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  • 『時の行者』横山光輝

    ずっと気になっていた横山光輝『時の行者』ついに読み始めます。 過去に少しだけ読みかじったことがあるのですがどんな話なのか、さっぱり判っていません。さてどんな物語なのでしょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 ということでいきなり全編のネタバレをします。 過去に少しだけ読みかじっていた、と書いたのですが実はその少しだけというのがこの作品の最終六巻だったのですw なのにどういう話かわからなかったという。つまり本作、むしろ最初を読まないとよくわからないんですね。というか全部をですが。 主人公「時の行者」くんはいかにも横山マンガの主人公らしい一本気の善良な少年です。不思議な能力を持ちそのことに悩んだり…

  • 『史記』第十五巻 横山光輝

    ついに最終巻となりました。名残惜しい。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「呉楚七国の乱(前編)(後編)」 14巻で登場した晁錯の物語から始まる。 文帝は古代からの政道を記した尚書(書経)を学びたいと思い尚書を知るただ一人の生き残りを求めたが当人が90歳を越える老人だったので優れた者を学ばせに行かせた。それが晁錯であった。 (なぜ尚書を知る者がたった一人かというと焚書坑儒で儒学が衰退したからである) 晁錯は数年間尚書を学んで戻り太子の教育係となった。 やがて晁錯は太子邸の家令にまで出世していく。 さらに晁錯は文帝に上書した。諸侯に対しもっと法を厳しくして諸侯の領土を削減すべきとしたのだ。 中…

  • 『史記』第十四巻 横山光輝

    呂后凄いな。どんな男の話より恐ろしい。 とはいえこれを言っちゃおしまいだけど本当なのかな、という気はする。 中国の悪女伝説多すぎでそのほとんどが凄惨すぎ。呂一族を抹殺するための劉一族の言い訳で呂后を極悪女に仕立てたのではないかと思ってしまうんですが、お話としては面白いってことで語り継がれたのではというのは穿った考えでしょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「呂氏の陰謀」 前181年に起こったの日食は呂后の心に大きな不安を与えた。劉氏を次々と謀殺していった祟りだと思ったのである。 呂后は大きな祭壇を造らせそこで厄払いをしたのである。 その帰途のことである。 大きな青い犬が突然呂后に襲い掛…

  • 『史記』第十三巻 横山光輝

    珍しい横山作品の女性表紙しかもふたりも。と喜んではいられない悲惨な構図。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「淮陰侯韓信」 前202年、劉邦は諸侯の要請で皇帝の位につき「高祖」と称し洛陽を都とした。 劉邦は皇帝になるためにあれほど多大な功績をあげた韓信を怖れ疎ましく思っていた。 韓信は斉王となっていたがその領地はあまりにも大きすぎる。かといってその功績に値する土地も思い浮かばなかった。 ここで張良・陳平のふたりは劉邦の気持ちを察して楚を勧めた。項羽の土地であり生まれ故郷に錦を飾る名誉を考えたのだ。 これに劉邦は賛同したが当の韓信には不満だった。それでも勅命を受けて楚王となりかつて韓信に愚痴り…

  • 『史記』第十二巻 横山光輝 その2

    第2話「離間の策」 陳平の物語。 とにかく陳平のお兄さん陳伯が良い人である。弟の才能に期待して自分一人で年中働き僅かの金も陳平の勉学に回していたという。凄い。どうしてそこまで弟に期待できたのか。しかもこの弟、こともあろうに兄嫁と密通している。なんてこった。 というか陳平さん、背が高く非常に美男子だったという。今でもそうだろうけどこの時代はとにかく容姿が大切みたいですね。容姿が良いので次々と人に認められている感があります。 とはいえ魏の王に仕えたが軍略が採用されず逆に回し者ではないかと疑われるのだがそれを親切に教えてくれる男がいた。 うーむ何かこの人も人に好かれる素質があるな。 そこを逃げ出し楚…

  • 『史記』第十二巻 横山光輝

    ネタバレしますのでご注意を。 第1話「背水の陣」 劉邦は五諸侯を味方にし、五十六万という大軍で東進を開始した。だがわずか三万の楚軍に撃破され、命からがら滎陽城に逃げ込んだ。 まもなく敗走した漢軍を集めて韓信も滎陽城に入ってきた。 劉邦は最も惨めな睢水の戦いの後で気弱になり「項羽は勢いに乗ってここに攻めて来る。咸陽に引き返そうか」と言ったが韓信は強気だった。 平地であることを利用して戦車戦に持ち込む計画だったのだ。 急ぎ戦車を増産させた。攻めてきた楚軍は十万。しかし韓信は「すでに備えはできております」とわずかの供を連れて城を出た。 項羽は皆殺しの勢いで突進したちまち漢軍は総崩れとなったが城へ逃げ…

