chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 世界の終わり

    * 暗がりの道で迷子にならぬようきみの手を引く幽霊の声 時にまたひとり裁かれながら立つ図書館まえの駅の群衆 チョコレートバー淋しく齧る午后の陽よいまだなにも了解せず 秋の水光れるなかを走り来て憂いを語る少年もゐる ジューサーのなかの果肉が踊りだす夜勤終わりの朝の食卓 声ならばここにあるぞといいかえす夜の隧道終わりが見えず 塩を甞める いつかの海をおもいたる寂しさばかりわれに与うる ああ、いつも≪城よ 季節よ≫と口にする秋のさむさがなんだかやさしい 歯痛とて季節の比喩か朝時にわれを慰むわれの手のひら 猫すらもゐない公園 遊具らのかげが鋭く光るゆうぐれ ひとびとの顔うらがえる陽のなかでいまだだれか…

  • たとえばぼくが鰊だったら

    error code:721 コピー用紙のうらに書かれたおれの調書が 夜に発光するさまを12インチのフィルムが捉える ものがみな逆さにされた室で、 朱い内装のなかで男が、 朱いベッドのうえで泣いてる こいつはだれなんだ? やがて男の妻がやつをなだめる 「どうしてなにもかも朱いんだ」ってやつはいう でも、それはやつの内奥の色でしかない なにも逆さになどなってはない 欲しいままに切り取られた裸体をばら撒き、 キャベツ男の頭をぶち抜く 弾丸のうえを街がよぎる 38口径の夢の址で コピー用紙のうらに書かれたおれの調書が 踊り狂う芒原に今年も鰊が豊作だ そう聞かされたのは朝の4時 突然の電話、そして盗聴…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、中田満帆さんをフォローしませんか?

ハンドル名
中田満帆さん
ブログタイトル
みずから書き、みずから滅ぶってこと。
フォロー
みずから書き、みずから滅ぶってこと。

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用