河童忌や緑は揺れれどきみは来ず古池やひなたに河童胡瓜の香神田川、河童となりてクワァクワァア梅雨明けや河童ベッドか地の下か捌かれし河童まわりくる皿乾き
何待つか忘れるほどの朧月朧月モノクロドレス頬のごと朧月一夜おぼろの夢のなか朧月盃をゆらし渡りけりあの夜の肌を触れるごと朧月
ヒールの汗も冷えている春驟雨春驟雨セレナーデから泡の夢一日すべて星に沁む春驟雨ポツポツ天がひとりごと春驟雨春驟雨歩道の花なまめかしく
名忘れし勿忘草に空があり勿忘草ブルードレスとすれ違い勿忘草花弁濡らして声聞こえ唇に勿忘草をうつしとり勿忘草夢とからだを染めにけり
影ノワールのあざやかさ四月尽パステルが都市に染みこみ四月尽四月尽青が星を満たしけり天透けて背に地ひんやり四月尽四月尽天ガサッとめくれ目覚めけり
花時やピンクの風が足染めて花時やいのちあつめ一気に果てぬ花時を駈けぬけていく娘かな花時や天をレースがおおいけり振りむけば落ちていく夕花時や
春光や天のひらよりあふれけり春光を子午線はまっすぐ青し春光の大路にいでし赤ヒール春光や銀を降らせ満たしたり春光や波ときみ踏む星の音
洗う骨青きほそさや啄木忌啄木忌厠も海も裾濡らしふるさとは忘れ去るもの啄木忌ふるさともキムチも寒し啄木忌恋の染み干せど乾かず啄木忌あわれあわれなれもあわれ啄木忌
あたたかさゆるりとまるくさくらもちさくらもち噛みてまた来る季節知るショールの香のかすかありさくらもちさくらもちまだ残る手の柔らかささくらもち耳たぶの味夜明けかな
藤の花身まかせたまま散りにけり頬に藤昨夜の髪のやわらかさ水面の藤乱れおり夜雨過ぐや金の尾の水を打ち藤乱れたり老いし身の思いだす夜の藤の艶
陰は濡れ色乱れたり白躑躅躑躅水面よりゆらゆら消える目閉ず躑躅降りつづけて万華鏡どこまでも赤の躑躅に埋もれ寝る林檎飴躑躅にほそく透きとおり
ひらに光のみ残れり放哉忌あたたかき石のやさしき放哉忌ひとなき道を引かれ行き放哉忌放哉忌魂は青に染められたし放哉忌口を閉ざしてまた一日
春昼の陽のたかさで揺れる夢ひかり降る万華鏡の春昼や額に空の粒春昼のキス青い絹人みな纏う春昼や春昼やひらに蕾のあたたかさ
雲のなか鳥まるくなる霞草霞草俯く顔をかくしけり霞草天と地星が揺れており霞草ひかりにキラキラ川に入り綿飴のごと霞草が駆けてくる
春夕や紅変えコート裾軽し春夕魚の目の奥はまだ青フラミンゴ空燃やしたり春夕や春夕やバス手すり我染まりけり春夕やオリーブのごと沈みゆき
月朧河かすむなか渡るかな月朧紅に触れたり野芥子原月朧襟もと頰にあたたかく果実切る黄色の袖や月朧月朧ゆられしうちにひとりなり
春霰遠きより母聞こえたり知らぬバス飛びのり屋根に春霰春霰口をあふれるポップコーン春霰パラパラだけがきこえおり春霰地を磨りガラスおおいたり
日めくりに果実の香あり夢見月夢見月川面も空も青に透けスカートの組んだ素足や夢見月夢見月ショールにひかり積もりたり夢見月ヒール鳴る道露ひかる
朝の地は枝垂桜で濡れておりまだ生きむ枝垂桜の肌触り頰枝垂桜に染めて走り来る枝垂桜雫を淡く染めにけりくぐりゆく枝垂桜の万華鏡
花冷えや地をおおいたる天の銀花冷えや肘窩に刺さる指ピンク射手座とのぼりきみ見たし花冷えに口合わせ移しとるきみの花冷え目も指も言葉も透けり花冷えや
春雷朝の雫の蕾かな春雷やひかり天に満ちあふれ春雷や足は聞こえず赤い傘春雷地にひびき紅はうすくひく春雷や今朝の化粧ながしさり
春衣空を羽織りて魂透けて大路を浮きながれ春衣静かなり春衣背と胸まるく触れ銀の風春衣触れし指は千切れながれ行き春衣脚おおきくひらき星駆ける
神触れし木の芽はひかり溢れさせ木の芽夢が沁みプリズムの朝子のスカートまわり木の芽ロンドの輪木の芽落つ思い晒され朝の青生きんかな着飾った朝の木の芽喰む
花の陰きみのまるみの藍残る花の陰消えしひと待ち地にキスす花の陰地のさらさらに頰かさね花の陰夜にくぐりて身透けいく既に無きひとの色なり花の陰
春嵐グリーンドレスが駈けぬける天の声聞こえぬ日あり春嵐 枯れた身に色振り撒いて春嵐春嵐バス待ちならぶコートの背春嵐舌から舌へ花弁かな
春雨や脚までピンクおおわれて春雨や時のつめたさ僧おおいちょっと待ってブラウスの蔭も春雨傘は過ぎテーブル春雨の青に春雨や銀の簾の揺れる朝