  • 『史記』第十一巻 横山光輝

    ネタバレしますのでご注意を。 第1話「国士無双」 韓信物語。 韓信のまたくぐり、と言えば有名なのだろうけど実を言うとよくわかっておらず今になって「ああこういうことだったのか」と納得した次第です。 香港映画などでなにかというとまたくぐりをさせて相手を貶める場面がかつては多くて「なぜこんなに好きなんだ?」と思っていたのですが韓信だったのかと何十年後に気づく。 韓信、貧しい平民の子で容姿も見栄えしなかった、と横山先生は書いておられますが実際のキャラクターはわりとイケメンに描かれていて見栄えしないとは思えないw横山先生は活躍する人はハンサムに描きがちなのでそういうことなのだろう。 韓信は学問をしたが働…

  • 『史記』第十巻 横山光輝

    第1話「函谷関への道」 昨日も書いたのですが本作読むまで私は勝手に項羽と劉邦のイメージを作っていて項羽=すらりとした長身イケメン、劉邦=ずんぐりしたすけべのんべおっさん、と思い込んでいたのですが本作でその虚像は崩れ落ちました。 まあまああくまでも本作は横山光輝氏のイメージなのだから絶対ではないのでしょうがもう以前のイメージを保つことはできません。 特に項羽は覇王別姫もあってロマンチックな美丈夫を思わずにはいられなかったのですが本作項羽はあまりにもそれと違いましたね。 ネタバレしますのでご注意を。 劉邦が劉備玄徳のご先祖というのも作用しているのでしょうか。 というかそもそも横山氏は項羽のような剛…

  • 『史記』第九巻 横山光輝

    ここからさらに面白くなっていきますね。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「農民王陳勝」 始皇帝が最初の皇帝ならば、陳勝は最初の農民一揆の指導者である。 前209年、日雇い農夫の陳勝と呉広は辺境の守りに徴用され漁陽へ向かう途中大雨で足止めをくらう。秦では期日までに到着せぬものは死刑という法律があった。 陳勝は「どうせ殺されるなら、謀反を起こそう」と呉広に話しかける。たじろぐ呉広を陳勝は説き伏せた。「まずこの九百名で事を起こして天下に呼びかけるのだ」 今度は呉広が「それなら鬼神の力を借りよう」と言って陳勝に神秘性を持たせ人々を引き寄せる策略を練った。 食糧の魚の腹に「陳勝が王たらん」と書いた紙…

  • 『史記』第八巻 横山光輝

    秦の始皇帝の話だから絶対おもしろい。 ネタバレしますのでご注意を。 第1話「保身の術」 戦国四大名将のひとり王翦の物語。 朝議において、楚王は「大国・楚を討つにはどれほどの兵力が必要か」と将軍たちに問いかける。 名将・王翦は「六十万」と答え李信将軍は秦軍は精鋭ぞろい。二十万あれば大丈夫」と答える。 秦王は王翦の答えに老いて気力が欠けてきたのだと感じて李信将軍と蒙恬将軍に二十万の兵をあずけて楚を攻めさせた。 この朝議の結果に王翦は息子に引退を告げる。父の言葉に考えすぎではと息子・王賁は笑ったが王翦は「そなたまだ秦王の性格をつかんでおらぬな」と答えた。 秦王は人を信用しない。必要と思う時だけ腰を低…

  • 『史記』第七巻 横山光輝

    第1話「嫪毐の乱」 昨日の続き。 呂不韋の一世一代の大勝負は破格の大勝となる。趙の人質となっていた秦の公子・子楚を救い出し秦の王とした。 呂不韋はこのてがらにより丞相に封じられた。 だがこの荘襄王は在位三年でこの世を去った。 そして十三歳の政が秦王となった。 荘襄王の実母は「夏太后」となり呂不韋の囲い者から荘襄王の妃となって政を生んだ母は「母太后」となった。 そして呂布韋を相国(丞相より位は上)とし「仲父」と読んだ。これは父の次という意味である。 呂不韋の凄いのは丞相・相国となったところで堕落したりせず次に優れた食客を三千人集めるという意気込みがまだまだあるところだ。 この時代(今もかもだけど…

