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2016/10/28

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  • 『関東大震災と流言 水島爾保布 発禁版体験記を読む』前田恭二 編著 岩波ブックレット 感想

    あらすじ・概要 関東大震災で大きな被害を受けた東京。画家,文筆家であった水島爾保布は地震発生直後から、デマや流言に惑わされる人々の姿を書き残していた。災害による混乱、恐怖。そして朝鮮人や、朝鮮人に間違われた人たちの虐殺が発生する。関東大震災の一次資料を読み解く本。 流言と人間の善と悪の物語 関東大震災の一次資料、つまりは当時の人が書き連ねた文章を現代の学者が解説している本です。旧かな遣いで読みづらいですが。解説を読みながらであればなんとか理解できます。 関東大震災では、多くの朝鮮人が虐殺されました。この行為は、当時の倫理観としても残虐な行為であり、さまざまな文献で批判が残されています。 一方で…

  • 『青青の時代』山岸涼子 モーニングコミックス 感想

    あらすじ・概要 南の島に暮らす少女壱与は、気がふれているがときおり神がかりのようなものを示すばばさまと暮らしていた。ある日島に男たちがやってきて、壱与とばばさまは連れ去られてしまう。やってきたのは男性の王と「聞こえさま」と呼ばれる巫女が統治する伊都国だった。 倫理がないけど共感できる古代架空歴史 現代とまったく違う価値観の作品なのに、現代人である私も共感できるところがあり、面白かったです。歴史もので過去の時代の倫理のなさ、人権感覚のなさを描いた上でエンタメとして楽しめるものを書くのは難しいと思います。しかしそれに成功している漫画です。 主人公は壱与という、神がかりの力を持つ少女です。しかし彼女…

  • 『北欧女子オーサ、日本で恋をする』オーサ・イェークストロム KADOKAWA 感想

    あらすじ・概要 北欧からやってきたオタク漫画家、オーサは、日本でも恋愛をしてみたいと思う。しかし、日本の恋愛観はスウェーデンとはまったく違うものだった。告白や男性がおごるシステム、家族のあり方などを通して、スウェーデンと日本の性別に対する観念の違いを考える。 恋愛から見るスウェーデンと日本のジェンダー観の違い もっとふわふわした話題かと思いきや、スウェーデンと日本のジェンダー観について突っ込んだ話をしており、面白かったです。 日本よりジェンダー平等が進んだスウェーデンからやってきた著者は、日本の文化に衝撃を受けます。 男性がおごる文化や、離婚や破局に対する考え方の違い、告白の文化など、日本独自…

  • 『読んでもらえるnote術 大切な「最初の1か月」の取り組み方』ももんか KDP 感想

    あらすじ・概要 多くの人が集う作品投稿サイト、note。著者がそこで得たnoteにおける読んでもらう工夫を発信する。記事の中身のこと、アイキャッチのこと、スキ機能のことなど、初心者にもわかるnoteの使い方とは。 短めのnoteの使い方 あらためてnoteのことを知りたいと思って読みました。KDPだから短めですが、それでもためになりました。 特に面白かったのはサムネイルについての話です。需要がある記事を書きつつ、サムネイルのデザインで差別化します。私も他人のサムネイルを見てみようと思う内容でした。 パッと見てこの人の記事だとわかるもの、他のサムネイルとは違うものは目を引きます。第一印象って大事…

  • 『身内に(ヤ)がおりましてん。』カツヒロ BAMBOO ESSSY SELECTION 感想

    あらすじ・概要 著者、カツヒロのおじはヤクザだった。おじさんに溺愛されていた著者は、その過程でヤクザの世界を垣間見る。大阪を舞台に繰り広げられる、子どもから見たヤクザの暴力、犯罪、日常とは……。 シャレにならないアウトローの日常が面白い 面白かったですが問題作でもありました。著者はもうちょっと「おじさん」にひどい目に遭わされた人たちに同情してほしいです。 少年である著者のおじさんはヤクザ。著者を溺愛する一方、その生活には暴力がつきまといます。そして、薬物や詐欺、未成年の搾取も。 話としてはコミカルですが、シャレにならない話題ばかりで、笑っていいのか悩みます。 特に、家出少女が家の一室にゴロゴロ…

