chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
かずら
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2016/10/28

arrow_drop_down
  • 美学の視点から見る視覚障害の人の世界のとらえ方―伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』

    あらすじ・概要 生物学の道を諦め、美学を志した著者は、障害を持つ人、特に視覚障害を持つ人の世界の認識に興味を抱く。「見える」ことが前提の社会で、「見えない」人たちはどのようにして周りの状況をとらえているのか。 「違いを面白がる」という可能性 私の知識が福祉寄りのため、著者の意見に賛成できない部分もあります。例えば失明をきっかけに引きこもりになってしまう人も多いため、著者の研究に協力できる視覚障害者は、精神的に元気な人が多いでしょう。障害を負うことはつらいことなので、精神的に元気な人に合わせすぎるのもどうかと思いますし。 ただ、違いを面白がることで、「助ける・助けられる」という関係を打ち破ること…

  • ジャック・オ・蘭たんの「ツイステッドワンダーランド」実況を見たメモ

    「ツイステの内容は気になるんだけどゲームをやっている時間がないんだよな……」と言うと、友人にジャック・オ・蘭たんさんの実況動画を勧められました。 それを見た感想と記録です。 まず『ツイステッドワンダーランド』というゲームがどういうものか説明します。 『ツイステッドワンダーランド』に登場するのはディズニー映画の「悪役(ヴィラン)」からインスパイアされた男性キャラクターたちです。男体化や擬人化のように見えるけれども厳密にはそうではないらしいです。 キャラクターはヴィランに限らず、ヴィランの周りのキャラクターや、作品における重要なアイテムが元ネタの場合もあります。アラジンの王様がモチーフのカリムや、…

  • 平凡な召使いが魔法使いの教育を受けて王様になる―『王様の剣』

    あらすじ・概要 ワートことアーサーは、養い親の息子の召使いとして暮らしていた。ある日ワートはマーリンという魔法使いと出会う。未来を見たことがあるというマーリンは、ワートに現代的な学問を教え、暴力ではなく知恵で困難を乗り切る方法を教えようとする。ワートは戸惑いながらもマーリンに学ぶが……。 価値観古いけどだらだら見る分にはいい すごく面白いわけではないですが、だらだら見る分にはいいかなという映画です。 脚本は正直ガバガバで、起承転結がちゃんとしていないし、肝心のワートが剣を引き抜くくだりも唐突で今までのストーリーとあまり関係がありません。 いわゆる「おばさん」属性に対する態度もひどいです。かわい…

  • 鬼の歴史と女性やマイノリティと鬼との関係―小山聡子『鬼と日本人の歴史』

    あらすじ・概要 日本人に怖れられ、またユーモラスに描かれてきた「鬼」。その存在はどうやって確立し、文化の中でどう扱われてきたのか。中国から入ってきた鬼の概念から、節分の成立、鬼とマイノリティの関係など、鬼と日本人の歴史について語る本。 女性に押し付けられた「鬼」の概念 若者向け新書レーベルでありながら、鬼と差別の関係について突っ込んだ話をしていて好感を持ちました。そのあたりをあやふやにして書く学者も多いですからね。 怪異や妖怪、人ならざるものの表現は、その当時マイノリティだったり、抑圧されていたりする属性と深く結びついています。 障害を持つ子どもが鬼子とされ、凶兆として恐れられ、親に捨てられる…

  • 倫理のない世界で妄執的な作画の良さが光る―『ふしぎの国のアリス』

    あらすじ・概要 少女、アリスはある日時計を持って走る白うさぎを目撃し、その後を追う。穴に落ちてたどり着いた先は、おかしな動物や人間だらけの世界だった。体が大きくなったり小さくなったりし、マッドハッターのお茶会に参加し、たどり着いた場所はハートの女王の城。アリスは女王とクロケーをするが……。 徹底したナンセンスさの中に作画のすごさを感じる 元々の原作に倫理がないのもあるでしょうが、今のディズニーでは考えられないほど倫理のないシーンが多くて驚いてしまいました。 セイウチが牡蠣を騙し討ちして食べてしまったり、ドードーがアリスのいる家を焼こうとしたり、歌の中身もだいぶどうかしていました。 動物がキャラ…

