昔の、19世紀に書かれた小説を読む。メルヴィルの『白鯨』。何年かぶりの再読になる。訳は昭和27年と相当古い。知らない言い回し、わからない言葉も多く出てくる。辞書を引き引きの読書になる。 辞書を引く。最近新調したヤツだ。今のスマホやネットが発達した時代に時代錯誤の行為といわれるかもしれない。だって、わからない言葉があれば、スマホのカメラで撮って、文字列を囲えば簡単に検索できる。読み方がわからなくても大丈夫なのだ。それでも紙の辞書を引くんだ。酔狂である。 辞書を引くという動きが好いんだ。年齢のせいか、調べてもすぐに忘れてしまって、また同じ語を引くなんてもこともざらだ。でも、また辞書を引く機会を持て…