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2019/10/06

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  • 邪馬台国論争(魏志倭人伝)と神道の起源

    邪馬台国論争(魏志倭人伝)と神道の起源※この論考は、「宇佐八幡神宮の歴史的創建」の補論であり、歴史学との接点について、考究しているものです。邪馬台国論争、つまり、卑弥呼が何処の人かということについては、大和説と北九州説が有力であるとされています。これについては、この国がいつ頃に、統一国家になり、同じ神を崇拝し、同じ言葉を使う民族的共同体ができたのかを考える必要があります。まず、関連留意事項を列記します。①卑弥呼(~247)の時代が、宇佐八幡神宮の主祭神(八幡神)の応神天皇(祖父は、神話的英雄ヤマトタケルであるとする系譜がある。200~310)の時期に当たること。また、卑弥呼の登場は、倭国大乱(王位争奪をめぐる全国的な8年程の内乱)の終結に導いたとされる。②宇佐八幡神宮の由緒によると、1神代に比売大神(地主...邪馬台国論争(魏志倭人伝)と神道の起源

  • グローバリズムとマルクス主義、金融の歴史、ユダヤ人問題

    グローバリズム、グローバル資本主義は、国際金融資本の思想に違いないが、その思想的淵源は何か?私は、初期マルクスのユダヤ人解放思想にあるのではないかと考える。つまり、ユダヤ人の解放は、資本主義の全面的発展により成就されるという発想。その後、マルクス自身は捨てたようだが、その遺産は、そこに継承された。これは陰謀説に繋がる見方だが、そういう、好むと好まざるとにかかわらず、資本主義の発展が世界を変えるという思想は、NHKで流布され続けている。そこでは、国家は機能しなくなり、桎梏になるという筋書きが語られる。併せて、経済と国家の立ち率が、民主主義と絶対主義の対立というようにすり替えられる。結局、貨幣的民主主義が、国家的、共同体的民主主義を崩壊させるという文脈になる。国家はいらないという発想、つまり、新自由主義。ここ...グローバリズムとマルクス主義、金融の歴史、ユダヤ人問題

  • 救世主の系譜とバアル神

    最近見たYouTubeで、ハザリアンマフィアの源流は、古代バアル信仰を基礎にする悪魔教というくだりがあった。このことについて、ツイッターで書いたが、私なりのまとめをすることとしたい。私は、バアル神は、豊穣の神、風雨の神として、古代人により崇拝された神と考えている。つまり、現実的な神なのだ。この神が、悪神として理解されるようになったのは、人間精神を、善と悪に分かつ思想のなかで定まったと考えられる。それは、動物的な世界から人間的な世界への入り口において、どうしても避けられらに認識であると考えることができるが、ことは単純ンではない。原始社会における社会的なヘゲモニーの確立は、社会の構成員のこころの在り方も変える。つまり、社会が共同体化するにつれ、従順な考えが求められるようになり、異端、荒々しさは、不穏なものとし...救世主の系譜とバアル神

  • 宗教と奴隷制度~キリスト教の発展を願って

    統一教会関連のツイートに関連して、Twitterで論じたことをまとめ、補筆することとします。ひろゆきさんのツィートで、統一協会関係側がありました。それに対して、江戸時代にキリシタン弾圧をした人は、ひろゆきさんみたいな人だったんでしょうねという反論があり、ひろゆきさんも反論していますが、秀吉がキリシタン弾圧した背景に奴隷貿易があるいうツィートがありました。キリシタン弾圧を宗のですが、当時、問題視されていたのは、布教活動に付随する負の効果が、極めて深刻なものであったということにあります。つまり、日本人を奴隷としてポルトガル商人が奴隷貿易wしているという事実が、秀吉を激怒させました。大河ドラマでは、このことは全然出てきません。そこに戦後社会の嘘を見ることもできます。今の日本人は、キリスト教をどこか先進的な優れた...宗教と奴隷制度~キリスト教の発展を願って

  • アジアにおける民主主義の歴史について

    これまで、Twitterで論じていたことのうち、まとめておく必要があるものについて、覚書ふうに書きとどめておくことにします。以前、上からの民主主義、下からの民主主義について、論じました。下からの民主主義というのは、貨幣の公正・公平機能からくる、経済的自由、営業の自由を核にして、法学の世界では、自由権と概ね総称される自由を基礎にする民主主義です。これに対して、上からの民主主義というのは、共同体内の構成員の自由、生存を保障するもので、方g区的には、生存権を核とする民主主義と考えられます。現実の革命によって、体制転換が起こり、民主主義が飛躍的に進化してきました。その革命の前者は、フランス革命、いわゆるブルジョア革命です。後者の典型は、ロシア革命になります。ロシア革命が、民主主義を追求したということは認められない...アジアにおける民主主義の歴史について

  • ウクライナ侵攻~ナショナリズムとグローバリズム

    ロイターの記事で「アングル:ロシアに強制移送されたマリウポリ市民、帰国を切望」アングル:ロシアに強制移送されたマリウポリ市民、帰国を切望 ロイター(reuters.com)といのがある。この記事をどう解釈するかが問題だろう。マリウポリのロシア系住民は、ロシア語を話すがウクライナ国民であるという特別な考え方を持っている。アゾフによるロシア排斥は、この人達には苦痛ではないのかと言うと程度の問題なのだろう。ただ、注意することは、彼女がイタリアで考えているということだ。マリウポリがウクライナであれば戻りたいというのは、納得がいく話ではある。思考が相対的なのだ。選択的とも言える。選択の幅は大きい。つまり、十人十色。ソ連邦時代のウクライナは、それを包含したが、資本主義ウクライナは、その現実的選択肢を狭くしたと考えられる。つ...ウクライナ侵攻~ナショナリズムとグローバリズム

  • ウクライナ侵攻をどう見るか。都市と農村の対立

    ウクライナは、内乱の延長としてのロシアのウクライナ侵攻があることは確かである。事実、クーデターにより成立した現政権の流れは、国民の多数の支持を得ているが、全体ではない。また、クリミアも含めるとますますそうではない。この事実を西側は否定して、報道も、独立国家ウクライナに対する、ロシアの力の行使という見方が圧倒的である。しかし、2014年の時期と今(2022年)では、基本的に異なる点がある。それは、西側の支援により政権の中枢近くに存在感を示すようになったアゾフ連隊の勢力拡大である。それが、どのように。2014年時点の対立構造を変化させたのかを考えることの重要性を感じて、Twitterでも論じてきたことをまとめることとしました。最近、ウクライナの攻防は、マウリポリ、ハリコフに顕著に、残酷に表れています。驚くことに、こ...ウクライナ侵攻をどう見るか。都市と農村の対立

  • ロシア経済排除と恐慌、流動性と流通性

    ロシア経済制裁をめぐる世界経済の見通しについて、Twitterで論じてきたことをまとめることとします。ドルの地位脅かすロシア制裁、準備資産として信頼失う-ポジャール氏というbloombergの記事がある。この指摘に対して、アメリカ財務長官のイエレン氏が反撥している。それは、ドルは他のどの通貨よりも流動性が高いから、基軸通貨としての地位を失わないということだ。しかし、使われているということと、流通性は異なる。流動性と流通性。超過剰マネーの時代において、流動性が高いことはその通貨の信頼性と比例するものではない。※流動性というのは、貨幣の流れに注目したものであり、流通性というのは、貨幣の強制流通力に注目したものである。兌換紙幣であっても、中央銀行が準備する金は、ごくわずかである。見せ金なのである。国が保証するというこ...ロシア経済排除と恐慌、流動性と流通性

  • スイフト排除が切り開く貨幣の歴史的改革

    ロシアのウクライナ侵攻により、西側諸国は、国際金融決済からのルーブルの締め出しを決定した。そこで、ロシアで仮想通貨が注目されているという。当然の流れだろう。ただ、投機マネーとしての性格を脱しない限り、不安定、不完全通貨として、本来の機能を充実できない。それは、急落急騰を繰り返す段階。言わば、恐慌が当たり前の時代の市場の化身であるからである。この西側の政策は、ロシアを屈服させるのではなく、閉鎖経済へもっていくという指摘がある。ロソアは社会主義経済の行き詰まりから、極端な、粗野な資本主義移行を経験し、その過程で起きた凄惨な経験は、西欧型の資本主義が必ずしも自分たちの経済生活を向上させないということを認識させたと考えられる。しかし、社会主義経済への逆戻りは、さらに想定されにくい。ロシアは何か違う方向性を探し出すと考え...スイフト排除が切り開く貨幣の歴史的改革

  • ゴルバチョフ元大統領の回想的記事について

    ゴルバチョフの回想的記事がある。ロシアの未来は民主主義にあるというような内容だが、意義深い。今なら、別の指針があるというような見解もある。確かに、中国とロシアは好対照の道を辿り、現在の着地点は同じような強権政治への逆戻りである。ゴルバチョフ書記長(大統領)と類似するのは、胡耀邦総書記である。両者の違いは、長生きの違い。民主主義の風穴を開けた人と、開けられなかった人の違いがある。ロシア人は、もともと、民主的な人の集団、というより、ロシア民族共同体の基盤がある社会とも考えられる。個人の人生、業績というのも、結構、彼を生み出した民族の歴史に規定される。タタールのくびきという言葉があるが、ソ連邦の歴史は、思想のくびきから解放されていく歴史という見方もできる。つまり、社会主義的なものから民主主義を完成させるものでもある。...ゴルバチョフ元大統領の回想的記事について

  • 巨額債務と金融財政政策

    プライムニュースで、巨額財政支出は参院選対策という意見があった。参院選に勝ってどうするのかが問題。政党の存在理由としてのバラマキ。気配り、目配りの総論予算は、変わるのか。野党の議論は、与党以下だから、ますます混迷する。政治は選挙なのだと考えるのは、政治は間接民主主義だと言うに等しい。形、型の話であり、内容の話ではない。つまり、政治というのは、どの集団が勝利するかが重要であり、その中身は問題でないということを言っているに過ぎない。政権選択選挙というスローガンは、中身がないと非常に滑稽になる。こうした議論の中で、政治の内容の核心の今日的課題は、膨大な国家債務をどうするのかというかだいである。さて、財政、円の危機があるとすれば、まず、銀行の危機が訪れるというのが、経験的に分かることである。今現在の日本の財政金融は、こ...巨額債務と金融財政政策

  • 経済学の歴史から見る現代経済

    この30年間は、新自由主義が、あらゆる角度から、ケインズ経済学的常識を葬った時代。金融革命、消費者資本主義と株主資本主義。もともと、ケインズ経済学も、経済の基本は需要と供給のバランス、管理通貨政策一面論のようなところがあり、そこを突かれた。新自由主義経済学は、ケインズ経済学批判を重要な課題としている。そして、ケインズ経済学は、需要と供給の経済学である近代経済学の流れの中で登場した。近代経済学がなぜ登場したかと言えば、イギリス古典派経済学が、恐慌という経済現象を説明できなかったことによる。供給は需要を生み出すというセーの法則が暗黙の前提になっていたからである。近代経済学は、需要曲線と供給曲線が一致するところで市場は均衡するが、供給が過多になったり、需要が過少になった場合は、市場は混乱する。その混乱の最たるものが恐...経済学の歴史から見る現代経済