  • 死にかけの女性にガチ恋する主人公が世界を救う―橘公司『王様のプロポーズ 極彩の魔女』

    あらすじ・概要 瀕死状態の女性に一目惚れした少年、無色。無色はその最強の魔術師女性彩禍と融合してしまった。彩禍を守るため、魔術師の学校に入学することを受け入れた無色は、最強の能力に戸惑いながらも彩禍として生活する。 リアリティはないが作品の中では辻褄が合っている 超絶美女とはいえ、死にかけの女性にガチ恋する主人公無色がヤバい男すぎて笑いました。 恋愛としてのリアリティはないんですが、無色が彩禍にガチ恋することによっていろいろな展開に説明がつくようになっています。 彩禍を殺しかけた犯人を探します→彩禍のことを好きだから協力します。 世界の命運をかけて戦います→彩禍のことが好きだから彼女の守る世界…

  • 嘘つきな偽霊感少女が幽霊と一緒に除霊―『さびしがりゴースト』

    novelgame.jp あらすじ・概要 主人公、うららはクラスメイトに霊感があるふりをし、周りの気を引いていた。そんな折、うららは幽霊の恋(こい)に出会う。恋に除霊を手伝わせることで、うららは本物の霊感少女のように振る舞う。しかしうららの前に本物の霊能力者が現れて……。 癖のあるエンディングがよかった ほぼ一本道のノベルゲームで、最後だけ選択肢で分岐します。プレイする小説といったところ。 ホラーな描写はほとんどありませんが、一瞬だけ怖いシーンがあります。 主人公、うららが承認欲求に飢えており、なおかつ調子よく恋を利用するところに笑ってしまいました。でも青少年ってこんなものだよな、とも思います…

  • 図書委員男子ふたりの謎解きと繊細な友情―米澤穂信『本と鍵の季節』

    あらすじ・概要 「僕」こと堀川と松倉は、図書委員の高校生。堀川は、松倉と一緒に学校や町で起こる小さな謎を解いていくこととなる。開かずの金庫の鍵を開け、自殺した学生が読んでいた本を探すなどするうちに、堀川は松倉の態度に違和感を持つ。やがて松倉の抱えている謎を知ったとき、堀川は……。

  • 結城紬について知るPR漫画―細川貂々『てんてんと歩くキモノみち 紬からはじめました』

    あらすじ・概要 着物にあこがれながらも、その難しさに挫折していた著者。そんな中、結城紬の関係者に漫画の依頼を受ける。結城紬の肯定や特徴について学び、ついには結城紬を着ることに。結城紬に関わる人たちの悩み、そして結城紬を後世に伝えようとする活動とは……。 文化財になることのデメリット 著者が結城紬関係者から依頼を受けて執筆した、いわばPR漫画のようなものなのですが、それでも結構知らないことが多くて面白かったです。 ただタイトルで「結城紬」の漫画であることがわからないので、そこはタイトル詐欺ですね。 面白かったのは結城紬が文化財に指定されることによって、結城紬の価格が高騰してしまい、「贅沢品」とし…

  • 自死遺族の苦しみとこれからできる支援―杉山春『自死は、向き合える 遺族を支える、社会で紡ぐ』

    、 あらすじ・概要 生きる苦しみによって自ら命を断ってしまう人がいる。自死の悲しみは、当事者だけではなく家族も襲う。自死遺族たちが受けた差別や社会への疎外感、また対策について述べる。自死する人を減らし、自死遺族たちを支援するために、社会は何ができるのだろうか。 自死遺族たちが受けた差別がつらい かなり重たい内容の本で、得に自死遺族たちが受けた差別やいわれのない噂については心が詰まりました。 「家族が自死に追い込んだのではないか」と疑われたり、自死について語ろうとしたときに相手にかたくなに拒否されたり、読むだけで悲しい気持ちになりました。 本の中で繰り返し語られているのは自死遺族同士のコミュニケ…