行きつ戻りつ時を待つ春の宵春の宵声まで甘い色を帯び春の宵袖にヴィトンかすかなり春の宵過ぎし紅ワインの香ありかなしむ生きる見分けれぬ春の宵
そよ風に寝息さらさら清明や清明や子オバーの歯で噛めるかな屈原の歳指足らぬ清明や清明や祖父ちまき二本ポッケ入れ天地青肌いろいろの清明や
蜃気楼あおい蜜のシャングリラ蜃気楼砂と空コバルトに舞い蜃気楼あたたかユーラシアの風篆刻文字の船浮かぶ蜃気楼オレンジ屋根に眠りけり蜃気楼(2021.04.02)
若芽はや窓に金銀綾揺らす若芽と伸び比べ娘つまさきで西国へ若芽金の羽広げたり紅すぼめ天にキスする若芽かな若芽星色染まり紅の朝
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河童忌や緑は揺れれどきみは来ず古池やひなたに河童胡瓜の香神田川、河童となりてクワァクワァア梅雨明けや河童ベッドか地の下か捌かれし河童まわりくる皿乾き
春を噛むきみのからだのあたたかさ ブラウスのブルー春の波池の端 天の雲、ぼたもちの色のこりおり 昼も夜も天をわけつつ春すすむ 春の襟、濡れた昨夜のかおりあり …
言の葉のいざなうままに枯れゆかむ愛しさに泡を流しつ泡となり日に月に未生の時のひかりかな先に行く囁き夜空揺らしけり月のごと白腕落ちて眠りたり
マント蹴りヒール響かすソラミゾレバスを待つマントのなかで長いキスマント羽織れば白鳥座渡りゆく焼き芋をマントくるんでホッホッホマントくるまり凍る星抱いている
舞う銀杏バイクが時を疾走す銀杏葉の音なく降りて振りかえる舌のうえ秋の香りの重なりてひと色に銀杏天地を染めにけりランドセル銀杏とびだしハメハメハ
見あげれば頬を銀杏滑りおつ銀杏落つ裾揺らしゆく風は金銀杏さらさら子等の背でささやけり雨に濡れ銀杏音なく息を吐く銀杏舞来て二枚噛む明日かおる
空さきて振りくる銀に時は無し銀杏ながれゆく先の闇に娘立つ泣きたしと金の銀杏の川に立つ都市のアスファルト銀杏の裏表夜の水銀杏ときみをながしゆく
イースターわたしどれから生まれたのイースターいのち受けとる手いろいろイースター額の印うれしけりイースターびっしょり濡れきみを抱くスカートをイースター卵右左
からだの隅に塩かおる四月尽四月尽時をパレットで擦り付けるきみの白ワンピース溶かす四月尽地の渇き天へのぼりゆく四月尽四月尽ガサッと空をめくりたり
夏雨や赤花濡れてすれちがう夏雨やいくところなしドガの白夏の雨我と黒石濡れており靴音なき道迷いけり夏の雨夏雨や星と我かなし動悸する
衣更脱いで脱いでもきみは空唇あふれるシャツを干す衣更葬儀の熱のこりきみと衣更 キスするところすこし残る衣更パステルの襟キラキラと衣更
葉桜の色が満たしたバスに乗り葉桜ゆらしあゆみくる夏しずか葉桜擦れすれる衣きみに触れたり青い指さき触れていく葉桜や一夜にて身は葉桜に染まりたり
息とめる地ひかりあふれ立夏かな立夏ひらにあるれるブルーを握りしめ立夏目に天のパステルふりそそぎブルーとピンク立夏アイス並び溶け立夏絹のキスでまだいかんかな
季かわり天張り替える春の雷春雷や花弁それぞれ濡れている春雷に鎮まり揃って首あげる春の雷浅緑の地につきささり春雷やカーテン肩を隠したり
何待つか忘れるほどの朧月朧月モノクロドレス頬のごと朧月一夜おぼろの夢のなか朧月盃をゆらし渡りけりあの夜の肌を触れるごと朧月
ヒールの汗も冷えている春驟雨春驟雨セレナーデから泡の夢一日すべて星に沁む春驟雨ポツポツ天がひとりごと春驟雨春驟雨歩道の花なまめかしく
名忘れし勿忘草に空があり勿忘草ブルードレスとすれ違い勿忘草花弁濡らして声聞こえ唇に勿忘草をうつしとり勿忘草夢とからだを染めにけり
影ノワールのあざやかさ四月尽パステルが都市に染みこみ四月尽四月尽青が星を満たしけり天透けて背に地ひんやり四月尽四月尽天ガサッとめくれ目覚めけり
花時やピンクの風が足染めて花時やいのちあつめ一気に果てぬ花時を駈けぬけていく娘かな花時や天をレースがおおいけり振りむけば落ちていく夕花時や
春光や天のひらよりあふれけり春光を子午線はまっすぐ青し春光の大路にいでし赤ヒール春光や銀を降らせ満たしたり春光や波ときみ踏む星の音