  • 岩波ブックレットのおすすめ本まとめ22選 労働問題・人権・メンタルヘルス

    今日の記事は、岩波ブックレットのおすすめ本です。 岩波ブックレットとは、岩波書店が出版しているA5サイズの小冊子です。時事問題や社会問題について、コンパクトにまとまった文章が読めます。 岩波ブックレットの中から、大まかにカテゴリ分けしつつ、 私が面白いと思ったものを紹介します。 労働 『非正規公務員という問題 問われる公共サービスのあり方』上村陽治 『官製ワーキングプアの女性たち あなたを支える人のリアル』竹信三恵子・戒能民江・瀬山紀子編 『介護職がいなくなる ケアの現場で何が起きているのか』結城康博 メンタルヘルス 『HSPブームの功罪を問う』飯村周平 『ギャンブル大国ニッポン』古川美穂 『…

  • 『叶えて! マジカル☆スター』6月 ノベルゲームコレクション 感想

    あらすじ・概要 わがまま放題のお姫様、ベガは父親が天帝の座を追いやられてからは地上で不満を抱えて生きてきた。ネガイを集めるために町へ出たベガは、そこで個性が豊かすぎる男性たちと出会う。 倫理がないヒロインがさらに倫理のない男たちに振り回される 逆ハーレム女性向けゲーム。主人公が周囲の登場人物にモテまくる作品です。 倫理がぶっ壊れたキャラクターしか出てこなくて笑ってしまいました。まず主人公がわがままモンスターなのでどうしようかと思いましたが、主人公以外のキャラクターも全員ヤバ男なので問題がなかったです。 こういうの、男女どちらかがヤバいと相手をする方がかわいそうになるので……。 わがまま放題で倫…

  • コミックエッセイ漫画家、細川貂々のおすすめ作品18選

    今回はコミックエッセイ漫画家、細川貂々のおすすめ作品をまとめました。 著者のコミックエッセイのファンなので、過去作を読み返しながら書きました。 お出かけ 『おでかけブック』 『日帰り旅行は電車に乗って 関西編』 『親子テツ』 ファッション・美容 『40歳から「キレイ」と「オシャレ」始めました』 『本当はずっとヤセたくて。 自分のために、できること』 趣味 『てんてん手帖』 『てんてんと歩くキモノみち 紬からはじめました』 『タカラヅカが好きすぎて』 家族のこと 『いろはにいぐあな』 『イグアナの嫁』 『びっくり妊娠なんとか出産』 『ツレはパパ1年生』 『親が子どもになるころに――てんてん、介護…

  • 『そして〈彼〉は〈彼女〉になった 安富教授と困った仲間たち』細川貂々 集英社 感想

    あらすじ・概要 女装の東大教授、安冨歩とその相棒である「ふーちゃん」。彼等には抑圧的な親に悩まされ、生きづらさを抱えていたという共通点があった。過去の恋愛や結婚についての違和感を乗り越えて、自分らしい生き方を獲得していくふたりを描いた作品。 こうあるべきという規範からの脱却 社会の「こうあるべき」という規範に悩まされ、少しずつ成長していく二人の姿が印象的でした。面白かったです。 ちょっと抑圧的な男性が突然女性の格好をするようになった……トランスジェンダーという言葉はちらっと出てくるだけで、どのくらい性自認が女性になったのかはよくわかりません。 ただ言えるのは、本人たちが居心地がいいと思えるのが…

  • 『ダンジョン飯』九井諒子 HARUTA COMIX 感想

    あらすじ・概要 ダンジョンで妹、ファリンを失ったライオスは、残ったパーティメンバーでファリンを回収し蘇生しようと試みる。しかし食料はなく、ダンジョンで自給自足することを迫られた。魔物オタクのライオスはダンジョンに住まう、魔物を調理、実食しながらダンジョンの深部へ向かう。 食べることは生きること、それは絶望ではない いい最終回だった! 完! で済ませたいところですが、詳しく感想を書いていきます。 最初はファンタジーあるある+グルメのコメディでしたが、ストーリーが進むにつれ世界観に深みが増していき、世界のなりたちに迫るというハイファンタジーになっていきます。 部隊はエルフやドワーフがいる『指輪物語…

  • 『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』河北新報社 文春文庫 感想

    あらすじ・概要 仙台に拠点を置くローカル新聞河北新報。2011年3月11日、会社を東日本大震災が襲う。自らも被災しながら、記者たちは被災者に情報を届けるために東北に散った。地震発生直後から、避難所での生活まで、記者たちの働きを描いたルポルタージュ。 自らも被災しながら避難所に情報を届ける記者たち とても重苦しい題材で、胸が痛むとともに、希望も感じる本でした。 東日本大震災では電気や通信網というインフラを失い、紙の新聞は被災者に需要がありました。避難所で被災者たちは新聞を奪うように読み、家族や友人の情報がないか探していました。 災害の規模が大きいため、ショッキングなニュースも多く、記者たちがどこ…

