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  • 「絵本戦争」 堂本かおる

    「絵本戦争禁書されるアメリカの未来」(堂本かおる著2025年2月太田出版194p)を読みました。今、アメリカで絵本戦争が起こっているらしい。絵本ばかりではなく児童書も、ヤングアダルトも。禁書運動が起こっているのだ。ニューヨーク在住の著者によるこの本はどんな絵本が禁書になっているのかを一冊一冊丁寧に紹介している。禁書派の主張は「親が読ませたくないと思う本」を学校の図書館から除いてほしいというものだ。親が読ませたくない本というのは、主に白人の子どもが「まだ知らなくてもいい」内容の本だという。黒人がどのようにしてアメリカに連れて来られ現在もどれだけの不利益を被っているか同じようにLCBTQ性教育闘う女性障害者ヒスパニックアジア系イスラム教徒先住民……あの「ゆきのひ」(偕成社)も「くまのコールテンくん」(偕成社)...「絵本戦争」堂本かおる

  • 「死はすぐそばに」 ホロヴィッツ

    「死はすぐそばに」(ホロヴィッツ著2024年9月東京創元社487p)を読みました。「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズの新作です。元警察官で今は私立探偵をしているホーソーンに作家のホロヴィッツが同行して事件解決の顛末を取材して「書く」といういつものスタイルとは違う。事件は5年前に起こったものでホーソーンは資料を小出しに届けて来るだけで姿を現さない。なぜ?この事件の時はホーソーンと同じように警察を辞めたダドリーが助手をしていたという。密かに対抗心を持つホロヴィッツ。ホーソーンはダドリーのこととなると口を噤む。なぜ?事件そのものは密室殺人だ。中庭を囲んで数軒の家が建つリバービュー・クロースで殺人が起こる。リバービュー・クロースの入り口は電動門扉で外から人が入って来れないようになっている。(密室)新参者で傍若無...「死はすぐそばに」ホロヴィッツ

  • 「にぎやかな落日」 朝倉かすみ

    「よむよむかたる」の朝倉かすみさんの「にぎやかな落日」(朝倉かすみ著2021年4月光文社240p)を読みました。主人公は83歳のおもちさん名前はもち子夫は施設に入っていておもちさんは、ひとり暮らし。近くに息子一家が住んでいて息子の妻のトモちゃんが週に2度ほど顔を出す。東京に住む娘は朝晩2度電話をくれる。おもちさんの記憶はうっすらとしていて面倒なことは、後でいいかと思ってしまう。訪問看護師に糖尿病だから甘いものを食べてはいけないと言われても毎日アイスは欠かさないしお取り寄せのカステラも食べる。(食事記録には不記載)そんなおもちさんの「語り」で物語は進む。とびとびの記憶の日々でもおもちさんの感性は健在だ。娘のちょっとした言葉にかっとなり茶のみ仲間の一言に悪意を感じる。ちょっとした自分の言葉に娘が驚愕の表情をす...「にぎやかな落日」朝倉かすみ

  • 「カフネ」 阿部暁子

    本屋大賞の「カフネ」(阿部暁子著20245月講談社302p)を読みました。読んでいたら「本屋大賞」になってしまった。ひとことで言うと上手い◯バディもの(が面白くないはずはない)法務局に勤める41才の薫子と(ここ数年不妊治療をしているが成功せずそうしているうちに夫から離婚を切り出され少し前に弟が死ぬという出来事があった)と、家事代行を仕事にしている29才のせつな(薫子の弟の別れた恋人)はあることをきっかけにペアを組んでボランティアの家事代行をするようになる。◯家事代行ボランティアの行く先が(水戸黄門スタイル)現代の問題を反映している。ひとり子育て育児放棄認知症の家族の介護……◯主人公の不安定さに目が離せなくなる。不妊治療に成功しなかったためか街中で子どもを見かけると誘拐妄想がふくらむ。夫に出て行かれたことで...「カフネ」阿部暁子

  • 「酒を主食とする人々」 高野秀行

    「酒を主食とする人々エチオピアの科学的秘境を旅する」(高野秀行著2025年1月本の雑誌社275p)を読みました。酒を主食とする人々がいるという。朝食も、夕食も酒、ティータイムも酒大人も、子どもも(表紙写真)、妊婦も酒を飲むって本当?かどうか確かめる旅に出る高野さん。(高野さんの旅なら面白くないはずはない)本当に食事のように酒を飲むのかを確かめるには滞在するしかない。(今回はテレビ番組のためのロケ)最初に滞在したのはコンソという地域のマチャロ村村は石垣に囲まれ、門から入る仕組みうねうねとした道も石で畳まれている。(ゴツゴツして歩きにくい)家は丸い壁に円錐状の屋根が掛かった椎茸のような形のものが数棟で一家族分になっている。村には木のポールが10本あり18年毎に一本立てるというからこの村の歴史は180年ほどにな...「酒を主食とする人々」高野秀行

  • 「謎の香りはパン屋から」 土屋うさぎ

    このミステリーがすごい!大賞の「謎の香りはパン屋から」(土屋うさぎ著2025年1月宝島社253p)を読みました。パン屋漫画家Vチューバー甲子園を目指す野球部員幼なじみと美味しい素材満載(著者は実際に漫画家アシスタント)日常のちょっとした違和感を漫画家志望の主人公の大学生・小春が解いていく連作短編集です。一緒に推しの出る舞台を映画館で観ようと約束したのにドタキャンされたのはなぜ?バイト仲間がフランスパンにクープ(切れ込み)を入れる作業が出来なくなったのはなぜ?幼なじみの野球部員の持つマスコットを少女がコーヒー浸しにしたのはなぜ?……という少女漫画のような話に気を取られていると著者の伏線に足を取られる。描いた漫画の主人公の眼帯がページによって右になったり左になったりしていることを編集者に指摘されるソフトボール...「謎の香りはパン屋から」土屋うさぎ

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