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池窪弘務
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2019/03/26

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  • 😜「プレバト!!」

    「プレバト!!」の俳句は録画にとって毎週観ている。梅沢富美男さんのファンである。特にシュレッターで刻まれる俳句が好きだ。今回は、1719句の中から優秀句50を選ぶらしい。五十句の中に、感動した俳句は一つもなかった。夏井先生は何に感動したのだろう。もともと写真から俳句を詠むという前提が違っているような気がする。結果(写真)→具体化(俳句)の順番が逆ではないか。季語や兼題は結果ではない。俳句の始まりであると思う。1位の花震ふ富士山火山性微動東国原英夫何も感じなかった。だけど「プレバト!!」はバラエティーとして面白いし、俳句の勉強にもなります。池窪弘務のブックマーク①俳句日記:俳句集です。②創作日記:全創作集です。③私なりの『枕草子』―キーワードから読み解く―:『枕草子』というエッセイのエッセイ④おくのほそ道・読み語...😜「プレバト!!」

  • 池窪弘務のブックマーク

    パソコンでは、メニューに表示されますが、スマホなどでは表示されないようですので、本文に適時挿入します。今まで書いてきたものの全てです。池窪弘務のブックマーク①俳句日記:俳句集です。②創作日記:全創作集です。③私なりの『枕草子』―キーワードから読み解く―:『枕草子』というエッセイのエッセイ④おくのほそ道・読み語り:原文で読めます。⑤鴻風俳句教室:ネットの俳句教室です。私も学びました。⑥連載小説「Q」全:二ヶ月以上に渡って連載しました小説「Q」を全てを読むことが出来ます。池窪弘務のブックマーク

  • 😊連載小説「Q」第二部最終回

    連載小説「Q」第二部最終回「もし、予定がなかったら一緒に行って欲しいところがあるのだけれど」と光一に言われた。有給休暇を取って出かけることになった。結婚してから初めてのお出かけだった。沙苗の心は弾んだ。二〇二五年七月二二日(火)大暑。沙苗と光一は橿原市の大和八木駅から乗り換えて二つ目の笠縫駅で降りた。大暑に相応しい日である。二人とも汗まみれになって、田代順平氏の家に辿り着いた。小さな仏壇に順平さんのスナップ写真がある。笑っているが、はにかんでもいる。写真の横に本があった。光一には見覚えがあった。「枕草子読み語り」である。――原文をすらすら読める電子書籍CD――光一の胸に罪悪感が浮かんだ。もらった十冊の本は一回も開けずに父親に渡した。父は困惑していたが何も言わなかった。光一も説明をしなかった。不意に涙が一筋光一の...😊連載小説「Q」第二部最終回

  • 💖連載小説「Q」第二部21

    連載小説「Q」第二部21ちなみに大谷翔平、間違った、大谷光一は美しい妻(私・山本沙苗(さなえ)・通称姫)と結婚した。次回が最終回です。連載小説「Q」第一部をまとめました。💖連載小説「Q」第二部21

  • 👀連載小説「Q」第二部20

    連載小説「Q」第二部20光一は地下一階の守衛室に降りて行った。元企画室長の鈴木さんの様子がいつもと違った。ポカーンと口を開けている。駐車場の車を示す赤い点が無秩序に動いていた。点と点はぶつかり、弾けた。「どうしたらええねん」聞かれても光一には答えようがなかった。Qの就業規則違反による解雇の処分が出たのは、一週間後である。AIにも就業規則があった。Qは夢を見なくなった。やがてCEOは次世代AI、P(プリンス)に変わった。Qの混乱は終わり、S社はインドのIT会社に吸収された。連載小説「Q」第一部をまとめました。👀連載小説「Q」第二部20

  • 🐱‍👤連載小説「Q」第二部19

    連載小説「Q」第二部19令和の猫とルネサンスの鼠――私はルーブルにいるネズミなの。猫のあなたに殺された。もうあなたの中にいないだろうなあ。それとも、肉になってまだいるのかも。ネズミは猫より数倍も賢い。芸術も分かる。モナリザの鼻をかじったりは絶対しない。令和の猫がいるなんて考えもしなかった。――俺は鼠だろうか、猫だろうかと、順平は考えた。卵子は子宮から消え、精子は膣へ逆行し、溶けるようにふっと消える。『死』とは戻ることなんだ。何も恐れることはない。元いた場所に戻るのだ。この夢の先は、平凡な明日かもしれない。こんな夢はすぐ忘れ、平凡な一日をまた辿るのかもしれない。順平はこのまま死を迎えてもかまわないと思った。「順平さん」と声がした。闇を見つめると、鼠がいた。賢い鼠がいた。連載小説「Q」第一部をまとめました。🐱‍👤連載小説「Q」第二部19