  • 発達障害の夫が壊れかけた家族を再構築する―遠藤光太『僕は死なない子育てをする 発達障害と家族の物語』

    あらすじ・概要 大学を出てすぐに若くして結婚し、子どもをもうけた著者。しかし強いうつ症状に襲われ、復帰と休職を繰り返してしまう。家族がばらばらになりそうな中、著者は自分が発達障害であることを知った。発達障害の特性を考えながら、家族を再構築していく作業が始まった。 発達障害者も家族と一緒にいられるという救い 社会人として、労働者として世の中に適応することができずに、うつで家で療養せざるをえなかった著者。「男は外に出て家族を養わなければならない」「既婚の男がアルバイトをしているなんて恥ずかしいことだ」と自分自身のテンプレートな男性観にも悩まされます。 ある程度社会に適応することができていた時期もあ…

  • 食品アレルギーの子どもを育てる上での悲喜こもごも―カラスヤサトシ『0歳からのアレルギー戦記~牛乳・卵・小麦がダメ!』

    あらすじ・概要 結婚して子どもをもうけた著者。しかしその子どもには食品アレルギーがあった。アレルゲンを含む食品を避けたり、気軽に他人と食事できなかったり、アレルギーの子どもと暮らすことは大変なことも多く……。 食品アレルギーの子どもと暮らす人ならではのストーリー 興味深かったのは子どもがアレルギーと診断されて複数の医療機関を受信した著者の妻が、そこで一切統一されていない助言を受けたシーンでした。 ステロイドはどんどん使うべき、あるいは使うべきではない。そしてアレルゲンとなる食品は少しずつ食べさせるべきである、あるいは一切食べさせてはいけない。 このような医療機関の意見が一致しないところを見ると…

  • 介護殺人の恐ろしさと、防ぐために世の中は何ができるか―毎日新聞大阪社会部取材班『介護殺人 追い詰められた家族の告白』

    あらすじ・概要 社会問題になっている介護のこと、そして思いつめた結果介護していた相手を殺害してしまう人がいる。毎日新聞大阪社会部取材班は、介護殺人をしてしまった人々に取材を申し込んだ。重たい口を開いた彼らが語るのは、壮絶な介護の実態だった。加害者の立場から介護殺人防止を考える本。 加害者はもちろん自分が介護した相手のことについて話したくないので、何度も取材を申し込む取材班に対して冷たい反応をする人も少なくありません。それでも勇気を出して介護殺人について語ってくれた人たちがいてくれてよかったと思います。 印象的だったのは、介護殺人をしてしまった人の多くは、真面目に介護を行い介護する相手を深く愛し…

  • 大阪環状線に謎のおばけが現れるオカルトSF―白井弓子『大阪環状結都市』

    あらすじ・概要 大阪で警察官として働いていた森かなたは、大阪環状線を監視し守るOシステムで「何か」を見てしまう。その「何か」は「みぎわもん」と呼ばれる大阪に現れる超常のものだった。かなたはみぎわもんをめぐる戦いに巻き込まれていくが、それにはかなたの行方不明になった妹、しおりも関係しているようで……。 大阪ネタがニッチなローカルオカルトSF 大阪ローカルSFということで一度読んでみたかったんですが、思った以上に大阪要素が濃いです。マチカネワニ(大阪大学敷地内で見つかったワニの化石)とか、鶴橋駅で「ヨーデル食べ放題」のチャイムが流れるとか、某アイドルがやっているひらパー兄さんとか、ちょっと笑ってし…

  • トンチキとリアルが交差する京都ファンタジー―森見登見彦『夜は短し歩けよ乙女』

    あらすじ・概要 とある乙女に一目ぼれした「私」。「私」は乙女の視界に入ろうと彼女を追いかける。一方乙女も、夜を歩くうちに京都で起こる不思議なできごとに巻き込まれ、その中で大活躍する。 小説でないと生まれえないシーンがある 基本的にリアリティのないトンチキファンタジーなのですが、ところどころに京都での大学生生活の丁寧な描写があり、幻想と現実を行き来する話でした。 あり得ない展開を何度も重ねながら、古本市に並んでいる本のタイトルの「らしさ」だったり、大学の学園祭の「ありそう」な展示だったり、ふとしたときに現実と繋がる感覚を持ってしまいます。そういう瞬間はどきっとしました。 絶対に現実に起こりえない…