  • 『キラキラしてない駐在妻はアメリカでどう暮らしたのか(旅行編)』倉くらの KDP 感想

    あらすじ・概要 夫の駐在によってアメリカに移り住んだ著者。せっかくアメリカに来たのだから、アメリカでしか行けないところに行きたい。そう思った著者はアメリカの自然を楽しんだり、ディズニーリゾートを満喫したりする。旅の楽しさと苦労を描いたエッセイ。 駐在妻ディズニーリゾートへ行く 『キラキラしてない駐在妻はアメリカでどう暮らしたのか』の旅行編。せっかくアメリカに駐在しているのだから、アメリカにいるからこそできる旅行に行こうという話です。 前巻はアメリカでの暮らしの苦労や文化の差が主でした。 キラキラしてない駐在妻はアメリカでどう暮らしたのか (kuranoエッセイ) 作者:倉くらの Amazon …

  • 『さよなら、子ども虐待』細川貂々・今一生 創元社 感想

    あらすじ・概要 日本における子ども虐待は減ってはいない。子どものために何ができるのか。核家族化し、閉鎖的になる現代の家庭で、虐待を防ぐ対策について考える。親、子ども、地域社会が虐待をせず幸せに暮らせる世界を目指す。 まんがでわかる子ども虐待 コミックエッセイというより、著者が聞き手となって子ども虐待について学ぶ本です。ダイジェストではありますが、子ども虐待についてまとまっている本でした。 殴る、暴言を吐く、ネグレクトをするなど、わかりやすい虐待も多いですが、精神的な虐待は対応が難しく、問題も表面化しにくいです。 親が特定の進路を強いる教育虐待、ヤングケアラーの問題、子どもの価値観を否定してコン…

  • 『てんてん手帖』細川貂々 集英社 感想

    あらすじ・概要 漫画家、細川貂々はアンティークなもの、古いものが好き。古いものを作ったり売ったりしている店に行ったり、骨董市に出かけたり、縁起物を買ったり。自分のペースで古くてかわいいものを楽しむ姿を描く。 古くてかわいいものについて語る著者がかわいい アンティーク趣味について書かれたコミックエッセイです。かわいらしく、のんびり読める内容で面白かったです。 古いもの、ちょっと変わったものが好きという著者の思いに、共感できます。 物語を感じさせるのがいいんですよね。 セルロイド人形の話、古い小びんの話、縁起物の話など、普段なんとなく眺めているものを、詳しく知ることができるのはよかったです。 特に…

  • 『いろはにいぐあな』細川貂々 集英社

    あらすじ・概要 爬虫類、イグアナを飼っている著者夫婦。イグアナの面白エピソードや、飼育の苦労、イグアナとの交流をコミックエッセイに描く。イグアナを飼うことになった人たちの集まりや、あるあるについても語る。 珍しい動物を飼うということの面白さと功罪 打ち切り漫画だったせいか、ボリュームは少ないです。けれどもここでしか読めない情報も多くて面白かったです。 いかつくて怖いイグアナのかわいいところ、親しみやすいところは新鮮味があって楽しかったです。珍しい動物を飼っている人はなかなかいないので、新規性があります。 興味深かったのは、イグアナが好きな人たちが、最初からイグアナが好きだったわけではなく、なり…

  • 『夫が突然死にました』せせらぎ エムディーエムコーポレーション 感想

    あらすじ・概要 ある日突然夫が急死し、著者は子どもたちとともに取り残される。愛する人を失った悲しみに襲われ、シングルマザーとしての子育てに奔走する毎日を送る。泣いたり笑ったりする日の中で、家族の死と向き合っていく。 好きな人を失うことは論理的でなくなってしまうほどつらい 好きな人を失うということは重い、そう思う一冊でした。 作者の行動には一貫性がなく、ポジティブになったりネガティブになったりを繰り返します。しかし、作者が愚かだからではなく、パートナーを失うということは論理的な一貫性を失ってしまうくらいつらいことなんだと思いました。 信心のない著者が占いをやってみたり、スピリチュアルなアドバイス…

  • 魔法使いの約束(まほやく) 2周年、3周年、4周年イベスト感想

    まほやくの2、3、4周年イベストを一気に読んだので感想を書きました。 4周年を記念して2、3周年のイベストが解放されていたのと、ちょっと周回を頑張って4周年のイベストを解放したので読めました。 わかりやすいようにまとめて記事にします。 2周年 繋いだ絆は魔法のように トンチキとシリアスが交互にやってくるのでジェットコースターのようなイベストでした。心理的負荷が強かったです。 序盤では魔法使いたちが賢者を喜ばせるためにバラエティ番組に挑戦しますが、聞きかじりの知識しかないのでバラエティとしては成立しておらず、迷走するシーンは爆笑しました。オズが絶妙に素直なのもおかしいです。 突然怪獣大対戦が始ま…