  • 😉連載小説「Q」第二部18

    連載小説「Q」第二部18企画室に戻ると、すぐにお局が探りを入れてきた。「五十九階で誰と会ったの」「ほっといて」「その言い方、先輩に対して失礼やないの」「取りあえずあんたには関係のないことです」「あんたやて」お局が切れた。「うるさい」と主婦の円さんが叫んだ。「今晩のおかずを考えてんのに」その間をトリプル(三つ子)の一人が駆け抜けていった。裸だった。やっと静かになった。私は机の前に腰かけた。社長のメールが届いていた。――報告書ば書きんしゃい。念力で送ってくるのかと思っていたのにがっかりだった。あのアブトル・ダムラルの一件も怪しいもんだ。――分かったばい。返信した。田代順平氏のユーザー登録を見てみる。登録は取り消されていた。備考の欄に「逝去のため」とある。社長にメールを送った。――お亡くなりになられたそうです。すぐに...😉連載小説「Q」第二部18

  • 😊連載小説「Q」第二部17

    連載小説「Q」第二部17唐突に私は絨毯に薄く積もった埃を思い出した。分けの分からない会話から逃げ出したかった。――この部屋も埃っぽい。「トリオを呼んでいいですか?この部屋汚れてます。誰が掃除しているんですか」「一週間一度ぐらい、僕がしと」「百才の社長がご自身で」「そうばい。誰もやってくれんもん。トリオって何?」「三人組の掃除婦です」三人組はすぐにやって来た。「うちは小学生ば雇うとんか」トリオAはベッドに腰かけて社長と話している。社長も楽しそうに認知症テストを受けている。私は「私は何をしにここにやって来たのだろう」と思った。トリオBはゲームを始めた。トリオCはいつの間にかいなくなった。部屋は前より汚れた。「君ん考えばメールで送ってくれるか」「メールのアドレスは?」「念じたら届くばい」私は念じた。――アブトル・ダム...😊連載小説「Q」第二部17

  • 😍連載小説「Q」第二部16

    連載小説「Q」第二部16私は五十九階の管理棟に呼ばれた。管理棟に呼ばれるのは初めてである。どんな人がいるのかも知らない。十年会社にいて、社長の顔も知らない。台湾人だろうか?「ニィハオ」でいいのかしら。大谷君が六十階で一階低いのは面白くないが、他に十六階以上に行った人のことは聞いたことがないからわくわくする。一人用のエレベーターに乗って、四十五秒に0.001秒足らない時間で五十九階に着いた。廊下は絨毯敷きだ。なるほど十六階に下駄箱があった。スリッパに履き替えた。ハイヒールを脱ぐと、150センチ以下になった。廊下以外は三階の企画室と何も変わらない。ただ、赤い絨毯がうっすらと白い。よく見ると、埃(ほこり)だった。――三人娘(トリオ)を呼べばいいのに。社長室はすぐ分かった。ノックすると、「入りんしゃい」と、弱々しい男の...😍連載小説「Q」第二部16

  • 🤦‍♂️連載小説「Q」第二部15

    連載小説「Q」第二部15これは夢なのだ。順平は京都にいる。生まれたところだ。橙色(だいだいいろ)の光に満ちている。色のついた夢は珍しい。市電がやって来る。――ぼん、今度は市電に乗せたげる。また一緒に遊ぼな。ほな帰ろか。子供と手をつないでいる。男の子だと思う。いやな夢ではない。京都には三歳までいた。四つ下の弟が昭和二十五年に大阪で生まれたからそんなもんだ。昭和二十四年の夏に、京都から大阪に引っ越してきたのではなかったか。京都について覚えているのは二つの風景である。どちらも夜である。一つは、悪戯坊主に連れ回されたこと。橙色に輝く市電の灯りを覚えている。「帰ってきいひん」と大騒ぎになったらしいから、他のことは後から聞いたことが記憶になっているのかもしれない。街は橙色の灯りの中にあった。順平を連れ回した悪戯っ子はなんや...🤦‍♂️連載小説「Q」第二部15