  • 『史記』第六巻 横山光輝

    第一話「嚢中の錐」 第二話「老いの野望」 第三話「主を震わす者」 第四話「奇貨 居くべし」 呂布韋の物語です。 趙の都・邯鄲で呂布韋はひとりの若者に目を止めた。 来ている衣服は貧しいが身分のあるお方に見えるのだ。 側の者は「あのお方は秦の人質の子楚さまですよ」と言う。秦の太子・安国君さまのお子で人質として送られてきたのですが、秦と趙の仲が険悪になってからは粗末に扱われいまでは食事にも事欠くありさまとか、と説明した。 これを聞いた呂布韋はこれは奇貨(将来跳ね上がる商品)かもしれぬ、と思ったのだ。 呂布韋は父親にも相談し子楚に全財産をつぎこんで賭けてみることにした。 (すごい度胸。凄い商売人だ) …

  • 『史記』第五巻 横山光輝

    この絵も謎絵ではないだろうか。とげとげ鞭が痛そうだ。 ネタバレしますのでご注意を。 第一話「刎頚の友」 刎頚の友の言葉はさすがに知ってたけどこんな話だったのかあ。 ますます変な関係の図に見えますな。 とはいえ物語はまず秦の猛将・白起がいかに勝利していったかを伝える。(負けたことがない猛将だったよね) その白起を抱える秦国公が趙の恵文王が手に入れた名玉「和氏の璧」を欲したことで趙は騒然となる。「和氏の璧」と秦の十五城を交換しようというのである。 強大国・秦が求める通り交換すべきか、いやそんな条件は嘘に決まっていて璧を取られるだけだ、という大論争となる。 この「和氏の璧」もまた逸話がある。春秋時代…

  • 『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先 その5

    ネタバレしますのでご注意を。 文竜が武虎と別れての後半。 玉燕との愛の物語も決して悪くはないのだけどなぜかイマイチ違うような気がするのは最初の「不忠不孝の徒」という謳い文句がどこかに行ってしまったってことじゃないいですかね。 文竜の世を拗ねた荒くれた感じが最後はすっかりなくなってしまったのも寂しい。描きたいものが途中から何だったのかわからなくなってしまったような感があります。 やはりテーマというのは大切なものなのだと思います。 キャラクターが魅力的なだけに余計勿体ない気がしてしまう。 玉燕ちゃんもうまく生かしながらテーマを決めるべきなのか、それとも玉燕の登場でテーマが変わってしまったのか。どち…

  • 『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先 その4

    ネタバレしますのでご注意を。 夜中、文竜・武虎小屋で仲良く並んで寝てる。遠くで戦の退却の合図がしている。 小屋から覗くとどうやら敗れたのは魏軍で兵士たちが傷を負って逃げていく。 それを黒づくめの宋の騎馬隊が追いかける。 そこへ目を傷つけたらしく眼帯をした男がいきりたって入ってきた。 止めようとするふたりに剣を振り回す。仕方なく文竜が男を殴りつけると運悪くそこに鉾があり男の背中を突いてしまった。 男はうわごとのように「玉燕・・・」とつぶやいて倒れ死んでしまった。 ここから文竜・武虎の道行が少しずつ変わっていく。 突然ふたりの前で死んでしまった男・程徐には愛し合った少女・玉燕がいた。玉燕は一人旅の…

  • 『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先 その3

    ゆるゆる書いているだけなので「その3」ですが五巻です。 ネタバレしますのでご注意を。 本作は横山マンガには珍しいほど女性が多く登場します。性的描写目的、という感は否めませんがカッコいい女性も登場します。 鯉風(りふう)さんです。 曹操似の美貌。 『闇の土鬼』に出てきた忍者たちみたいな立場の人たちです。 で、文竜と武虎はもう人目もはばからずに仲良し。いいね。 もうずっとこの感じでやってほしかったなあ。 酔拳の名手・朱豹。とにかく酒好き。金がなくても飲む。そして店のオヤジに殴られる。 酒を飲むためには殴られても平気。 楽しいキャラクターです。