  • アマテラスとスサノオ 封建制で培われた天道思想

    アメリカの記事で、日本の国民の意識は封建制度さながらの意識という批判がある。アメリカは、奴隷制度から近代社会に移行している。だから、封建制度を経験しておらず、その遺産は継承されていない。封建制度は、奴隷制度克服のために実践された制度であり、全く無意味ではないどころか、アメリカの病根を是正するヒントがある。日本の封建制度というのは、地域社会の確立に貢献している。つまり、地域の自立自衛集団としての武士団が封建制度発展のなかで形成されたということである。貴族への奴隷的従属から、次第に自身を解放していった過程が武家社会の形成である。学校で教える歴史では、公地公民制が崩壊して荘園が成立していったということになっているが、公地公民制は、一旦、地域社会を解体して貴族の荘園領主支配を促す政策であったと考えるべきだ。少なくとも、...アマテラスとスサノオ封建制で培われた天道思想

  • 島崎藤村「夜明け前」から見る明治維新

    島崎藤村に夜明け前という小説がある。私も、これまで、いろいろなものに触発され、自分なりの考え方をまとめてきたが、二十歳前に出会ったのがこの小説で、今から考えると最初の一撃、最大の衝撃であった気がする。日本史の夏休みのレポートの題材だった記憶がある。地方の神道者の無力を藤村の実父をモデルとして描いた小説。日本という国の精神が壊れていく過程を描いていると見ることもできる。よく、敗戦が日本を喪失させたという議論があるが、日本の歴史を見ると、今のような平和な時代のほうが遥かに長い。また、天皇制も、制度そのものが尊厳の対象ではあっても、治世の核心であった時期は短い。天皇制そのものも、戦後、本来の姿に戻ったと考えるのが適切であると考える。それは、アジアが植民地化される過程のなかで、自国そして、アジアを守るための、特殊な政体...島崎藤村「夜明け前」から見る明治維新

  • 神話創生と古代宗教のかかわり

    天皇制とバアル神の近似性という、キリスト者による記事があります。天皇制は、バアル神(悪神)の構造とよく似ているという主張です。シナイ山にモーゼが神と対話しているときに、黄金の子牛を引き回していたという言葉がいろいろ解釈され、偶像崇拝、みかけの神崇拝という悪行をおこなっていたという記述があり、これも、バアルの影響とされていると考えられます。ここでは、バアルの本来の側面、モーゼがバアルの化身となったということの説明は省きますが、天皇制での位置は全然違います。天皇はアマテラス、バアルに該当するのはスサノオだからです。まず、キリスト教とは何なのかということを論じます。キリスト者とユダヤ教徒の違いは福音にあります。愛の宗教がキリスト教です。その愛は、聖母マリアから受け継いだものです。明治以降、開明的な、もしくは、それを志...神話創生と古代宗教のかかわり

  • 太平洋戦争開戦の真因はなにか

    日米開戦の原因が、ハル・ノートであるというような見解は明らかに間違いである。仏印まで攻めていって、世界が反対するのは当たり前であって、当然である。泥沼に引き込まれた原因が真の要因である。ハル・ノートは、最後通告である。また、戦争に引き込まれた外部要因以外に、内部要因があるが、むしろこの要因の方が大きいだろう。つまり、日本側の要因、なぜ、大陸での戦争拡大を止められなかったかが問題である。結論は極めて簡単。リーダーがいなかったということである。リーダーということについては、戦前は、元首は天皇だから、こんな簡単明瞭な話はないと考える人がいたら、それは、天皇制の意味を理解していないということになる。本来、天皇は、民族共同体のシンボルであり、国家の頂点ではない。歴史上そうである。古代においては、天皇の呼称が見られるのは、...太平洋戦争開戦の真因はなにか

  • 2・26事件をどう見るか

    2・26事件のNHKアーカイブ226事件肉声の衝撃という番組がある。2・26事件は、昭和維新を目指す運動だが、尊皇討奸、尊皇斬奸を旗印にしている。特攻隊の映画で、菅原文太が、凄まじい形相で君側の奸を排除すべしというようなことを言い自刃していた記憶がある。ヤクザの文太よりすごいと感じた。アーカイブでは、反乱軍と説得に当った将校の、当時の生の電話のやりとりが紹介されている。真崎首班内閣でないとダメなのかという会話がある。真崎は、皇道派のカリスマということだったのだろう。青年将校が問題とした、社会の底辺の悲惨を背景にしている。それは、彼らの幼なじみの妹が貧苦のため身売りする社会に対する憤りがあったと考えられている。君側の奸というのは、天皇の腐敗した側近という意味であるが、実質的には、財閥に奉仕する官僚政治家という意味...2・26事件をどう見るか

  • 映画「戦争と人間」の読み方

    第二次世界大戦をどう総括するかということは、いろんな角度から行われている。Ⅰ①世界征服を目論むファシズムに対して、民主主義国が応戦した戦争②日本においては、アメリカの経済封鎖に対する出口を求めた資源市場獲得戦争というような把握に集約されるのではないかと考えられる。そうした面もあるが、一番重要なことは、当時の世界情勢と各国の動きという視点が欠けているため、事態を正確に描けず、誤ったイデオロギーをばら撒く基盤になっていると考えるので、不十分を覚悟して、自分の考え方をまとめることとします。もともと、Ⅱ①田母神氏が、Twitterで、毎年毎年、盆頃になると、反戦番組がまかり通り、うんざりするというyプなことを書いていたことに触発されたこと②BSの番組の関口宏のもう一度近現代史という番組の持つ指摘傀儡皇帝溥儀が、満州国に...映画「戦争と人間」の読み方

  • 新形コロナ医療体制はどうあるべきか?

    政府が、中等症患者の自宅療養方針を出したことで、批判が集中している。Twitterでも論じてきましたが、大きな医療体制転換の時期にあることは確かでしょう。ここに来てはっきりしたことは、これまでの政府のコロナ対策は、医師会主導の者であったということです。それが、はっきり出たのが今回の問題でしょう。実は、今回の発表前に、注目すべき報道がありました。①かかりつけ医の関与拡大②入院待ち感染者増大ということです。つまり、医療崩壊が起きているということ、その中身は、病院医療(専門病床)崩壊です。崩壊というより、危機的水準というべきでしょうが、一般的ではないので崩壊と記します。。ある現行制度を変えるときは、全体的な見取り図が必要です。今回の政府の決定の致命的欠陥は、見取り図を示さないとことにあります。では、その見取り図の核心...新形コロナ医療体制はどうあるべきか?

  • 神道の起源とアマテラス

    Twitterでも論じてきましたが、この国における神道の基礎であるアマテラス信仰について、まとめることとします。というのは、BS朝日の、「もう一度近現代史」という番組のなかで、満州国皇帝溥儀のアマテラス招聘を傀儡政権の具体的な愚かさの証のように紹介されていたことについて、違和感を感じたからです。そうであるなら、弥生の祭祀遺跡でアマテラスが祭られていたとは考えられないから、歴史的時点は違うが同じことになると考えられるからです。確かに、日本の神道を考えるとき、一般的には、縄文16000年を考慮きないのが一般的です。しかし、こうした視点は、現実的ではありません。祭祀遺構があるのは弥生の水稲コミュニティだから、定立されたものとしては無視されがちに過ぎないのでしょう。しかし、縄文と弥生は、前者が否定されて、後者が勃興した...神道の起源とアマテラス

  • 日本国家成立とアマテラス

    twitterでも書いてきましたが、まとめておく必要を感じるので補足整理します。邪馬台国論争、つまり、卑弥呼が何処の人かということについて、宇佐八幡神宮の創建がヒントになると考えることについては、以前、書きました。祭神の応神天皇の時期に当たることを示しました。しかし、聖徳太子の謎というブログで、弓月君の出処進退に関連して、秦氏がこの時期に渡来したと考えるのはおかしいという指摘があります。応神天皇の時代と卑弥呼が同時期というのは不自然ということになるのですが、ここが、邪馬台国論争の核心と考えます。全く逆の見方なので、明確に論じる必要があります。つまり、神功皇后のモデルが卑弥呼であるということになります。日本書紀は歴史書として書かれ、古事記は神話として書かれました。しかし、神話的要素も歴史書に入り込むことがあると考...日本国家成立とアマテラス

  • 突起タンパクは、正常細胞と結合しない保証はあるのか。

    東洋系剤オンラインの1年前の記事で、ー新型コロナウイルス「生物兵器論」は本当なのかーという記事があります。この記事は、コロナウィルス陰謀論は、間違いで、新型コロナウィルスは、研究所で作られたものではないということを主旨とするものですが、その可能性を否定するどころか、疑念が深まるキジになっています。このなかで、インドの研究者の指摘が紹介されています。要するに、コロナとSARSの突起タンパクの違いは、エイズのタンパク質配列部分というような指摘です。この論文は、陰謀論との関連を嫌ったのか、削除され、主張は撤回されたとされていますが、この指摘の批判ではなく、削除が回答だったというのがより疑念を深くします。陰謀論、生物兵器説は無視するとしても、この事実は、このウィルスを考えるとき、非常に重要なことでしょう。つまり、突起タ...突起タンパクは、正常細胞と結合しない保証はあるのか。

  • ワクチン接種は、GO TOを不可能にする

    Twitterでも論じてきましたが、政治家のなかで大いに誤解があるので、まとめることとします。最近、米国その他外国での共通認識として①ワクチン接種者は、感染しにくいという事実に加え、②ワクチン接種者は、不安定な状況(接種1回、接種後感染)のなかで、ウィルス変異を引き起こしやすいということが、認められるようになってきています。これは、すでに、イスラエルでは実証済みなのですが、なぜか、イスラエルの変異ウィルスは、外国から持ち込まれたものであるということになっているようです。しかし、②の事実が公に認められるということは、非常に重要なことであり、ワクチン接種は、変異のリスクを伴うという事実、現実を後追い検証したということになります。さて、なぜ、与党は、ワクチン接種を強行するのでしょうか。それは、GOTOの再開を視野に入...ワクチン接種は、GOTOを不可能にする

  • ワクチンによって集団免疫獲得は可能なのか?

    バイデン大統領が、今夏までの集団免疫獲得は困難という見方を示し、ファウチ氏は、来夏までに、ワクチン接種率が、70%、80%になることにより集団免疫獲得が成立し、収束するというような見通しが報道されている。(詳細は異なるかもしれない)しかし、人口の40%がすでにワクチン接種しているイスラエルで、感染者が減少する気配はなく、横ばい状況になっている。接種老人の感染率は急減したが、若者が増加して全体としては変わらない状況とのことである。これとは逆に、接種率の低いインドで、おおくの人が既に感染し、集団免疫が獲得されたという報道がある。実際、インドの感染者は激減している。このことが一体何を意味するのか。ワクチンによっては、集団免疫獲得は凝んなであることを物語っているのではないか。ワクチンは、いわば、疑似ウィルスによって、疑...ワクチンによって集団免疫獲得は可能なのか?