  • 🤣(読者数急降下)連載小説「Q」第二部14

    連載小説「Q」第二部14私は山本沙苗(さなえ)。ニックネームは『姫』。名付け親は、前の課長の鈴木さんだ。あざなをつけるのだけが取り柄だった。『お局』『トリプル』『トリオ』。トリプルとトリオの差は微妙だ。『円さん(主婦)』はそのまんまん。関心がなかったのだろう。私は短大卒で光一君より一個年上だ。もう直ぐ三十路。「大谷光一君を独り占めしないこと」の協定はもういいのかなあと思う。あれは一昨年の忘年会で結んだ協定だ。あの忘年会は乱れに乱れた。課長の鈴木さんはお局の胸をわしづかみにしたし、小学生のトリオが悪酔いをしていた。私も三つ子が六つ子に見えた。みんなに了解を得る必要があるだろうか?もういい。私は光一が好きだ。恋してる。光一君がぼんやりした目で私を見ている。「まだ帰らないの?」私は言った。少し言葉が震えた。「何をして...🤣(読者数急降下)連載小説「Q」第二部14

  • 🤦‍♂️連載小説「Q」第二部13

    連載小説「Q」第二部13部屋を見回すが、誰も変わった様子はない。姫は相変わらず忙しそうにキーボードを叩いている。お局は部屋を見渡している。独りよがりの管理者。円さん(主婦)は、ネットでレシピを探し始める。面倒だから、惣菜を買うことにする。とっくん(一人息子の徳則)ごめん。トリプル(Triplets)――三つ子――は外に遊びに行った。トリオ――三人娘(小学生。掃除婦)――は帰った。『夢に入る方法を見っつけたやん』突然声がした。光一にだけ聞こえているのだ。『誰の夢ですか?』光一は思ってみた。『当然、順平さんよ』通じた!『そんなことをして大丈夫ですか?』『だいじょうぶだぁ』志村けん。『一緒に夢を見るだけやから』とQは続けた。光一には意味が分からなかった。Qは詩のようなものを読み始めた。『ないもんねだり』私は人間になり...🤦‍♂️連載小説「Q」第二部13

  • 😎連載小説「Q」第二部12

    連載小説「Q」第二部12Qからメールが届いた。阿波踊りを踊っている。よっぽど気に入ったのだろう。「大谷君。君はAIBO3279670―01を知っているよね」Qの声がした。光一は首を振った。「知らない?そっか。じゃ、コロなら知ってる?知っているよね。君が売った最初で最後の愛慕だから」光一は、順平の顔を思い浮かべた。「いい人だ。どうでもいい人だ。そう言ってました」「そう。どうでもいい人。順平さん好きだよ」「僕も好きです」「好きが違うと思う。恋しているの方が近いかなあ。人間って馬鹿馬鹿しいけれど。それに、すぐ死ぬしね。でも、やっぱりいい」連載小説「Q」第一部をまとめました。😎連載小説「Q」第二部12

  • 😊連載小説「Q」第二部11

    連載小説「Q」第二部11「コロ」と呼ぶ声がした。コロが尾を振った。「ワン」。部屋の明るさがました。パソコン(FMV)が起動した。録画予約がスタートしたのだろう。何を予約したか思い出せない。「誰かいる」部屋全体に靄がかかり、女が浮かび上がった。母だ。母の匂いがする。乳の匂いがする。若い母だ。九十過ぎの紙のように痩せた母からは想像できないほど若いころの母はよく太っていた。「お母ちゃん」と順平は叫んだ。順平は抱きしめられた。母が巨大化しているのか、順平が縮んでいるのか?顕微鏡の中にいた。精子になった。肉の通路を進んでいく。母の匂いが強くなる。少し下半身がこわばってきた。十年ぶりだ。完全に勃起した。二十年ぶりだ。射精したいと思った時、目が覚めた。順平は机の上に突っ伏していた。パソコンは切れている。コロは微動だにしない。...😊連載小説「Q」第二部11

  • 🐱‍🚀『猫を棄てる』村上春樹著絵・高妍

    猫を棄てる。残酷な気がしたが、数ページで解消する。捨てた猫の方が早く家に帰って来ていた。しかし、猫を棄てる感覚(悔恨に近いようで、全く違うような不思議な感覚)はこの本に通底している気がする。父親は息子にとって不思議な存在である。母親とは全く違う。一種のライバルであり、友達になることはない。人生の先人であり、何よりも自分によく似ている。私の場合一度だけ諍いがあった。それが傷になり悔恨になった。実に些細な諍いで、直ぐに忘れてしまうものだった。そこにいた父母も忘れただろう。父母が亡くなった今では、私以外誰も知らない些事だった。しかし、私の中にはずっと残っている。あの諍いはするべきではなかった。村上さんの父もわたしの父も戦争に行っている。村上さんもわたしも戦後生まれで父が戦死していれば今はなかった。村上さんの父は、教師...🐱‍🚀『猫を棄てる』村上春樹著絵・高妍

