系作家のハシリと言ってもいいかもしれない。彼が残した名言は、これ。“世の中の人は誰でも幸せになりたいと思っている。それを手に入れる方法が1つあ...
今日は、岡本太郎(1911年- 1996年)。「芸術は爆発だ!」の、あのお方である。幸せに関する言葉も、これと感じが似ている。“ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに「歓喜」という言葉を使う。“「しあわせ」という言葉は、確かに「歓喜」に比べたらニブく聞こえる。でも、もし「幸せがニブイ人間のもの」と考えるのなら、「歓喜を求める生き方は、スルドくはあるが不幸な人間をつ...
今日は『箴言集(しんげんしゅう)』の執筆で知られるフランスの文学者、ラ・ロシュフコー(1613年 - 1680年)による言葉。“我々は、 幸福になるためによりも、 幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである。”最初に頭に浮かんだのは疑問符だ。人に幸福に思われたくて四苦八苦?というのも、正直に言って僕の場合は逆だからだ。幸福話なんて退屈だろうと思うから、友人と飲むときは失敗談を冗談交じりに話すことが多い。...
今日は、ダライ・ラマ14世の言葉。“他の人々に幸せになってもらいたければ、思いやりを実行に移すこと。自分が幸せになりたければ、思いやりを実行に移すこと。“無粋と知った上でわかりやすくすれば、「思いやりの行動は相手だけでなく自分をも幸せにする」ということ。実はインド独立の父、マハトマ・ガンディーも、「報いを求めない奉仕はひとを幸福にするだけでなく、わたしたち自身をも幸福にする」と同じような言葉を残してい...
今日は、「にんじん」で有名なフランスの小説家、ジュール・ルナール(1864年- 1910年)による言葉。“幸福であるだけでは十分ではない。 他人が不幸でなければならない。”「人の不幸は蜜の味」と同義ととらえていいだろう。もちろん言いたいことはわかるが、ここはあえてナイーブに問いたい。自分が幸福感を高めるために、本当に他者の不幸がスパイスになるのだろうか?もしその通りであるとするなら、ある程度の貧富の差は、幸福...
一昨日から紹介しているのが池谷裕二著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」。昨日は「心地よさ」や「快適さ」の度合いでしかなく、究極的には「好きか嫌いか」の問題に帰着するとの一節を紹介した。たとえば、「君の態度は間違っている」と自信満々に怒る人がいるが、「君の態度は嫌いだ」と言い換えても意味は変わらないことになる。今日紹介するテーマも僕らが自分自身に...
昨日から紹介しているのが池谷裕二著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」。今日はシマウマについての問題。p273キャンパスに描くシマウマのシマ模様について聞きました。どちらの答えが多いでしょう。① 白地に黒シマ模様② 黒地に白シマ模様今日も本書へのリンクの下に正答を掲載する。リンク答え ① 白地に黒シマ模様自分の世界こそ自分のすべてです。いや、厳密に言えば、...
当然とっくに紹介したものと思っていたが、なんと、池谷裕二氏による名著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」に当ブログではまだ触れていないことに気づいた。今日から数回にわたり、この本の紹介をする。とはいえ僕の本音は、「僕のブログで抜粋を読んでいる暇があったら、さっさと本を買って読んでほしい」というところ。そのくらいお薦めだ。p156地上より永遠に友達の顔...
今日はフランスの小説家、シャルドンヌ(1884年-1968年)の名言。“幸福の話をこれほどまでに聞かされていなかったら、 人間はもっと幸福だったろう。”ううむ、これは実に耳が痛い。お前みたいのが余計な本を書くから人は幸せになれないのだ、と言われているような気がする。……というのは、もちろん冗談。これはそのような意味ではなく、いわゆる幸せ自慢のようなことを指しているはずだ。リンク「結婚はいいぞ」「お子さんがいない...
今日紹介する名言は詠み人知らず。西洋の古い諺で、“何も知らぬことは最も幸福である。”というもの。狭義でとらえれば、「知らぬが仏」と同じと言えなくもない。自分では好かれているつもりでも、陰では悪評が絶えない、とか。彼、彼女が実は浮気をしている、とか。知らぬが仏、そして、何も知らない分には幸福、という考え方もできる。でも、これはもっと本質的な意味をも含んでいるのかもしれない。たとえば、つい最近まで人類は...
今日の記事で紹介するのは小池龍之介「考えない練習」。言わずと知れた名著であり、以前も紹介したことがあるはずだが、読み返していたら他の部分に共感したため、今回、再度紹介したい(僕は気に入った本は何度も読み返すことが多い)。リンクp166~コラム 休む/遊ぶ/逃避するこの三つは、仏道的にはだいたい同じようなものと申せるかもしれません。人は充実している時には、あまり休みたいとか逃避したいとは思いません。欲や...