  • 科学者だって間違うしその場の雰囲気に流される―藤野豊『強制不妊と優生保護法 "公益"に奪われたいのち』

    あらすじ・概要 障害者やハンセン病の人々に不妊手術を施した悪法、優生保護法。その法律はどのように作られ、どのような歴史をたどったのか。優生保護法の現在までを振り返りながら、優生主義の恐ろしさ、愚かさを伝える本。 科学者だって過ちを犯す 薄い本ですが、なかなかつらい内容の本でした。 歴史に残る悪法である優生保護法の成立から、その運用の歴史が書かれています。 優生保護法の影響を受けたのは、知的・精神障害の人、ハンセン病の人、水俣病の人など多岐に渡ります。特に水俣病と優生保護法に関係があるとは知らなかったので、その部分は興味深く読みました。公害でひどい目に遭った上に子どもを生むことにまで干渉されるの…

  • コンビニ夜勤をする吸血鬼が女子高生の問題を解決―和ヶ原聡司『ドラキュラやきん!』

    あらすじ・概要 吸血鬼の虎木は、コンビニ夜勤をしながら人間世界で生活していた。そんな虎木の家にシスターが転がり込んでくる。彼女、アイリスは人ではない存在「ファントム」を狩る存在だった。そんな中、コンビニ店長の娘が怪しげなライブハウスに通っていることが判明し……。 現代に生きる吸血鬼が事件解決 コメディかと思ったらどちらかというと事件ものでした。 虎木が家に転がり込んできたヒロイン、アイリスと共に怪しげなライブハウスにのめり込む女子高生を助けます。 ヒロインのアイリスが年下の女の子には優しく、お姉さんの立場で接するのがよかったです。ちゃんと自分は助ける側であるという自覚のある女性っていいなと思い…

  • 子育てをテーマにしたコミックエッセイおすすめ27選

    ChatGTPに提案されたまとめ記事を書いてみようシリーズ、今回は子育てをテーマにしたコミックエッセイおすすめまとめです。 私が福祉や障害のある子どもの生活に興味があるので、そういうコミックエッセイが多くなっています。 職場復帰後奔走する女性と、働く母親への差別『いけいけどんどん!ワーママ奮闘記』 小六にして中学受験をしたいと言い出した息子を応援する夫婦―細川貂々『なぜか突然、中学受験』 ダウン症の子育てを明るいコメディタッチで描く『ユンタのゆっくり成長期 ダウン症児を育てています』 親のもやもやがわかっていたたまれなくなってきた『ママぽよ アンとリュウ 就職できるかな?』 だめだけど自分に酔…

  • 政治学者が学問的正論が通用しない「PTA」の世界で気づいたこと―岡田憲治『政治学者、PTA会長になる』

    あらすじ・概要 政治学者・岡田憲治は他人からの強い推薦によってPTA会長になるが、そこは非効率、非論理的な活動に満ち溢れていた。会長としてPTAのスリム化を目指すが、そんな著者に反発する人も多く……。保護者による「自治」の中で、人間同士の政治を考える実録エッセイ。 正論だけでは回らない実際の日常の政治 政治学者である著者がPTA改革に挑戦する話ですが、単純な「賢い俺と無知蒙昧な人々」という構図ではなく、ややこしい人と人が共存する難しさが描かれています。 著者の提案に対して「やったことがない」「今までしてきたことを簡単に変えていいのか」と反発する人々。その姿は愚かに見えますが、読み進めるうちに単…

  • 「政治をやる障害者」が語る戦略的にマイノリティ向け制度を作る方法―伊藤芳浩『マイノリティ・マーケティング――少数者が社会を変える』

    あらすじ・概要 聴覚障害者として、NPO「インフォメーションギャップバスター」で活動してきた著者。この団体は聴覚障害者向けの電話リレーサービスや東京オリンピック開閉会式におけるテレビ放送の手話通訳の導入を実現させてきた。300人に1人の聴覚障害者が、自分たちのための政策を実現していくための方法とは……。