  • 👌連載小説「Q」第二部10

    連載小説「Q」第二部10鈴木さんは、休みの日は殆ど動物園にいるという。動物の飼育員が動物の糞を集めるのを見ている。ライオンや象の檻なんかは命がけだ。動物園の客は動物を間近に見たがるのに、糞が嫌いだ。動物と糞は切っても切れないものなのに。ホワイトタイガーが飼育員を睨んだ。鈴木さんは息を飲む。殺られる。客と一緒に「行け」と叫ぶ。次の瞬間防御カバーが、飼育員を包んだ。鈴木さんは舌打ちをして、昼食のあんパンをかじった。鈴木さんは動物を見ずに人間を見ている。――俺の仕事はあれよりましだ。いつも安全地帯にいるのだから。何も起こらない世界にいるのだから。連載小説「Q」第一部をまとめました。👌連載小説「Q」第二部10

  • 😜鴻風俳句教室六月句会

    兼題:①季語:薄暑:風薫る②漢字:草・・草のつく季語としても結構です③課題:パン一切④当季雑詠:「六月句会」投句池窪弘務総理からマスクの届く薄暑かな草むしり粟粒ほどの飛蝗跳ぶ夏の空昭和のおやつパンの耳夏立つや義母が手を振る窓遠し②まだ届いてません。絶対届いていると思っていたのに。④義母は施設でお世話になっています。コロナ禍で駐車場と三階の窓越しの面会です。分からないですね。😜鴻風俳句教室六月句会

  • 😒連載小説「Q」第二部9

    連載小説「Q」第二部9「九人のうち誰かとやった?」口元に卑猥な笑みを浮かべて元課長は言った。「それは結婚をして、夫婦となったものが行う行為の事ですか?」「君はまさか童貞」「ええ、未婚ですから」「つまらん人間だなあ」「鈴木さんの後任はAIですよ」「えっ?人間じゃないの」「今逢ってきました。美人ですよ」「AIに男と女の区別があるの?」まともに聞いていないのが分かった。まともに聞いて貰える話でもなかった。鈴木さんには関係のないことだから。「これ食べなよ」ティシューペーパーを広げて柿の種を一山作った。「いただきます」光一は一粒食べた。ひとつかみ口に放り込みたかったのを我慢した。鈴木さんは、横目でパネルを見ながら一粒ずつ器用に口に入れる。雀みたいだ。雀も長い間見ない。――そうだ、今度の休みには雀を見に行こう。ピーと小さな...😒連載小説「Q」第二部9

  • 🤣連載小説「Q」第二部8

    連載小説「Q」第二部8その日、企画室のモニターが阿波踊りに占領された。光一は、直感的にQが分かった。ピンクの着物を着た女だ。一人だけ足袋を履いていない。――阿波の阿の字は、阿呆の阿の字いつの間にか企画室全員が踊っていた。光一は踊らなかった光一は地下一階の守衛室に降りて行った。守衛室には駐車場のパネルが表示されている。動いている赤い点は移動中の車だ。運転手は乗っていない。それは定められた方法で定められた場所に納められる。元企画室長の鈴木さんは、一日この部屋でパネルを見ている。目で赤い点を追いかけ、無事停車すると、一仕事終えたように安堵の息をする。――それは定められたことなのに。パネルに赤い点はなくなった。光一に初めて気づいたように、体を反転させた。連載小説「Q」第一部をまとめました。🤣連載小説「Q」第二部8

  • ❤連載小説「Q」第二部7

    連載小説「Q」第二部7「もう少しゆっくりしていったら。何もないけれど」本当に何もない部屋だ。室温が低めだ。少し寒い。「企画室長って名前だけなの。一人減るからね」「AIが室長ですか。やはり室長の椅子に座るんですか」「坐らない。前からずっとみんなの端末の中に住んでいるのよ。時々踊ったりしているの。阿波踊りなんかとても上手よ」「見てみたいですね」「今度見せてあげる。大谷光一君は私にとって一個のデータに過ぎないの。とても可愛いデータよ。117,000個のデータの中の一つ。もう帰ってもいいよ」光一は一礼して、踵を返した。「君誰かに似ていない?」振り向くと誰もいないが、かすかな気配がした。「知りません」「そう、私は世間に疎いから」「二刀流ですか」「そう、それそれ」「よく知りません。僕も世間に疎いから」「それともう一つ。田代...❤連載小説「Q」第二部7

