美学の視点から見る視覚障害の人の世界のとらえ方―伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
あらすじ・概要 生物学の道を諦め、美学を志した著者は、障害を持つ人、特に視覚障害を持つ人の世界の認識に興味を抱く。「見える」ことが前提の社会で、「見えない」人たちはどのようにして周りの状況をとらえているのか。 「違いを面白がる」という可能性 私の知識が福祉寄りのため、著者の意見に賛成できない部分もあります。例えば失明をきっかけに引きこもりになってしまう人も多いため、著者の研究に協力できる視覚障害者は、精神的に元気な人が多いでしょう。障害を負うことはつらいことなので、精神的に元気な人に合わせすぎるのもどうかと思いますし。 ただ、違いを面白がることで、「助ける・助けられる」という関係を打ち破ること…
2023/04/30 08:18