連載小説「Q」第二部2
連載小説「Q」第二部2妻が二階に上がると、缶ビールを一本持って書斎に行く。数年前までは、酎ハイも飲んでいたが、缶ビール一本がせいぜいである。二本も飲めば二日酔いする。順平は酒は好きだが弱かった。現役の時は、忘年会の度に今日は飲まないと固く決心するのだが、一口の飲むと、無様に酔い潰れて恥をかた。書斎に入ると、最初に金魚に餌をやる。一匹は飼い始めて早々に死んだ。残った金魚は、三枚に下ろせるぐらいに大きくなったが、金魚鉢の大きさに合わせるみたいに十㎝ほどで成長を止めた。順平が近づくと寄ってくる。スイッチを切った犬型ロボットのコロが部屋の隅に放置してある。突然パソコン(FMV)が起動した。録画予約がスタートしたのだろう。何を予約したか思い出せない。コルタナが起動した。Windows10から導入された音声認識機能付きのア...連載小説「Q」第二部2
2020/05/31 05:36