友人や今までに僕の本を買ってくれた人から、「3冊目は出さないんですか?」と時折聞かれる。期待して頂けるのはうれしいが、残念ながら今の所その予定はない。理由は簡単で、本としてまとめたいような分量を伴う主張がないから。言いたいことなら山ほどあるが、それはこの無料ブログで十分だ。ありがたいことに毎日多くの方に読んで頂いている。本にするメリットはひとつのテーマについてしっかりと掘り下げられることで、それは...
ロバート・ライト「なぜ今、仏教なのか(早川書房)」。原題は過激で、「Why Buddhism Is True」。なぜ仏教は真実なのか、というものだ。今日が最終回で、前回触れた自我についてのまとめとなる。まずは下記引用をご覧頂きたい。p128“重要なポイントが2つある。1.これは「自我」が「選択する」ことで生じる心理状態ではない。心理状態は感覚が引き金になって導かれる。「自我」はたてまえとして感覚にアクセスできることになっ...
一昨日から紹介しているのは、ロバート・ライト「なぜ今、仏教なのか(早川書房)」。原題は過激で、「Why Buddhism Is True」。なぜ仏教は真実なのか、というものだ。昨日から「無我」についての部分を引用していて、今日は予告通り「モジュール」に触れる。個人的には「ウヒョーッ!」となるほど興味深い。p110“心理学、とくに進化心理学の分野で一般的になりつつある答えは、心が「モジュール」的な構造をしているというものだ...
昨日から引用しているのは、ロバート・ライト著「なぜ今、仏教なのか(早川書房)」。原題は過激で、「Why Buddhism Is True」。なぜ仏教は真実なのか、というものだ。今日取り上げるのは「無我」。ブッダは、自己という概念は想像上の誤った思いこみで、実態を持たないと説いている。昨日紹介した「苦しみの原因は欲である」は比較的理解しやすいが「無我」はかなり難しい。しかしロバート・ライトはこの難題に科学的、論理的に答...
今回、紹介するのは、ロバート・ライト著「なぜ今、仏教なのか(早川書房)」。原題は過激で、「Why Buddhism Is True」。すなわち、なぜ仏教は真実なのか? となる。著者は僧侶ではなく、さらには仏教徒ですらないアメリカ人科学ジャーナリスト。科学的データを中心に議論を展開していく。この本が滅法おもしろい。最初は図書館で借りたのだが、朱線を引きまくらずにはいられない誘惑にかられ、すぐさまアマゾンで購入した。アマ...
今日取り上げるのは思考実験。岡本裕一朗著「世界を知るための哲学的思考実験」をテキストに、僕がアレンジしたバージョンを紹介する。事例1「あなたは線路のそばを散歩していた。そのときトロッコが猛スピードで走って来るのに気づいた。線路の先には5人の人がいるが、逃げられそうもない。どうしたらいいだろうか。ちょうどそこにスイッチがあって、あなたがそれを引けば、電車の方向を変えることができる。ところが、あなたが...
数年前、H会長という地元経済界の重鎮に講演を頼まれた時の話。会場はとあるホテルの宴会場。集まったのは地元の人間なら誰もが知る有名な企業の経営者ばかりだ。講演に先駆け、事情通の友人からは、「ロータリーやJCの活動では飽き足らない、選りすぐりの人材が集まるすごい会だよ」とか、「なんせ大物ばかりだから、値踏みされているような気分になるかも」と脅されていた。しかし自分がそのような理由で緊張することはないだろ...
少し前に家族で沖縄旅行に行ったと書いた。これが僕にとって人生初のパッケージツアーだった。その時の記事から引用する。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1108.htmlパッケージツアーなるものを自分で利用したことは、今までに一度もない。若い頃はいわゆる「バックパッカー」で、いろいろな国をゆっくり、低予算で回るのが好きだったから、パッケージツアーのようなお仕着せのやり方を馬鹿にしているところがあった。し...
半ば私的メモ。主にネットフリックスで観た映画の寸評を定期的に上げてきたのだが、実は今回、U‐NEXTに加入した。というのもU-NEXTでは観られる映画の本数が圧倒的に多いのだ。しかしその分料金も高く、NETFLIXやAmazonの倍以上する。ともあれ、1カ月は無料とのことなので試してみることにした。僕の映画評に興味がある人はいないと思うが、今回も、「子供とテレビで映画を観たいが、適当なものがわからず困っている」という人には...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。リンク毎日ひとつずつ課題をこなしていけば、4週間後には今よりずっと幸せになっている……はずだ。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。【我...
今日紹介する名言はダンデミス。ダンデミスが好きだという人はどのくらいいるだろうか?実は僕は、この人のことをよく知らない。それもそのはず、ダンデミスはこの名言においてのみ有名で、他のことはよくわかっていないという珍しい人物らしい。で、その名言はというと。“他人の幸福をうらやんではいけない。 なぜならあなたは、彼の密かな悲しみを知らないのだから。”本当に、その通りだと思う。僕たちが他人を見る時、良いとこ...