  • 厚生労働省分科会は、何をもってワクチンの安全性を言うのか

    やはり、15日にも、新型コロナワクチンが認可されるということである。専門的な知識のある人の集団が出す結論とは到底思えない。今わかっているのは、接種時の副反応はごくまれであるということ。そのリスクと効用を比較して結論を出すのだろう。しかし、多くの医療関係者から、ワクチンの将来にわたっての影響を危惧する声があるのも関わらず、承認強行の暴挙ね出るということである。開発者の意見には、体内でつくられたものは不安定で長期に残ることはないとのことであるが、それは、数か月後に、再び、ワクチンを接種しなければ」効果がないということであり、人によっては、1年間体内に居座ることもあるだろう。その物質や、抗体が正常細胞にどんな影響を与えるのか、現時点では不明であることは、審査会委員も了解しているはずである。こうしたなかで、承認をする根...厚生労働省分科会は、何をもってワクチンの安全性を言うのか

  • 新型コロナワクチンにおいて、がん免疫療法知見は有効なのか?

    さいたま記念病院の記事で、「新型コロナワクチン開発~トルコ系ドイツ人の軌跡」という記事があります。ここで、注目したいのは、①投与されるmRNAは、人間の細胞に働きかけて、新型コロナの突起をつくるたんぱく質を生成し、これに対してできた抗体が、ウィルスの機能を低下させる。②この技術は、がん免疫療法の20年間の研究で培われたものであり、この応用である。ということです。①については、他の正常細胞に対する影響は、数年を経ないと分からないと考え有れるでしょう。②については、この点についての記事を見かけたことはありません。新機軸の発想ということで、その出所がここということになります。がん免疫療法は、がん患者を対象にした免疫治療であり、すべての人が、がんにかからないようにする治療ではありません。ワクチンは治療薬ではなく、予防剤...新型コロナワクチンにおいて、がん免疫療法知見は有効なのか?

  • コロナワクチン接種と亡国のシナリオ

    高山善廣という感染症専門家の、「新型コロナワクチンその特性と接種後の世界」という論稿があります。3つのシナリオがあり、第3は悲惨なシナリオです。もっと、第1と第2のシナリオは、ウィルスの変異を考慮しないシナリオであるため、実質的には、第3のシナリオで進むとも考えられます。私は、イスラエル、イギリスの今後の推移を見れば、接種国の未来も見えてくると考えます。政治家が、この点に言及しないことは、極めて重大な責任放棄であると考えるのですが、巷には、ワクチン楽観論どころか、ワクチン救世主論みたいな話ばかり出回っており、許されない話です。これまでのイスラエルの経過を振り返ると、①イスラエル社会の文化的、慣習的特徴が、コロナの感染拡大の基盤になっており、震源地になっていると考えられる。②そのための対策として、昨年12月からワ...コロナワクチン接種と亡国のシナリオ

  • 厚生労働省は、拙速な認可をするべきではない。

    報道では、15日にもなされるという、ファイザーワクチン認可を、厚生労働省は行う見込みとのことである。推進派の識者のなかでも、①情報が、国民に示されていない。ファイザーとの契約で不明な点が多いという指摘がある。②日本人に対する治験が160人(?)というような限られたものであるにも関わらず、効果はみられるという結論がなぜえられたのか分からない。というような話を聞くことがある。①については、非常に重要で、ワクチンによる人的被害は、日本側が負担し、ファイザー社の責任は問わないというような契約になっているのではないかと、危惧する。審査機関は、こうした情報を把握しているのだろうか?実は、数か月先に起こりうる事態、数年内に起こる可能性がある甚大な副反応を、ファイザー社自体は知っているのではないかと思われる。なぜなら、今言われ...厚生労働省は、拙速な認可をするべきではない。

  • イスラエルのコロナ新規感染者数の推移をどうみるのか?

    イスラエルの新型コロナ新規感染者数のグラフをネットで見ると、9~10月、12~1月に山があります。昨年の第1波の頃は、イスラエルは、検疫優等生で、水際対策がしっかりしている国という評価があったと記憶しています。ところが、周辺アラブ諸国につられるように、国内感染が急拡大したのが、9~10月。その後、徐々に感染者拡大が進み、世界有数の感染国になりました。感染爆発国になったのは、イスラエルの慣習的、文化的側面(例えば、宗教的慣行文化、土葬)に加え、独自の格差社会の存在が考えられます。感染爆発国に共通の特徴があります。報道、その他記事によると、ワクチン接種が始まった時期と、現在の第2波は、概ね重なっています。ここで、特徴的なことは、感染爆発した国のワクチン接種であることです。日本でも市中感染は認められすが、ウィルスの分...イスラエルのコロナ新規感染者数の推移をどうみるのか?

  • ワクチン接種は、破滅的な第4波をもたらすのか?

    ワクチン接種が、2月中旬に始まるということだが、報道は、ワクチンができればコロナは収束するというような楽観論で溢れている。しかし、イスラエルの現状を見る限り、楽観論は否定されるべきたと考える。Twitterでも論じてきましたが、イスラエルの結果を待つことなく、問題点をまとめることとします。①ワクチン接種者も感染するという事実をどうみるか?接種者が、感染しない率が、非接種者との違いが、有効性(95%とか)の判断になるので、イスラエルで、20人ほどの軽症者しか出なかったことで、その効果が証明されたと伝えられている。しかし、イスラエルでは感染拡大が続いており、それは、変異種によるものだとされている。これは、ワクチン接種者が、ウィルスと闘うなかでウィルスが変異し、周囲に拡大したと考えることが妥当だろう。つまり、ワクチン...ワクチン接種は、破滅的な第4波をもたらすのか?

  • 国家と市場、デジタル人民元の本質

    前稿で、読売新聞の記事を紹介しましたが、そこでは、デジタル人民元は、通貨主権という考え方と、国家による金融監視の手段という考え方などが紹介されています。まず、通貨主権という言葉ですが、この言葉自体が間違っています。確かに、管理通貨制度は経済主権の基礎ですが、通貨主権というのは、矮小化された経済主権の用語と考えることができます。見た目は同じでも、中身は全然違うという代物です。主権と言う場合、それ自身が独自に機能し、その思想のもとに周りが動くものです。太陽みたいなものです。ところが、通貨は、どこまで行っても太陽にはなりません。国民のいない国家の主権というのがないのと同じことです。通貨の主人は、市場です。歴史的にも、そう考えることが妥当です。市場を通貨によって支配することはできません。しかし、歪んだ形で存在することは...国家と市場、デジタル人民元の本質

  • 貨幣とは何か?

    今日の読売新聞で、デジタル人民元の話題が説明されています。中国は、準備を進めているということですが、以前、プライムニュースでも、真田氏が取り上げていました。Twitterでも論じてきましたが、やはり、別の視点で書かないと意味がないので、書くことにします。まず、通貨の本質である貨幣一般について論じます。貨幣は、物と物の交換に役立つものとして、市場において用いられ発展してきましたが、貨幣の、もう一つの起源は、聖書に書かれている「マナ」ではないかと考えます。エジプトを脱出したユダヤ人が、食べるものがないときに、マナというものを発明したという記述があります。これは、借財という意味で、ユダヤ人が将来、これと同等のものと交換するという約束(信用)により成立したものではないかと考えます。実際、貨幣の発展は、借財制度の発展とと...貨幣とは何か?

  • 宇佐八幡神宮の歴史的創建

    先祖崇拝の基本は、自分が今あるのは先祖のおかげという発想にあります。そして、先祖に想いをはせるとき、現実の存在を抽象化して美化、純化させます。宇佐地方の地方神(民族神)であった社が、自分たちの際限のない発展・広がりの基礎には、応神天皇、神功皇后の力があって初めてなしえたことであると考えるのは、彼らの渡来の事情(弓月君とその民の渡来)にあります。もちろん、このときには、宇佐神宮はないのですから、現在の宇佐八幡神宮は、歴史の中で形成された神宮とみなすことができます。ここで重要なのは、①祭神は変わること。一般の神社でもよくみられること。②氏族神は、氏族の歴史の中で、誰が、氏族の命運をもっともよく体現しているかということを考えるなかで、過去現在未来の氏族の命運・歴史を総括し、過去現在未来の民の総意に基づいて、神が選ばれ...宇佐八幡神宮の歴史的創建

  • 八幡神社の創建と古代国家の誕生について

    以前、日本の神社について論じたことがありましたが、それは、仏教との関りが、古代日本の形成に寄与したのかという視点でした。今回は、神社そのものの意味について、私なりの意見を求めることとします。ここでは、八幡神社の創建に関わることを念頭にします。日本の神社で、稲荷神社の次に多いという八幡神社の本宮は、宇佐八幡神宮であり、これは、古代の歴史に登場する神社であり、その守護神的神威は、中央においても尊重されていたことが歴史的事実です。その宇佐八幡宮の元は、その土地の神、つまり、地域住民の地域的な神を祀る社であったと考えられています。それが、全国に広がるというのは、その思想が広まったということと、人が散らばったということになります。この背景には、やはり、古代秦氏の貢献が見逃せないでしょう。秦氏は、秦始皇帝に繋がるとする説、...八幡神社の創建と古代国家の誕生について

  • 我が国の防衛戦略の2つの課題

    昨日(11月10日)のプライムニュースで、自衛力の強化(安全保障のあり方)についての議論があり、Twitterでも書きましtが、まとめる必要があるので、私なりの意見を論じます。佐藤議員、河野元統合幕僚長、専門家の討論がありましたが、敵基地攻撃能力の具体化について、踏み込んだ課題が浮き彫りになっていました。具体的には、誰が、攻撃判断をするかということですが、日本の安全保障の基軸である、日米安保を念頭に考えると、どこを攻撃するかは、統合幕僚本部に任せてほしい。ん最初から、パターンをマニュアル化することも不可能だし、その時点において最大の効果を発揮する攻撃目標を選定するのは、自衛隊しかできないから、これは当たり前の話だろう。ただし、その前に、前提となる論点を整理すべきでしょう。まず、日本の場合は、憲法9条と日米安保と...我が国の防衛戦略の2つの課題

  • 国立大学の独立法人化の災厄

    学術会議が、大学から軍事研究を排除する声明を出していることで、Twitterでも論じてきたが、いろいろ考えていくと、大学の今のあり方自体が、未来に暗雲を投じているのではないかという疑念が生じる。具体的には、小泉改革で実施された、国立大学の独立法人化である。この制度については、すでに、文科大臣経験者、国立大学総長の反省、批判の弁がある。失敗だったというのが結論だが、政府は、このことについては何も語らない。生活面から考えると、富裕層の子弟が多いとは考えられない地方国立大学でも、40年前と比べたら、10~20倍の授業料となっている。経済的に苦しい家庭でも、日常生活には困らない家庭の子供なら、余裕をもって大学に通えることができた。しかし、今は違う。民主党政権により、住民税非課税世帯などは、専門学校(私立)に通う生徒につ...国立大学の独立法人化の災厄

  • 日本学術会議法の見方

    日本社会が新しい国際環境に置かれたとき、社会のルールである法も変わらなければなりません。しかし、法制度は、硬直的であり、法の文言をそのまま拡張解釈すると、法の目的自体を損なうこともあります。日本学術会議法の解釈についても同じような現象が起きています。このこてゃ、Twitterでも論じてきましたが、全体的にまとめる必要性があります。軍事研究、特にサイバーセキュリティの分野では、サイバー攻撃自体が、独立国の軍事部門による可能性が大きいと見られています。現に、そうした能力を持つことは、国家もしくは国家と同等の力のある機関で可能になると考えられるでしょう。日本学術会議は、こうした国際環境の最中に、「軍事的安全保障研究に関する声明」(2017年3月)という声明を表わしており、これに基づき、大学での軍事研究を差し控える事態...日本学術会議法の見方

  • 日本の安全保障と日本学術会議の非現実性

    菅総理が日本学術会議会員に推薦された学者のうち、6名を任命しなかったことについて、報道では、共謀罪、安保法制反対など、政権に都合が悪い学者を排除したというものが多い。しかし、よく調べていくと、ことの本質は、日本の安全保障の中核的課題、独自の軍事研究について、日本学術会議が厳しい制限を加えていることに対し、防衛関係者の間で批判が高まっているというところにあるようです。※「軍事研究学術会議」で検索すると、関係情報があります。具体的には、2017年の宣言(軍事研究は行わないという主旨)となっており、日本の安全保障を骨抜きにするような議論が平然と行われ、国際環境の変化を無視した、終戦直後の姿勢に固執しています。印象的な議論では、①自衛隊は、国民の半分が違憲と考えている。②北朝鮮のミサイルを迎撃する防衛ミサイルを開発整備...日本の安全保障と日本学術会議の非現実性

  • 半島の建国と併合時代をどう見るか?