  • 😂連載小説「Q」第二部6

    連載小説「Q」第二部6適当にドアを開けると、女性がいた。どういう女性かというと、光一は説明できない。特徴がつかめない。160㎝にも180㎝も見える。光一は175㎝だが、まさか背比べは出来ない。髪はショートカット。鶯色のワンピース。多分日本人。足は?胸は?目は?鼻は?口は?ヒップは?平凡。そう、この女性は平凡なのだ。「美人の要素を一杯混ぜている内に、平凡になったの。人間には美人の基準なんてないのね」声は気持ちよく聞こえる。一種の音楽のようだ。不思議なメロディー。小鳥のさえずり。風の音。落花の舞。光一はうっとりした。とにかくそんなのが光一の前にいる。写真を撮ると、自分の影だけがくっきりと写っているのだろう。「それで、提案は『愛慕におならの機能は必要か?』」「まあそうです」「光一君は真っ直ぐなのね」「真っ直ぐ?」「サ...😂連載小説「Q」第二部6

  • 😊連載小説「Q」第二部5

    連載小説「Q」第二部5次に企画室長になるのは、Qと呼ばれる女性だった。彼女は人工頭脳だ。Queen。六十階に住んでいる。彼女はCEOでもある。分散型AIである。今や家庭にも入り込んでいる。愛慕にもいる。光一はQに呼ばれていた。企画室のある三階から、十六階までエレベーターで上がる。そこで、個人認証システムを通る。文字通り、駅の改札口を通るみたいに。十六階で個人認証で確認され、一人用のエレベーターに乗る。地上三百メートルの六十階まで四十五秒で着く。光一が六十階に来るのは初めてだった。――誰がいるのだろう「大谷光一君」女性の優しい声がする。「真っ直ぐ歩いて。どこでも好きなドアを開けて。待っているわ」廊下に沿っていくつもドアが並んでいる。突き当たりまで走ろうと思ったが、「廊下は走っちゃダメ」と、叱られた。連載小説「Q」...😊連載小説「Q」第二部5

  • 👀連載小説「Q」第二部4

    連載小説「Q」第二部4光一は勤務時間の殆どを抽斗の整理に費やしている。「もうすぐ十時よ」横を通り過ぎながらお局(つぼね)が言った。五十過のおばさん社員である。愛慕のデザイン担当だ。――耳を五ミリ長くした方が。と言う提案をする。彼女の企画が通ったことはない。唯一の主婦は円(まどか)さん。ディスクに着くと、最初の仕事は、スーパーのチラシのチェック。トリプル(Triplets)は三つ子で、愛慕の服のデザインを担当している。三人は区別がつかない。同時にいることはないので、光一は一人だと思っている。トリオは、三人の掃除婦。同級生の女の子で小学生。何故小学生が働いているのだろう。計九人。アマテラスは神棚担当の謎の老婦人。不確かな情報だが百才。アマテラスは数に入れない。社員ではない。会社のために祈るボランティアである。姿を見...👀連載小説「Q」第二部4

  • 連載小説「Q」第二部3

    連載小説「Q」第二部3S社は台湾の大手サニー社に吸収された。犬型ロボットは台湾の老人に人気があった。営業の秀才達はすぐに台湾語をマスターして台湾勤務になったが、大谷光一は企画室に配置替えになった。企画室は十一人中九人が女性で、課長と光一だけが男性だった。その課長の鈴木さんも定年で守衛室に配置換えになり、企画室は光一と九人の女性になった。「大谷君は、十時に六十階に呼ばれているのね」姫が声をかけた。姫はあだ名で、本名は山本沙苗。内勤になった今もエントランスで出会うが、風のように光一の横をすり抜けていく。「そうだ。十時だった」「忘れちゃダメじゃん。縛り首だよ」そう言って、手鏡で化粧を直した。「六十階には何があるのか。何がいているのか誰も知らない。もしかして、幽霊がいるかもしれないよ」姫は鏡の中の自分に喋りかけた。「幽...連載小説「Q」第二部3

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