主に純文学小説を最近は載せています。
連載的でもありますが、大体読みきり作品(一話で完結的な意味を持つ)が多いです。
18歳の彼は受話器を手に取り、”向こう側”にいる相手に向かって言った。 「ねえ、ぼくは近くに感じている。ぼくは今、此処にいるけれども、ぼくはぼくの行方を知らないんだ。ぼくの知っているぼくじゃないよね。ぼくは天国という場所をいつも夢想していた。そしてぼくは見つけた。実にさっぱりとした場所さ。だれもいないんだ…。でもぼくは知ってるんだ。ぼくはぼくに再会する道を、ただただひたすらに独りで歩いてゆくんだってことを。だからぼくの心はとても興奮していて、わくわくドキドキしている。ずっとずっと真っ直ぐに歩いてゆくんだけどさ、公衆電話を見つけて、ふとぼくはきみを想い出したんだ。電話をかけても、きみは出なかった…
ヨォ、久し振りじゃァねえか。 …嗚呼,なんだ、お前か。 久々に会ったってえのによぉ、そりゃネエゼ。 …それもそうだな。まあ座れよ。 言われなくとも俺は此処に座ろうと想ってたさ。 それにしても、久し振りだね。 オイオイ,お前なんだよ、そのツラ…いつにも増して… 人質に捕られたラタンの壺みてえな顔か。 そうよ…。 ハハ…それもそうさ。 何を操作した? …ん?俺だよ…。 お前…大丈夫かよ。ところでお前、それ美味そうな奴、何飲んでんだ? 嗚呼,これか、これはブランデーとコーヒーと豆乳と沖縄の黒糖を混ぜたものさ。 お、そりゃ美味そうじゃねえかょ。一つ俺にも注文してくれよ。 良いぜ、俺が作ってやる。 なん…
君は行きたい処はないの? Is there anywhere you want to go?ぼくは此処にいたい。 I want to stay here.此処はとても酷い地獄だけれど、それでも良いの? It's a hell of a place, but is that okay?…ぼくは知ってるさ。 ...I know.君はずっとずっと苦しんできたね。 I know you've suffered a lot.ぼくは幸福な時もあった。 I've been happy at times.君は幸福を知り、悲しみを知った。 You've known happiness and you've kn…
僕らはついに遣ってしまったんだ。何を?見境なく、あの、史上最高の未確認飛行物体を、撃ち落としてやったのさ。メラメラ燃えて、眩しかったぜ、アイツ。藁にもすがる思いで這いずってきやがって、しこたまこちとらBackdrop決めて彼奴は。どうした?死んだよ。お前、まさか、死んだのか。死ぬことないだろうに。お前が遣ったんだろ。僕らはついに遣ってしまったんだ。何を?昨夜むくんでた足を切り落としてやったんだ。誰の?俺の。俺の足は踊って言った。『もうじき春だなあ。』俺は言ってやった。「お前、頭可笑しいんじゃねえのお?」あいつは楽しげに笑いながら海の方へ走ってって、そのうち、見えなくなった。俺は遣ってしまった。…
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