  • 『サクリファイス』近藤史恵 新潮文庫 感想

    あらすじ・概要 ときに敵に順番を譲り、ときにチームメイトのために犠牲になる。独特な文化を持つ自転車競技に魅せられた主人公は、選手として戦っていた。しかし、彼はチームメイトにまつわる疑惑を知ってしまう。不安や疑念の中、事件が起こる。 独特な文化を持つ自転車競技での葛藤と犠牲 『サクリファイス』は英語で犠牲を意味します。そのタイトルの通り、様々なアプローチから犠牲というテーマを扱った小説でした。 謎解き要素はありますが、どちらかというと自転車競技を通した人間関係の方がメインです。ミステリというよりサスペンスでした。 自転車競技は、敵同士なのに順番を譲る、同じチームの選手を勝たせるために他の選手が犠…

  • 『日出処の天子』山岸涼子 白泉社文庫 感想

    あらすじ・概要 古くからの神道を信仰する人々と、大陸からもたらされた仏教を支持する人々が対立する古代日本。蘇我家の少年毛人(えみし)は不思議な王子、厩戸皇子と出会う。彼は超常的な能力を持ち、周囲の人を政治的に操っていた。一方で、彼には、「女性を愛せない」という、当時の家父長制社会では大きな欠点があった。 哀れで恐ろしい皇子の描写がつらくて怖い 面白かったです。男性が好きな皇子の悲恋という事前情報だけ見て読み始めたら、悲恋以上に家父長制の問題や、ジェンダーの問題、そしてそれでも許されない暴力的な愛情の浅ましさがありました。 主人公である厩戸皇子は、たまたま同性を好きになったといつより、最初から異…

  • 『はじめてのグラフィックレコーディング』久保田麻美 翔泳社 感想

    あらすじ・概要 会議や会話をリアルタイムでイラスト化し、理解の一助とするグラフィックレコーディング。簡単な絵で「わかる」イラストを描く方法や、表情や動きのつけ方、図形によって絵を描く方法を解説する。グラフィックレコーディングによって、便利になる部分とは。 シンプルな絵でわかるイラストを描く 絵を描きたいのですが、よくある神絵師の絵を描きたいわけではない……となって手に取ってみた本です。 絵で説明をすることに焦点を置き、「上手い」というより「わかる」絵を目指します。 装飾を廃し、シンプルな絵だけでどこまで状況を説明できるかというのはパズルのようで面白いです。 遠近法やデッサンを覚える必要はないの…

  • 『パウ・パトロール・ザ・ムービー』カル・ブランカ― 感想

    あらすじ・概要 子犬たちのパトロール隊、パウ・パトロール。災害や事故に関する救助活動を行っている。近隣のアドベンチャー・シティにライバール市長が就任し、勝手な思い付きで町をめちゃくちゃにしてしまう。パウ・パトロールたちは市長の起こした事故に対処する。 「こういう属性はいじっていい」という価値観がつらい フィクションにおける悪役の描きかたについて考えてしまう作品でしたね。 悪役であるライバール市長は、金髪碧眼のおじさん、政治家という設定。 その設定と描き方に「ああ……脚本家はこういう属性の人をばかにしていいと思っているんだな……」と思ってつらかったです。 確かに現実では金髪碧眼の政治家おじさんが…

  • 『古文書返却の旅―戦後史学史の一齣』網野善彦 中公新書 感想

    あらすじ・概要 日本史を研究していた著者は、各地方から借用した古文書が借りたまま返せていないことから、古文書返却の旅に出る。著者は各地を回り、不義理を謝罪しながら、学者の地元民への軽視を考える。日本史研究の負の側面を伝える新書。 研究者の後悔が面白い 一齣って何て読むんだろうと思ったら「ひとこま」でした。 学術的な話というよりエッセイですが、それだけに著者の後悔、やらなきゃよかったという感覚が伝わってきて、考えさせられました。 学者はどうしてもアカデミックな話を書かなければならないので、学者の個人的な後悔を知ることは少ないです。だからこそ面白かったです。 古文書返却をおろそかにしてきた理由には…

