chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 勝手にベスト10 ③

    今年読んだ170冊ほどの中から勝手にベスト10を選んでみました。順位はありません。7冊目は「分水嶺ドキュメントコロナ対策専門家会議」(河合香織著2021年4月岩波書店刊)「コロナ対策専門家会議」の立ち上げから解散までが書かれている。尾見会長は、オリンピックを「普通なら、やらない」と発言した。言わなければいいのにと思う人も多いだろう。(まして、身内や友人、知人は)尾見会長は、敢えて言っていたのだ。2020年2月「国から頼まれもしないのに専門家独自で見解を発表したり、会見をするなんて普通はやらないわけです。だが、我々は政府に嫌われてもなお、ルビコン川を渡ろうと思った」(尾見)(ルビコン川を渡るーもう後戻りはできないという覚悟のもと、重大な決断や行動を起こすこと)このころクルーズ船で感染が起こっていた。専門家会議は「...勝手にベスト10③

  • 勝手にベスト10 ②

    今年読んだ170冊ほどの中から勝手にベスト10を選んでみました。順位はありません。4冊目は「ペンダーウィックの四姉妹」シリーズの第4巻「春の嵐」(バーズオール著2020年6月小峰書店刊)第3巻から6年後この巻の主人公は11歳になった四姉妹の末っ子(だった)バティ。8歳になったベンはバティの弟になりさらにリディア(2歳)が生まれてペンダーウィック家は8人家族になっている。バティの母代わりだった長女のロザリンドは大学生になって家を出、二女のスカイと三女のジェーンは高校生になった。背中に蝶の羽を背負っていた内気なバティは11歳になった今も、ひどく内気だ。音楽の先生に声を褒められて正式なレッスンを受けるように勧められて(もう、ピアノのレッスンは受けているしペンダーウイック家は、なかなか生活が苦しいのでこれ以上のレッスン...勝手にベスト10②

  • 勝手にベスト10 ①

    今年読んだ170冊ほどの中から(読んだ本は手帖に記録しているのですが題名だけは思い出せないので表紙写真もプリントして貼ってある)強く記憶に残った10冊を選びました。順位はありません。1冊目は直木賞候補にもなった「黒牢城」(米澤穂信著2021年6月角川書店刊)青春モノからスタートした米澤さんが時代小説とはと、ちょっと感慨深い。謎解きとしても、時代小説としても、心理ドラマとしても一級の作品(だと思う)登場人物は荒木村重と黒田官兵衛(しばらく前の大河ドラマの俳優の顔が浮かぶ…)荒木村重は信長の家臣だったが信長に反旗を翻して、有岡城に篭城した。毛利から援軍が来るのを待って籠城し続ける村重を説得するための使者として来たのが黒田官兵衛。村重はその官兵衛を城の地下牢に幽閉してしまう。そして、村重と言えば城も家臣も置き去りにし...勝手にベスト10①

  • 「木」から辿る人類史

    雪は休み休み降っています。「「木」から辿る人類史ヒトの進化と繁栄の秘密に迫る」(エノス著2021年9月NHK出版刊)を読みました。森林を破壊→地球温暖化という式が定着している今だからこそ木とヒトとの歴史を見直そうという著者の知識を詰め込んだ一冊このページ数では足りないと思われる情報量が詰め込まれている。え、そうだったのと思わせられることばかり。ご先祖様は木の上に、枝で巣を組んで眠っていた。夜に狩りをするケモノから身を守るために。(長い睡眠はヒトの脳を大きくした)それなのに、なぜヒトは地上暮らしをするようになったのか?それは、「木」を火で燃やすことによってケモノが近づいて来なくなることを知ったからだ。木の上では火を燃やすことはできない。ヒトは石を拾って「道具」として使いやがて加工して石器を作るようになった……拾っ...「木」から辿る人類史