    文春オンラインの記事「「韓国民間慰安婦の悲惨さは、・・・」は、反日種族主義の編著者,李榮薫氏のインタビューで構成されています。https://news.yahoo.co.jp/articles/052565fc46ad39d79a283bfbdfe4de6516f2aeb3南北の建国にまつわる理解は、非常に奥深いもので、私なりにまとめることとします。端的に言えば、建国の課題は、日帝植民地支配からの脱却なのか、李氏朝鮮の奴隷制度との関連なのかということにあります。李氏は、後者を採用しています。私は、この見方に全く同意で、併合期間は、李氏朝鮮時代の総括をするための過渡期だったということになります。李氏によれば、奴隷制度を引き継いだのが北朝鮮で、併合時に醸成された近代的市民層官僚層が中心になって建国されたのが韓国とい...半島の建国と併合時代をどう見るか?

  • 独占禁止法制と営業の自由

    独占禁止法については、最近、規制改革の本丸であるような印象がある。つまり、グローバル社会において、国レベルの市場を前提に考えることは時代遅れではないかという主張である。私自身は、独占禁止法制は、学生の時に出会ったもので、もし、この出会いがなかったら、今の自分の発想はないのではないかというくらい大きなものです。話は変わりますが、韓国の民主派政権は、金大中から、経済の見方は少しも変わっていないと考えられます。つまり、財閥優位の政策が顕著ということです。反財閥の意味が違うのです。マルクス経済学では、マルクス・エンゲルスの時代に、プチ・ブルジョア=滅びゆく階級ということになっており、レーニンも、競争から独占へという経済の流れを見通しています。この見方は、すでに誤りが検証されています。1に、プチブルは、中間層として、資本...独占禁止法制と営業の自由

  • 中国経済の分かれ道

    すでに、香港国家安全維持法制定前に、中国社会が、香港的な自治の道か国家主義的な専制政治の道かの岐路にあるという論点で論じましたが、経済活動がどのようになるのかについては、具体的に論じていませんでした。しかし、現在の中国が、あまりにも、政治主義的な行いに偏っているので、経済面を論じます。まず、手掛かりになる記事を挙げます。「香港大富豪の「中国撤退」がついに終盤戦へ経営の王者・李嘉誠氏の脱出録」(立花聡の「世界経済見聞録」、2019.4.2)という記事です。この記事でみるところ、①中国の経済発展は、こうした大富豪の行動と、ウィンウィンの関係にあり、これら富豪は、新自由主義の典型的な推進者であること。②香港大富豪の中国関与の始点は、天安門事件であったこと。③一帯一路の港湾投資・所有権獲得は、こうした企業の利益追求を叶...中国経済の分かれ道

  • 創造的戦略について

    前回の続きです。これまでの専守防衛見地の問題点としては、兵器のハード面で語られることが多いのが事実です。前回、最後に、機動的な戦力ではなく、奇襲性、意外性を持った戦力でないと、圧倒的物量に対峙することはできないと書きましたが、ここでは、そのことをもう少し掘り下げて考えることとします。戦争は、クラウセヴィッツが考えているような、個人の決闘の延長ではなく、偶然によって起こります。AとBが戦うことは必然であるとします。例えば、尖閣領有権をめぐってに日中の対立は、爆発することがあり、それは紛争の必然的帰結ということになりますが、にらみ合いというのは、点かないマッチと同じです。発火するためには、外的必然性が偶然として作用することが必要となります。つまり、他国の利害が作用するのです。それは、仮想敵国だけでなく、意外なことに...創造的戦略について

  • 防衛論と戦略・戦術

    今日のプライムニュースで、中国をめぐる中国沿岸海域での米中双方の動きの解説や、ミサイル防衛のあり方が議論され、敵基地攻撃能力の是非を巡っての方向性の検討状況などが説明されました。基本的に話の内容は是とするにしても、自衛隊内部での専門的、具体的な検討状況が提示されない限り、政治論に終ることはやむを得ないところでしょう。しかし、アショアの議論のなかでも、陸と海の役割分担のようなものが基盤になっているという見方もできるので、ここでは、私なりに、踏み込んで、戦略・戦術論を検討してみることにします。まず、国家目標・理念つまり、国家意思というものがあり、その上に戦略が立てられ、戦術に具体化されると考えられているとします。つまり、憲法9条に基づいた国防のあり方があり、周辺の情勢のなかで、戦略が立てられ、実行可能な防衛課題とそ...防衛論と戦略・戦術

  • ノーテル破綻とファーウェイ疑惑

    昨日のプライムニュースで、櫻井よしこ氏が、カナダの破綻した光ファイバー伝送システム先端企業のノーテル・ネットワークス社が、2004年当時、中国のハッカー集団により機密情報が抜き取られ、その後のファーウェイ発展の基盤となった経緯の説明があった。ネットで「ノーテル・ネットワークスファーウェイ」と検索すると、確かに、「中国の攻撃でナンバーワン企業破綻か、トップ継いだのはファーウェイ」(ブルームバーグ)という記事があった。中身を要約すると、①2000年から2009年までに、中国のハッカー集団により機密情報が抜き取られ②2004年に、カナダの情報機関が察知し警告したのも関わらず、パスワード変更以外にノーテル社は何も対応はしなかった。その後も経済スパイ活動は続き、大口顧客を奪われることになる。③ファーウェイは関与を否定して...ノーテル破綻とファーウェイ疑惑

  • イージス艦は、戦艦大和の二の舞

    防衛庁が、イージス艦をあと2隻追加を検討しているという。馬鹿げた話だ。アショアがとん挫したことで、またまた、亡国の道に進もうとしている。あくまでも、専守防衛に拘るのは、日本の国是のためではない。海のローテーションのためというのは、サラリーマンの話。軍事の話とは異なる。アショアが欠落すると、防衛に穴が開くという意見が多いようだが、イージス自体が、日本の防衛非力の象徴。だいたい、イージス自体が、どれほどの効果があるのだろう。イージスで迎撃できるのは数に制限がある。それ以上のミサイルを撃たれたら、人員もろとも海の藻屑だ。こんな簡単なことがわからない人たちが、防衛の責任者になっているのだから、とんでもないことだ。イージスシステムを、他国が懸念するのは、攻撃ミサイルの転用できるからだ。それを恐れているのであり、防御システ...イージス艦は、戦艦大和の二の舞

  • なぜ、憲法9条には第3項がないのか?

    憲法9条に関する政府見解を見ていると、9条の戦争規定、武器規定は、自衛のための防衛戦、そのための武器を否定していないというものです。しかし、この解釈は、では、1項、2項が何を念頭に置いているのかということには、積極的に触れていません。第1項は、「国際紛争を解決する手段」としての戦争行為の否定です。その目的のために、軍隊を持たず(前段)、交戦権も否定(後段)しています。私の理解では、1項と2項前段は連携しており、後段は、独自の規定です。つまり、国際紛争を解決するための、戦争は行わず、軍隊も持たないという規定と、交戦権一般の否定という構造になっています。だから、1項と2項は枠組みを変更したほうが分かりやすいでしょう。国際紛争を解決する手段というのは、クラウセヴィッツ「戦争論」の思想であり、敵対国が、互いに相手方に自...なぜ、憲法9条には第3項がないのか?

  • 決戦論と前衛戦

    前回論じたことは、クラウセヴィッツの戦争概念が古いということを、別の言葉で言っているのですが、それにもかかわらず、憲法学で規範的概念とされているということを前提に論じました。つまり、日弁連などの主張は、憲法の戦争概念を、現代の一般的な戦争概念に置き換えているということになります。このあいまいさは非常に大きな意味を持ちます。自衛隊の中東派遣で、武器使用が憲法上可能かどうかの議論がありました。戦争行為に伴う武器使用ということですが、当該国に、日本は宣戦布告しているのでしょうか?一般論としての戦争を憲法が認めないという戦後以来の憲法解釈を基本にしているのですが、解釈改憲という言葉が反対論の主張です。もともと、憲法9条は、日本古来の和の思想に合致するものであり、戦後広く国民に支持されてきたのは、そういうこの国の歴史に根...決戦論と前衛戦

  • 戦争概念について~憲法9条理解の前提

    平成24年に提出された、自民党の憲法改正草案の大きな論点として、憲法9条改正があります。国防論を展開するなかで、どうしても、憲法9条改正議論が出てきます。今回は、その前提になる、戦争の憲法あ敵定義について意見をまとめることとします。ウィキペディアでは、「戦争」について、戦争史、戦争の現代的形式について書かれていますが、主に、近代戦の本質についての考察に記述が向けられていると考えられます。①近代戦の主体である軍について、常備軍から、徴兵制、国民総動員体制②その契機は、ナポレオン戦争にあるということですが、近代戦の特徴は、③戦略・戦術の中枢機関として、参謀本部(戦争遂行プロ集団)の創設④その時点の科学的、産業的業績の最高水準の有効活用が挙げられるでしょう。しかし、一番重要なことは、近代戦争が⑤殲滅戦(ナポレオン的勝...戦争概念について~憲法9条理解の前提

  • イージス・アショア配備停止と防衛のあり方

    河野防衛相のイージス・アショア配備計画停止を受けて、防衛のあり方について様々な議論があります。twitterで部分的な意見を書いてきたのですが、自分の考え方をまとめることとします。昨晩のプライム・ニュースでは、元統合幕僚長3人で話が進められましたが、全体の課題が網羅されていたのではないかと考えます。今後の防衛のあり方のまとめとして、印象にのこるものは①防御と攻撃は互いに関連するものであり、切り離して考えるのは非現実的②敵基地攻撃が、防衛にとって有効な手段と一概に言えない。更なる報復攻撃に対し数倍の防衛が必要となる。③防衛戦略は、技術革新の積み重ねであるが、質的に異なる位相の防御力(攻撃力)を開発することが重要。といいうようなところだろうか。③については、未来へ行きがどういうものであるかの洞察に関わるが、弾丸、ロ...イージス・アショア配備停止と防衛のあり方

  • 民主主義の2つの危機

    香港の国家安全法について前に論じましたが、香港の民主活動家の訴え、つまり、一国二制度が失われることにより、香港の自由と民主主義、法の支配がすべて失われるという意見を巡って、私自身の民主主義論をまとめることとします。一般に、民主主義は、ルソーの社会契約論を現実化しようとしたフランス革命を通じて完成した民主主義制度を念頭に置き、現在社会の政治経済民主主義は、この規範を引き継ぐものと考えられています。民主主義の法体系は、日本国憲法のなかに息づいており、具体的には①人権の尊厳②統治権力の制限ということになるでしょう。しかし、これは、できあがった形態から見た話です。歴史的に民主主義は、1商品経済の発展2共同体の発展のなかで制度化され、実践されて来ました。貨幣経済が発展するところに民主主義が発展し、他方、国家的必要性から、...民主主義の2つの危機

  • 中国の香港化とは何か?それは毛沢東思想の核心とどう関わるのか?