  • 職場復帰後奔走する女性と、働く母親への差別―あい『いけいけどんどん!ワーママ奮闘記』

    あらすじ・概要 育児休暇の後、会社に復帰することになった著者、子どもと長く過ごせなくなることを悲しく思いながらも、好きなデザインの仕事を必死で頑張る。ときに夫といさかいながらも、何とか仕事を続ける一方、職場からは収入の当てにしていた手当をなくされてしまい……。 働く女性への差別ってこういうものなんだなあ 表紙から子どもによってドタバタしているだけのコミックエッセイかと思ったら、働く女性の今現在の状況について考えさせられる内容でした。 育児休暇から復帰し、ときに夫ともめたり、子どもと長く過ごせないことにネガティブになったりしつつも、何とか「ワーママ」として滑り出したように見えました。 しかし会社…

  • サロメ嬢のダンガンロンパ実況を完走したメモ

    元々はあまりゲーム実況を見なかったのですが、最近は心境の変化があって見るようになりました。 ゲーム実況はおそらく自分ではクリアできない、あるいは自分からやらないような作品のものしか見ません。自分でやるならなるべくネタバレなしでやりたいからです。 サロメ嬢が、「おそらく自分ではやらないだろうなあ」と思っていたゲーム、ダンガンロンパを実況していたので視聴しました。 www.youtube.com サロメ嬢のことを知らない人たちにざっくり説明すると、サロメ嬢はにじさんじのバーチャルYouTuberであり、ゲーム実況を主なコンテンツとしています。 そしてダンガンロンパは「超高校級の〇〇」と呼ばれる学生…

  • 小六にして中学受験をしたいと言い出した息子を応援する夫婦―細川貂々『なぜか突然、中学受験』

    あらすじ・概要 漫画家・イラストレーターの細川貂々と専業主夫のツレの間に生まれた息子、ちーと君。小学6年生になった彼は突然中学受験をしたいと言い出す。戸惑いながらも、夫妻は息子の受験勉強を応援するために奔走する。 本人がやりたいことをどう応援するか お受験の話というと、「子どもにいい学校に行かせたい」と意気込む保護者のに気おされて、ちょっと距離を置いていたんですが、この本は楽しく読めました。 まず親がいい学校に行かせたいからではなく、子どもが「中学受験をしたい」と言い出したところから始まります。当時は小学6年生の一学期が終わったころ、細川貂々夫妻は中学受験について全く準備をしておらず、息子のそ…

  • もっと童話要素の強いまま突っ走ってくれればよかったのに―三方行成『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』

    あらすじ・概要 遠い未来、人間が人格をデジタル世界にコピーしたり複製したりが可能になった。「トランスヒューマン」と呼ばれるようになった人類は電脳世界と現実世界の両方で新しい人生を謳歌する。そんな中に、姫君や翁がいて……SF世界で童話パロディをする連作短編集。

  • 古代日本の世界で少数民族の少女と大王の血を引く男が出会う―円堂豆子『雲神様の箱』

    あらすじ・概要 双子の姉の罪をかぶって土雲の一族を追い出され、雄日子という男に仕えることになったセイレン。セイレンは固定観念に囚われない雄日子の人格に惹かれていく。一方で、大王の政治に不満を持った人々によって、政治の世界は不穏さを増していた。

  • 清少納言から中宮定子への熱烈な主従愛―冲方丁『はなとゆめ』

    あらすじ・概要 宮中に出仕することになった清少納言は、そこで中宮定子の聡明さ、優雅さに惹かれる。中宮定子や貴人たちとの交流に、頭のいい清少納言は機転を利かせて雅に答え、それを評価される。しかし次第に、藤原道長の権力が、中宮定子にまつわる人々を脅かし始める。 思い出が今を肯定してくれる 恋かと思うくらいに熱烈に中宮定子を愛する清少納言、しかし彼女にも夫がいるし定子は一条帝の正妻です。 もうここまで来ると男女CPを前提にした百合という気がしてきます。 実際、清少納言は「中宮の心を独占してみたい」という思考に近いところに至ります。異性愛の規範にどっぷりつかりながらも、定子という女性に焦がれあこがれ、…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、かずらさんをフォローしませんか?

ハンドル名
かずらさん
ブログタイトル
ブックワームのひとりごと
フォロー
ブックワームのひとりごと

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用