去年だした、著作『犬を裁け』を内容を変えて再出版しました。エッセイと批評を排除し、新たに2篇の未収録作品を追加しました。以下、収録作。 ・犬を裁け(2018) ・ソクラテスというポン引き(2018) ・倉庫街のタンゴ(2015,習作) ★ 著者解説「事物と愁い」 ここに収めた作品群はページ数も内容も半端で、独立した作品集に掲載するにはあまりも発展途上にあり、作品として生彩に欠けかけている。それでも書物として編輯したのはこれら撰外作品に通底する、挑戦めいた姿勢をみずから評価してのことである。苦手なことに手をつけたじぶんを少しでも褒めてやりたかったからだ。 表題作『犬を裁け』は長篇小説『裏庭日記/…