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2017/11/17

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  • 172

    12月に入り急に寒くなってきた。つくしは祖母に貰ったマフラーを首に巻き大学へ向かった。類は九州出張へ行ってから本社へ顔を出すことが増えた。丁度ワイン商戦に入り、一通りの流れを見る目的だ。もちろん学業優先だが、それでも2限や3限で終わる時は、その後会社へ向かう事も多い。その為、類は花沢に泊まって欲しいというのだが、つくしは仕事で疲れる類の邪魔はしたくないという思いから断っている。なぜなら泊まると必ず...

  • 171

    花沢邸に戻った二人は、すぐに夕食を取る。「牧野。 今度の金曜日から二泊三日で九州に出張なんだけど、茶道の稽古が終わったらここに泊まらない?土曜日にゆっくり帰るとかさ。」「大丈夫だよ。 翌日休みだから多少夜更かししても大丈夫だし。それよりいつもありがとう。 こうして泊まらせてもらって食事までごちそうになって。」「いや。 でも頑張りすぎるなよ。 先は長いんだしたまには休んだって良いんだから。それにチー...

  • 170

    後期授業が始まり、一か月が過ぎた10月中旬、学園内は学園祭の準備が進められていた。そんな中、どうしても去年の学園祭の話題がチラホラ聞こえてくる。『F4が来られたのは牧野さんを見る為?』『あんな悪条件でも牧野さんが棄権しなかったのは、審査員を買収していたからじゃない?』『その割に優勝じゃなかったでしょう?』『でも特別賞を貰っていたじゃない?』『じゃあ今年も牧野さんが出場すればF4が来る?』チラチラとつく...

  • 169

    4人は個室レストランへ向かった。そこで食事をしながらフランスの話に花が咲く。「凄い家でね。 お城だよ! お城!」「確かに城だな。 日本の家は純和風なのにな。」「うん。 ギャップが凄いよね。 でね、そこで毎日お花を生けてね。使用人さんも初めて見る生け花を喜んでくださって、毎回ちょっとした講習会のような感じだった。」「講習会って、お前フランス語話せるのか?」「一応、一年半ほど大学で習っているし、後は身...

  • 168 第九章

    もうすぐ夏休みも終わりという頃、類とつくしは美作邸へ向かった。あきら経由で社交ダンスのレッスンを頼み了承してもらった。今回はそのお礼とレッスン日などの打ち合わせの為だ。「こんにちは。」「いらっしゃい。 類君。 牧野さん。 どうぞあがって。」「お邪魔します。」二人はリビングに行くと、あきらはまだしも総二郎までいた。「よっ!」「久しぶり。 お二人さん。」「総二郎まで、、、。」「俺も先週は忙しくてな。 ...

  • 167

    明るい光が差し込み、つくしは目元を手で覆う。と同時に全身がかなりだるい事が分かる。目元に置いた手も二の腕が筋肉痛のように痛い。「眩しい? カーテン閉めようか?」「ううん。 もう何時だろう?」「9時頃かな?」「9時、、、。」つくしは昨夜の事を思い出す。つい彼女に負けたくないという気持ちから大胆になっていた。それが自然に類との勝負のような形になって、、、。最後どうなったのか覚えていないという事は、あた...

  • 166

    シャワールームに入った二人。一人用シャワールームだから当然狭い。電気はつけていないが外の明かりが入り込み、それなりに互いの体が見える。「やっぱり狭い。」「まあ、体を洗うだけだから。 あっ、シャンプーもする?」「うん。」つくしは振り返ることが出来ずシャワー方面を向いたままだ。その後ろに類がいる。「シャワーかけるよ?」「うん。」つくしの体、そして頭にシャワーをかける。「シャンプーしてあげるよ。」「あり...

  • 165

    つくしと類は向かい合って夕食を食べている。ブドウ畑では長い長いキスの後、類の手がつくしの服の下に伸びそうになったところでハタと我に返った。このままではソフィアの想像通りになる。ここにはレジャーシートが無いし、芝生の上に寝かせる事も躊躇われるため我慢した。そしてしばらくブドウ畑を眺めた後、別荘に戻りこうして夕食となった。「ブドウジュースもあって助かった。 ワインは飲めないけどあのブドウの味は楽しみた...