    改革開放初期、すなわち、胡耀邦時代に、中国にもある程度の西欧型民主制を取り入れることの是非が議論されていた時期があったと考えられる。それが、不可能であることを示したのが天安門事件であることは、一般に認識されている経緯ではないだろうか。その時、中国で取り入れる可能性があるのが、地方での民主制の導入、すなわち、自治であり、香港型の自治を中国で取り入れることはできないかという議論がなかったということはないだろう。ネットで、今回の事態を「第二の天安門事件」と見る論者が散見されるが、中国の今後を左右する要因として見ると、非常に興味深い。資本主義制度の発展は、他方で、民主主義制度が自然なものとして人々の間に映るようになるのは必然的と言っていいだろう。一般に、貨幣制度の発展した地域、国は、古代から、民主的ルールが発展しやすい...中国の香港化とは何か?それは毛沢東思想の核心とどう関わるのか?

  • 香港国家安全法と中国の岐路

    Twitter(fukukanjiro)で、香港国家安全法について検討してきました。マスコミその他で言われていることとは別の印象をもっ他のですが、李首相発言(中国では月収1万5千円以下が6億人)という趣旨の発言があったことを念頭に、自分の考え方をまとめることとします。ここでは、①国家安全法香港版を制定することは、香港の中国化であり、民主主義香港が失われるという一班の評価は誤りであり、むしろ、中国の香港化の課題が鮮明になってきていることが本質であること。②中国は、6億人に蓋をして、経済侵略、軍事的膨張主義に走るのか、それとも、国内経済循環に全精力を注ぎ、中国資本主義を一層発展させるかの岐路にある。ということを論じます。①については、報道、政党の見解は、これまでの経緯を無視して、強権支配が香港に及ぶ危機について論じ...香港国家安全法と中国の岐路

  • 検察独立の理念は亡国の思想

    Twitterで、検察庁法改正を巡る議論について、個別、コメントを書いてきましたが、深刻な事態が懸念されるので、私の考えをまとめることとします。昨日、報道1930で中谷元防衛相が、黒川氏の辞任を提言していました。唖然としましたが、その後も、中谷氏は、検察の中立性、独立性について論理を展開しています。日弁連や労働弁護士が、検察の公平公正を担保するためには、検察が時の政権から距離を置く必要を前提としています。公平・公正の理念は、行政一般の論理から導き出された理念であり、なにも、検察だけではなく、公務員一般に通じる論理です。しかし、どうでしょう。一般の公務員が、ある事業が、公平公正にそぐわないから実施できないとして拒むのを断罪するのは、公務員の公平公正の理念を侵害すると言えるでしょうか。検察官は、その職務の特殊性から...検察独立の理念は亡国の思想

  • 新型コロナ第3波の可能性と緩い隔離戦略

    少し前に、CDC関連のニュースで、今年冬には、今よりももっと強力な新型コロナ第3波について警告の報道がありました。私は、当然、これは、リスクとして把握しなければいけない問題であり、実際にそうなる可能性の方が高いと考えます。ここでは、この視点から現在の戦略を検討することとしたい。CDCの見解について詳細はわからないのですが、ウイルスの特性について、①変異力は非常に高い。武漢ウィルスから、欧米ウィルスの変異は早く、強力なものであったことは実証済み。つまり、日本の被害を見れば一目瞭然。②多様性に富む。同じ型のウィルスであっても、軽症者同士の接触(その培地は病院)が重症化の原因となると考えると、幅広い遺伝子を持つ可能性が推測されるのではないか。こんなウィルスをPCR検査で探し出し隔離するという方針が、正しい選択のように...新型コロナ第3波の可能性と緩い隔離戦略

  • 新型コロナ対策の長期化と憲法改正の必要性

    昨日の読売新聞で、与野党の政策担当者の議論が、緊急事態宣言と絡めて憲法改正問題を取り上げた与野党、憲法学者の議論を掲載しています。以前にも書いた国防関連の論旨も含めて、考え方をまとめることとします。掲載討論では、新藤氏が、憲法上の制約、憲法が予定しなかった事態に直面するにあたり、憲法の趣旨に沿った改憲の必要性を論じているのに対し、立憲民主党の山花氏が、緊急時に緊急時の話をするのは適切ではないというような主張を展開しています。(私の簡略まとめ)コロナで大変なときに、憲法改正議論とは本末転倒ではないかという意識が、国民のなかにあるでしょう。しかし、コロナの長期化という視点に立てば、話は全く異なります。「以前の世界には戻れない」(安倍首相)という言葉にあるように、大きな歴史的転換点に差し掛かっていると見るのが正しいで...新型コロナ対策の長期化と憲法改正の必要性

  • 医療崩壊を防ぐ方途

    大規模クラスターが発生した大阪市のリハビリ病院で、陽性の看護師に勤務を命じていたという信じられない話がある。言語道断の出来事ですが、その背景にあることを考えないと前に進むことができない。一般病院では、手術抑制というような病院からの対応もあるだろうが、病院に行くことを憚る人が多くなっていることも事実だろう。もともと、行く必要がないのに、暇だからいくのかなという人が、現在の国民皆保険制度維持を困難なものにしているという論もあるが、不要不急の用事ということだろう。しかし、双方の理由により、結果として、患者が減り経営的に苦しくなっているのは事実であるようだ。コロナのために、大幅な収入減になり、経営的に苦しくなっている病院も多いという報道もある。そういう状況もあり、この事案では、無理にでも動かさなければならなかったのだろ...医療崩壊を防ぐ方途

  • 自国通貨建て国債は安泰なのか?

    10万円一律給付で、ネットで話題になっていることに、①国債は国の借金であり、国民の借金ではない。②日本国債は、自国通貨建て国債であり、日本国内において日本国民が買っているから問題はない。この議論のなかに、現在の管理通貨制度の重要な論点があります。①については、国の借金は、歴史的には、民間債務の肩代わりであるという視点が重要でしょう。日本の1000兆円と言われる借金が急速に膨らんだのは、90年代、いわゆるバブル崩壊後の積極財政、福祉充実、補助金漬けによるものと考えられます。現に、国は膨大な赤字を抱えていますが、大企業は、内部留保問題があるくらい資金が豊富で、いまや、金融機関は必要とされていない状況があります。官民のバランス欠如は、結局、企業優位社会を生み、格差拡大の一因になっています。(格差拡大の最大の要因は、グ...自国通貨建て国債は安泰なのか?

  • コロナショックと日本の岐路

    一律10万円給付に関連して、コメントを各所で書いてきましたが、この国が大きな曲がり角にあると考えられるので、自分の考え方をまとめることとします。今、EUで起こっていることは、新型コロナで未だに、経済活動再開の目途が立たないイタリア、スペインが要求する財政支援を、フランス、ドイツが拒否しているという構図です。EUの存在意義がないということですが、アメリカも困難度は同じですから、ここも頼りにすることはできません。結局、中国がその役割を引き受けるという見方もあるのですが、中国の進出は、中国のための、中国による進出がそのパターンです。港湾開発でも、中国の船が使うために、中国の会社が、中国人によって工事するというのが普通のようですから、経済支援ではありません。経済侵略に等しい。中国も考え方を変えるかもしれませんが、そうす...コロナショックと日本の岐路

  • 本庶氏の提言について

    ノーベル医学・生物学賞受賞者の本庶氏が、コロナについての提言をされているので、これについての意見をまとめることとしました。本庶氏の提言のうち、次の3点を検討します。①都医師会のいうようなPCRセンターを設置し、1日1万人検査実施。受け入れ施設を充実し、早期隔離を実施。第二波には、この対応しかないようで、その方向に向かっている。②満員電車が一番危険③本庶氏は、敵と闘うためには、敵を知ることだとし、そのための検査だとする。①は、第二波には、この対応しかないようで、その方向に向かっている。ただ、これまで指摘されていたように、保健所では、その能力に限界があることも事実。つまり、新しい、特別の体制を整備する必要があるということになります。今日の読売朝刊は、後藤新平のことを紹介していました。これと同じ発想が必要になるという...本庶氏の提言について

  • コロナショックが問う聖書の課題、宗教の原点回帰

    マスコミでは、宗教的問題はとらえられず、西欧における、特にキリスト教圏における新型コロナの爆発的感染拡大の宗教的要因は論じられていません。私は、すでに論じているのですが、キリスト教の危機とも映るこの事態にあたり、これまでのキリスト教観を掘り下げ、まとめてみることにします。まず、ここでは、キリスト教は、キリスト没後において、ユダヤ教との教義の分別ということから始まったと考えることにします。どういうことかと言えば、キリスト教は、このとき、ユダヤ教の1宗派ではなく、独立した別体系の宗教になったのですが、それまでのユダヤ教も、ここで変化したということです。何がどう違ったかと言えば、メシア論が、ユダヤ教からキリスト教に移り、前者では論理上なくなったということです。あくまでも私見ですから間違っているかもしれません。しかし、...コロナショックが問う聖書の課題、宗教の原点回帰

  • 専門家会議提言(4.1)について

    武漢を中心とした第一波の化感染症対策は、3月19日に出されましたが、4月1日に新しく、第二波の感染症対策の提言がなされました。これについての意見をまとめます。まず、ここでは、第一波と第二波は、対策の相手が異なるという観点で進めます。世界的流行下の感染流行と特定地域からの侵入に対する水際作戦とは、基本的に異なると考えられるからです。マスコミでは、今回の提言は、緊急事態宣言に向けた提言のように歩道されることもあるのですが、中身は、医療体制の整備対策、国民への注意喚起事項を内容とするものだと考えられます。ここでは、提言の「Ⅳ.提言3.地域の医療体制の確保について」を検討対象とします。重症者を中心として、地域で組織的な対応をしなければいけないという趣旨のことが書かれているのですが、当然のことでしょう。軽症者には、自宅療...専門家会議提言(4.1)について

  • 緊急事態宣言について~感染症と人の移動

    緊急事態宣言の都知事から提案され、驚くべきことに財界の一部も賛同の意見が寄せられています。法学者からは、その必要性は認めるが、自由と公共の利害調整をどうするのかというような抽象論的議論が提起されています。(根本問題にあてこすった論点のすり替え)首都封鎖という言葉があまりにも強いので、緊急事態宣言に論点が変わったと見ることもできます。首都封鎖、緊急事態宣言に共通する発想は、感染症対策の基本は人の自由行動(身体的行動)を制限することにあるという、よくわからない考え方が根底にあるようです。確かに、クラスター拡散は、人の移動によって各地に拡散するのであり、そのように、総括、論理化することもできるでしょう。しかし、これは、基本的に間違いです。まず、厚生労働省の「感染症対策の基本」という文書には、人の移動そのものではなく、...緊急事態宣言について~感染症と人の移動

  • 首都封鎖は不可欠な選択肢か?

