Can I Call You Tonight?
18歳の彼は受話器を手に取り、”向こう側”にいる相手に向かって言った。 「ねえ、ぼくは近くに感じている。ぼくは今、此処にいるけれども、ぼくはぼくの行方を知らないんだ。ぼくの知っているぼくじゃないよね。ぼくは天国という場所をいつも夢想していた。そしてぼくは見つけた。実にさっぱりとした場所さ。だれもいないんだ…。でもぼくは知ってるんだ。ぼくはぼくに再会する道を、ただただひたすらに独りで歩いてゆくんだってことを。だからぼくの心はとても興奮していて、わくわくドキドキしている。ずっとずっと真っ直ぐに歩いてゆくんだけどさ、公衆電話を見つけて、ふとぼくはきみを想い出したんだ。電話をかけても、きみは出なかった…
2022/01/30 22:37