  • 剛心

    どうやら根雪になったもよう。「剛心」(木内昇著2021年11月集英社刊)を読みました。地味目な表紙地味なタイトルこれは、自信があるのだな、とお見受けしました。(剛心ー建物の、強さの中心のことをいう建物には重さの中心としての「重心」があるが、それとは別に地震に耐えようとする強さの中心点を「剛心」と呼ぶ)主人公の妻木は旗本の子だったが、幼いころ父を亡くしつましく暮らしながら育ててくれた母と、姉も亡くし親類に頼って成人した後(ちょうど明治維新)日本がつまらなくなったと家屋敷を売って、貨物船でアメリカに渡ってアルバイト暮らしをしていた時に在米留学生の監督役だった目賀田に見出され日本に帰って、日本語で基礎から建築を学ぶように諭される。工部大学校造家学科(のちの東大建築学科)に入学するがつまらなくなったと、卒業の1年前に退...剛心

  • かぐや姫、物語を書きかえろ!

    「かぐや姫、物語を書きかえろ!」(雀野日名子著2021年11月河出書房新社刊)を読みました。ライトノベルかなと思って読みはじめたらすごい歯応え。「男」の物語として物語を整理しようとする物語の神と物語の中で転生し続ける2人の少女・さよとごうが竹取物語源氏物語平家物語忠臣蔵舞姫(森鴎外)蟹工船(小林多喜二)を書き換えていく。「源氏物語」の書き手は女だし、たぶん読み手の多くも女であったはずだ。それなのに雨夜の品定めでは、男たちはさんざんに女たちをこき下ろし末摘花は醜女だということで人げない扱いをされる。読者の投稿(噂話)に敏感であった紫式部は少女の若紫を拉致して、自分好みに教育しようとする光源氏に対する読者の「気持ち悪い」という評判を耳にする。(作中ではごうは目をつけた女のもとに忍んで行っては一夜を過ごした後に悪口を...かぐや姫、物語を書きかえろ!

  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2

    道に、雪がとけ残っています。「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(ブレイディみかこ著2021年9月新潮社刊)の第2巻を読みました。イギリスのブライトンでアイルランド人のブルーカラーの夫と中学生の息子と暮らしている著者(日本人)が月に一度、雑誌「波」に書いたイギリスだより(子育ての配分多め)です。第1巻より成長した「息子」の言葉が印象的だ。リサイクルをするために外に出しておいたものを鉄屑集めの移民の一家が貰って行くようになって配偶者は、大事にとっておいた息子のベビー服をあげた。もうすぐ赤ん坊が生まれると聞いたからだ。しばらくして移民の青年は律儀にベビー服を返しに来る。赤ん坊は死産だったと言うのだ。ぽつんと息子が言う。「リサイクリングが逆流して戻ってきちゃったね」担任に推薦されて学年委員に応募した息子の部...ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2

  • 7.5グラムの奇跡

    朝、玄関を開けたら一面の雪景色。「7.5グラムの奇跡」(砥上裕将著2021年10月講談社刊)を読みました。「線は、僕を描く」でデビューした水墨画家でもある著者の第2作です。今度は眼科モノ。眼科モノかぁ………と、ちょっとためらっていたけれど(目弱・めよわ者なので)新聞の書評欄でおススメされていたので、思い切って読んでみました。相手の瞳を覗き込んでしまう癖(職業病?)のある野宮は新人の視能訓練士(眼科の検査などをする人)まだまだ半人前だ。野宮の周囲にいるのは医師の北見先輩視能訓練士の広瀬看護師の剛田、丘本……彼らが一緒に、患者の謎を解く物語です。(症状を手がかりに病名を診断するということが既に謎解きなのかもしれない)短編集ですが中でも「夜の虹」がいい。30代前半の患者・門村は緑内障だが、あまり治療には積極的ではない...7.5グラムの奇跡

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、ゆらゆら荘にて さんをフォローしませんか?

ハンドル名
ゆらゆら荘にて さん
ブログタイトル
ゆらゆら荘にて
フォロー
ゆらゆら荘にて

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用