    新型コロナの今日の東京都の感染者は、60人を超えたという報道があります。東京都医師会長(?)が、100人を超えたら首都封鎖が現実性を帯びてくるというような趣旨の発言も見かけました。今回は、これについて考えます。結論から言うと、現実的には不可能でしょう。頭を切り離したら、この国は機能しなくなります。都知事の不用意な発言が波紋を呼んでいますが、ポピュリズムの極み(朝まで生テレビの三浦氏の発言)だと考えます。こういうことが起きるリスクがるから、大都市の首都というのは、非常に問題があると言われるのですが、そういう体制になっていない以上、別のことを考えるべきでしょう。医療崩壊するから首都封鎖というのは暴論で、患者を他県(新病院を建設することも視野)に移送すべきです。そうしないで、封鎖するというのは、怒りを通り越して笑って...首都封鎖は不可欠な選択肢か?

  • イタリアとスペインは、なぜ、速やかに遺体処理しないのか

    新型コロナで、イタリアでは、毎日数百人が死亡し、数千人が感染しているという報道が続いています。スペインでも、同じ状況が続いているようです。教会で葬式を待っている棺、火葬の順番が回ってこないので、教会の床にぎっしり並んでいるとか、置き場所がないので、スケートリンクを活用することにしたとか、とんでもない話が何の疑問も持たれず、コロナの脅威を物語る物証であるかのように示されています。日本の法律では、感染症法30条により、基本的に24時間以内に火葬することが定められています。教会の火葬上の処理能力の限界ということなのでしょうが、これらの国では、土葬が基本であるため、その処理能力は極めて低いものであろうと推測されます。報道は何も語りませんので、ネットで調べてもよくわからない状況があります。新型コロナは、エアロゾル感染が感...イタリアとスペインは、なぜ、速やかに遺体処理しないのか

  • イタリアの新型コロナ感染は、なぜ拡大しているのか

    コロナショックが一時的なものであると、前回論じましたが、イタリアの事情を勘案すると、特定の地域では、感染拡大が続く可能性があることを認めるべきだという意見をまとめます。感染拡大の大きな要因は、ウイルス自体の特性(変異、持続性)、感染ルート(エアロゾル感染の役割)を論じてきましたが、生活習慣・環境面の脆弱性が、大きな拡大要因になっている可能性があります。また、この場合は、流行期間の長期化という事態になる可能性が高いでしょう。武漢の病院で、感染による死者が放置してある現状があったと記憶していますが、中央が支持し、強制的に遺体焼却を実施したという報道があったと記憶しています。BSテレビ報道番組で、イタリアの教会で、棺がびっしり並び、葬儀は、3~4週間あとで、予定が立てられないということを親族が言っていました。こういう...イタリアの新型コロナ感染は、なぜ拡大しているのか

  • 国債からの逃避とハイパーインフレ、その次に来るもの

    ここ数日の日経新聞では、リスク資産としての株式逃避だけでなく、国債からの逃避、金や円も売られているという金融情勢が詳細に書かれている。契機が悪くなると、株式(リスク資産)が売れて、現金化しやすい国債にマネーが動き、次の景気回復を待つという筋書きがあるのであるが、この前提自体はあまり根拠がない。いわば、新自由主義の説明に便利が論理であると、私は考える。もともと、株式も債権も、現金も、リスク資産であることに変わりわない。どういうリスクを持っているのかが違うだけだ。それで、「国債市場崩壊、ハイパーインフレ」と検索すると、「金融市場の大崩壊が近い将来に起こりうる理由債券市場の暴落ドミノはありうる話だ」東洋経済オンライン岩崎博充と言うのがありました。そこで、この論考を皮切りに、私の考え方をまとめることとしました。米中経済...国債からの逃避とハイパーインフレ、その次に来るもの

  • コロナショックは、新自由主義の終わりの始まり

    世界の株価が動いています。暴落ではなく、株式錯乱と言うところでしょう。原因はコロナショックだと言われていますが、実際の動きはどうもそうではない感じがします。つまり、空売りファンドが仕掛けているということです。正確には、投資銀行というのでしょうが、ヘッジファンドという形で、膨大な資金を動かしている集団ということでしょうか。以前、トランプの株価政策、日本のアベノミクスが根底にあるのでしょうが、これらのファンドが急激に存在感を失っているということを示したことがありました。アベノミクスを批判する野党は、皮肉にも、新自由主義の擁護者ということになります。(また、富裕税については、これまた、同じように、両者の意見は結果として同じです)もっとも大きな原因は、中国流の金融作法であり、中国の本来の資本主義的発展(古い金融資本的発...コロナショックは、新自由主義の終わりの始まり

  • 大阪府のコロナ対策について

    大阪府が、軽症者の対応を新たに打ち出したという報道があります。(大下容子スクランブル)私は、こうした対応には疑問を持たざるを得ない。まず、感染方法ですが、厚生労働省のHPでは、未だに、①飛沫感染、②接触感染に限定され、空気感染は可能性が低いと書かれています。このような見解をまだ残しているのは、犯罪的でさえある。中国では、エアゾル感染が指摘され、アメリカCDCも、空気感染そのものも、否定できないとする報道を見かけました。感染しやすい環境、クラスターが発生しやすい環境というのは、閉鎖空間としているのも関わらず、いつまでも、このような見解を維持するのはおかしい。大阪府が軽症者を集めて、隔離・療養させるというとき、もっとも軽症の人は、空いた宿泊施設ということになるのですが、上記国の見解の上で、設備条件を検討しているのな...大阪府のコロナ対策について

  • 新型コロナ対策はどうあるべきか?

    株価急落(乱高下)という形で、新型コロナウィルスの影響が広がっています。イベント自粛10日間延長という方針も伝えられ、待つだけで収束するのかという疑念も多くなっています。野党は、専門家の意見をもっと聴くべき、検査体制を拡充すべきというような議論に終始し、頼りになりません。確かに、官邸も、マスコミの力におされて、この方向に向いているという観測も成り立つでしょう。しかし、日本の現状は、この2つの方向には大きな問題があるということを指摘できます。まず、第1に、専門家の意見を聴くということですが、これは、2週間感染が広がらないように行動を自粛するということのようです。思考停止に陥った専門家に聴いていては、いつまでも、自粛期間延長が続くだけです。中国では、新規感染者が100人を下回るようになり、武漢の重症患者が死者にカウ...新型コロナ対策はどうあるべきか?

  • 新型コロナ対策の日中韓協力とはなにか

    国会では、PCR検査の少なさが議論され、一部マスコミ報道も、これを大きく取り上げています。感染ルートが分からない患者が出たことで、国内の対策も、初期の水際対策ではなく、拡大防止に的を絞るということが課題になりつつあるなかで、的外れな議論だと思う。今回は、このような状況のなかで、日中韓の協力とはなにかについて考えます。まず、事実として、①中韓は、すでに、感染拡大に局部的には失敗②中国は、湖北省以外への拡大を阻止しつつある状況。③韓国は、大邱では失敗し、他地域への拡散は予断を許さない状況。④中国は圧倒的量の症例を有しており、何らかの知見を持ったのかもしれない。⑤韓国の検査体制は世界最高水準だが、それを駆使しても感染者数、死者数は増加している。つまり、検査は、拡大には効果的ではないということ。検査業界、機器業界の利害...新型コロナ対策の日中韓協力とはなにか

  • 新型コロナのピークの形と格差社会

    ニュース番組はもちろんネットでも、学校休校の話が多いですが、中国における新型コロナ感染の状況は目につきにくいのですが、すでに、中国では、ピークを過ぎたと見ることもできるでしょう。新感染者よりも退院者の方が多くなっています。中国では、3月はこのまま、減少傾向が続き、4月、遅くても、5月には、基本的に正常化されるという見方があるように見受けられます。もしこれが、正しい観測だとすれば、ウィルスの力よりも、抗体の力・環境浄化の努力が、この時期に打ち勝つということになります。そうすると、ウィルスの脅威は、2~3か月ということになります。だから、2月、3月は要注意月になります。ただし、ピークが高くなれば、4月も要注意ということになるのですが、私自身は、前回に触れたように、日本では、韓国のようにピークが高くなる可能性は低いと...新型コロナのピークの形と格差社会

  • 新型コロナウイルスについての私見

    コロナウィルス騒動が凄まじくなっていますが、マスコミに出る専門家の意見、対策の在り方について、考え方の違いがひどくなってきたので書くことにします。経験的事実として、①中国、韓国で爆発的に感染者が増えている。②日本では、北海道が顕著。雪まつりイベントが関連しているという見方もある。また、感染経路については、さまざまな経路に対策が打たれていますが、結局、封鎖しか手がないという状況があります。報道の中には、ウィルスは、便(大小)の媒介に注目しているものがありましたが、これが妥当ではないかと、最初から考えています。実際、中国のトイレ事情は、日本的には考えられない状況(大便器に壁がない等)があります。韓国も、イタリアも、トイレが汚いことでは定評があるようです。札幌雪まつりでは、仮設トイレが使用されていたのではないかと考え...新型コロナウイルスについての私見

  • メドヴェージェフ退場は、ロシアの第2歩になるのか?

    ロシアのメドヴェージェフ内閣が総辞職したという報道が流れています。ロシア経済については、報道も少ないし、私自身の知識も、もちろん少ないのですが、重要な報道だと考えます。1年前、北方領土問題解決と、日露平和条約の締結、極東アジア経済活動の発展が期待されましたが、首相と外相の行動が、ロシアの世論の厳しさを浮き彫りにした状況がありました。それまで、首相は経済の実務家、外相は主張を強引に展開する論客という雰囲気がありましたが、異様な北方領土訪問を見て、経済発展という視点がないという印象を受けました。もっとも、首相については、新富裕層の代弁者、新興企業家の良き理解者という側面があるのでしょう。しかし、経済は、そうした私的経営者の力依存では、発展の展望はありません。天然ガス独占企業ガスプロムを核とする資源外交の話はあっても...メドヴェージェフ退場は、ロシアの第2歩になるのか?

  • イラクのアメリカ軍はどうするのか?

    イランのスレイマニ司令官が暗殺され、米軍基地に対する報復が行われた一連の出来事は、テレビでも、ネット記事とコメントでも、多くが語られていますが、出てくる人は最初はともかく、昨日、今日は、注目すべき人が出てきています。しかし、全体として違和感が多いので、田中宇氏のネット記事「イランを強化するトランプのスレイマニ殺害」を読んで、報道から得た知識をもとに、事件の検証と、今後の展開を考えてみることにします。1スレイマニ殺害は、中村哲氏の殺害と同時期に起きており、この2つの事件の相関性を検討せざるをえない。つまり、この2人は、神と人民に忠実という意味で、局面は異なっていても、本質に代わりはありません。スレイマニは、米軍と戦っていtのではなく、反政府テロ組織と戦っていたのであり、田中氏が書いているように、また、多くの識者が...イラクのアメリカ軍はどうするのか?