  • 『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先 その2

    第二話。本作品のヒロインたる武虎ちゃん登場。汚い世界に真っ正直なブコちゃんがいてくれたから救われた。主人公文竜もそう言ってる。 ネタバレしますのでご注意を。 夢中で読んだ本作ですが読み終わるといろいろと面白かったり残念だったりという思いがあります。 男同士のバディもの、各エピソードに女の裸体とセクシャルな演出をいれる話作りというかつてのお決まりの設定なのですがなんとなくそうした性的描写はあっさりで横山光輝氏自身があまり楽しめてないのではと思ってしまいます。 いっぽう文竜と武虎のかかわりは丁寧に描かれていてひきつけられます。 傷ついた心を抱えて彷徨う王子とそれに付き従う根っから明るい奴隷男という…

  • 『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先

    辻真先原作の横山マンガです。作品はまったく知らなくてどんなものなのかと興味津々での購入でした。 まだ『史記』の途中なのですがなかなか歯ごたえある作品なのでちょっとこちらに息抜きという感じで寄り道してみようと思ったらあまりにも意表を突く面白さだったので一気読みしてしまいました。 とにかく横山マンガとしては珍しいエログロが繰り広げられます。 ネタバレしますのでご注意を。 『三国志』と同じ1972年からの作品。そのせいもあってか主人公の父親が張飛そっくり(ヘアバンドも同じ)でちょっと戸惑うようなおかしいような不思議な感覚になりました。 主人公は今まで私が観てきた横山ヒーローとしてはかなり荒っぽい男む…

  • 『史記』第四巻 横山光輝

    ネタバレしますのでご注意を。 第一話「先從隗始 先ず隗より始めよ!!」 あの有名な「先ず隗より始めよ」の語源を描いたものですが多くの日本人が思う話ではないのが面白い。 たぶんほとんどの日本人解釈は「大変なことをやろうとする時は自分からはじめるべきです」という相手への忠告として使用するのが多いのではないでしょうか。 ところがこの話は昭王が国を建て直すため人材を集めたいがどうしたらいいものか、と問うた時に隗が「それならばまず隗、つまり私から始めなされませ」と答えたものなのだ。 つまり「大変なことをやろうとするなら身近にいる私(のようなつまらないもの)を優遇すれば優れた人物がそれを聴いて遠くからでも…

  • 『史記』第三巻 横山光輝

    ネタバレしますのでご注意を。 第一話「因習打破」 これは『三国志』で孔明が南蛮国平定からの帰途河に生贄を捧げる(あっちでは数十人だった)悪習をやめさせるために肉饅頭を代わりに捧げる、という話の元になったものではないでしょうか。 こちらでは西門豹という官僚が鄴の県令に任じられ村の荒廃を見る。 その原因が上に書いた悪習とそれに伴う儀式にかかると称して大金を巻き上げる役人と巫女たちだった。 本作では生贄に捧げられる若い娘を助けて悪習を続けて村人から金を巻き上げていた者たちを代わりに突き落とすという痛快なものになっています。 その後西門豹は村人たちに用水路工事を割り当て黄河から水を引いて新しい農地を開…

  • 『史記』第二巻 横山光輝 「臥薪嘗胆」

    なんかすごく不思議な絵である。 「臥薪嘗胆」の意味が解らない人はこの絵の意味をどう思うのだろうか。 ネタバレしますのでご注意を。 楚の平王が亡くなり父と兄の仇を討つことができなくなってしまった伍子胥は平王の屍を墓から引きずり出して鞭打つ。 次は楚を討つという志を持つが今度は味方となってくれた呉王が亡くなったことでまたもや伍子胥の望みはかなわないままで終わるのではないかと予感してしまう。 呉王の跡継ぎを推薦した伍子胥だが時が経つにつれ新しい呉王は伍子胥の諫言を次第にうるさく思い始めついに剣を渡して自害を求める。 伍子胥は使者が持ってきた剣を見て怒る。「呉がここまでになれたのも私がいたからだ。それ…

  • 『史記』第二巻 横山光輝

    二巻は伍子胥巻です。この伍子胥だけではなく『史記』はまったく知らなかった私ですが最近になって知った「鳥人間」さんのYouTubeでこちらを見まして(聞きまして)特に伍子胥は読みたいと思っておりました。 www.youtube.com 鳥人間さんありがとうございます。 ネタバレしますのでご注意を。 時は春秋時代。紀元前500年前後のことである。楚の二十七代平王は横暴な王と言われていた。 伍子胥。名は員。字は子胥と言った。伍一族は楚の名家であった。 伍子胥の父は太子建の太傅(侍従長)を務めていた。副侍従長は費無忌という人物だった。彼は平王に気に入られ側近になりたいという野望を持っていた。 この費無…