  • 164

    別荘に着いた二人。すると別荘からピエトロの妻のソフィアが出てきた。『いらっしゃいませ。 あらっ、その方が類様の彼女ですか?凄く可愛らしい方ですねぇ。』『ありがとう。 名前は牧野つくし。 これからもよろしくお願いする。』『もちろんです。』ソフィアはつくしと握手しながら挨拶をする。もちろんイタリア語の為、つくしは分からないのだが手は離さないし言葉も止まらない為、リアクションに困る。それを止めたのはピエ...

  • 163

    終末になり、類とつくしはイタリアへ向かう。高速鉄道での移動も考えたが、片道7時間半ほどかかる事から断念し、飛行機にした。空港から別荘を管理しているピエトロの車で、トスカーナへ向かう。『類様にそのような可愛い彼女がいたとは全く知りませんでしたよ。イタリアは良いところですよぉ。トスカーナに直行するのは止めて、どこか観光地を案内しましょうか?』車に乗った途端、ウキウキと話し始めるピエトロに類は苦笑いだ。...

  • 162

    「確かに類は優しいです。それに凄く気が利くし、あたしには勿体ない人です。会社もかなり大きいですし頑張って類を支えていけたらと思っています。」「その意気込みは大切よ。 その為に何か習い事はしているのかしら?」「いえ。 特には。」すると静は口角を上げる。どこかバカにしたような見下したような視線を送りながら。「花沢物産はここフランスでも有名な会社なの。こうした軽い集まりではなく、政治家が出席するような重...

  • 161

    類はスーツ、つくしはワンピースでパーティーへ向かった。初めての事につくしはドキドキだ。麗からは笑顔で類にくっついていればいいと言われ、会場へ向かう車中でも笑顔を貼り付けた。それを見た類はプッと吹き出す。「あんた、なんでニヤニヤしてんのさ。」「いや、ニヤニヤじゃなくて微笑みよ! スマイル!」「どう見てもニタニタ顔! それ不気味がられる! いつも通りで良いから。」「うん。 でも緊張して顔が強張りそう。...

  • 160

    つくしは類と共に庭に出てエントランスに飾る花を選ぶ。広い庭の周囲は木で覆われ、花壇には色とりどりの花が咲いている。その中から数種類選ぶと階段下の台の上に置かれた花器に生ける。昔、麗が使っていたらしいが、ここ何年も花瓶に飾るぐらいで生け花をしていない。その為、使用人達が珍しそうにつくしが生ける姿を見る。出来上がった物は気品が感じられ、花瓶とは違った姿を見せる。『凄いですね。 まるで絵のような。』『こ...

  • 159

    いつの間にかガッツリ眠っていたつくしは、キャビンアテンダントの遠慮がちな声で起きた。隣には類がまだ寝ている。「あっ///。 すみません。 類! 起きて! もうすぐ着くから。」「ん? ご飯じゃない?」食事が二回も出ることにつくしは喜ぶ。「顔洗ってくるから、類も自分の席へ行って?」「ん。」類がのろのろと自分の席に戻るのを見て、つくしは顔を洗いに行った。そして二回目の食事も思った通りとても美味しい。その上...

  • 158 第八章

    8月末。つくしは麗と類と共にフランスへ旅立った。麗と夜遅くまで話していた時に、フランスの街並みに魅力を感じた。それに海外旅行のノウハウを教えてもらえること。麗自身がその期間は比較的時間に余裕があり、日中一緒に居られる事。丁度、慈善事業の集まりがあり、顔を出すだけの簡単な物だから類とどうか?と初心者向きのパーティーがある事。そして何より、祖母の気持ちを尊重したかった。自由に自分の道を進みなさい!私た...

  • 157

    突然、麗の口から『ヨーロッパに行ってみない?』という言葉が出て二人は驚く。「もう知ってると思うけど花沢はヨーロッパと日本で仕事をしているわ。類君との結婚を視野に入れているなら、そこがどんなところか見ておくことも大切だと思うの。現に私はずっとフランスかイタリアに住んでいるわ。仕事は主人任せだけどパーティーは夫婦同伴が決まりなのよ。パーティーと言ってもピンキリでちょっと顔を出し主催者に挨拶するだけ物も...

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