  • 北朝鮮制裁一部解除の中露国連安保理決議案をどう見るか

    北朝鮮の強硬姿勢と米国の無視対応が続くなかで、中露による提案が注目されています。本日の大下容子スクランブルでも取り上げられ、識者の見方も説明されていました。マスコミ報道では、現状の危機状況を取り上げていませんが、軍事専門家は非常に危険な状況とみていると考えられます。それは、1北朝鮮のICBM発射2米軍の攻撃3韓国及び日本の米軍基地への報復攻撃というのが最悪のシナリオなのですが、馬鹿げた妄想と考えられているのか、タブーとされているのか分かりませんが、マスコミでこういう議論はされていません。平和ボケとか、独裁者の傲慢というのは怖いもので、この程度のことであれば、相手は何もしないだろうと思ってしまうものです。太平洋戦争でも、ある程度の日本の強さを示せば、米国は取引に応じるだろうという気休め的思考に陥ってしまうものです...北朝鮮制裁一部解除の中露国連安保理決議案をどう見るか

  • 米朝会談における北朝鮮の圧力姿勢の一面

    北朝鮮の金委員長が米国との交渉を閉じて重大決断をするという報道が流れています。新型ミサイルの成功が背景にあると思いますが、制裁が民生に与える影響が甚大で国民の不満をそらすということもあるのでしょう。また、別の方向性もあるのかもしれません。しかし、ここで、北朝鮮が思考の外に置いていることがあります。つまり、中国離れが中国にどう映るかということです。制裁下で続々とミサイル開発が進めることができたのについては、1ロシアの技術援助2韓国または関係者経由による技術取得という記事がありましたが、おもしろいのは、中国の支援を推測するものを私は知りません。もともと、核・ミサイル開発阻止のためにあったのは、6か国協議でした。それを崩したのは、トランプ外交ですが、この時点で、中国・ロシアは、北朝鮮に外されています。この点から、1は...米朝会談における北朝鮮の圧力姿勢の一面

  • GSOMIA破棄撤回の背景にある半島情勢の変化

    韓国が頑として破棄に進むのかと予想されていたGSOMIAについて、突然の方針変更が伝えられ、ネット情報、マスコミ報道も、話題になっている日本の輸出管理厳格化方針との関係を中心に伝えられています。しかし、こうした解説には短期的な論点で情勢変化を見る視点であり、変化の原因を考えることをしない。まず、変化の要因として言われることは、1米国の強い圧力2韓国経済に及ぼす悪影響が挙げられています。もちろん、こうしたものも背景にあるでしょうが、肝心なことが欠けています。3北朝鮮情勢の変化を、文大統領も認めざるをえなくなったのではないか。(見切り発車)高英起というジャーナリストが、北朝鮮の情報を発信していますが、核心への内心力と、遠心力が同時に拡大し、不安定化、激変、暴発のリスクが高くなっているという状況を映し出しています。マ...GSOMIA破棄撤回の背景にある半島情勢の変化

  • チュチェ思想と中国

    篠原常一郎というフリージャーナリストが、youtubeでチュチェ思想について、現実の活動実態を含め詳細に説明しています。表のマスコミではなかなか聞けない話です。もともと、日本共産党の事務方、国会議員秘書の経験のある人ですから、北朝鮮の状況はイメージ的に推測しやすい面もあったのでしょうが、話は、ほとんど経験的なものです。ここで、気になった話題があります。「日本共産党は、中国共産党の助言があり、北朝鮮批判、チュテェ思想批判をしなくなった」というような話です。これは非常に警戒しなければない話で、中国の北朝鮮化というとんでもないリスクを感じました。かねてより、将来的には、北朝鮮の中国化を想定していましたが、逆の流れの可能性もあるということです。確かに、最近中国で、「核心」とかという言葉が援用されるようになり、そうした思...チュチェ思想と中国

  • 「資本主義の弱い環」論について

    トランプ政権による世界政治経済治秩序の切り崩しが世界的問題になっている中で、反体制経済学(ここではマルクス主義経済学、というより、レーニン経済学)における、「資本主義の弱い環」論について考えます。弱い環とは、資本主義は、帝国主義段階では、強者と弱者が区別され、資本主義経済循環という資本主義的鎖が切れるところが出てくるという考え方です。これは、レーニン革命論の基本であり、彼は、不均等発展の法則とこれを繋げ、ロシア革命論を位置付けたと考えられます。(私の理解)レーニンの論理には、飛躍が多く、この論自体も、対立物への転化という、実質的に権力の掌握によってすべての矛盾を解決するというような論理になっていますが、歴史的事実では、レーニンも、資本主義をやり直さなければならなかった。(ネップ)今の中国も同じ。結論的に言えば、...「資本主義の弱い環」論について

  • 中国とはどういう国か?

    香港デモに関する記事を読んだり、コメントを書いたりしていて、特に思うことは、中国=中共という認識の多さです。しかし、こういう認識には大きな誤りがあります。共産党=マルクス・レーニン主義、プロレタリア独裁という図式なのですが、当の中国が「中国的な特色ある社会主義路線」(用語は不正確)とかいうように、ソ連型の社会主義とは異なります。どちらかと言えば、中国的な資本主義の発展を目指していると考えた方がいいでしょう。ところで、天安門事件までの中国は、1胡耀邦・趙紫陽路線であり、国民経済発展を通じて経済発展を実現するというような路線でしたが、天安門以後、2江沢民による新自由主義路線。これについては、すでに論じました。3胡錦涛時代における華僑路線(私が想定するもの)で、これは、華僑の特質をうまく利用していると考えられます。こ...中国とはどういう国か?

  • 「習主席の国賓来日」の意味について

    「日中首脳会談“習主席の国賓来日”協力確認」という記事がyahooニュースにあり、コメントも多く出されていますが、多くは否定的な意見です。金曜日のBSフジ、プライムニュースなどでも、識者2人とも、時期尚早という意見でした。この2人の意見には、多くの点で納得のいくものがあるのですが、この点については異なりました。そおため、今回は、自分の意見をまとめることとします。まず、安倍総理が外相に価値観多様化を志向する(と私が想定する)茂木氏を充てたのは、これがあるからだと思います。世界は複雑で、正しい国と不正な国があるという単純思考はおろか、信頼できる国とそうでない国に2分することは不可能な国際社会になっています。つまり、世界は確実に多軸世界になっており、それも栄枯盛衰が早い世界になりつつあります。記事のコメントの中には、...「習主席の国賓来日」の意味について

  • 北朝鮮は動くのか?

    朝鮮半島をめぐる最近の情勢には、極めて重大な懸念をもつべきではないのだろうか?主なものを挙げると、1ロケット・ミサイル技術の飛躍的向上は、日韓の防衛レベルを超えていると言われる。2金委員長による韓国批判が強まっている。3韓国では、国内世論分裂状況が見られるようになっている。4文政権は、南北平和経済を主張し、北朝鮮はもはや脅威ではないと考えている。5北朝鮮では、経済困難に反比例して、批判は封殺され個人崇拝が高まっている。ここで、トランプが在韓米軍を撤退させれば、戦意高揚している北朝鮮の動きが気になるところでしょう。かと言って、すぐ戦争勃発となる可能性は低いでしょう。韓国の混乱が懸念の核心。文大統領が、4の思考をする背景には、韓国軍の世界的ランクの高さにあるのかもしれない。しかし、ミサイル戦争と人海戦術に、どれくら...北朝鮮は動くのか?

  • 「角隠し」の深い意味

    和装の結婚式などで新婦が頭に被る角隠し、以前から不思議に思っていましたが、普通ではない解釈を書くことも意味があると思いますので、私なりの解釈を披露します。結論からすると、角隠しは、神聖なものであることを象徴するものであるということになります。ところが、一般的には、女性は、嫉妬、欲望に翻弄されやすいから、その素性を隠しているのだというものですが、これほど、女性を侮辱したものであるなら、習慣として引き継がれないでしょう。王冠は、神から授かるものというのが、王権神授説ですが、角隠しも同じ種類のものであると考えられます。それが、現在の解釈になったのは、全く、儒教的思想により、神性が否定されているからだと考えられます。儒教は宗教を嫌い、否定する。儒教国家は、無神論国家であると一般に考えられます。三国一の花嫁が授かったのだ...「角隠し」の深い意味

  • ソフトバンクの節税は牽制できるだろうか?

    NEWSPOSTセブンが、「孫正義氏「純利益1兆円で法人税ゼロ」に国税庁が反撃の狼煙」という記事を出しています。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191029-00000011-pseven-bus_al詳細については知る由もありませんが、記事に、「買収した海外子会社の株の一部をグループ内で譲渡するといったやり方で「欠損金」を生じさせ」という説明がありました。現行法では抜け穴になっている事案について、法改正で対応していこうということなのですが、賛成すべき動きではないかと考えます。ここでは、2つの問題があります。1国内事業で得た所得を、海外の損失にあてることは、所得の国外移転であり、現行制度は、これに無策であるということ。2事業所得は、株取引などによる所得(金融所...ソフトバンクの節税は牽制できるだろうか?

  • アルゼンチン経済の行方

    アルゼンチン大統領選挙の結果、野党候補が勝利したというニュースが流れています。南米では、反米から親米新自由主義政権の勝利(ブラジル)とともに、自立志向のポピュリズム的な政権のの登場などが同時進行しているようですが、久しく表に出なくなったベネズエラ危機などとともに、周辺国でもさまざな動きが出ています。しかし、今回のアルゼンチンの政権交代の背景に、これまでの政権のIMFに従順な施策が、国民に支持されなくなり、デフォルト前歴国であるこの国に、リスクを想定したアルゼンチン通貨売りから、経済崩壊の危機まで想定されているのかもしれません。ネットで調べると、アルゼンチン経済の歴史の研究は、経済学の格好の対象ではないかと書かれているのですが、農業経済の繁栄から、一転して、デフォルトを繰り返す不良国のなっています。それで、経済学...アルゼンチン経済の行方

  • モーゼにはなぜ角があるのか?

    ミケランジェロのモーゼ像には角があります。日本人からすれば奇妙なことのようですが、多くの旧約聖書日本語訳では、シナイ山から下りてきたモーゼの「顔が光り輝く」とされており、「角のある」とは書かれていないようです。そうする理由は、角が生えたとするのは、1000年以上続いた誤訳であるという認識に立っているようです。(詳細の表現には誤りがあるかもしれません。参考ウィキペディア「モーゼ、モーゼトと芸術作品)日本語訳のように解釈すると、何百年も、現在も、旧約の誤った解釈(誤訳)に、ローマの人々が感化されているという笑い話になります。やはり、角でしょう。これまで書いてきたことを背景にすると、モーゼに角があるというのは、モーゼに神の証が与えられたということになります。それは、どういうことでしょうか?モーゼは、バアルの化身(権現...モーゼにはなぜ角があるのか?

  • ノジマの野望は功を奏するか

    東洋経済オンラインが「ノジマ、スルガ銀「創業家全株」を買い取る思惑」という記事のなかで、ノジマが、スルガ銀行を傘下に収めると思惑を持っているいうことを伝えています。そんなに、注目すべきことがらではないようですが、キャッシュレス社会のなかで、サービス業種(本業は家電販売)が、金融を変革するという構図は、今後の金融市場構造の変革のなかで、大きな流れとなるでしょう。日本経済が、長く低成長にあえぐ原因は、いろいろ考えられますが、金融の居場所のなさというのが大きなネックになっていることがあります。これは、金融機関的な発想では、現状には対応できないということの証でしょう。ここで、留意すべきは、アメリカの自動車会社、GM的な発想の克服でしょう。製造業ではなく、金融業(ローン会社)だと評された事情です。つまり、製造業が、製造業...ノジマの野望は功を奏するか

  • キリストはなぜ現れなければならなかったのか?

