コバルト文庫、星子ひとり旅シリーズのss置き場。基本的に宙太×星子です。Yahoo!ブログからお引越してきました。
*被害者は小綺麗なマンションの一室で息絶えていた。直接の死因は扼殺だが、被害者の身体には性的暴行の他にも無数の防御創や打撲が残り、おそらく絶命の瞬間まで意識を失うことさえ許されなかったのだろう……見開いたままの瞳には壮絶な恐怖が張り付いていた。「ひでぇな」本庁へ戻る車でひとりごちると、助手席からいつになく荒れた声が返ってきた。「ああ。完全に愉しんでやがる……」吐き棄てるような口調は、旅先でみせる陽気で...
「おつかれさん」資料室に入ると、聞き慣れた、けれど少しだけ懐かしい声がオレを出迎えた。資料室のモニターを占拠して、借りだしてきた大量の東京駅の監視カメラの映像を眺めている人物に返事を返す。「あんたもな。今日はもういいんじゃないのか。休暇中だろ」それもはるばるニューヨークからの一時帰国だ。「さっさと星子さん誘ってデートでもどこでも行ってろよ」「誘いましたとも。でも本日は残念ながらリツコさんと先約があ...
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