  • 『皇女アルスルと角の王』鈴森琴 創元推理文庫 感想

    あらすじ・概要 人より強い力を持つ生き物「人外」がはびこっている世界。父親を殺害したとして濡れ衣を着せられた皇女アルスルは、裁きの過程で人外リザシーブと出会う。予言の力を持つリザシーブは、アルスルに奇妙な予言をする。アルスルは、リザシーブと心を通わせ始める。 性と血の匂いがする大人向けファンタジー 性的な話題が多く、大人向けのファンタジーでした。面白かったです。 登場する人外たちもセクハラ発言が多いのですが、人外だからしょうがないな……とギリギリ許せます。人外だと許せてしまうのはどうしてでしょう。 主人公アルスルは「人間らしくない」キャラクターですが、だからこそ人外とコミュニケーションを取り、…

  • 『問題社員の正しい辞めさせ方』新田龍 リチェンジ 感想

    あらすじ・概要 パワハラ、サボり、セクハラなど、職場の困った人たち。しかし、その人たちを合法的に辞めさせようとするのは困難が多い。労働法の事例を紹介しつつ、あくまで遵法的に困った社員との付き合い方、辞めさせ方を模索する。 問題社員でも辞めさせられない日本の労働法 職場に困った人がいるので読んでみました。結論としてわかったことは、法律を遵守すると「困った人」ぐらいでやめさせるのは難しいということです。 懲戒免職は、明かな犯罪や加害行為でないと行われません。法律では微妙なパワハラやセクハラは、解雇の理由にするのが難しいのです。 著者は、「問題社員がいる」ということを認めながらも、あくまで合法的に対…

  • 『世界の終わりのオタクたち』羽流木はない ビームコミックス 感想

    あらすじ・概要 年下のオタクに執着しているオタクや、同人誌を薪にできないオタク。終末世界に暮らしているオタクは、作品について何を思うのか。ハードな状況の中で、なお創作を、コンテンツを愛するオタクたちの連作短編。 浅ましくも魅力的なオタクたちの連作短編 Twitterで流れてきた漫画、書籍化していたのかと気づいて読んでみました。書籍化してもちゃんと面白かったです。 印象的だったのは、女体化二次創作を好む女性の回です。好きなキャラクターが女体化するところを夢想しながら、「どうして原作で男性のキャラクターを女体化してしまうのか?」と疑問に思います。 周囲が彼女のことを否定するわけではなく、彼女自身が…

  • 『寺よ、変われ』高橋卓志 岩波新書 感想

    あらすじ・概要 「葬式仏教」と言われ、儀礼的な葬式や法事の運営に終始している日本仏教。著者はそんな仏教に不満を感じ、寺に人を呼んだり、ボランティア活動に参加したりして新しい仏教の形を模索する。仏教を支えていたイエ制度が崩壊する中で、今の仏教が人々にできることとは。 儀礼的な寺から開かれた寺へ 宗教関連の本を内部の人が出すとむやみやたらに褒めがちで、これは批判が面白そうだったので読んでみました。実際、興味深い内容でした。 「仏の心」といいつつ、僧侶自身が仏の道を体現できているのか? というのは現代仏教の大きな問題です。寺が世襲で運営され、檀家制度で権力に都合のいいシステムになってしまった寺は、本…

  • 『ファンが増えるインスタの教科書』金山拓夢 総合法令出版 感想

    あらすじ・概要 画像と動画が主体のSNS、Instagram。著者はそこでのプロモーションの仕方や自分のファンになってもらう方法を教える。Instagramでビジネスをやるこつ、面白いと思ってもらえるテクニックとは。 そんなに手軽に稼げてたまるかだけど、内容は面白い ブロガーとしては、「そんなに簡単に副業で稼げてたまるか!」という感じなんですが、オタクが思いつかなさそうなプロモーション方法が多くて面白かったです。 不安をあおるような広告のテクニックが、どういう意図でなされるのかがわかるので、反面教師として読むのもいいかもしれません。 著者は送られてきた相談に答えることを勧めます。 Twitte…

  • 『母親に捨てられて残された子どもの話』菊屋きく子 KADOKAWA 感想

    あらすじ・概要 主人公の家には母親がおらず、父と祖母と暮らしていた。家庭に興味のない父と、暴言を吐きながら主人公を育てる祖母。主人公は孤独にさいなまれる子ども時代を送る。父の再婚相手がやってきて、祖母が施設に行くことになってから、主人公も自立を決意する。 子どもには何の意味もなく幸せになってほしい 著者の経験がベースになっているようですが、主人公と著者の名前が違うので、ある程度の脚色を前提に描かれた作品でしょう。 不倫によって母親が出て行き、祖母に育てられた女の子。父親は家庭に関心を持たず、祖母はいやいや少女を育てているので意地悪です。身近な大人がまともに愛してくれない家庭で、主人公は孤独に育…

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