    前回は、古代オリエント(ここでは、メソポタミア、エジプト、カナン、つまり、旧約聖書の地)で、農耕民と遊牧民の思想が混在し、お互いが感化しあい、それぞれが発展した状況を想定しました。いわゆるユダヤ教が、古来から一神教だったというのではなく、多神教から一神教へ純化したというのが、大方の宗教歴史家の捉え方あではないかと考えますが、それは、批判すべきものがあってはじめてそういうものが可能になるのであり、対立物は、ここではよい存在であったと考えられます。ところが、ユダヤ統一国家(ここでは、アジア的共同体)の出現により、遊牧民の戦闘集団が農耕民に対するヘゲモニーを確立すると、遊牧民的な一神教が無批判な独善になっていったと考えられます。話を簡略化すると、ユダヤの世界では、その歴史過程のなかで、農耕民は、彼らの思想を持ち、ユダ...キリストはなぜ現れなければならなかったのか?

  • ヤハヴェとバアルの系譜

    家の近くに「牛頭天王社」と称されるものがあり、その系譜を調べていくと、古代メソポタミアの宗教事情と現在の思想・宗教状況が縮図化されているように考えますので、私の意見をまとめます。まず、牛頭天王というのは、日本では、神仏習合の神とし捉えられています。仏教の生誕地の祇園精舎の守護神、薬師如来の垂迹、権現ということで、スサノオと同じと解釈されています。天王という呼称は、四天王に見られるように、普通名詞であり、「牛頭」という言葉が主意であるとすると、非常に奇妙な神ということになります。蘇民将来説話、武塔神説話がありますが、矮小化した物語であり、宗教的本質が浮かび上がってきません。ウィキペディアでは、仏教本来の教説に出てくるものではなく、古来から日本に伝わっている独自のものであると解されています。そこで、もっと広くとらえ...ヤハヴェとバアルの系譜

  • 災害ごみ問題が問いかける経済構造の転換

    台風19号で発生した災害ごみの処理には、2年かかるという記事があり、復旧活動のニュースを見ても、頷けることです。問題は、こうした災害が頻発する時代になったということです。もともと、ごみ対策は、20年ほど前から、リサイクル運動、ごみ減量化なんどの掛け声とともに、推進されましたが、大きくは、地球環境問題、とくに、地球温暖化対策とまとめて考えられてきは節があります。ごみ問題は、末端行政問題ということになり、環境問題では、海洋プラスチック問題を除いては、対策順位は低いものという印象があります。経済というのは、生産から消費までのことを言い、経済学も基本的にこの2者による拡大・調和の問題のようにとらえらえがちです。ごみ処理問題は、こうした経済の基本論理からは外れるため、付随的議論になるのですが、生産消費経済学は、生産・富の...災害ごみ問題が問いかける経済構造の転換

  • 北陸新幹線水没事故はなぜ起きた?

    台風19号の被害が甚大であることは言うまでもありませんが、なぜ、未然に防げなかったかについて、マスコミは何も報道しません。政府も動いていないような気がします。なお、論述の詳細は未確定。ここでは、次の2点を問題点として挙げることができるしょう。1立地が適正であったかどうか。2史上最強台風と言われたのに対し、何も対策が検討されていなかったのか。3堤防決壊がさしせまるなかで、別の安全な地域に避難させられなかったか。ということが挙げられるでしょう。原発事故と同じ構図が推測されます。1については、河川から1キロ離れており、そこまで来ることは想像できなかったというのは、嘘で、長野県のハザードマップでは、最大10メートル(?)の浸水が見込まれるという要注意箇所に設置されていた。2については、特に何も考えていなかったとも見受け...北陸新幹線水没事故はなぜ起きた?

  • 富裕税の経済的効果

    アメリカ大統領選挙で、左派の主張の特徴として、富裕税が挙げられており、一部有力資産家からも、この提案に同調する意見も出されており、超富裕層への一定の広がりを感じるものがあります。まず、富裕税については、一定の金額以上の純資産(資産ー負債)に対して、毎年数%の課税を行うというものです。例えば、5000万ドル以上の資産に対して3%というようなことと考えます。私は、富裕税を、こうした資産課税、つまり、固定資産税の拡大版としてとらえるのは問題があると考えます。なぜなら、こうした税制で狙われるのは、保守的な資産家であり、投資に貢献しない資産家のタンス貯金に課税するものにすぎないと考えられるからです。現に、著名な投資家は、賛成しています。ファンドマネーにとっては追い風になる可能性が大きいでしょう。本末転倒の話になります。だ...富裕税の経済的効果

  • トルコとシリアは戦争をするのか

    トルコのシリア北部進攻で、大きな動きが2つあり、ネット記事のコメントも多く寄せられています。1クルド勢力がアサド政権軍に支援要請と政府軍の北部への部隊派遣2アメリカ軍の北部からの撤収というのがそれです。問題は、ここで、派遣された政府軍と、トルコ軍が戦うかということでしょう。トルコにとっては、クルド問題は国内問題であり、今回の進攻は内政の延長と考えられます。ネットのコメントの8割ほどは、アサド=悪という構図の下に語られています。もともと、内乱は、アメリカの関与が引き起こしたもので、反アサド勢力が増大したのは、アメリカ経由の武器がいつのまんか、過激派にわたってしまったのが、大混乱の原因。トランプは、このことをよく理解していると考えられます。コメントのなかに中東調査会の高岡氏のものがあり、彼も混乱の拡大という視点に立...トルコとシリアは戦争をするのか

  • ウォーレンはアメリカ民主主義を復活させるか?

    アメリカ大統領選の民主党候補者選びで、エリザベス・ウォーレン上院議員が、支持率でバイデン候補をわずかに上回ったという報道があります。例えば、現代ビジネスの記事(以下「記事」と書きます。)記事では、1彼女の社会主義的政策は、アメリカ経済に否定的な影響を与える2資金力、総合力などで、ウォーレン対トランプとなれば、トランプ優位となるというような内容になっています。1の批判は、公的国民皆保険が社会主義制度、富裕層・企業増税は極左主義政策ということになるのかなとも思いますが、言葉の使用例としては無知と妄言にすぎません。トランプが勝ったのは、保守の国民回帰の潮流に乗ったからです。ウォーレンが行おうとしているのは、民主党の国民回帰と考えられます。アメリカ民主党は、すでに、アメリカ金融党と言える状況と考えられます。人権至上主義...ウォーレンはアメリカ民主主義を復活させるか?

  • シリア内戦を終わらせるトルコの侵攻

    シリア内戦の背景に一つである、トルコVSクルドの戦いは、トルコが、クルド支配地へ進攻したことにより、表面に出てきました。これについて、マスコミは、トランプの裏切り(黙認している)と評し、ISの台頭を促すことになると批判しています。まず、マスコミが言わない背景を確認することとします。1クルド支配地は、内戦前より大きく拡大しており、元の住民(多くはスンニー派、すなわち、ISに参加せず、戦わずに難民となった人々)を追い出して、支配地を確保した。つまり、民族浄化を行った。2ISは、米軍との共存(戦闘的共存)関係にあり、それは、反アサドでは、目的が一致しているから。だから、米軍がいる限り、ロシアもアサドも、東部への進攻は限定的であり、損害も大きい。という事情を挙げなければいけないでしょう。つまり、米軍から見れば、永久に、...シリア内戦を終わらせるトルコの侵攻

  • ファーウェイをどう見るか

    ファーウェイについては、起業者が、元軍人の共産党員だから、共産党の手先だという決めつけがなされることが多いのですが、5Gのハード、スマホにスパイウェアが組み込まれているというよくわからない話がされたことがありました。実際のところ、ファーウェイは、同業の国営企業から敵視されて耐えて成長してきた企業であり、これまでの国営企業中心の経済発展とは全然異なると考えていいでしょう。つまり、技術と売上で成功を積み重ねてきた企業であるわけです。そうした企業を、共産党の手先というような捉え方をするのは不自然ですが、最近、アメリカもこの事情が分かってきたのではないかと考えられます。もし、私の推測どうりであるなら、ファーウェイは、中国型資本主義の手先ではなく、脅威であることになるのです。陰謀論的に見れば、中国の軍門に下すために、米国...ファーウェイをどう見るか

  • 天安門事件後の中国発展の捉え方

    9月の朝から生テレビで、天安門事件後の中国の発展をどうみるかというような話題がありました。私の把握と異なるので、意見をまとめます。天安門事件は、周恩来の系譜を汲む思潮とみることがで切るのですが、それ以後との変化では1胡耀邦・趙紫陽路線から2江沢民路線への変化と見ることができます。1は、改革開放路線を、共産党の基本路線を原則として維持し、中国的な斬新なやり方をしようとする考え方で、言葉の上では、2の時代も同じなのですが、大きく異なります。どのように違うかと言えば、A1では、農村における競争原理の導入で、農村では一定の成果を得られる基礎ができたと考えられます。しかし、肝心の国有企業改革は進まなかったのではないでしょうか。B2では、都市住民、知識層の活動の自由を促進するということになります。鄧小平氏の南方講和は、これ...天安門事件後の中国発展の捉え方

  • 香港デモの背景に中国の新自由主義

    ライブドアブログ(コーヒーブレイクⅦの記事(再掲)PRESIDENTOnlineというサイトに、「香港デモに油を注ぐ「習近平」vs「上海閥」の暗闘「市民vs権力」の単純な図式ではない(丸谷元人、危機管理コンサルタント)」という記事があります。ネットで調べた香港の状況と把握が同じなので参考になります。記事では、習近平路線と江沢民派の暗闘が推測されているのですが、私流に捉えれば、中国経済路線=国家資本主義という捉え方と、中国の資本主義の新自由主義的側面の存在が、権力闘争の形となっているということになるのですが、財閥型国営企業が後者の基盤にもなっているのではないかと推測されます。江沢民路線は、天安門事件の結果を受けて登場しました。これ以後、中国の発展方式は変化したと推測されます。それまでは、農業の発展から進んだのです...香港デモの背景に中国の新自由主義

  • 香港デモの歴史的位置

    香港デモの過激な現状について、テレビでは、デモに肯定的な見方。同情的な見方が頻出していますが、そのなかで、香港の若者は、資本主義を守る、自由を守るために戦っているのだというコメントをよく見かけます。しかし、中国は資本主義であるから、前半は、意味不明です。また、中国は香港を手放さないし、香港なしでは中国の金融が立ち行かなくなるという意見もあります。しかし、実際のところは、アメリカ経済(ドル経済)にとって、中国の資本主義が脅威であるため、中国つぶしの一環であると考えることが適当でしょう。香港デモの発生時に言われていたことは、アメリカは、香港への優遇措置を、将来無くすというニュアンスのものでした。香港が中国の経済発展に果たした役割は大きいのですが、その金融的役割は、中国にとっても、小さくなってきています。極論すれば、...香港デモの歴史的位置

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