  • 『史記』横山光輝

    『三国志』の後読もうと思っていてちょっと遠回りしましたがついに読み出します。わくわくしますなあ。 ネタバレしますのでご注意を。 「第一話 司馬遷」 その『史記』の執筆者である司馬遷の物語です。 司馬遷の父。司馬談は一流の学者でありながら農耕で生計をたてなければならない状況にあった。しかしある時「太史公」に任命される。暦を作ったり国家の祭祀を取り締まる仕事である。いわば神官といえる。 司馬一家は茂陵という町に移住する。そこは長安から少し離れた場所で当時の武帝が自分の死後のための墓陵を造っている町であった。 司馬遷はこの時六歳。父・談を師として猛勉強をはじめ十歳で古文を暗誦した。そして新しい学問で…

  • 『闇の土鬼』横山光輝 その3

    これまで観た横山キャラで最も美しいキャラだと思います。 私は白土カムイもそう思ってしまうので忍び系に弱いのかもしれませんが。 ネタバレしますのでご注意を。 4巻の冒頭の相手、妙に長身イケメンでおかしい。 なんかエロいんだよ。 でも このスタイルがどうしても笑える。 サディスト兄さん。 石つぶてはカッコいいと思う。 で、この勝負土鬼が勝ちもう少しでとどめを刺すところで持病が出てしまい左腕がきかなくなってしまう。 男(左門)は最期に合図を送って無明斎を呼び寄せる。無明斎は左門を抱き上げ最後の忠告を聞く。(こういう甘い人間関係があるのが横山風味) 左腕がしびれて動かなくなった土鬼はまたもや霧兵衛と出…

  • 『闇の土鬼』横山光輝 その2

    二巻に入ります。土鬼くんの魅力が凄まじい。 ネタバレしますのでご注意を。 笑ってはいけないと思いながらも込み上げる笑いが我慢できない。 10代の男の子ひとりをいじめるおじさんたちよ。 そしてこの爺様血風党の長・無明斎にしばかれる この無明斎が最高におもしろい そりゃ見れば誰だって思い出すだろうて 巻物広げるだけで大げさwそしてしみじみと眺めた後で きちんと巻き上げる。えらい!出しっぱなしはいけないものね。 幕府の偉い人がこの巻物を奪えと命令すると伊賀者たちが追いかける 無明斎も負けじと味方を呼び いちいち人数が多い。 そして歌いながら殺戮する。 「歌に合わせて同時に刀を打ち下ろすとは」「わずか…

  • 『闇の土鬼』横山光輝

    突然の『闇の土鬼』です。横山作品どれから読もうかな、と探していてあまりのかっこよさに表紙買いしてしまったのですが中身は予想以上にかっこよかった。 戦国ハードボイルドとでもいうのでしょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 タイトルと言い冒頭の「貧困ゆえに間引きされる運命の子」という設定からも過酷で恐ろしい内容か、とやや怯えていたのですが読み始めるとかなり笑いをこらえる内容でした。(すみません)おかしいのだけどめちゃくちゃかっこいいのです。というかカッコよすぎるのは現在おかしいことなのだと思われますw というか冒頭もですよ。 この時代に食うや食わずにしては箪笥が立派すぎて。いらんでしょ。布団や服も…

  • 『漫画版 徳川家康』横山光輝 原作:山岡荘八 第八巻 完結

    ネタバレしますのでご注意を。 完結の八巻です。 天下を統一しなおも荒ぶる世の中に泰平を望み老齢の体に鞭打って働き続けた家康。 多くの夢を果たした家康が最期まで悩み続けたのは我が子との関係だった。 これは特に前世代の父子=働くことだけが男の人生という価値観を持った男性たちはよくよく読むべき内容だと思わされる。 とはいえこれは「親の言うことは正しいのだから子供はよく言いつけを聞くように」とか「子どもを正しく導ける父親でなければならない」という意味ではない。 むしろ「家康ほどの知恵者であっても親子関係を考えるのは難しかった。家康自身その考え方が正しかったわけではない。正しい道を知るなどということはあ…

  • 『漫画版 徳川家康』横山光輝 原作:山岡荘八 第七巻

    ネタバレしますのでご注意を。 関ケ原の合戦で勝利を得、家康の地位は不動のものとなった。 家康は淀君・秀頼母子をおとがめなしとした。 七巻。家康は天下泰平のために尽力していくがこれがほんとうに難しい。以下は家康の立場から見た物語と言えよう。 ここに真田幸村が登場し家康の考え「天下泰平」はおこがましいと持論を述べる。「この世に平和などない。誰がが幸福であれば誰かが不満を持つ」というのだ。しかし家康はこの世を幸福にしてみせると宣っている、そのことを嘲笑するようにあえて豊臣家の肩を持つ、と幸村は大坂城に赴き家康が陣頭に立つ江戸と戦う。 すでに隠居を決め次世代に引き継がせたつもりの家康だったが事態はそう…

  • 『漫画版 徳川家康』横山光輝 原作:山岡荘八 第六巻 その2

    ネタバレしますのでご注意を。 六巻後半は石田三成パート。 豊臣家のため走り回る三成と彼を憎む者たちとのデッドヒート。 とてもよい。 かつて不人気だったという三成は最近共感を呼んでいるようなのがおもしろい。本作では明らかに悪人なのだが横山氏の描く小賢しい男の顔つきをしているのだからそうなのだろう。 豊臣家のためと信じて正論の行動をする三成だがそれがいちいち他人の癪に障るのだ。これに家康はすっかりついた貫禄で鷹揚に対処していく。 神妙な趣で茶漬けを食う。いいなあ。 カッコいい高台院=寧々。 このパート日本史上最も有名と言える「関ケ原の戦い」への前哨戦なのだがそれだけに複雑な過程を経る。 実際の関ケ…

  • 『漫画版 徳川家康』横山光輝 原作:山岡荘八 第六巻

    ネタバレしますのでご注意を。 幼い頃から人質として過ごさねばならなかった竹千代が辛抱に辛抱を重ね努力を積み少しずつ上昇して岡崎城を取り戻しなおも進み徳川家康として磐石ともいえる地位をなした。 しかし人生の辛苦はむしろここから始まっていくようにも思える。 信長は恐ろしい人ではあったが彼自身も成長期だったからもあって家康にとって眩しい存在に映っていたのではないだろうか。 その頃から知っている存在ではあったものの家康と秀吉との関係はあまり気持ちの良いものではない。 六巻の冒頭から始まる家康と朝日姫の婚儀もまったくの形式だけの夫婦というのが悲しくもある。何しろ結婚して3年後に朝日姫は死んでしまうのであ…

  • 『漫画版 徳川家康』横山光輝 原作:山岡荘八 第五巻 その2

    ネタバレしますのでご注意を。 ここから家康と石川数正、信雄と三家老の話が秀吉との関係で対照的になされる。 すでに頂点に立ったという形の(一応まだ織田家が主筋とはなっているが)秀吉相手に二組が苦闘することになる。 家臣のほうはどちらもひたむきであるのは同じだがその他家の家臣を取り込んでしまう力を持った秀吉にふたりの主君はまったく違う対応をしていきそれがそれぞれの運命となる。 本作は主人公が家康なので今まで家康の前にいたのは織田信長だったのがここから秀吉の威力が描かれる。 秀吉の面白さもまた格別だ。横山マンガのキャラクターは圧倒的に美形が多い中で彼はさすがに美形にはしずらかったよう。しかしさすが横…

  • 『漫画版 徳川家康』横山光輝 原作:山岡荘八 第五巻

    ネタバレしますのでご注意を。 五巻冒頭、武田勝頼の話から始まる。 戦国時代の名将のひとりに必ず挙げられる武田信玄も息子はその威力を持てない。 今川義元と氏真、家康と信康の例をここで挙げられているが織田信長と信雄そして横山作品『三国志』でも曹操とその息子、玄徳のその息子の対比がある。 (その中で呉の孫親子と兄弟は特別に変わっている存在だ) 駄目息子のパターンも「何もできない」場合と「やりすぎてしまう」場合があるようで勝頼はやりすぎてしまった。 とはいえこの後織田信長のやりすぎ行動が描かれる。 信長が光秀を苛め抜いた話だがさほど戦国ものを読んでいない私でも信長対光秀のエピソードはここに描かれたこと…

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